荊州南部4太守(配下も)詰め合わせ伝
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後漢末期

荊州に割拠していた劉表(正確には「劉ソウ」)家を降し一時、荊州全土をほぼ掌握していた曹操であったが。

荊州中部の赤壁で大敗、激減した戦力で戦線を維持するため荊州南部4郡を事実上放棄、中、北部に戦力を集中させる。

 

後、中部は一年近い戦いにより孫氏に奪取されたが。

残る北部は長年曹家の孫、劉氏攻撃の拠点として一時を除き存在しつづける。

そのため結果的に、この判断は戦略的に合理的な判断であると言える。

 

だが・・。

戦略的に優れていようが何であろうが。

放置、見捨てられた荊州南部4郡とその太守(曹操により中央から派遣された)達にとってはなんの意味も無いことである。

なぜなら、彼女ら4太守は、火事場泥棒よろしく襲い掛かってくる劉備に当たらねばならなかったからだ。

 

劉備の軍は孫氏や曹氏ほど強大な兵力は持ち合わせていなかったが・・その将兵は歴戦揃いである。

その為、4太守は本来共同して劉氏と戦う必要があった。

 

だが・・。

「粉骨砕身、精神力のみを頼みに我ら4太守戦うのだ!!!!!!!」

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「劉備は漢の丞相曹操様に仇名す逆賊!我ら全軍で協力して倒すのだ!!」

「そうです〜そうです〜劉備さんは倒すべきです!」

ショートカットで気の強すぎそうな、金旋(武陸太守)が抗戦を主張し気勢を挙げ口火を切る。

それにオカッパ頭の暢気すぎそうな劉度(零陸太守)が同調する。

 

「い、いや・・き、金旋殿。そうはいっても歴戦の劉備軍に我らが勝てるわけがないのでは・・」

「そうです〜そうです〜劉備さんはと〜っても強いんです」

眼鏡をかけた気の弱すぎそうな、趙範(桂陽太守)が金旋の意見に反論する。

劉度はそれにも同調する。

 

「なにをいう趙範殿!!これは勝ち負けの問題じゃない!誇りに関する問題だ!!」

「え〜と・・そうです〜そうです〜埃の問題です」

金旋が興奮しきった顔をしながら声を荒げる。

劉度もよく分からないようだが・・なんとなく同調する。

 

「へっ・・誇りで乱世を生きられるかよ」

他の三人が会議場に据え置かれた椅子に座っている中、一人壁にダルそうに壁にもたれ掛かっていた目つきの悪い女性・・。

長沙太守韓玄が金旋の意見を鼻で笑う。

 

「そうです、韓玄さんの言うとおり・・誇りだけではどうにもなりませんよ」

「そうです〜そうです〜埃なんてくしゃみをするぐらいにしか役に立ちません」

趙範・劉度が同調する、まあ・・劉度は二重に間違ってるが。

 

「や、やはりですね・・ここは現実的に劉備さんに降伏するしか」

「逆賊になっちまうぞ〜趙範殿」

趙範が主戦論に対抗するように降伏論を口にするが・・からかうような感じで韓玄が趙範の意見に口を出す。

 

「さよう!降伏など逆賊の劉備に与すれば、我らも逆賊となるぞ!!」

「そうです〜そうです〜私たち逆賊ですよ!」

金旋が韓玄に乗じて反論し、それにまたまた劉度が同調する。

 

「そうなりゃ・・あの冷酷な曹操が支配する中央にいる俺達の一族がどうなる事やら」

韓玄の一言に金旋と趙範が暗い顔をする。

 

「えーと?えーと?・・・」

一方、婉曲な言い方が通じない劉度は突然暗くなった金旋と趙範の顔をわけも分からず慌てながら交互に見る。

でっ・・なんか最期は周りに合わせて自分も沈み込んだような顔をする。

 

「特に金旋殿は都に生まれたばかり妹さんを残してるから、「無茶」だと分かってても戦うしかないよな〜」

そういいながら金旋の所まで近づいてきた韓玄は「ニヤニヤ」という感じの顔で金旋の顔を覗き込む。

 

「わ、私は別に家族のことを気にして戦うと主張してるわけでは・・」

「そうか〜ならただ馬鹿だから無謀に戦う事を主張してるってわけだ、そっちのほうが痛いな」

 

「なっ!!お、お前!」

「か、韓玄殿!そ、その・・皮肉ばかりいわずに」

その発言に金旋の顔は真っ赤になり怒りの声を挙げ様とするが、すかさず趙範が口を挟み場を一応おさめた。

言い争いをしている暇はないからだ。

 

「へっ・・特になにもないが」

まあ、だが・・。

 

「まあ、戦っても大方負け、降伏しても家族が殺される・・引くも進むも地獄だよな〜俺らって」

「そうです〜そうです〜私たちには地獄しかないです」

 

「「・・・・・・」」

結局・・彼女らにはそーいう事しか結論がないのだが。

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結局バラバラで戦うこととなった荊州南部四郡の太守たち。

まあ、それぞれの形で地獄に進もうと無言の議決が下されたのだ。

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長沙太守、韓玄の場合

 

 

「黄忠・・まあ、うまくやれ」

「ええ・・頑張りますわ」

「・・おかあさん、頑張ってね」

韓玄は元劉表配下で勇将の黄忠を大将に敵を迎え撃つ構えをとっていた。

しかし・・。

 

「おまちください!」

「なんだ・・楊齢?」

韓玄配下の新進気鋭の将である楊齢が前に進み出る。

 

「黄忠殿もおとし!・・ここはこの若輩者に任せてもらえませんか!!」

「ふむ・・たしかに老齢の黄忠には動き回る野戦はきびしそうだな」

 

「い、いや・・老齢とまでは申しませんが黄忠殿にはずっしりと城で構えていただければとを」

「うむ・・わかった・・婆ぁ・・いや、年寄り・・ふけてる・・いや、」

ニヤニヤしながら・・韓玄が紫苑を見ながら何度もわざと言い直す。

 

「・・しわが・・いや、まあ・・確かに、子持ちニコニコ婆より、若い楊齢のほうがよさそうだな」

「はっ・・」

 

「よし〜楊齢、お前が軍を率いて劉備軍を撃墜しろ・・黄忠お前はとし相応に城でじーとしてろ」

「・・・・」

決断が下されるまで間、黄忠は相変わらずニコニコとしたいつもの顔をしていたが。

 

「お、お母さん・・手が痛いよ!」

その間ずーと握られていた娘の手は痛々しく真っ赤になっていた。

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桂陽太守、趙範の場合

「ど、どうしたものかー」

「がぁおーっ!!(あっ、チョウチョだ)」

 

「戦わねば、か、家族が曹操様に殺されかねないし・・」

「ぎゃおーっ!!(ほんとだわ〜)」

 

「でも、戦っても勝てるわけが無いし・・」

「がぁおーっ!!(わーい、チョウチョさん、まってー)」

 

「し、しかし・・やはり家族が」

「ぎゃおーっ!!(こら、おいかけたらチョウチョさんが怖がるでしょ)」

 

「とはいえ、桂陽の民の生命のため・・私の家族ぐらい」

「「ぎ(が)ゃあおーーっ!!(うふ、うふふふふ〜♪)」」

 

「う、うるさいぞ!!お前らー!!私は重要な事を考えてるのだ!!!!」

 

「ぎゃ、ぎゃうう・・・(ご、ごめんなさい趙範様)」

「がぁ、がううう・・・(も、申し訳ありません)」

 

「・・や、やっぱり、戦うのは無理だよな」

趙範軍の結果的に降伏する、趙範軍には極めて危機的な問題があったからだ。

それは・・。

 

「ぎゃおおお・・(趙範様?)」

「がぁおおお・・(どうしたのですか?私たちを見つめて)」

 

奥深すぎる里の元猟師で、言葉も喋れないぐらいの鮑隆・陳応が唯一の戦えそうな将であるほど。

趙範軍の人材の払底具合は凄かった。

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零陸太守、劉度の場合

 

 

うちの上司はとてつもない・・他人任せな馬鹿だ。

折角、うちの部族を逃げ出してまでこの乱世=チャンスのある漢の領土にきたのにだ。

正直、この上司の下では俺の出世は絶対有りえなかった。

 

だが、俺にも運が回ってきた。

劉備が火事場泥棒で俺達を襲ってきたのだ。

 

劉備軍はたしかに精強で俺達には勝ち目が薄い相手かもしれない。

だが・・それは逆に、勝てば一気に名声を出世の道を得られるという事でもある。

 

このチャンス・・逃がしてたまるものか。

そう考えついた次の瞬間、俺は太守の妹である賢に戦う様吹き込んだ。

この妹も姉と同じく、他人任せで・・他人のいう事はすぐに鵜呑みにする。

 

しかも・・。

「どうすればいいのかわからないです〜」

「姉上〜戦うのです〜」

 

「賢〜あなたはそう思うですか〜?」

「です〜この戦いかてるです〜」

 

「なら、そうです〜そうです〜戦うです〜」

「です〜です〜」

姉は妹のいう事鵜呑みにするから・・妹を説得すれば芋づる式で姉も説得できる。

そして、その予想通り・・太守も戦う事を決断した。

 

「・・・」

とはいえ・・。

 

「(俺の人生・・こんな2人にかけて大丈夫かな)」

 

数日後・・。

・・妹の方に裏切られた末に。

俺(ケイ道栄)の人生、終わった。

 

しかも・・あの姉妹なんだかんだで生き残りつづけるし。

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あとがき

 

淡白なssです。

えーと、これ以上なんも書くことが無いぐらい。

す、すみません・・。

 

※金旋配下の鞏志の話はインスパの『裏切り者(鞏志、糜芳伝)』で。

説明
まずは・・ネーミングセンスのかけらも無いタイトルですみません。

内容は4つのタイプの駄目な娘(こ)ギャグssです。
説明も・・分りにくくてすみません。
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コメント
劉度に萌えたwww(TAPEt)
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