もし三話でマミったマミさんが生きていたら
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もし三話でマミったマミさんが生きていたら

 

 

 

辺り一面無秩序に広がる魔女の空間。

その中でほむらを縛っていたリボンが緩み、次第に機能を次第に失ってゆく。

「まさか……」

 今回の魔女は一味違う、繰り返す時の中で何度もやられるところを見て来た彼女だから分かる。

 マミはやられた。

「わからず屋」

 ほむらは軽蔑と悲しみを込めて言葉を吐いた。

 ここ何度かの世界ではマミは決まってこの魔女にやられている。

協力すればやがて魔法少女が魔女になる事実を知り仲間を撃つ、助けようとしてもその手を振りほどかれ……救えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、ほむらは皆と生きて行ける世界があればどれだけ素晴らしいだろうと思う、マミや杏子も救えたらどれだけ嬉しいだろうかと考える。

それでも、そう想っても現実そうはならない。

転ぶ。いくら転ばぬ先の杖を突いても、その度握りなおしても―――――その重すぎる荷物のせいで結局は倒れてしまう。杖が角度を変えるだけで終わってしまう。

だから、私は持てなくなった荷物は切り捨てる。

それは非情かもしれないけれど、大切なものの為なら……たった一人の親友を救えるのなら、その約束を果たせるのなら、私はどう思われたって構わない。

 リボンに拘束する魔力は残されておらず、解放されたほむらは時を止めて走りだす。

 たった一つの願いを抱えて。

 

私、巴マミ、三滝原中学校に通うごく一般的な三年生。

 強いて違う所をあげるとすれば交通事故で生死を彷徨う重症を負った私は、キュウべぇと契約して魔法少女として蘇った事かしら。

 そんなわけで放課後、後輩が見付けた学校駐輪場近くの魔女の迷路にやってきたの。

 そしたら頭から食べられちゃって今に至るってわけ、魔法少女になって暫く経つっていうのに情けないったらありゃしないわ。

 それでも魔法少女になったこの身体のお陰で乗り切れる気がするわ、丈夫だし、意識さえ保てていれば大概の傷は再生できるもの。

今も首だけになっちゃたけれど、それでも時間さえかければ元に戻る、咄嗟に傷口を塞いで血の生成をしないと今頃やられていたわ。

九死に一生を得るとはまさにこの事ね、魔法少女であって良かったわ。

それでも私と一緒に来てくれた二人は人間だから、私がすぐにでも助けてあげないと間に合わなくなる。

「……一発デカいのキメるわよ!」

 

 

 

 

 

 

「願い事を決めるんだ! 早く!」

ここぞとばかりにキュウべぇが声を張り上げる、わざわざ目立った位置で。

「その必要はないわ」

ほむらは間に合い、胸をなで下ろすと一息も開けずに時を止め、ホムスピナーから取り出した十余りの爆弾をシャルロッテの体内に放り込んだ。

その体内では巴マミが口から銃を突き出して発砲前であった。

「ティロ・フィナーレ!」

 発砲中だった。生首の口から銃が発砲される姿はさながら現実とは思えないインパクトを孕んでいる、これが魔法少女である。

 のらりくらりと時を止めて攻撃を躱すほむらは、時を止めて攻撃を避ける。それこそ止まって見えるのだから避けるのは容易い。

魔女「シャルロッテ」が爆発する。

一つの大きな爆発から数秒の間隔を開け、今度は連鎖的に一気に炸裂した。

魔女が跡形も無く消し去る程の火薬量とその威力は申し分の無い所だった……が、ほむらの中に些細な違和感が生まれる。

 最初のって多分違……いいえ! マミは魔女にやられたのよ。

 ほむらはそう思って自身を納得させた。

説明
2011.4.25 もう何も恐くない 100円頒布本
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魔法少女まどか☆マギカ 巴マミ 暁美ほむら シャルロッテ インキュベーター QB 

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