真・恋姫無双 〜異聞録 ギャグ編〜 其の捌
[全7ページ]
-1ページ-

 

 

 

真・恋姫無双 二次創作短編小説 〜異聞録〜 其の捌

 

『 受け継がれる間違った食文化に王は叫ぶ 』

 

 

 

 

 

 

 

-2ページ-

 

 初夏を迎え、此れからどんどんと本格的な夏を迎えようと思わせる日差しの中。

 それでも天の国と違って、アスファルトで覆われた地面もなく、ヒートアイランド現象を引き起こす事のないこの国の暑さは、都会暮らしの俺にとっては暑いものの我慢できない暑さではない。

 ましてや城の深部にある石畳が敷かれた長い回廊は、外の木々の香りを含んだ心地よい風が吹いてくるので、食後の休憩には持って来いのお気に入りの場所。

 人通りも殆どなく兵士の巡視ルートからも外れているので、色々な思い出をくれく事もあり、そう言う意味でもお気に入りの場所だったりする。

 そんな回廊に据え置かれた長椅子の上に寝転がりながら、爽やかな風を受けて地良いとさえ言える暑さを堪能していると。

 

どすっどすっどすっ

 

 信じられない程軽いはずなのに、その足音を重そうに響かせている音を聞き。

 ………なんか華琳、今日は一段と機嫌が悪そうだな。何かあったのかな?

 足音だけで、その足音の人物とその機嫌が分かるようになったのは、我ながら信じられない進歩だが、事が此方の命に係わる事なので、進歩もすると言うもの。

 もっとも皆に言わせれば、そんな碌でもない能力より、もっと磨くべき所があるはずと、口を揃えて言われるのだが命にかかわる事以上に磨くべき事と言うべきモノも早々に思いつかない。

 そんな俺に、同じく午後の暑さから逃れてきていた稟と風が、手にしていた書簡から視線を外し

 

「一刀殿、起きなくてもいいんですか?」

「いや、俺とは限らないし。 ヘマをやらかした覚えもないから」

「おうおう、アソコまで感情を表す相手が、お前以外の誰がいるっていうんだよ」

「と宝ャも言っていますし。風もお兄さんはもっと、相手の心情を察するべきだと思うのですよ」

「あのな、幾らなんでもそれは「一刀は何処っ!?」……って俺っ!?」

 

 問答無用に決めつけてくる稟と風に反論していると、華琳の声が響いて此処にまで届いてくる。

 その事実に驚く俺とは反対に、溜息を吐きながら小さく首を振る二人は、そっと座る位置を俺から遠くずらし始める。

 それを余所目に必死に思考を巡らす。

 とりあえず、声に含まれた怒りの度合いからして、逃げるほどでは無いと分析し、華琳を怒らせた事になった原因を探る。

 

 街の警備の仕事に関しては順調だし、この間お褒めの言葉をもらうなどと言う。何というか慣れない事があったばかりだ。 警備関連だと凪は犯人を追うのに夢中で街を壊すと言う事は最近あまりないし。真桜と沙和も仕事はサボってはいるものの、何とか許容範囲と言える。 まぁサボっている現場を華琳に見つかったと言うのならば話は別だが、その監督責任を俺に追及するならアソコまで怒りを露わにする事はない。

 こう冷たく『 部下の怠業を御する事の出来ない無能な上役を、あなたは必要と感じるかしら? もし感じるのなら、私を納得させるだけの説明をしてほしいわ』と、冷や汗を垂らす俺を面白げに眺めると言う。遠まわしに突っついてくるはず。

 

 天の国の知識を生かした政策に関しては、もともと半端な知識の上、この世界の現状に合わせないといけない為さまざまな問題も発生してしまうが、これは俺の責任とは言い切れないモノだし、こうして稟と風の話を聞きながら、俺なりに頭を振り絞って対応している。

 他にあり得るとしたら、政務に付き合えと言う命令を忘れたと言う可能性もあるが、幸いな事にそんな約束は、幾ら記憶を掘り起こしても見つからない。

 

 ならば私事か? となると、この間のデートの最後に森の中で、つい足腰立たなくなるまで華琳を攻めてしまった事か? でもあの後散々蹴られたし何時までも根に持つような華琳じゃない。 それに街を囲む城壁に戻るまで、背中に大人しく背負わせてくれたからその件はまず無い。

 なら何時かの様なヤキモチ? でも、その件に関しては、皆それなりに華琳に気を配るようになったしな。

 現に今も身体が鈍っていないか風が調べてあげますと言って、俺の腹の上に腰掛けて腹筋具合を確かめて遊んでいた彼女も、華琳の足音が聞こえるなり俺から降りて稟の横に座っている。

 そんな風に頭をひねっていると、やがて侍女か兵にでも教えられたのか、華琳が此方にまっすぐ歩んでくる姿が目に移る。

 

 

 

-3ページ-

 

「私に足を運ばせるだなんて、貴方も偉くなったものね」

「ぇ……えーと、そう言うつもりは」

「己が主が自分を探しているのならば、たとえ千里離れていようと、それを機敏に察して疾くと馳せ参じなさい」

 

 そして、まず第一声に無茶難題な主従関係を要求する華琳。

 幾ら例え話だとしても、その例え話のレベルが高すぎませんか?

 

「で一刀、私の用件は、むろん分かっているわよね」

「……」

 

 むろん分かりません。

 と言うか、これだけで何を察しろと言うんですか貴女は?

 とは流石に言えず、救いを求めるように稟と風を横目に見るが、……目を逸らされてしまった。

 よくよく周囲を見渡せば、回廊の奥の建物の入り口の影に、見覚えのある猫耳フードの下に邪悪な笑みを浮かべた顔を発見。

 くっ、桂花の差し金か。 またある事ない事を華琳に面白可笑しく吹き込んだな。

 先日、華琳と一緒になって、桂花をイキッぱなしになるまで攻めたてたのを根に持ってるな。 大体あの時は桂花も途中からノリノリだったのだが、それがあのお高いプライドに触れたんだろうなぁと思いつつ。 流石に桂花から直接仕掛けられるならともかく、華琳を巻き込んでと言うのは気に喰わない。 此処は男の意地に掛けても切りぬけてみせる。

 

「まぁいいわ。 貴方に其処まで期待した私が愚かだったわね。

 三か月程前に天の国の料理で命じた事、覚えているかしら?」

「ああ、天の国の料理を出すお店を出して、食文化の発展や市場の成長を促す一端にしようと言う奴だろ」

「ええ、そうよ」

 

 華琳の言葉に、俺はその事を思い出す。

 流琉と知り合いの料理人と協力して、この世界で手に入れる事の出来る材料を元に再現した俺の天の国の料理。 物珍しさや新鮮な味わいに、鍋や御汁粉など様々な料理が人気を呼び、それなりに繁盛している。

 華琳からしたら満足いく出来ではなくても其処は其処。これから色々成長していくはずだし、此処であまり厳しい事を言っては、味や材料が世間に広がるより先に、市場の成長を促せなくなってしまうと納得させる事ができた。 何より俺のような一般の味覚からしたら、十二分に美味しいのは事実だ。

 

 そう言えば一月もしないうちに、華琳の指示で更に甘味処の御店を出す事になったんだった。

 本人は否定しているが、甘い物の好きな華琳にとっては、こっちの方が主目的ではないかと邪推してしまったりする。

 一応、そっちも開店したばかりだが、季衣に太鼓判を押されたチビ、デブ、オッサンの三人が中心になって、御店を繁盛させている。

 御汁粉のほかに、ぜんざいやクレープ、はてはケーキまで再現してくれた時には、流石の俺も驚いた。

 先日流琉と協力して何とか再現できたアイスだが、これは再利用可能とは言え、硝石など高価な薬品も使うため御店に使うのは断念したが、試食した華琳が私財投じて真桜に作らせた乳氷菓子製造器と硝石再生機のおかげで、比較的安価に民に供給する事が出来るようになったおかげで、季節がら今一番の売り上げをほこっている。 ちなみに同じ機械が城に在ったりするが。華琳曰く、

 

『城に来た客人を変わったお菓子でもてなすのは、王として当然の事でしょ。

 それに、せっかく真桜に作らせたんですもの。使ってあげねば、真桜の苦労が報われないでしょ』

 

 だが。絶対に自分が食べたい時に食べれるようにだと思っていたりする。

 と、色々あったりはするが、目的通り食文化に貢献したり、今まで流通しなかった食材が流通するようになったりと、幾つかの産業を生み出そうとする流れが出てきているのは確か。

 少なくても怒られるような事ではないと思うんだが。

 

「悪い華琳。 降参するから教えてくれ」

「そう、自覚は無いのね。 なら教えてあげるは」

 

 素直に諸手をあげて降参する俺に、華琳は静かそう言ったあとゆっくり息を吸い込んで。

 ああ、来るなぁ。と華琳の様子に心の中で身構えると。

 

 

 

-4ページ-

 

「何なのよ。あの店はっ!

 暑かったから桂花の進言もあって、視察の帰りに甘いものでもと立ち寄って見たら、あんなものを出しているだなんて聞いてないわよっ!」

 

 こう無駄に覇気を浴びせる華琳に、内心冷や冷やしながら、華琳の怒り所の原因を探り出す。

 

「えーと、もしかして甘味処の方?」

「ええ、そうよっ。

 もう一つの店の方も甘いものは出すけど。 そっちは種類は少ないし、こっちの方の店には顔を出した事が無かったから出してみたのよ。 そしたらあんな事になっているだなんて。

 一刀、天の国の料理の事だから貴方に全て任せたのだけど、私の顔に泥を塗るつもり?」

 

 華琳の、言葉に何となく察しはついた。

 今は昼過ぎで華琳が街に居る頃は、ちょうどお昼時のはず。

 

「そう言うつもりはないけど。 一応流行っていただろ?」

「ええ、そうね。 客が店の外にまで並んでいたわ。 私の顔を見るなり、席を譲ろうとする者も居たけど、政務でならばともかく、私事でそのようなみっともない真似は出来ないから、きちんと並んで席が空くのを待ったわ」

「流石華琳だな。 そう言う所は本気で尊敬できる」

「まるで他に尊敬できるところが無いような言い方ね」

「上げ足を取るなよ。 数え切れない華琳の魅力の一つだって言っているだけだって」

「まあ、いいわ。 それで採譜の中に私の知らない料理が幾つも在ったわ」

 

 ああ、やっぱりな。

 

「ねぇ一刀。 視察で疲れた私が、暑い日差しの中を待ってまで入ったお店で、あんなものを食べさせられた私の怒りが貴方には分かるかしら」

「……アレを食べたんだ。

 聞くまでもないけど一応感想を聞かせてくれ。 そもそもそれを言い来たんだろ?」

 

 俺は、天を仰ぐ様に空を一度見てから華琳の言葉を待つ。

 正直聞きたくはないが、聞かないと話は始まりそうもないからな。

 

「不味いに決まっているでしょっ!

 あんなものを客に出すなんて、いいえ!あんなものを料理だなんて言う事自体、料理に対する冒涜よっ!」

「ああ、それに関しては俺も同感だと思っている」

「あ、貴方ねっ!」

 

 華琳の言いたい事は分かるので、華琳の言葉にあっさり同意する俺に、華琳は歯ぎしりを鳴らせながら、いっそう激しく、俺を攻め立てる。

 もうぼろ糞に言われる俺の姿を、回廊の向こうでほくそ笑んでいる桂花の顔が見えるが、こればかりは仕方ない。

 華琳が怒り心頭な原因。 それは甘味処『 山 』が出す料理が原因。

 そう料理。 甘い御菓子ではなく、かなり変わった料理が華琳を此処まで怒り心頭にさせている。

 こと御菓子に関しては、物珍しさもあって【阿蘇阿蘇】にも乗るほど多くの女性客に人気なのだが、料理の方は別の意味で、男性客にも人気を呼んでいる。

 

 その料理とは、甘い料理。

 世の中には、いろんな料理がある。

 その中でも甘い料理は世界各地にあり【蜂蜜とココナッツバターで似たカレー】とか【シロップを染み込ませたピラフ】とか【羅漢果のスープ】や【ドーナツをシロップに付け込んだもの】とか。日本人の俺からしたら信じられないような甘い料理が世界各地に在ったりする。

 それ等の料理は暑い地方の人間が熱疲労を回復する為のモノや、宗教上の理由で酒が禁じられている国とか、理由は様々なんだけど、甘味処『 山 』で出している甘い料理と言うのは、そう言うモノとは全くの別物で、言わばゲテモノ料理に分類されるものだ。

 一例をあげれば【甜瓜焼麺】【甘蕉老麺】【御汁粉煮麺】と名前だけでは分からないかもしれないが、どれも強烈な料理で、華琳の言うとおり料理とさえ言えない料理だ。 例えば【甜瓜焼麺】などは、甜瓜を麺に練り込むだけではなく、その麺を下ゆでした後、名前通り甜瓜と共に鍋で炒めるだけでは飽き足らずに、温かい甘乳泡を、これでもかと言うくらいトッピングしてある。

 美味しい食べ物を好み。 甘い御菓子をこよなく愛する華琳が、そんなものを知らずに食べさせられたのならば、そりゃあ怒って当然だ。

 

 

 

-5ページ-

 

「あの店は今日限りで取り潰し。 い・い・わ・ねっ」

「ちょっ!」

「何よ。 私の決定に文句があると言うの」

 

 あるに決まっている。

 そりゃあ幾ら、今まで華琳の横暴さで潰れた店や屋台が数えきれないお店があると言っても、今回は意味が違う。

 あれらは、料理人の腕やプライドを叩き潰されて、そうなってしまっただけ。店側もある程度理不尽さを納得している。

 でも今回は違う。 料理が不味いのは最初からチビとデブとおっさんも分かっていて出しているんだ。

 ならこれは完全な上からの圧力。 幾ら華琳でも、そんな真似はしてほしくない。

 華琳には、もっと正々堂々としてほしい。

 だから。

 

「ある」

「なっ………。そう、私に楯突くと言うの」

「別に楯突く訳じゃない。 ただ、明確な理由もないのに上からの圧力でお店を潰す。 それが華琳の言う王道なのかって聞いてるんだ」

「あんな料理とも呼べない料理を出すと言う以外の理由いると言うの」

「ああ」

「そう。 でもあの店は、大切な政策の一環として出しているものよ。

 その事を知っているものは知っているわ。それをあんな不味い料理で穢されるのは、私の名前を穢しているも同義なのよ」

 

 華琳の言いたい事は分かる。

 それが後付けした理由と言うのもね。

 別に其処とは悪いとは思はない。

 

「それはどちらかと言うと最初の店だろ。 あの店はあくまで民の娯楽のため。そう言ったのは華琳自身じゃないか。 それに、あの料理の事を知らなかった華琳には悪かったと思うけど、街中の人間には知れ渡っているから、あそこの店で料理を頼むのは、皆承知の上での事だよ。 一種の娯楽としてね。 なら目的は十二分に果たしているし、華琳の名を穢す事にはならないよ」

「くだらない理由を付ける事に関しては、相変わらず頭が回るわね。

 でも、あんな料理を出す店が、物珍しさだけで何時までもやっていけるとは思えないわ」

「主役の甘い御菓子は普通に美味しんだ。 なら問題ないよ」

 

 俺の言葉に、華琳は鼻を鳴らし。

 

「一刀。天の国の菓子を出す店は、まだアソコだけだから何とかなっているわ。

 でも同じようなお菓子を出す店がこれから出てくるのよ。 はたしてその時、あの御店が生き残れると思うの」

「それはあの三人しだいだよ。 それにあの三人が頑張り続けるんなら、きっと生き残れると俺は思ってるかな」

「ふ〜ん。随分と自信ありげね」

「あるから、やらせたんだ。当然だろ」

「そう、其処まで言うなら、お店の件は取り消してあげてもいいわ。 でも半年後、いいえ三か月後にも同じことが言えるかしら」

 

 華琳は不敵な笑みを浮かべるなり、その時になっても言い訳は聞かないわよと言い残して、俺の前から去って行く。 

 

『桂花っ、貴女あの料理の事知っていたわね』

『ひっ、いいえ、あそこまで酷いとはっ』

『つまり知って黙っていたと言う事じゃないっ』

『華琳様、御許しを』

『駄目よ。あんな料理を知っていて私の口に入れさせたんだもの。 貴方にはあそこの料理を一つ残さず食べてもらうわ』

『そ・そんなっ! おのれ北郷謀ったわねーーーっ。おぼえていらっしゃーい!』

 

 何時もの桂花の悲鳴に、こっそり心の中で笑っていると。

 

 

 

-6ページ-

 

「一刀殿、あのような事を言って大丈夫なのですか?」

「華琳様は、きっとお兄さんに納得させる形で、お店を潰す気ですよー」

 

 稟と風の言葉に、そうだろうなぁと肩を竦めて返す。

 そして華琳がどういう手であの店を潰そうとするかもね。

 

「流琉辺りを巻き込んで、凄い甘味処の店を出すんだろうね」

「それが分かっていながら、あのような事を言うとは相変わらず呆れた方です。

 でも勝算はあるんでしょ。 あの華琳様に」

 

 さすが稟。 こっちが全て承知の上でと言う事を見抜く辺りと、その辺りを信じて疑わないのはいい加減付き合いも長いからだと言う事にしとこう。

 

「で、お兄さん。 今度はどんな悪だくみを考えているんですか」

「人聞きが悪い事を言わないでくれよ。それに、今までの方針を変える気はないよ。

 華琳はね。まだ知らないんだ。 食文化の悪癖ってやつをね」

「……そう言う事ですか」

「天の国と言うのも、随分変わっているんですね」

「まぁ此奴を見ていたら、普通の訳ないな」

「これこれ宝ャ。 そのような事を言うモノではないですよ」

 

 二人は俺の言葉で何となく想像できたようだ。

 華琳が監修して出すお店はきっと上手く行くに違いないと思う。

 その辺りをあっさりと成功させるだけの才能を華琳は持っているし、言う事を実現させるだけの実行力もあるので、その辺りは信じて疑わない。

 ……でも、華琳の此方の客を全て奪うと言う企みが上手く行くかと言えば、正直際どい所だと思っている。

 一流の材料と一流の調理人。本当に美味しい本物の御菓子は確かに皆の注目を浴び、誰もが欲するだろう。

 でも、華琳が太鼓判を押すほどの御菓子を、誰もが手に入れれるかと言えば、まず無理としか言えない。

 華琳はどうしたって上流社会の人間で、その視点しか持てない。

 だから分からないのさ。A級グルメを駆逐するB級グルメと言う庶民の味を。

 それとは関係なしに、例え不味くても生き残ってしまうと言う料理がある事を。

 

 だから幾ら華琳の出すお店のお客と、あの店に出いるする客が求める物が違ってくる事に。

 華琳の店には、本当に美味しいものを。 たとえ幾ら出しても、相手に喜ばれるものをと言った客層が。

 そしてあの店には、手軽に食べられる美味しいものを。 自分が楽しむための御菓子を求める客が来る。

 季衣が太鼓判を押すほどの三人だから、その辺りの努力を怠るとは思わない。

 

 

 

-7ページ-

 数か月後。

 

 

 

「何故よっ! 何で客が減らないのよっ!」

 

 

 

 不思議なものを見る目で、不味い料理と手軽に美味しい御菓子を食べられる店として庶民が並ぶ店に向かって憎憎しげに叫んでいる華琳の可愛い姿を、こそっと物陰から覗いていたのは内緒の話だ。

 

 それに華琳は、表現できない程不味いと言っていたけど。 俺からしたら十分許容範囲だ。

 だって無事に食べれるんだぞ?

 口の中所か喉が焼けるような辛さに、咳込みながら涙したりする事もない。

 当然食べても厠とお友達になったり、三日三晩脂汗を垂らしながらのた打ち回ったりする事が無いんだぞ。

 気がついたらお花畑に居て、死んだはずの祖母ちゃんが川の向こうから、追い出されるような目に遭う事もない。

 誰とは言わないけど、彼女達の手料理に比べたら、あれくらい笑って食べられるさ。

説明
 先日、名古屋市にある某喫茶店に行った体験をもとに、ネタで書いてみましたので過度の期待はせずに読んでください。
 その店では、挑戦する事を【登山】と言い。食べきったならば【山を制覇】。脱落して残す事を【遭難する】と言います。

参照動画:http://www.youtube.com/watch?v=Xl5qOQtss7Q&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=fvTZH5DtiDY
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
10585 7885 48
コメント
マウンテンかぁ 近くにも住んでたこともあるし現在も名古屋に住んでるのにいったことない。。(qisheng)
[山]とはなつかしい。厚化粧(小)を頼んだっきり行ってないな。最後の一刀の回想に涙が(T T)(青福)
320i様、後彼女のトイレとお友達になる杏仁豆腐よりもね(w(うたまる)
GLIDE様、本当にあの山はどこまで秘境が深くなっていくんでしょうね(汗(うたまる)
tyoromoko様、ぜひ甘口パスタ四天王を制覇してみてください(^^♪(うたまる)
hokuhin様、山好きの彼女でも、さすがに遭難するかもしれませんよね(w(うたまる)
suga様、ぜひ行ってみてください。 話のタネに(w(うたまる)
氷屋様、またチャレンジしましょうね。(゚∀゚)/(うたまる)
我が地元愛知県で一番有名な山である喫茶マウンテンを題材にしてもらえると嬉しいものだなw(GLIDE)
登山してメロンスパを登り切って、もういくもんかと思ってまた行きたい自分がおります。(tyoromoko)
きっとその後馬謖がその店へ行くんですねw(hokuhin)
マウンテンは某、伝説でしかしりませんが、油でギトギトのピンクのパスタに生クリーム色合いは素敵ですが・・・B級グルメはタレかつ丼とイタリアンがお勧めです・・・(suga)
マウンテンは昔某オフ会の帰りに皆で寄ったことがあった、甘口バナナスパとかふれが頼んだの一口食べさせてもらって悶絶しかけたのはいい思い出ですwwwその時自分が頼んだのはなベスパですが、醤油ダレだけで食べる上にお湯につかってるので時間がたつにつれふやけていくので食い切れませんでしたwww(氷屋)
ほわちゃーなマリア様、あの世界ならばメンマ丼になるのでは?(w   関係ありませんが、金髪のグゥレイトゥ!様の書かれた山好きの彼女はこの山に登山するのでしょうか(w(うたまる)
狭乃 狼様、小倉スパは、まだマシな方らしいですよぉ。 それと先日、氏が名古屋に遭難するような山があるなんて聞いた事が無いとか言っていた記憶が(w  一応、山でしょ?(w(うたまる)
きのすけ様。 一刀にしか真似できない苦労ですよね(汗  きっと普通の人間ならとっくに食中毒で………(-人-)チ〜ン(うたまる)
あぁ、一刀一度死に掛けたのか・・・苦労していたんだな。B級グルメでしたら、やっぱり卵掛けご飯でしょう(ほわちゃーなマリア)
マウンテンか〜。行った事はないけど、よく知ってますw確か抹茶の麺に生クリームが乗ったのがあったようなきが・・・w(狭乃 狼)
確かに世の中信じられないような料理がありますからね。 私もB級グルメ大好きです(samidare)
最後の一文に一刀の苦労がにじみ出とるw(きの)
タグ
恋姫無双 異聞録 喫茶マウンテン 

うたまるさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com