狩人†無双 乙女だらけのモンスターハンター  第八話 一刀、大怪鳥に挑むの事
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 俺達の家にオリガミがやってきてから約二週間・・・・。

 

 あれから俺達の収入も少しずつ上がり始めていた。

 

 オリガミを雇ってから二日後、オババの依頼で俺がドスギアノスを討伐して以降、俺達の下には、それなりに報酬の高い依頼が来るようになったからだ。そのお蔭で俺達の懐にも幾分か余裕が生まれ、新しい武器や防具を生産、加工することができるようになった。

 

 

 

 そんなある日、俺達の下にある依頼が訪れた。

 

 

 第八話 一刀、大怪鳥に挑むの事

 

 

 「う〜ん、やっぱりオリガミの肉料理は美味いな〜♪」

 

 「ありがとニャご主人!ボクの得意料理だからニャ!」

 

 「月の野菜炒めも美味しいわよ!!」

 

 「ありがとう、詠ちゃん♪」

 

 「ふむ、中々美味いスープだ、腕を上げたな大喬、小喬」

 

 「あ、ありがとうございます冥琳様!!」

 

 「が、頑張って作ってよかったですう〜〜」

 

 今日も皆で月達の作った夕食に舌鼓を打っていた。オリガミが来てくれたお蔭で料理のレパートリーが大幅に広がったよ。特に肉料理や魚料理は最高だ!さすが得意料理名だけある。

 

 ちなみにそれ以外の料理なんだが・・・、まあ特別不味いとは言わないけどはっきり言って美味しくない。まあ最初に食べた愛紗作のチャーハンや、春蘭の料理に比べればマシな方だけど・・・。

 

 「それにしてもご主人様、ドスファンゴ討伐、お疲れ様でした」

 

 「ああ、さすが報酬金が高いだけあってかなり手ごわかったよ。まあ突進しか使ってこなかったから慣れれば何とかなったけど」

 

 愛紗のねぎらいの言葉に俺はそう返した。

 

 そう、俺は今日、雪山に出現したドスファンゴの討伐に行っていたのだ。

 

 

 

 

 

 ドスファンゴ、通称大猪。

 

 読んで字の如く全モンハンプレイヤーの憎悪を一心に受けている雑魚モンスター、ブルファンゴのボスである。

 

 こいつもファンゴ同様突進が主力武器なのだが、ファンゴに比べて振り向きが早く、突進も速い為、避けにくい。しかも攻撃力も高いためかなりの難敵である。

 

 ただファンゴと同じくこいつも一直線にしか走れないため、側面に回りこみつつ戦えば倒せない相手ではない。

 

 俺も基本通り側面に回りこみつつ横っ腹に斬りつけるといった戦術で何とか勝てたのだ。

 

 まあさすがに無傷ではないけど・・。狩猟を終えた後には突進を喰らいまくったせいで体中に打撲やあざが出来てしまっていた。回復薬を飲んだらきれいに治ったけど・・。

 

 なんでもこの世界の回復薬は軽い傷等ならすぐに治せてしまうほど強力らしい。さすがに骨折とか手足の欠損とかは治せないらしいが・・・。

 

 クエストを終えて帰って来たら愛紗がドスファンゴ以上の速さで俺に突っ込んできたっけ・・・。おかげで頭を思いっきり地面にぶつけて意識を飛ばしかけたけど・・・。

 

 まあその後俺は無事意識を回復させて、こうして食事をしているわけだが・・・。

 

 

 

 

 

 「本当に・・・、申し訳ありません!!ご主人様を昏倒させてしまうなど、家臣としてあるまじき・・・」

 

 「だからもういいって。俺もこの通り大丈夫だから!」

 

 あれから愛紗は何度も何度も俺に謝ってきている。俺はもう気にしていないから何度も押し留めているんだけど・・・。

 

 「にゃはは!愛紗は生真面目だから仕方ないのだ〜〜!」

 

 「うむ、生真面目なのも結構だが、度が過ぎると主に嫌われるぞ?」

 

 「り、鈴々!!星!!」

 

 そんな愛紗を見て鈴々と星がからかってくる。それを聞いた愛紗は頬を真っ赤に染めた。

 

 確かに愛紗は生真面目だけど、そこが可愛いんだよな。

 

 だから俺は愛紗を好きになりこそすれ、嫌いになるなんて絶対に無いと断言できる。

 

 「大丈夫だよ愛紗、俺は愛紗の事嫌いにならないから」

 

 「ご、ご主人様・・・・、見ろ!!星!!ご主人様は私がいいとおっしゃっておられるではないか!!」

 

 「そんな事は一言も言っておられないぞ愛紗。ついでに言うならそんな泣き顔で凄まれても怖くもなんとも無い」

 

 「!?う、ううううううるさい!!!!」

 

 顔を真っ赤にして怒る愛紗に食堂は爆笑に包まれた。それでさらに愛紗は赤くなったんだけど。

 

 

 

 その後夕食を食べ終わった俺は、部屋に戻って眠りについた。・・・女の子とやらないのかって?そんな体力残ってねえよ・・・・。

 

 

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 それから約三日、俺はしばらく狩猟に出ず、愛紗達と農場に行ったり、村中を見て回ったりして過ごした。

 

 「おお、北郷殿、どうやら元気そうじゃの〜」

 

 俺が村の中心にある大マカライトの前に通りかかると、その前で焚き火に当たっていたオババが俺に話しかけてきた。

 

 「はい、オババさんも元気そうでなによりです」

 

 「ホッホッホ、なにぶん歳じゃからの、健康には気を使っておるのじゃ。ところで北郷殿よ、ちとお主等に頼みたい依頼があるのじゃが」

 

 オババは懐から依頼書を取り出して俺に差し出してきた。俺は依頼書を受け取って目を通した。

 

 そこに書かれてあった依頼は・・・・

 

 

 

 「イャンクック一頭の討伐・・・・」

 

 「うむ、密林にイャンクックが出現しての、今のところ被害は出ておらぬものの放置しておくわけにはいかんのでな、是非狩猟してもらいたいと依頼が来たのじゃ」

 

 

 

 オババの話を聞きながら俺は再び依頼書に目を通した。

 

 

 

 

 

 イャンクック、通称怪鳥。

 

 大きな耳と鳥に似た巨大なくちばしが特徴の鳥竜種のモンスターである。

 

 このモンスターは分類上鳥竜種とされているが、その行動パターンや動作はむしろ飛竜種に近い。

 

 そのためゲームでは飛竜との戦いの練習代となってくれるモンスターであり、モンハンプレイヤーからは通称『先生』と呼ばれ親しまれている。

 

攻撃動作は飛竜によく似ているものの、かなり動作が分かりやすく、そこまで手ごわいモンスターではない。

 

 とまあゲームでは比較的戦いやすいモンスターであるイャンクックだが・・・・、全てのモンスターが現実に存在するこの世界では話は別だ。

 

 その巨体と戦闘能力は俺たちが今まで戦ってきたモンスターとは段違いだ。確実に今までよりも厳しい戦いになるだろう。

 

 だが、これを乗り越えられなければ俺達はこれから現れる強力なモンスターに太刀打ちできないだろう。

 

・・・どうしたものか。

 

 

 

 「・・・しばらく、考えさせてください」

 

 「うむ、まあ急ぎの依頼でもないでの。皆と話し合って決めると良いぞ」

 

 俺はオババに会釈をすると、仲間達の待つ家に戻った。

 

 

 

 「お帰りなさいませ、ご主人様」

 

 「なによ、随分早く帰ってきたじゃない?」

 

 家に戻った俺を、月と詠が出迎えてくれた。

 

 「ただいま、月、詠。ちょっとオババから頼まれた依頼があってさ、皆を集めてくれるかな?」

 

 「?そんなに厄介な依頼なの?」

 

 「まあ、ある意味そうかもね。とにかく頼むよ」

 

 「あ、はい、分かりました」

 

 

 

 

 

 それから十分後、家に残っていた仲間全員が食堂に集まった。何故食堂かというと、此処以外に俺達全員が集まれるような広い場所が無いからである。

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 「え〜と、みんな集まったかな」

 

 「はい、残っている全員が集まっています」

 

 「居ないのはクエストにいっている孫呉の五人くらいね」

 

 そういえば蓮華と思春と冥琳はドスランポス討伐で密林に、小蓮は穏と一緒に雪山でブランゴの間引きに行っているんだっけ・・・。

 

 華琳の言葉で俺はそんなことを思い出していた。

 

 「それでご主人様、いかがなされたのです?我等を突然招集するとは、何か問題でも起きたのですか?」

 

 「いや、問題と言うほどのことじゃないんだけど、オババからクエストを依頼されてね・・・」

 

 そして俺は皆にオババからイャンクック討伐のクエストを依頼されたと言うことを話した。

 

 俺の話が終わった後、皆は厳しい表情をしていた。

 

 「・・・と、いうわけだ」

 

 「イャンクックの討伐・・・、まさかこんな早くに来るとは・・・」

 

 「相手は分類上鳥竜種ではありますけど・・・、実質飛竜と同じです・・・。相当厳しい戦いになるでしょうね・・・」

 

 俺の言葉を聞いて愛紗と朱里は難しい顔で考え込んでいる。そんな二人を見て春蘭は馬鹿にするかのように鼻を鳴らした。

 

 「フン!何を怖気づいている!!相手は飛竜の中でも雑魚中の雑魚であろうが!!そんなもの如きに我等が遅れを取るわけがないだろうが!!」

 

 「姉者、それはゲームでの話だろう。現実のイャンクックがそう簡単に倒せるとは思えん」

 

 「何を言う秋蘭!実際ゲームと同じくドスギアノスもドスランポスも雑魚だったではないか!!」

 

 「それはそうだがな・・・」

 

 秋蘭は溜息を吐きながら春蘭を宥めていた。その横に座っていた華琳も溜息を吐きながらこちらに向き直る。

 

 「で、一刀はどうするつもりなの?この依頼」

 

 「ああ、俺個人としてはこの依頼を受けようと思う。報酬も今までより高いし何よりイャンクックを倒せればそれなりの実力だって認められるだろうしね」

 

 俺の言葉に食堂に居た皆は納得したようだ。

 

 「なるほど・・・確かにイャンクックを討伐すれば、ハンターとしての実力を認められて、新たな依頼も来るでしょうね・・・」

 

 「それに、これからハンターとして戦う以上、イャンクックはいつかは戦わなくてはならない相手です。なら、ここで戦っておくべきでしょう」

 

 愛紗と朱里も納得してくれたようだ。なら、依頼を受けることで決定・・・・。

 

 

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「ところでこのクエスト、誰が行くんだ?」

 

 と、突然翠からそんな質問が飛び出した。その言葉に再びみんなが俺に目を向ける。

 

 その視線に俺はしばらく口ごもったが、

 

 

 

 

 

 

 

 「・・・俺一人で行こうと思ってるんだけど・・・、ダメ?」

 

 

 

 

 

 

 

 「「「「「駄目です!!!!」」」」」

 

 

 

 

 

 

 言ったら即否定されました・・・。

 

 

 

 んで結局、誰が俺と一緒に行くのかと喧嘩になって、最終的にじゃんけんで・・・・

 

 

 

 「ご主人様!!やりました、私は再びあなたのお側に!!」

 

 

 

 「お兄ちゃん!!やったのだ!!一緒に狩りに行けるのだ!!」

 

 

 

 愛紗と鈴々の二人が俺のパートナーとしてついて来ることとなった。一方敗者の方々は皆、悔しげな表情でこちらを見ていた。

 

 

 

 

 

 あれ?なんかデジャブが・・・・。まあいいか。

 

 

 

 

 

 そして俺は翌日、クエストを受ける旨をオババに伝え、愛紗、鈴々と共にセレス密林に向かったのだった。

 

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 あとがき

 

 

 更新遅れてすいません!!第八話投稿完了しました!!

 

 

 最近試験やら仕事やらが忙しくて書く暇が無くて・・・。

 

 

 一週間おきに更新する予定がかなりずれてしまいました!!

 

 

 さて、今回はいよいよ先生ことイャンクックとの戦いです!!

 

 

 そしてかなり突然ですがこのイャンクック討伐でこの狩人†無双は一区切りとさせていただきます。

 

 

 けっして中止や打ち切りではありませんので誤解なきよう。

 

 

 ただそろそろ呉ルートの方も更新しないといつまで経っても終わらなくなってしまいそうなので・・・。

 

 

 そういうわけでこの作品はイャンクック討伐編でとりあえずお休みさせていただきます。

 

 

 楽しみにされていた読者の方々、どうもすいません!!

 

 

 ですがどうか愛想をつかさず見守ってやってください!!

 

 

 それでは今回はこれにて・・。

 

説明
お待たせして申し訳ありません!!ようやく第八話、更新完了できました!!

 今回はモンハンプレイヤーなら誰でも知っているあのモンスターとの戦いになります!!是非ともお楽しみに!!
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コメント
よしお.様 コメントありがとうございます!もっともこの作品はこのクック編でしばらく休止になりますが・・・。どうか応援よろしくお願いします!(海皇)
初見ですが、なんだか面白そうと感じましたので読ませていただきます^^(よしお)
スターダスト様 今回はクックに四人も要らないだろうと一刀が考えたため三人になっています。当然誰が行くかで揉めたんですけど・・・。(海皇)
nameneko様 う〜ん・・・、それも面白いかもしれませんが・・・、あいにくクック戦後しばらく休止の予定なので・・・。再開したら考慮させていただきます。(海皇)
あれ?チームって最高4人までじゃなかったけ?何で3人なんだ?(スターダスト)
パートナーを決める時は各陣営から一人のほうが自分としては好きです。(VVV計画の被験者)
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