恋姫をやったことない人が書く恋姫(仮)〜3話〜
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急いでいるわけではないので、そこまでスピードは出していなかったが、関羽の話によればこの分だと大体半刻くらいで到着するらしい。

その道中――

 

関羽「そういえば先ほどご主人様のこと以外で聞きたいことがある、と言っていましたがそれは何なのですか?」

 

ユーリ「あぁ、いくつかあるんだが、まず『北郷一刀』のことをご主人様って呼んでいるみたいだが、そいつは王様みたいなお偉いさんなのか?」

 

劉備「いえ、ご主人様は天の国から来た御遣い様で、私たちのことを手伝ってもらってるんです。

だから私たちはご主人様って呼んでいるだけで、太守とかそういう立場があるわけではないんです。」

 

太守ってのは良く分からんが、なんかの役職だろう。とにかく勝手に呼び始めたってことは分かったのでそのことについてはもういい。

 

ユーリ「ふ〜ん・・・じゃあさっきから気になってたんだが、関羽が劉備のことを『桃香様』って呼んでたけどあれも劉備の名前なのか?」

 

関羽「・・・ご主人様と同じでやはり真名のことはご存知ありませんか。普通の人間であればここで切り捨てているところですが・・・」

 

劉備「愛紗ちゃん!!ユーリさん、ごめんなさい。えと、『桃香』っていうのは私の『真名』なんです。

『真名』っていうのは信頼している人や、大切な人に預けるとても神聖なもので、

本人から預かっていないのにその人の真名を呼ぶのは、本来であれば愛紗ちゃんじゃないけど切り捨てられたとしても文句の言えないくらいのものなんです。」

 

ユーリ「なるほど、それでさっき劉備の真名を呼んじまったオレを関羽は怒ってるわけか。

そうとは知らず悪かったな。」

 

関羽「・・・まぁ、ご主人様の時もそうでしたし今回だけは許します。しかし、この国ではほとんどの人が真名を持っていますので、

例え何らかの形で真名を知ってしまったとしても本人から許されない限りは絶対にその名前を口にしてはいけない、ということを覚えておいて下さい。」

 

ユーリ「あぁ、分かったよ。それじゃ最後にさっきのモンスターのことなんだが・・・」

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関羽「もんすたぁ?それはさっきの化け物のことですか?」

 

ユーリ「あぁ、オレの居た国じゃ、ああいうヤツらのことを『モンスター』って呼んでんだ。まぁ化け物っていっても変わりないがな。」

 

劉備「そうなんですかぁ、でもご主人様は『もんすたぁ』って呼んでなかったよね?」

 

ユーリ「あー、あいつらは同じ国でもいるところといないところがあったからな。『北郷一刀』は多分あいつらがいない所から来たんだろう。」

 

(同じ正史でも世界自体が違うんだ、オレからしたら外史も別世界も変わらないからな。『北郷一刀』の世界にはモンスターが居ないんだろう)

 

そう思って咄嗟に答えを返すユーリ。

確かに外史よりも別世界の方が相違点が多い可能性は高い。

 

(『北郷一刀』に会ったら貂蝉たちのことも含めて2人だけで話をした方が良さそうだな)

 

ユーリ「で、話を戻すがあいつらは良く現れるのか?」

 

関羽「いえ、やつらはつい最近になって現れるようになったのです。少なくとも・・・そうですね半年ほど前には目撃すらされていなかったはずです。」

 

劉備「そうなんです、最近になって急にああいう化け物の被害報告が増えてきてるんです。さっきのような大きいのは一匹でも村を襲ったり、

小さいのもいるんですけどそういうのは群れで襲ってきたり・・・出てくる場所とか数もバラバラで詳しいことは何も分かってないんです・・・」

 

ユーリの居た世界のモンスターたちは数はバラバラだったかも知れないが、生息地はある程度決まりがあった。

確かに良く人里を襲ったりするが、騎士団などの専門的な組織などもあり、少なくとも対処は出来るくらいにモンスターのことは分かっていた。

だがこちらのモンスターはそういった法則性が今のところは皆無だという。

そうなると同じ種類のものと考えるのは止めたほうがいいのかもしれない。

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関羽「ところでユーリ殿は先ほどの化け物を一人で倒したということですが、天の国では皆があの化け物を一人で倒したり出来るのですか?」

 

ユーリ「いや、んなことはない。特にさっきみたいな大型のヤツはちょっと訓練した程度の兵士でも倒せないと思うぜ。

少なくとも魔導器無しではモンスターとまともに渡り合うことはできねぇな。」

 

関羽「魔導器?それはどういうものなのですか?」

 

(あー、これもこっちには無いものなのか・・さっきから説明ばっかで面倒だな・・・)

 

そう思ったユーリは

 

ユーリ「あぁ、オレの世界の道具で、簡単に言うと『強くなれる』んだ。詳しいことはオレにも良く分からんが、その様子じゃこの国には無いんだろう?

だったら気にすることないぜ。」

 

と無理やりその話を終わりに持っていく。が――

 

関羽「そのようなものが・・・ちなみにユーリ殿、それを使うとどのくらい強くなれるのですか?」

 

と、予想外に関羽が食いついてきた。

しかも心なしか今までで一番喜色を表しているように思う。

 

ユーリ「ん?どのくらいって言われてもな・・・人にもよると思うが、そうだな・・例えばそこらへんの子供でも魔導器を使えばモンスターと戦えるようにはなるんじゃねぇか?」

 

関羽「!なんとそこまで・・・あのユーリ殿?」

 

ユーリ「なんだ?」

 

関羽「その・・・もしよろしければ後ほど私と手合せをしてもらえないでしょうか?」

 

劉備「!愛紗ちゃん!喧嘩はダメだよ!」

 

関羽「と、桃香様。こ、これはそういうのではなく、一人の武人としてユーリ殿と戦ってみたいのです。」

 

劉備「で、でも怪我とかしちゃったら・・・」

 

関羽「桃香様。ユーリ殿は私が鈴々と2人がかりでも苦戦したあの化け物を一人で倒したのですよね?であれば、その武は大いに興味のあるところ。

武人である私のようなものであればそのようなものとは是非手合せをしてみたいものなのです!――ユーリ殿!是非お願い出来ないだろうか!?」

 

そう言ってこちらを真剣に見据える関羽の姿はまさに一人の戦士。

正直女子供に手をあげるのは趣味ではないが、その気迫と真剣さにユーリもまた一人の戦士として応えるしかなかった。

 

ユーリ「・・・分かった、相手をしよう。その代わりそこまで言ったんだ、アンタが女だろうと手加減なんかしねぇからな。」

 

そう聞いた関羽は顔を輝かせ

 

関羽「はいっ!私も全力で当たらせてもらいます!」

 

と答える。

関羽は一人の武人として自分より強いと思われるものと戦えること、また自ら「手加減無し」と言ってくれたことが、自分の気持ちを汲んでくれたように思え、嬉しかった。

 

劉備「ユーリさん〜〜・・・」

 

ユーリ「悪いな、劉備。でも自分より強いヤツが居て、そいつと戦ってみたいって気持ちは分かるんだ。

昔オレにも似たようなことがあったからな。」

 

そう言ってまた元の世界を思い出すユーリ。時間的にそんなに経ってないのだが、簡単には帰ることが出来ないと分かると懐かしくなってくるのだろうか。

思い出したのはギルドに関わるきっかけであり、決意を貫くことを教えてくれた偉大なる男、ドン。

彼はギルド全体を束ねる立場の人間であり、自らの孫の失態の責任を取るため、その命をもって事態を収めた。

初対面で手合せすることとなり、結果として軽くあしらわれていたが、その時の充実感は今でも鮮明に覚えている。

最後は何の因果か彼の介錯を買って出たが、それは決して恨みなどではなく、純粋に彼を尊敬していたからこその行動であった。

そんな彼がもしこの場にいたのであれば、きっとまた戦ってみたいと思うはずで、ユーリは関羽の申し出にそんな自分が重なっているように思えたのだった。

 

劉備「う〜〜、分かりましたよぅ。もう2人とも勝手にすればいいんですっ!」

 

と、もう説得は無理と判断し、ふてくされてしまう劉備。

まぁこの辺りは武を持つもの特有の感覚なのだろう。武人などではない劉備には理解しがたいものなのだろう。

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――ここは現在ユーリ達が向かっている劉備たちの陣――

 

???「う〜〜、2人とも遅いのだ!」

 

???「り、鈴々ちゃん、落ち着いて下さい。」

 

陣内から2人の少女らしき人物が話をしているのが聞こえる。

遅い2人というのは恐らく劉備と関羽のことだろう。中々帰ってこない2人を心配しているのだろうか?

そして、もう一人の少女はそんな落ち着かない少女を諌めているのがわかる。

 

???「む〜〜!朱里は愛紗や桃香お姉ちゃんが心配じゃないのかー!?」

 

???「そ、そんなことありません。私だってすごく心配です!

・・・それにしても桃香様もお優しいのは分かっていましたがいきなり囮になるなんて・・・」

 

???「そうなのだ!全く桃香お姉ちゃんは・・・」

 

そう言って少し前のことを思い出す2人。そう、そもそも何故劉備はモンスターに追いかけられていたのだろうか?

それは丁度二刻ほど前に遡る。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

大陸を回り、各地の困っている人たちを助けていた劉備たちは、その行動に共感して着いてきてくれる人達などのおかげで

およそ500人の決して大規模ではないが「義勇軍」と言えるほどの組織にはなっていた。

そんなある時、今日はそろそろ休もうと陣の設立を始め、そろそろ完成という時に桃香や愛紗たちが居た幕にとある報告が飛び込んできたのだった。

 

兵士「申し上げます!北の方角から化け物と思わしき者達がこちらに向かって来ているとのことです!」

 

関羽「何っ!数はどのくらいだ!?」

 

兵士「はっ!物見からの情報によるとその数およそ50!ほとんどが小型から中型程度のものですが一匹だけ大型の化け物がいる、とのことです!」

 

関羽「朱里っ!」

 

兵士の報告を受け、朱里と呼ぶ少女に話を振る関羽。

 

朱里「は、はわわっ!ま、まず愛紗さんは100人の部隊を3つ編制して下さいっ!そして愛紗さんと鈴々ちゃんがそれぞれ一部隊ずつを率いて前線に出て、

化け物がこの陣に入ってくるのを防いで下さい!

化け物の進行が止まったら小型と中型の相手は兵士さんたちに任せて、愛紗さんと鈴々ちゃんの2人で大型の相手をして下さい。

最後の一部隊は私が率いて後詰めに向かいます。お二人の部隊が撃ち漏らした敵はこちらで迎撃しますので、目の前の敵だけに集中して下さい。

残った200は陣内にて待機。状況によって援軍に向かってもらいます。」

 

関羽「分かったっ!鈴々、行くぞっ!」

 

鈴々「応っ!なのだっ!」

 

そう言って関羽と鈴々と呼ばれた少女は幕を出て、部隊の編制に向かった。

 

劉備「朱里ちゃん・・・」

 

朱里「桃香様、安心して下さい。中型までの化け物なら武将ではない兵士さんたちでもなんとか出来ることは既に実証済みです。

問題は大型が混じっていることですが・・・あの2人ならきっと大丈夫です!」

 

劉備「・・・うん、そうだね!よ〜し、じゃあ私たちは戦えない人たちを不安にさせないように頑張ろうねっ!」

 

朱里「はいっ!では早速参りましょう!」

 

朱里の計算は間違っていなかった。事実この後の化け物の進行は先陣を切った愛紗と鈴々の2人に止められ、その勢いで兵士達も中型までの化け物を確実に倒していった。

大型の化け物も苦戦はしたものの愛紗と鈴々の息の合った攻撃に徐々に傷を増やし、倒すのは時間の問題と思われるところまで追いつめていった。

しかしそんな前線の元へ一つの報せが届く。

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兵士「伝令!別方向からこの陣に向けて化け物が現れたとのこと!今関羽様たちが戦っておられるのと同じような化け物のようです!」

 

関羽・鈴々「「何っ!?(なのだっ!?)」」

 

兵士「現在残していった兵300でなんとか陣内には入れぬように奮戦しているらしいのですが、やはり太刀打ちすることは出来ずいつ突破されてもおかしくない、と!」

 

関羽「くっ!!・・・鈴々!後は一人で何とか出来るかっ!?」

 

鈴々「大丈夫なのだっ!こんなヤツ、鈴々一人で全然よゆーなのだっ!」

 

関羽「ではここは任せる!私はすぐに姉上のところに行ってくる!」

 

鈴々「わかったのだ!愛紗、朱里や桃香お姉ちゃんを頼むのだっ!」

 

関羽「あぁっ!」

 

そういって既に弱っていた大型化け物は鈴々と兵士達に任せて、関羽はすぐに陣に戻り始めた。

陣の方を見ると確かに砂埃が舞い上がっていて、何かあったのだろうと思わせてくれた。

 

関羽「くっ!姉上っ!朱里っ!みんなっ――」

 

大切な仲間たちを思い必死に馬を走らせる関羽。

ものすごい速度で陣へと戻り、到着した関羽だったが・・・

 

朱里「愛紗さんっ!」

 

関羽「朱里っ!無事だったかっ!・・・化け物はどうした?」

 

いざ陣に戻ってみると確かに負傷した兵士たちや、争った痕跡はあるものの肝心の化け物の姿が見当たらない。

あれだけ大きければ隠れることも出来ないだろうし、かといってあの化け物を自分か鈴々以外で倒せるような者は我らの中にはいないはずだ。そう思い、朱里に尋ねてみると

 

朱里「愛紗さん、ごめんなさい・・・実は・・・桃香様が・・」

 

そう言う朱里の言葉に自分の姉の名が入っていたことに、姉の姿が見えないことに気付く。

そして朱里の意気消沈した様子に嫌な予感が関羽の体から込み上げてくる。

 

関羽「はっ!そうだ、姉上はっ!桃香様は無事なのかっ!?」

 

朱里「愛紗さん、桃香様は・・・自ら囮となって化け物を引き付けていきました・・」

 

関羽「なっ!」

 

朱里「本当にごめんなさい・・・私も止めたのですが『このままじゃみんなあの化け物にやられちゃうよ!愛紗ちゃんも鈴々ちゃんもいないんだから、私がやらなきゃっ!』と言って、

近くにあった馬に乗って化け物の注意を引き付けながらあちらの方向に走っていきました・・・。

愛紗さん!すぐに追いかければ間に合うかも知れません!こちらは私が何とかしますから桃香様をっ!」

 

関羽「くっ・・・わかった。朱里、ここは頼んだぞ!最初の化け物達はもうあらかた片付けてきたから鈴々達もすぐに戻ってくるはずだ。」

 

朱里「はいっ!愛紗さん、お気を付けて!」

 

そう朱里から事情を聞いた関羽は再度馬を走らせる。

――そして、劉備にやっと追いついたと思ったら、件の化け物は何者かによって倒されていたのであった。

 

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説明
今回ちょいと短めです。続きは書いてあるのですがそれを載せると逆に長すぎてしまうので、ここで一旦カット、残りはストックですw

そして蜀軍と合流、武将は全然いませんが。
にしてもなかなか話が進まない・・・いつになったら一刀は出てくるのやら。

それはそうと皆様、この様な駄文にコメント頂きありがとうございます。
自分自身は読み専でコメントなどもしたことなかったのですが、これは励みになります、やる気でます。
これからは私も他作品にコメ入れていこうと思います。

後、書き終わった後にチェックも入れてるのですがご指摘をかなり頂くという情けない結果に。
執筆ってむずかしいんだなぁ〜。

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コメント
>ヒトヤさん なるほどー、そうだったんですか。ホントあいつら何で変態やってんだろ・・・?いやむしろ何で変態があのポジションなんだ・・・?(ロンダリング)
確かに最初はうっかり真名を呼んじゃったというのが正解です、ですがそれは一刀が変態達に合わずに外史へ行くからなんです、今回は変態達が最初から居たので違和感が・・・W(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
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恋姫 愛紗 桃香 鈴々 朱里 ヴェスぺリア ユーリ 

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