真・恋姫無双 花天に響く想奏譚 6話(1)
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 6話(1)<動き出す色々 1>

 

 ・守るべきは

 

 産声による自発呼吸も一段落して、産まれた赤ん坊は静かに母親の傍で寝ている。出産には少し早かったが、未熟児ということもなく母子共に問題もなく許容範囲内の誤差だったのは、今回の一件においては一番の不幸中の幸いというものである。 いや他のことを軽視してるんじゃなくてね?

 

「ようやくおまえさんも人の親かぁ よかったなぁおい!」

「どうなることかと思ったけどねぇ。無事に産まれてくれてよかったよぉほんと。」

 

 少し時間が経った今でも未だ祝福ムードがたなびくなか、一刀、桃香、愛紗、寧はその光景を見ていた。

 一刀が愛紗たちにした話をかいつまんで桃香にも話してあって、それが終わってふと目を向けた先にその光景があった。

 暗く沈んでいたのが嘘のように、皆でわいわいと誕生を喜んでいる。

 

「…こういうのを、守っていかないといけないんだね。」

 喜びを分かち合って、他者を想って祝福することができる。それが一刀の見た、人を信じる要因の一つであった。 

 

「…そうだよ。 だから俺も協力する。桃香の言う 力の無い人を苛める世の中をどうにかする って考えは、俺の…信条、って言うのかな、それと通じるところがあった。 だから、」

 

 そして一刀は桃香に手を差し出す。

 

「改めて、よろしく。 握手って言って、合意なら手を握る作法、かな。」

 それを桃香、

「、はいっ、よろしくお願いしますっ!」

 両手でしっかり握り締めた。

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 ・意外とドジっ娘 ってそれメインでいいのか題名。

 

 明日早く発つための片付けも一段落し、それを手伝った一刀たちは荷を集めたあたりにいた。ようやく今回の一件が落ち着いたと言えるだろう。

 

 余裕が出来たせいか、一刀はあることを思い出した。

 

「そういえば寧、さっきなにか言いかけてなかったっけ?」

 さっきというのは産気づく前。詳しくは4話(下)を参照。 愛紗もそのとき一緒に居たから共に思い出した。

「ん、確かに。 何を言おうとしていたのだ、元直殿?」

 二人の問いに寧は「ん?…あぁ。」と平坦な物言いで思い出したように反応。

「そのことは明日、朱里ちゃんと雛里ちゃん、それに張飛さんが起きてからにしましょう。それまではそのときのお楽しみ、ってことでお願いしますよ?」

 

 話に出た朱里、雛里、鈴々の三人はと言うと。無事出産して張っていた緊張の糸が切れたせいか、ペタンと座ったかと思えば即座に眠ってしまった。鈴々はそう緊張しているようには見えなかったが、やはり心のどこかでは気が張っていたのだろう。 …単に疲れて眠くなっただけ、というのも否定できないが。

 

「? まぁ、いいならいいけど。 ところで桃香?」

 明日話すと言うならそれでいいか として納得した一刀は、ふと目に入った桃香の様子を察して声をかけた、ところ、

「      …ふぇ? な、にゃにか誰か言った?」

 

 かなり遅れて反応が返ってきた。 桃香、立ってこそいるが体はわずかにふらふら、目は瞼が重そうでうつらうつら、反応したときも周囲を見回してキョロキョロ、というのからも分かるとり、

 

「桃香、眠い?」

「だ、だい、平気だよご主人様。平気平気。」

 

 大丈夫と言いかけて平気と言いなおしたらしいが。誰の目にも睡魔が憑依合体しているのは明白で、

 

「私、眠くなんかってわ、と、と」

「っと。 無理したら駄目だって。かなり疲れてるんだろ。」

 空元気を出そうとして足がもつれて、一刀に抱きとめられた時点で眠たいの確定だった。「意義あり!!」とか言っても判決は覆らない。 

 

「あっ…、  あぅぅ…」

 こけそうになったところを見られたことは勿論だが、ふと顔を上げたらそこに一刀の顔が至近距離にあって。二重の要素で顔が赤くなる桃香だった。 

 

「…御主人様の言われたとおり、桃香様はもう休まれたほうが。 村のかたが布団を貸してくれたことですし。」

 愛紗の言うように、村の人から一刀たちに布団を使ってくれと言われていた。最初は一刀たちも渋っていたが、すでに鈴々たちをその布団で寝かせているからなし崩し的に承諾していた。

「それに、ふらついて怪我したら逆に皆に迷惑だよ。 第一明日もあるんだし、とにかく桃香は休む。

いい?」

「…はい。 でも、だったらご主人様や愛紗ちゃんも早く休んでね。」

 

 反論材料が無くなって、やっと桃香は休むことを承諾した。

「分かったよ。 それと寧も。足の怪我抜きにしてもふらついてるんだから一緒に安む。」

 次いで一刀は寧にも言った。 平坦な印象は動きにも反映されるのか、変わらずに手伝っているようにも見える寧だったが。やはり節々に伺える疲労は確かに存在していた。

 

「むぅ、隠していたつもりでしたが。しかしばれたなら仕方ありませんね。 劉備さん、ここは大人しく従いましょう。」

「うん。 それじゃ、二人も無理しないでね。ちゃんと休んでね。きっとだよ。」

 疲れきっていても他人の心配をするあたりは、今まででも分かってきたことだが桃香の優しいところだろう。何度も念を押しつつ、 桃香は寧と揃って民家の中に歩みを進めようとした。…ところ、

 

「あぅ。」

 

 …いきなり寧がずっこけた。石ころ一つ無いところで。別に誰かがボケかましたわけではないぞ。それを寧が背を向けた位置関係にあったはずの一刀が瞬時に動いて、腕を伸ばして受け止めた。

「おぉ。すいませんですね?」

「っと。 やっぱり足か。本当に平気?」

「まぁそれもあるでしょうが。普段から気が緩んでるとよくこけるんで。…しかし、」

 ここにきてドジっこ披露の寧は、緩慢な動きで腕から離れると、

 

「どうせなら体全体で抱きとめて欲しかったですね?さっきの劉備さんみたいに。」

 

 そんなことを言ってきた。 思い出したのか桃香が再び赤くなり、一刀は一刀で若干慌てる。

 

「っ! ぇ、えと、 あぅぅ…」

「あ、い、いやさっきのはついって言うか… って寧、冗談やめてくれ。」

 

 さらりと手を差し伸べることをする一刀だが、改めてそれをピックアップされるとやはり気恥ずかしいのは普通の男子なのである。しかも意識せずにやるから尚のこと、だった。

「いえいえ、男性に抱きとめられるのは中々に憧れるものですよ? と、まぁこの辺で。では。劉備さんも行きましょう?」

「ふぇっ? あ、あのえとその、 お、お休みなさいっ!」

 話にオチを示さないまま、寧は赤い顔の桃香を促して民家に入っていった。

 自分で問題提起と言うか引っ掻き回しておきながら適当に切り上げるのはどうなのだろうかと問いたい。

 しかも天然の所業らしく、だから怒るに怒れないからまた厄介だった。

 

 ・番犬

 

「なんとなく分かってたけどけっこうマイペースだな寧って…」

「まい、ぺーす、と言うのは?」

「ん、 えっとそうだな、…自分の速度を持っていて、他人に左右されないこと、かな。」

「天の国の言葉、ですか。 …確かに元直殿は…独特ですね。」

 

 残ったのは一刀と愛紗。すでに女性や年配の人達は大半が、無事な民家に入って眠っている。明かりは未だ残っている篝火と、夜空に広がる星といったところだろうか。

 

「思ってけど桃香は…やっぱり優しいな。他人の為にあんなに疲れるまで動くんだから。 そんな桃香に

愛紗や鈴々は惹かれたんだな。」

「…はい。 世を変えるというのは壮大なこととは理解しています。 ですが、桃香様の考えは付いていく

に値すると、私は胸を張っていえます。 しかし優しいと言えば御主人様もそうでしょう。…御主人様の場合は、その強さ故にむしろ他者を思いやっているのだとお目見受けしますが。」

「それは愛紗も同じじゃないかな。 無骨者だっていってたけど、さっき桃香に休むように言ってたし。愛紗も優しいと思うよ、俺は。」

「…っ、 と、とにかく。御主人様もお休みになって下さい。 見張りは私がしますので。」

 照れ隠しか、多少強引に話を変える愛紗。 だが一刀は首を横に振る。

 

 怪我人が多く、更にその怪我人を出した元凶の賊が同じ場所に存在している現在。 一刀が縛り上げて動けないとはいえ賊自体のそれは当然として、遠くから聞こえた遠吠えが示す獣の類の存在然り、この状況下では見張りが必要だった。

 

「今は何人かがやってくれてるけど、だからって俺も休むってわけにはいかないよ。…それに、言ったからには俺が賊を見張らないとね。」

 『言った』というのは、一刀が村の住人に頼んだことだった。それが何かは地の文では今は割愛しておくが、桃香たちや住人含めた全員が承諾して、従っていることだ。

 

「桃香には悪いと思うけど。でも愛紗はせめて少しでも休んで。周囲の警戒は交代でやることになってるんだから、交代だって言われたらちゃんと休む。 いいね?」

「し、しかし、 …分かり、ました。」

 

 一刀が住人に言った内容。それを知っているだけに、かつ桃香の心遣いを無碍にするのは避けたい心理が働いて、愛紗はそれ以上食い下がることが出来なかった。

 

「ですが何かあればすぐにお呼び下さい。交代して寝ていても遠慮は無用です。」

「分かったよ。 じゃあ俺は向こうで見張ってるから。」

 

 そう締めると、二人は真逆のほうに分かれて歩き出した。愛紗は民家の前あたりでの立ち番、一刀は賊の連中を放置してあるひらけた場所。そのあたりは一刀の指示で、自分が行くまでの仮の番をしてもらっている数人以外は誰も居ない。そして一刀が行けば、それからあとは賊と一刀だけになる。

 

「…やっぱり、殺すのは駄目だよ…」

 ポツリと一刀はつぶやく。 分かってる。いや本当の意味で理解出来ているかは自分でも疑問なのだが、やはり肯定すべきではない。

 

 いつか自分も… と思い至ったとき、

 

 聞きほれそうな高い遠吠えが、数キロ先から聞こえた。

 

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 ・同じ夜空の下

 

「ん、遠吠え。 …でも あの子の、違う」

 

 夜の川のほとりに焚き火が一つ。傍には赤い髪の少女が一人。裾が擦り切れてほつれた服、体の所々には青紫色の刺青のような模様が入っていて、表情は感情が薄いような。そんな少女。

 いやむしろ無垢、とすべきな可憐さが印象深いか。 しかしその少女の傍には似つかわしくない物騒な長物、名を「方天画戟」が置いてあって、

 

「クゥン…」

 胴長短足の狐みたいな えぇとあれだ、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークみたいな犬が一匹。因みに作者、 コーギーはカーディガンよりペンブロークのほうが好きです。

 

 遠くに聞こえた遠吠えに一人と一匹は反応した。

 

「セキト、 心配?」

 切ないような鳴き声で少女を見上げる犬に、感情の起伏が少ないぽつりぽつりとした言い方で、しかし無垢に想いを乗せて少女は話しかける。

 

「大丈夫。 あの子、強い。 どこかで、ちゃんとゴハン食べてる。」

 

 数週間ほど前のこと。「あの子」とはなんとなくしばらく一緒に居たのだが、風来坊的な性格が本質のせいか、それか単に気まぐれに、だったのか、はたまた両方の理由なのか。 ともかく「あの子」は一人と一匹の元から去った。 でも、

 

「空の下にいるの、同じ。 いつか、また会える。 …たぶん。」

 

 赤い髪の上から てよんと伸びる二本の長い触角みたいな髪が、夜風にさわさわ揺らいだ。

 

 

 ・星下咆哮

 

 時は夜。とある山。目下のそれなりの街に臨む山の頂上に「そいつ」は居た。 しつこくまとわり付く他のやつらを威嚇の遠吠えで追い払って、なんとなく頂上に陣取っていたそいつはある方角を見ていた。

 

 夕方ごろに空から白い流星が流れて、それが落ちたであろう方向。そのほうに『何か』があるとでもいうのか、そいつはずっとその方角を意識していた。

 

 その「なにか」に向けて、であろうか。 そいつは山のてっぺんの大岩の上に立って、

 

「ウオオォォォォォォォォォォォォォォォォォー…」

 

 満天の星の下、その星々すらも震えそうな、千里の果てまで渡るような。

 

 どこか聞きほれそうになる、高い咆哮を放った。

 

 一方、目下の街。

 

「っ! …ったく、なんなんだい今日はやけに騒ぐね?」

「こりゃ近頃あの山うろついてるっていう例のやつじゃねえか?」

「ちょいとあんた、まさかあの話がほんとだとでも思ってんのかい?」

「そりゃあ大げさに言ってるだけかもしんねぇけどよ… おっかねえだろ。なんせ話がほんとなら…」

 とある飲み屋での会話、だった。

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 ・Side Somebodies MとNと、そしてK

 

 一刀たちと同じ時間帯。遠く離れた地。山林の古びた小屋の中には、とある三人がいた。

 

 なんとなく三人とも全体的に服が薄汚れているようだったが、しかしもう一つ共通していたのは三人とも各々違う性質ではあったが、 かなり美人、なことだった。 一人は幼かったが。

 

 その内一人が、遠くから聞こえた遠吠えに反応して飛び起きる。

 

「ぴぎゃぁっ!? ななななんじゃ獣かっ!?」

 

 聞こえたと言っても本当に遠くからの残響音のようなものだったが。それに反応するとは耳がいいのか、それともなにかあるのか。

 声に反応して他の二人も目を覚ます。足を伸ばして、飛び起きた一人に太ももを枕として提供しながら寝ていたもう一人と、小屋の隅の角に体を預けて、細い包みを抱えるように女座りで寝ていたさらに一人。

 

「ふぇっ?どうしたんですか、 …え、獣? …あぁ、なんだか聞こえてますね。」

「だが相当遠いぞ。 …むぅ、かなり参っているようだな…」

 

 仮に呼び方をM、N、Kとしようか。 飛び起きたMは頭を抱えて丸くなり、小刻みにブルブル震えていた。先の反応然りこの様子然り、ずいぶんと神経質…いや、精神的に圧迫され、疲弊しているのが伺える。 

 何かあったのか、Kが言うようにかなり参っているらしい。

 

「大丈夫ですよ。なにもいませんから。」

 言いつつNはMの背中を優しくぽんぽんとさする。すると、

 

「ほ、…ほんとに、なにもおらんのか…?」

 

 潤んだ目の半泣きの、すがるような表情で二人を見上げてきた。『少し前なら想像も出来ないような』弱弱しい、庇護欲求が一瞬でMAXになりそうなその様子に対するNの反応が、

 

「はぁ〜んもぅ、怯えに怯えた顔もかわいいんですからぁ〜。」

 

 …これだった。頬に手を当ててNは恍惚の表情。そんなNに対して、

 

「…お主というやつは…」

 

 Kは呆れ顔、だった。なんというか、だめだこいつどうにもできねぇ、と言うような。そんな表情だった。

 

 

 ・旅は道連れ、世は情け

 

「今更なのだが、お主は少し歪んでいないか?」

「何を言ってるんですかぁ。どんな状態でも愛しく思えるだけですよ?」

 

 Mはようやく落ち着いて、Nの太ももを枕に再び眠っていた。

「…まったく。 …しかしもう限界なのかもしれんな。 明日には着くのだろう?」

「えぇそうですね、日がある内には。 …まぁ、初めから信用なんかぜんぜんしてないんですけどねぇ。」

 

 笑みを絶やさないNではあるが、考えていることや言うことはなかなかに黒いところがある。  

 しかもMに対する愛情も、Kの言うように若干おかしなことになっているが注意しても徒労に帰すだろう。宛ら投網でめだかを獲るみたいに。

 

「仲は決して良いとは言えませんし、もしかしたら手が回ってるかもしれません。 でもこれしか当ても無いですから。 なにはともあれ、どうなるにしても付き合ってもらいますからそのつもりで。」

「無論だ。どの道一人ではどうにもならん。 それに恩義を忘れるは武士道に反する。このままお主たちを守り、付いて行こう。」

 

 このKの答えはNの予想していた通りだった。 会って十日ほどだが大体の性格は理解していて、当人の状況と性格を照らし合わせればおのずと予想は九分九厘の正確さで出る。

 

 因みにNの心の内を挙げるとすれば、

 

『この人なら見捨てないでしょう』

 という信用と、

 

『扱いやすい人ですね〜』

 …という若干の黒さ、であった。

 

 そして徐々に、二人もまた眠りに落ちていった。

 

 今現在、『事』が起こって、すでに結構な日にちが経っていた頃だった。

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 ・ちょっと時間はさかのぼって

 

「だから悪かったってぇ。ちょっと魔が差したっていうか天使がいたずらかましてきたっていうか、ねぇ?」

「おバカな天使もいたものですね。 誰かさんみたいに左脳が腐っているのでしょうか?」

 因みに右脳は感情、左脳は理性を司るとか。 即ち誰かさん、こと、笑顔の菅輅に捕まっている『性別が判別しにくい声の持ち主』は、これまた男か女かわかりにくい可愛いつくりの顔とたいけ

「誰だスケートリンク並みにつるぺったんなまないたで男みたいとか言ったやつはぁっ!!」

 いやそこまで言ってない。

 とにかく、感情が先立って走る性格らしい。

 

「ちっくしょ、冷静に流しやがってもぉ…」 

 不機嫌そうに頬を膨らますその様は、性別女らしく可愛らしいものだったが。

 

「話を逸らさないでほしいですね、飛鹿(ひろく)?」

「でもさぁ、あたしはほんとに一方的に華陀に声出しただけだよ。聞いてどう行動するかは本人次第だし。 それに ”あそこで北郷一刀たちと華陀が会うようにするためにタイミング計算するのって結構大変なんだよ?全身隠すマントも着てるの暑いし”。知ってるでしょあたしが暑いのダメってこと。」

 

 そう。華陀と慈霊に声を一方的にかけて居なくなった黒外套(マント)は、実はこの飛鹿。管理者の一人で管輅の妹分といったようなものなのだが、若干かなりいたずらな性格で、時たま勝手に干渉したり遊びに行ったりと手のかかる存在なのである。

 

「グレーゾーンを突いたつもりですか? しかしこんなことには精を出すのですね貴女は。」

「それに北郷一刀のおばあちゃんが外史の人、ってことでかなりの変動が起こってるし。もう今更だからちょっとぐらいやってもいいと思うのですよあたしは!」

 

 腰に両手を当てて、どん と立って無い胸を張る。「有るっての触ってみるかこらぁ!」はいはい。

 

「反省の色は無し、ですね? まったく亀甲縛りで動けなくして、貂蝉の下着を煮出した液を満たしたお風呂での強制入浴でもさせないと左脳の腐敗は治らないのでしょうか?」

「や〜め〜て〜よっ! んなことしたら左脳治るどころか残った右脳含めて全身がネクローゼ(壊死)起こしちゃうでしょうが! いいのっ?それ考えただけでもあたしの左脳の細胞は自殺してってどんどん考え無しな行動に拍車がかかるよ管輅はもっと手がかかるようになるよ自縄自縛とはまさにこのことだよどうだわっはっはぁ!!」

 

 飛鹿はなんの脅しをしているのか。自分で言ってれば世話は無い。

 

「あたし秘儀!『肉を切らせて骨を絶つ戦法っ』!!」 

 

 …らしい。別名、というかむしろ正式名称は『居直り神風アタック』ってなかんじだろうか。

 

「因みにあたし秘儀は全部で108個あるよっ!!」

 

 いやいや聞いてない。 そして108は煩悩の数だぞ。

 

「でもよいこのみんなは真似しちゃダメだぞっ、なにせ管輅がめっちゃ怒るからね今みたいにっ!」

 

 あんただけだそんなマイノリティ体験するのは。 と、笑顔の裏に「いいかげんにしろよコラ」とでも言いたげな黒いオーラを纏った管輅と、その前であたし秘儀『マジ陳謝』を発動する飛鹿の二人の横から、

 

「それくらいにしてあげたらぁん?管輅ちゃん。」

「うわぁお!気配完全に殺して近づくのやめてっての!」

 

 噂の貂蝉が割って入ってきた。トレードマーク…というか存在そのものが特徴なのだが…のピンクの紐パン一丁で三つ編みもみあげを揺らしながら近づく「それ」に、二人は無意識に距離を取る。

 

「もう。すぐに離れるなんては・ず・か・し・が・り、なんだからぁん。」

「違いますよちょうせん。生物なら本能的に行う拒否反応ですから。」

 

 さらりときついことを言う管輅は、やはり目を細めた笑顔のまま、だった。

 しかしもうこのやり取りが普通になっているから、三人はどうとも思わずに話を再開。

「まぁそもそも飛鹿の普段の行いをこの機に注意しようと思ってのことですから。ただし大きすぎる介入は流石に止めますが。 いいですね?」

「わーかってるってば。あたしもそこまではしないって。」

 

 同じころ。

 

「…やっぱり、やってやる。」

 

 また別の意図が動いていた。

 

 だって、 かわいそうだから。

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 <あとがき>

 

 なんと。とある方法に気付いて投稿にかかる時間が超短縮ですよ万歳。

 今までは直接キーボードでぱちぱち打ってたので、かかる時間はなんと五時間近く。

 ですがこれはなんと30分という短時間で投稿できましたやっほう。 まぁ原稿は何日も考えてましたが。とにかく超短縮万歳。

 

 さて、また何人も新しいのが出ました。 しかし一刀たち側の計九人を同時に動かすのは難しいですほんとに。それとオリジナルのキャラはなんだか書きやすいですね。特に飛鹿。あたし秘儀はけっこう気に入ってるフレーズです。たぶんもう出ませんが。主要メンバーのなかでは寧が書きやすいですかね。

 私のオリジナルキャラってどうでしょう?

 話を戻して。 恋も出ましたねちょっとですが。そして恋から去ったのは一体何なんでしょうね。 

 

 あとSide Somebodiesの三人。二人はもう誰だか判りきってるとは思いますが、さてあと一人は誰なんでしょう。そしてどうして三人でどこかに向かってるのでしょうか。そしてオリジナルとしていいのかどうか。…どうしましょう?(訊くな。)

 

 更に管理者側でもなにやら動きがあります。 そしてその動きが上記の三人の内の一人に関係する、の、でしょうか?(だから訊くな。)

 

 では。色々小出しにしたところでまた今度。

 

 

 

 PS、ペンブロークの他にグレートピレニーズとか甲斐犬、変わり種としてはレオンベルガーとかも好きですね。 理想はハイブリッドウルフですが。でも飼えません。 …だって運動量凄いらしいですから。

 

 

説明
 第6話、です。ようやく少しずつ動き出して、いる、…のかなぁ。
 今回は更に人物が追加です。まぁ一刀たちとはしばらく出会いませんが。 ただそのなかで問題なのが一人。
 さて、一体誰なのでしょうかね?
 
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コメント
胡蝶さん 二人の背景は一応本編に関ってきます多分。 寧「お褒めに預かって光栄ですね?まぁ何も出ませんが。」(華狼)
このタイミングであの二人ですか。華狼さんのオリキャラは独特で私は好きです。多少増えてもいいと思います。頑張ってください。(胡蝶)
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