真・恋姫†無双〜新たなる外史の始まり〜第弐拾伍幕
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真・恋姫†無双〜新たなる外史の始まり〜第弐拾五幕

 

樹「数が多いな・・・」

 

冷静に場を見渡しながら、嘗て仲間だった呉兵を切り捨てていく。さっきからずっとこんな感じで

場に動きがまったく見えない。

 

呉兵「覚悟!」

樹「邪魔ァ!」

 

キンッ!

 

呉兵の一撃を受け止めるとはじき返し、隙が出来たところを袈裟切りで相手を切り捨てる。

 

呉兵「ギャッ!」

 

短い悲鳴を上げると、沈黙し二度と目覚めることは無い。

 

樹「短期決戦のつもりだったんだけどな・・・」

 

辺りを見渡すが、白と赤の軍勢が混ざり目的の人物を見つけることが出来ない。っがその時・・・

 

樹「(殺気!?)」

 

キンッ!!

 

背後から殺気を感じ、咄嗟に背後に剣をやり攻撃を防ぐ。

 

??「今のを防ぐなんて中々やるじゃない」

樹「雪蓮・・いや、孫伯符」

 

攻撃してきたのは孫策だった。

 

孫策「私今凄い興奮してるの。」

樹「そうかよ・・・」

 

やばい、こいつの悪い癖が出てる・・・。この状態のこいつに勝てた試しがない・・・

 

孫策「この興奮が冷めないうちに・・・速くやりましょう!!」

 

孫策はそう言うと、南海覇王を上段で振り下ろしてくる。何とか後方に飛び、それを避ける。

 

孫策「ほらほら!」

 

孫策は出鱈目に剣を振るってくるが、出鱈目だからこそ剣筋が旨く捕らえられない・・・!

 

ギィンッ!ギンッ!ギュイィン!!

 

蒼龍、黄龍受け止め受け流すが、反撃の糸口が掴めない!!

 

樹「くそ!」

 

キィン!

 

剣と刀がぶつかった瞬簡に思い切り押し返しす。

 

孫策「あら?」

樹「こっちの番だ!!」

 

そう言うと、自分が持てる速さで刀を振り、腕、足、肩、膝、等の弱点を狙うが・・・

 

キンキンキンキンッ!!

 

孫策はそれを予期しているのか、全てを防がれる。それだけじゃなく、反撃もしてくる。

 

ブォンッ!

 

樹「うぉ!!」

 

上体を後ろに旨くそらす事で剣戟を避けるが、返す形で南海覇王が振り下ろされる。

 

樹「くっ!」

 

咄嗟にしゃがみ込み、孫策の後方に飛び込む。

 

孫策「逃がさない」

 

それも予期していたのか、慌てる事も無くそのまま剣を後ろを向きながらなぎ払う形を攻撃してくる。

 

ザシュッ!

 

樹「グッ!」

 

今の攻撃が左肩にあたり、蒼龍を落としてしまう。左腕は既に力が入らない。おそらく腱を切られた・・・!

 

孫策「そんなんじゃ私に勝つ事も、孫呉に勝つ事もできないわよ」

 

孫策はそう言うと剣に着いた血−先程俺の肩を切った時に着いた−を舌でゆっくりと舐め取る。

 

樹「ホント・・・悪趣味だよ・・・!」

 

右手に黄龍を持ちながら左肩を抑えつつ、ゆっくりと立ち上がる。

 

孫策「褒め言葉として受け取っておくわ・・・!」

樹「チィ・・・!」

 

咄嗟に後ろにバックステップの要領で下がりつつ、攻撃を避けるが鋭く逃げる隙が余り見つからない・・・!!

 

SIDEOUT

 

SIDE???

 

「(いまだ、今が狙いだ・・・!今此処でアイツを殺せば俺の敵討ちが出来る・・・!!)」

 

この男は嘗て盗賊の頭目で会った。だが孫策が以前賊退治をしたときに壊滅になった盗賊団のひとつだ。

その事を逆恨みしたこの男は憎しみを抑えながら呉兵に紛れ込み、孫策を討つ瞬間を虎視眈々と狙っていた。

そして対にその瞬間が来る。

一回孫策が止まったのだ、それもちょうどこのままで狙えば討ち取れる距離に。

 

「(やってやる!!!)」

 

ギリギリと弓の弦を引き絞り、そして・・・・

 

バシュンッ!!

 

矢を放った。

 

SIDEOUT

 

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SIDE樹

 

くそ!このままじゃ・・・んっ?

ここである事に気付く。何やってるんだ、あの兵は?その兵を見てみると、矢を番え何かを狙っているようだった。

狙いの先は・・・孫策!?

 

孫策「余所見してる暇があるのかしら?」

 

樹「くっ!」

 

キンッ!

 

振り下ろされる剣をギリギリ抑える。その瞬間・・・!!

 

バシュンッ!!

 

孫策に向かって矢が放たれた・・・!その事に孫策は気付いていない!

 

樹「馬鹿!!」

 

咄嗟に受け止めている南海覇王を左側に受け流すようにし、孫策の体を左にずらす。

 

孫策「えっ?」

 

孫策の前に立った瞬間・・・!

 

ドスッ!

 

樹「アグゥ!!」

 

矢は右目に突き刺さり、一瞬後に目に激痛が走る。右目に熱が篭り、地面にのたうちまわる。

 

孫策「樹!?貴様!!」

 

孫策は俺に駆け寄るが、直に矢を放った男を切り捨て戻ってくる。

 

孫策「樹!!何で・・・!!」

樹「何時の間にか・・・体が、動いてた・・・・・・」

 

右目に突き刺さっている矢を握る。

 

樹「アガァアアアア!!!」

 

矢を握った瞬間、振動で目に激痛が走る。

 

樹「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・」

 

何回か息を吐き、そして・・・

 

ズボッ・・・

 

目ごと矢を引き抜く。

 

樹「〜〜〜〜〜〜〜!!!」

 

その瞬間に目に激痛が奔り、声にならない悲鳴を上げる。

 

孫策「何やって・・・!!」

樹「いいんだ・・・よっ!!」

 

そして矢から目玉を引き抜き、口に入れ飲み込む。

 

樹「まるで、夏侯惇みたいだな・・おい・・・」

 

そして右目が有った場所を中心に布を巻き、傷に菌が入らないようにする。

 

樹「さて、続きをしようか・・・・・・」

 

右手に持っている黄龍を杖代わりにゆっくり立ちながら、孫策から離れ構える。

 

孫策「あなた・・・・・・」

樹「俺を殺さなければ・・・、白夜にも、その後にある曹魏に勝てないよ!」

 

半身に構える。

 

孫策「そう・・・・・・」

 

孫策は何処か悲しそうな目を一瞬すると、剣を構える。

 

樹「いくよ・・・!!」

孫策「・・・!!」

 

互いに走り出し、剣と刀が交差する瞬間

 

白夜兵、呉兵「でっ、伝令!!」

 

こっちの兵と呉兵が同時に伝令を伝えに来た。

 

樹「どうした?」

白夜兵「そっ、それが・・・」

樹「?」

 

伝令兵が用件を言うのを待ち、少しすると・・・

 

白夜兵「魏軍がこの戦場に向かって進軍してきているとの事です!!」

樹「何・・・!!」

 

どうやら向こうでも同じ内容なのか、息を呑む声が聞こえた。

 

樹「どうやら互いに争っている場合じゃなさそうだな・・・」

孫策「そうね・・・・・・」

 

お互い、目をじっと見・・・

 

二人「全軍に通達!戦を終了し、来る曹魏との闘いに備え、呉『白夜』と同盟を結ぶ!!」

両兵『はっ!!』

 

兵にそう言うと、俺と孫策は自身の陣に帰っていった。

説明
久々の投稿です。
覚えてくれている人・・・いるかな?

あと絵師さんに絵を依頼したいのですが、誰か書いて頂けませんか?
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