リミット&ブレイク 第1章改
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真っ暗な部屋で少女が泣いている。

何で泣くのだろう?

僕はそう思った。

真っ暗な部屋に月の光が注いできた。

部屋は真っ赤だった。

僕は何もできずにいる。

少女は僕を見て泣いているのに。

真っ赤?

そう、これは僕の・・・血なんだ。

少女の側に人影が見える。

人影は少年だった。

やはり、少年も泣いている。

少年は「僕のせいだー」

と叫んでいる。

君のせいではない・・・僕のせいだ。

やがて、少年の顔があらわになる。

白銀の髪に赤い瞳・・・どこかで見たことがある。

誰だったかな。

全部忘れてしまった。

 

 

 

真夜中の2時。

「何でだよ」

少年はぶつぶつと呟きながら自転車置き場へと足を運んでいた。

少年の名は天井 健二。

短い髪と地味な顔が特徴の少年だ。

ピルルルルルル・・・・。

突如、電子音が響く。

天井は発信源を取り出す。

携帯だ。

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天井「はい、モスモス。谷か?」

谷「そうだ。・・・・今、どこだ?」

天井「アパートの自転車置き場」

谷「・・・・まだそこかぁ。」

天井「うるさいなぁ、お前に呼ばれたときは風呂に入っていたんだから」

谷「だから、わりぃって。」

天井「それよりか、どこに行くんだっけ?」

谷「ああ、3丁目のボロアパートだよ。」

天井「なあ、今の時期に肝試しなんてやるのか?」

谷「何、言ってんだ。今の時期でも幽霊は出るんだよ。」

天井「わかったわかった。で、メンバーは?」

谷「俺と熊崎さんだよ」

天井「ふーん、熊崎さんかぁ・・・・よく来るなぁ」

谷「まあ、早く来い。待ってるからな」

天井「あいよ。」

ピッ・・・ツーツー。

天井は携帯を切り自転車置き場へと行く。

(今は6月、この時期に肝試しをやるのはおかしい。)

と天井は思う。

 

3丁目のアパートに着いたのは10分後だった。

熊崎「もう、遅いよぉ」

付いた途端、声を上げたのは熊崎 恵理。

見た目はおとなしい感じだがかなりボーイディッシュな少女だ。

長い髪と綺麗な顔立ちが特徴の少女だ。

天井は自転車から降り誤る。

天井「すまんすまん」

そこで現れたのは天井の幼馴染の谷だ。

谷は天井とは違いかなり女にモテる。

実際、熊崎は谷に寄ってきた女の1人・・・だと思う。

谷「まぁ、早く行こう」

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谷がせかす。

熊崎&少年「うん」

このアパートはいろんな幽霊の話があり夏場はかなり人気だ。

アパートは4階建てで敷地は16坪と小さめのアパートだ。

周りは木々に覆われ昼でも怖いところだ。

そんなところに天井、谷、熊崎の順でアパートに侵入する。

アパートの中は幽霊スポットとしか思えないぐらい雰囲気が出ていた。

天井「てか、何で俺が先陣切ってるのっ?」

熊崎「えー、良いじゃん」

谷「おまえ、霊感あるだろ。だから先行け。」

天井「だからって毎回俺が先陣切らなくてもいいだろ。」

熊崎「あっれーいままでも行った事あるんだ・・・・幽霊スポットに」

天井「うん、今までもこいつにつき合わされ来た。」

谷「何言ってんだ。お前が霊感あるって言うからさぁ」

謎の音「うぅぅぅ」

熊崎「・・・・今、何か音し無かった?」

谷「恵理、何言ってんだ?何も聞こえないぞ?・・・なぁ」

天井「・・・・いる・・・・・・多分」

谷&熊崎「ひっ!!」

熊崎「驚かさないでよ!!」

谷「そうだそうだ」

謎の音「うぅぅぅぅ」

全員「・・・・・」

谷「い、今音したよな」

熊崎「・・・した・・・よね」

天井「・・・・来る・・・と思う」

谷&熊崎「えっ!?」

谷「に、逃げよう」

熊崎「えっ!?でも、天井君が行ってるだけかも・・・・」

謎の音「うぅぅぅ」

熊崎「ひっ!!・・・さっきより大きくなってない?」

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谷「だから、天井の霊感は筋金入りなんだよ・・・・とにかく逃げろ!!」

熊崎「う、うん」

こんな感じで天井達はアパートの外まで逃げ込んだ。

熊崎「はぁはぁ、マジで怖い」

谷「はぁはぁ、天井は霊がマジで見えるんだ。」

熊崎「はぁはぁ、天井は?」

谷「たぶん中だろう」

熊崎「はぁ?何で中に残るのよ!!」

谷「あいつは幽霊と話す事ができるんだ。」

 

 

薄暗い室内には物が散乱している。

天井はこの中を進んで行く。

天井「いるんでしょ?」

謎の音「うぅぅぅぅぅぅぅぅ」

天井「良かった・・・・・ほら」

天井が手をかざすと部屋の中におじさんが現れた。

天井「具現化しました。」

おじさん「・・・・君たちは何故、私達の居場所を荒らすのだ?」

天井「すみません、俺達もあなた方に危害は加えません。」

おじさん「・・・・君は私を具現化したねぇ」

天井「それが何か?」

おじさん「私は殺されてしまう」

天井「あなたはいい人なのに?」

おじさん「私はA級自縛霊だ」

天井「?」

おじさん「・・・・君のせいで見つかったようだ。」

おじさんが指を刺すので後ろを向く。

白銀の髪に赤い瞳。

後ろを向いて目に入ったのはそれだった。

それにつづき青年が立っているのがわかった。

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その青年はなぜか黒いマントを身に着けて、そして身長より長い鎌を担いでいる。

謎の青年「具象化・・・・」

青年は呟いた。

天井「君は幽霊それとも・・・人間?・・・・わからない」

謎の青年「俺は幽霊でも人間でもない・・・・死神だ」

天井「・・・・死神?」

死神「・・・・・」

青年は何も言わずに鎌を振り上げる。

そして、天井に向かって振り回す。

天井「うわあああ。・・・・あぶないじゃないか!!」

おじさん「・・・・」

天井はふと、おじさんをみた。

おじさんは青白い光を出しながら薄くなっていく。

死神「・・・・任務完了」

おじさんはやがて見えなくなった。

天井「・・・・・おじさんをどうしたの?」

死神「空へ送った。」

そう言うと死神は鎌を持ち直す。

天井「君は一体、何者なの?」

天井は死神に問う。

死神「死神だ・・・」

天井「死神って何なの?」

死神「だまれ・・・・」

天井「何で、おじさんを送ったの!!」

天井の口調が変わる。

死神「うるさい・・・・」

天井「答えろ死神っ!!」

天井は死神に迫りよった。

死神「邪魔だ!!」

死神は天井をのける。

天井「なんで・・・送るんだ!!」

死神「貴様を見ていると腹が立つ・・・どけろ!!」

死神はそう言うと消えてしまった。

死神が消えても天井はその場にいた。

天井「なんで・・・送るの」

決して聞こえない声で天井はつぶやいた。

 

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長編 恋愛 死神 

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