恋姫外史アナザー・とりあえず一刀第十話 |
朝の朱里の部屋
チュンチュン・・・
「つ、ついに完成したね。雛里ちゃん」
小さな机に向かい、目にクマができた朱里が雛里に言う。
「うん・・・二人の初作品だね。朱里ちゃん」
朱里に向かい合って座り、同じく目にクマができた雛里。
「片付けは・・・後に・・・」
「うん・・・私も・・・」
すう・・・すう・・・
二人共、机に突っ伏して寝息を立て始めた。
書き上げた作品を朱里の机の左端に置いて・・・
それからしばらくして
コンコン
「お〜い、朱里いるのか〜〜?」
一刀が朱里の部屋を訪れた。
扉の外から呼びかけるが、返事はない。
「入るぞ〜〜」
そういいながら扉を開ける一刀。
中に入ると、そこには机に突っ伏して眠っている朱里と雛里の姿があった。
「何だ?勉強しててそのまま眠り込んだのか?」
腕を組み、頭の上に?マークを浮かべる一刀。
そして
「・・・ん?」
一刀は朱里の横に置いてある紙の束に目が留まった。
近づいて、手に取る一刀。
「・・・この絵は、もしかして・・・」
その束の一番上には
少女マンガ風のタッチで描かれた
裸で抱き合う一刀と華佗の絵があったのだった・・・
その後、紙の束の全てに目を通した一刀は、
「・・・おい、起きろ」
左腕に紙の束を抱えたまま、朱里を揺り起こした。
「・・・んん」
ゆっくりと目を開け、顔を上げる朱里。
「起きたか?」
「・・・?」
寝ぼけているようで、ボーっと一刀を見る朱里。
そして何度か瞬きすると、
「はわわ!!」
朱里は大きな声でそう言った。
「かかか、一刀さん?」
「おう」
「な、なな、何で私の部屋にいるんですか!?」
パニックになりながら一刀に問う朱里。
「会議の時間になってもお前らがこないから、呼びにきたんだよ」
頭を掻きながらそう言う一刀。
「はわわ!もうそんな時間ですか!?」
「ああ」
「雛里ちゃん!起きて!」
ユサユサと雛里を揺り動かす朱里。
「・・・んん」
のそのそと起き出す雛里。
「朱里ちゃん?ふわぁ・・・」
のんきに欠伸をする雛里。
「雛里ちゃん!もう会議の時間だよ!」
「・・・会議?」
雛里は呟くように言い、そして覚醒した雛里も慌てて
「あわわ!大変!」
「急いで行かないと!!」
二人は立ち上がり、会議場へ向かおうと扉を開けた。
「ちょい待ち」
一刀が二人を呼び止める。
二人が振り向くと、
「これ、何だ?」
紙の束を二人に見せる一刀。
「「・・・・・・」」
サーっと、二人の顔から血の気が引いていった・・・
「お前達が書いたのか?」
紙の束を一瞥して言う一刀。
「はわわ・・・」
「あわわ・・・」
朱里と雛里は真っ青になって、二人で身を寄せ合っていた。
「質問に答えろ!!」
「は、はい!!」
「私達が描きましゅた!!」
一刀の怒鳴り声に、怯えながら答えた二人。
「ったく、人に何も言わずにこんな物を書きやがって・・・」
毒づきながら紙の束をひらひらさせる一刀。
「「す、すみません!!」」
二人は一刀に頭を下げた。
「・・・その、その作品を・・・」
「返してほしいか?」
「は、はい・・・」
ばつの悪そうな顔でそう言う朱里。
「・・・・・・」
厳しい目つきで二人を見る一刀。
しかし、何故か笑顔になって、
「いいぜ」
と承諾した。
「ほ、本当ですか?」
「ああ。ただし、罰を受けてもらうがな・・・」
「「・・・え?」」
一刀はニヤリとして、懐から何かを取り出した。
それは、いわゆるホイッスルであった。
そして
一刀は大きく息を吸い込み
ピィーーーーーーーーーッ!!
思い切りそれを鳴らしたのだった・・・
ドドドドドドドド!!
凄い足音が廊下から聞こえたかと思うと、
「お呼びかしら?ご主人様?」
扉を開けて貂蝉が入ってきた。
「おお。ちょっと頼みがあってな」
「あらん♪何かしらん?」
「実は、こいつらがこんな物を書いててな・・・」
一刀は貂蝉に二人の作品を見せた。
「はわわ!!」
「あわわ!!」
二人は大慌て。
「あらあ?中々良い出来じゃな〜い?」
それを見て興奮したのか、身体をくねらせる貂蝉。
「実は、二人がお前みたいなのをモデルに作品を書きたがっててな」
「はわ!そんな事言って・・・」
「あら!嬉しい事言ってくれるじゃな〜い♪」
貂蝉は笑顔で二人に顔を近づける。
「っつー訳で、お前に二人の資料集めの手伝いをして欲しいんだ」
「任せておいて!私達のめくるめく世界を隅々まで見せてあげるわ!!」
「だから私達は・・・」
「この趣味、他のみんなにばらされたいのか?」
「うぐ・・・」
言葉を詰まらせる朱里。
「それじゃあ行くわよ〜〜ん♪」
貂蝉は朱里と雛里を抱えた。
そして凄い速さで走り去っていった。
「はわわ〜〜〜〜〜〜〜!!」
「あわわ〜〜〜〜〜〜〜!!」
二人の叫びを残して・・・
「うう・・・」
「・・・・・・」
フラフラと城の廊下を歩く朱里と雛里。
あの後、ずっと貂蝉に付き合わされ、解放されたのは夜だった。
「作品が出来たら読ませてねん♪」
去り際に貂蝉はそう言って、スキップしながら帰っていった。
「もう駄目・・・」
雛里は体力も精神も限界だった。
しかし、
「・・・あんな世界があったんだ」
朱里はそう呟いた。
「決めたよ、雛里ちゃん」
「な、何が〜〜?」
朱里の力強い台詞に雛里は訊ねた。
「今度のヒロインは貂蝉さんだよ!!」
ふらつきながらも目を輝かせた朱里は、雛里にそう言ったのだった。
・・・・・・
そして次の彼女達の作品は一刀攻め、貂蝉受けで書かれた。
完成品を貰った貂蝉は狂喜乱舞して、家宝にするとまで言ったのだと言う。
その後も美少年受けで兄貴攻め、またはその逆、マッチョとマッチョなど、二人の作品は国を揺るがしかねない大ヒットを記録する事になるのである。
「これであいつらもこりるだろ・・・」
そんな事とは露知らず、一刀はのん気にしていた。
そして彼が再び自分をモデルにした二人の作品を目にしたときは
彼女らの作品は国中に広まっており
もはや手遅れであった
合掌・・・・・・
どうも、アキナスです。
二人は(主に朱里)目覚めてしまいました。
自分で蒔いた種とは言え、一刀哀れ・・・。
貂蝉達と同じ趣味のやつらが続出したら・・・この世の地獄だ(泣)
そうならないよう願って、それでは次回に・・・
「サイキックウェーブ!サイキック斬!!」
説明 | ||
恐ろしい事になりそう・・・ | ||
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コメント | ||
ドッペルゲンガーさん:原因はどちらにあると言うべきなのか・・・(アキナス) ・・・・・朱里。落ちるとこまで落ちたか(ドン引き)(ドッペルゲンガー) P天使さん:あ〜、なるほど。確かにそうでしたね。気付きませんでしたよ(汗)(アキナス) いや、笛を吹いて漢女を呼ぶ所です。一回で貂蝉・二回で卑弥呼・三回で両方ですかね。彈劾凰・・・勝手に飛ばすな!!ですね(P天使) アロンアルファさん:乙女達の妄想力に現実の取材が加わった時、その力は何倍にも・・・(アキナス) 大ちゃんさん:成長スピードを著しく加速させてしまいましたね。何て馬鹿な事を・・・(泣)(アキナス) ZEROさん:一刀の主演作品多数。そして貂蝉も・・・(アキナス) きのさん:腐の素養を持つ人は三国一?(アキナス) 村主7さん:どの能力も基本微妙に思えました。(アキナス) 海平?さん:龍は天へと昇る。(アキナス) 2828さん:一刀はどう説明したんでしょうね?(アキナス) 闇羽さん:懲りるどころか一皮も二皮も向けてしまいました・・・(アキナス) jonmanjirouhyouryukiさん:まったくです。(アキナス) IFZさん:直視したくない現実。一刀の心は?(アキナス) cupholeさん:この時代が来ちゃいましたね・・・(アキナス) ルーデルさん:あのタイプはタガが外れると怖い・・・(汗)(アキナス) はりまえさん:そんな同人見たくない!!(アキナス) readmanさん:ある意味最強?(アキナス) アカツキさん:それしか言えませんね。(アキナス) 逆に加速させてしまったorzたくましい…(アロンアルファ) 流石、冥府腐道の達人たちだ・・・。(大ちゃん) 南無・・・(ZERO&ファルサ) 蜀の長所は腐の力・・・(きの) イヤッッホォォォオオォオウ!カズトザマァ!ワライガトマンネェゼ(窒息死寸前)・・・マグマ大使?(P天使) 「さぶ」や「「薔薇族」ですなw<マッチョメイン 決め台詞元ネタ.・・・レンタルで纏めて見ましたが打ち切り?だったのが残念な限りでしてw(村主7) まさしく、藪を突いて蛇を出す、ですな一刀君wいや、この場合は龍とかの方がいいかな?w(海平?) 会議サボリかw(2828) パワーアップさせてどうするとw(闇羽) 哀しいけど、これって現実なのよねぇ〜(泣)(IFZ) ウホッ(cuphole) 朱里はぶれないなぁww(ルーデル) 気づいた時のはもう遅かった後の祭りである・・・・と、まえにそれっぽい同人見たけど吐き気がした・・・・(黄昏☆ハリマエ) 蜀強えぇ。(readman ) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・哀れ。(アカツキ) |
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