GROW3 第四章 体育祭二日目 武道大会一日目 part1 
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 GROW3 第四章 体育祭二日目 武道大会一日目 part1

 

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 体育祭二日目、武道大会開催。

 

 この大会では、一日目にA~Dの四パートにおいて試合を行い、雌雄を決する。

一日目は三回戦までそれぞれのパートで行い、二日目は、特設ステージにて、

ひと試合ずつ行うという形式だ。

 それぞれのパートで妙に試合数が異なるが、運営のミスであるwww

 

 ということでさっそく俺は一試合目からなので準備を始めた。

 

 

 

 

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 俺の一回戦の相手は土久間 ガイ(ドグマ ガイ)。

 巨大なナリの三年生。ここでいよいよ三年の実力が分かるわけだ・・・

 俺たちは試合フィールドに立った。フィールドの広さは15m四方の正方形だ。

 あまり広くはないがまあ十分か・・・

 

 一試合目ということで試合前に全体へ挨拶をする。

 挨拶が終わると両者が向きあいになる。距離は5m程か・・・

 審判の合図を待つ俺に対し、ガイが話しかけてきた。

 「会長がこの大会に出るなんざぁ場違いってもんだぜぇ。所詮お前なんざ相手になんねぇ

んだよ。へへ」

 余裕をぶっこくガイに、俺は一言だけ告げた。

 「せいぜい死ぬなよ」

 「はっ?」

 首をかしげるガイ。

 これ以上こいつに話すことはもうない・・・

 

 そしていよいよ試合が始まる。

 「始めっ!!」

 審判の合図とともに試合が始まる。

 「へへっ、会長。早速だがやられてもらうぜ」

 俺に一気に接近するガイ。俺は道着の裾に片手を入れる。

 「ははっ。怖気づいて動けねェのか?じゃあ消えてもらう」

 目の前に接近してきたガイが左手でパンチをしてくる。だがもう遅い。

 「瞬撃崩拳」

 シュッッ

 パァァァァァンッッッ

 ポケットに入れていた俺の右手が、一瞬にしてガイの顔面を捉えた。

 地面に倒れるガイは、気を失っていた・・・

 周りの連中は何が起こったのかすら分からなかったようだ。

 

 「しょ、勝者、渡邊彰文っ!」

 オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ

 審判の声で歓声が上がる。

 試合場を降りた俺に、アリスちゃんとエイミーさんが駆け寄る。

 

 「すごいよおにぃたんっ!何何今の?ビーム?」

 わくわくするアリスちゃんに答えるエイミーさん。

 「今のはただのパンチだよ。気すら籠(こも)っていないね・・・

瞬動術の要領で爆発的にスピードを上げただけさ。たいして威力はないよ。」

 「そうなの?あんなにすごいのにーー」

 ぷーっとほっぺたをふくらませる。すごく可愛いな。

 「おにーさん。それよりも問題は次じゃないかい?」

 エイミーさんは少し心配そうに言ってきた。

 「ああ。やっかいな奴が相手だな・・・」

 「夢幻さんのこと?」

 「うん。夢幻に勝たないと、まず本選出場はありえない・・・」

 「そーなんだ・・・」

 すこし心配になるアリスちゃん。家で散々夢幻にやられている俺を見て来たんだ。無理もない。 「大丈夫だよ。絶対に勝つから」

 俺はそう言ってアリスちゃんの頭を撫でる。

 「うん。おにぃたんなら大丈夫だよね(^_^.)」

 「ああ」

 うなずく俺。絶対に勝たないとな。

 「そうそうおにーさん。ちょうどそのころわたしも試合なんだ。」

 「そうか。勝てそうか?」

 「ああ、とりあえずひと試合目はね。おにーさんと同じで二試合目が問題なんだよ・・・」

 苦笑いを見せながら笑うエイミーさん。二試合目・・・

 織物文辺か・・・

 「彼女の二回戦の相手の、王神(ワンシェン)だが、奴はかなりの中国拳法の達人らしい。

文辺ちゃんの実力が測れるのは恐らくその時かな・・・」

 エイミーさんは言った。

 「なるほど・・・俺も聞いた話じゃ織物双子は夢幻以上の使い手らしいし・・・」

 「そうかい。なるほどね。

そんなに心配そうな顔をしないでくれ。お互いに決勝で戦うんだろう。」

 エイミーさんはニッコリ笑うと、

 「またね」

 と、言って、Dパートへといってしまった。

 

 「トーナメント進むのどこも難しいみたいだね」

 アリスちゃんは俺を見て言ってきた。

 「勝てばいいんだよ。勝って本選に行く。それだけだよ」

 「おにぃたんは何で本選に行きたいの?」

 アリスちゃんの問いは真っすぐだった。

 俺はなぜ本選へ行きたいのか?

 そもそもなぜ本選に行きたかったのか・・・

 俺はアリスちゃんにやさしく答える。

 「みんなを守る力が欲しくて俺は修行をした・・・

もう目の前で誰も失わないように、誰も傷つかないように。

そんないまの未熟な俺が、この大会でどこまで通用するかを知りたくて、そんな

単純な理由だけで最初はこの大会にエントリーした・・・

でも、エントリーして一カ月の間いろいろなことが起きた。

二回戦夢幻と当たることで本格的に緩んだ気持ちを引き締めたこと。

エイミーさんから受けたたくさんの言葉。

みんなの言葉。

そして昨日のあの人の言葉・・・

そのすべてに答えたい。

みんなの思いに答えたくて。

今は試合に出ているのかな・・・

ごめんね分かりづらくて」

 それでもアリスちゃんは俺の話を最後まで聞いてくれた。

 ゆっくりと言葉を発する。

 「すごくいい目標だねおにぃたん(^_^.)

わたしのことも、いつまでも守ってくれる?」

 純粋無垢なアリスちゃんに俺は答えた。

 

 「アリスちゃんがずっと子供でいてくれたらね」

 意表を突かれ、少し驚いた後、ニッコリ笑い、首を少し傾げてこう言った。

 「わたしが成長しても、絶対おにぃたんを振り向かせて見せるんだからっ」

 

 アリスちゃんは本当にいい子です。

 

 

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 その後、他のパートを見に行ったが、みんな問題なく勝っているようだ。

 長々と雑談していたので、見ようと思っていた天使さんの試合を見逃してしまった。

 トーナメント表を見る限りでは勝っている。

 いったいどんな戦いをしたのだろうか・・・

 そして、我らが委員長こと薪南は、無花果 久間鳥(イチジク クマドリ)に、かなり

苦戦をしていた。

 どうやら無花果さんは、去年の大会で本選に出場をしたらしい。

 ぐったりと疲れている薪南。

 しかしこの学校には侮れない相手がいるようだな・・・

  

 そして俺はしばしの休憩を挟んだ後、Aパートに戻ってきた。

 すると、会場前で、異様な威圧感を放っている男がいた。

 その男は俺に話しかけてくる。

 「一回戦見事だったな彰文。正直問題なく勝ちぬけると思っていたのだがな・・・」

 ギラッッッッ

 ゾクゾクゾクゾクゾク

 強烈な威圧感が俺に襲いかかる。

 本当の戦いはここからなんだ・・・

 

 「なぁ、本気でこの俺に勝てると思っているのか?」

 ゾゾゾッ

 更に威圧感が増す。

 こいつなりのジョークなのか?

 戦う前に気分が悪くなるぜ。

 「勝つ気がねぇなら最初からこねえよ」

 俺も夢幻を睨(にら)みつける。

 夢幻は白い歯を出し大声でニッとすると、俺に言ってきた。

 「安心したよ。いい目をしている。」

 「え?」

 「試合、楽しみだな。全力で行かせてもらう・・・」

 夢幻は俺を何やら試していたのか。俺の肩に手を置いてバンバンする。

 「まったく・・・

何があったらこんなに成長するのかねぇ・・・」

 

 

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 その後、試合場に上り向き合う二人。

 すぐそばで見守るアリスちゃん。

 夢幻は何やら座り込んで、精神統一を始めた。

 俺や会場の連中は、そのあまりの皇后しさに言葉を失う。

 シーンと静まり返った会場に夢幻の張りつめた空気が流れる。

 そして・・・

 

 「始めっ!!」

 待ちかねたのか、審判が開始を宣言する。

 

 ばっ

 ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!

 その刹那、両目を開けた夢幻から、先ほどとはまるで比べ物にならないくらいのばかでかい

気が発せられる。

 俺はその空気に恐れるどころか心地よさすら感じた。

 (これが本気の夢幻か)

 夢幻はよっこいしょ、とゆっくりと立ち上がる。

 その後首や肩をパキパキ言わせる。

 「すまんな、待たせた」

 とても済まないとは思っていない夢幻がニヤリと笑う。

 俺もニッコリ返し、一言、

 「お願いします」

と、言った。

 

 試合はもう始まっている。こちらの出方を待っているのか?

 夢幻は動かない・・・

 もう例の術を発動させているのか?

 向こうが動かないのならばこちらから行くのみ!

 シュシュッ

 俺は夢幻の左、右へと、二連続瞬動で一気に距離を詰めた。

 そして、夢幻の右側から崩しにかかる。

 「十元一身鋼破連撃」

 左手一本での連続攻撃。

 「黄泉贈り、玉章(たまずさ)」

 しかし、俺の身体を覆いかぶさるかのように、左横から現れた、夢幻の式神妖怪に

吹き飛ばされる。

 だが、無意味・・・

 吹き飛ばされた俺の身体はバラバラになって消えてしまう。

 「ほう、風精霊(デコイ)か・・・」

 本物の俺はまだ一歩も動いていない。

 一時的に張った結界で姿を見えなくし、創り出した風精霊で攻撃を仕掛けた。

 なんの対策もなしに夢幻に攻撃するのはリスクが大きすぎる。

 まず偽物で様子見をして確認するのが最善の策だと教わった。

 夢幻の技の一つも分かり作戦成功といったところか・・・

 

 「この俺に対し騙し合いで勝負をする気か?

ふふっ、面白い・・・」

 夢幻は下を向き、左手で顔を抑えて大声で笑っている。

 右手を軽く振ると、先ほど出てきた狸(タヌキ)の妖怪は消え去った。

 「お前は本当に面白いな彰文!

さて、お前が騙し合いでこの俺にどこまで通じるのか見せてもらおう!!!」

 

 ニヤリと笑うと夢幻は空中で胡坐(あぐら)をかいて言う。

 「領域魔法(フィールドまほう)“夢幻”っ!!!」

 

 

 

 

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 次回予告

 

 ここでひっぱりますww

 次もすぐに書きたいですが、もったいぶってひっぱります

 

 いよいよ戦いが始まったわけなのですが、本選メンバーが全く決まってません。

 皆様との交流を深めつつ、こんなやつを出してくれとか言ってもらえるとうれしいです。

 

 ではでは

 

 次回 体育祭二日目 武道大会一日目 part2です

 

 

説明
 体育祭二日目武道大会編です
 
 どのくらい長いのか分かんないのでとりあえずpart1にしてみました

 
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