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メリーさんが最近読んでたドラえもんに影響されたのかアタシも押入れで寝たい!って言い出したからそんな事しなくてもメリーさんの寝床はちゃんとあるし押入れには荷物が沢山詰まってるから寝るどころじゃないよって諦めさせようとしたんだけど既に手遅れなまでに押入れ生活に対する過剰な期待を抱いてしまっているようでまあたしかに自分も子供の頃はなんだかわくわくするって理由で押入れの中で寝たりしたこともあり気持ちはわかるし決意が固そうだったからしかたなくメリーさんのために押入れを片付けたい 押入れの上の段の荷物を一旦出して部屋に並べたら何か要らないものばっかりだということに気づいてしまったので捨てるものとそうでないものを分けようとしたらメリーさんがそんなの後でいいから早く寝床作ってよって急かすからはいはいしょうがないなって顔で押入れに布団敷いてあげたい 狭い押入れにぴったり布団が敷けるわけもないので少々不細工なベッドメイクになってしまったけれどメリーさんはそんなのお構いなしの様子でじゃあアタシ今夜はここで眠るからね!ってニコニコしながら主張してて超かわいくてかわいすぎるので俺もそこで一緒に寝る!って言い出すのは自然な流れだと思う 当然その要求は即刻却下されて俺はがっくり肩を落とすんだけどそんな俺をちょっと哀れに思ったメリーさんが交代でなら押入れ使わせてあげてもいいわよって言うんだけど違うんだメリーさんそうじゃない狭い空間でメリーさんと一緒に寝ることに意味があるんだって思いながら謹んで辞退したい 結局メリーさんその日は夕食の後から照明スタンドとドーナツを持ち込んで押入れに篭もり布団に寝そべってドーナツを食べながら漫画を読むという悠々押入れライフを満喫してて楽しそうなんだけどなんか襖一枚分の距離が果てしない壁のように感じられてこれが家庭内別居って奴かと嫌な気分になってしまい俺は寂しいよメリーさん おやすみ前のお風呂と歯磨きのときに顔を合わせたらあとは朝までメリーさんのかわいい顔を見られないのはとても辛い けどメリーさんがうきうき気分でおやすみーって押入れに入っていく様子を見てしまうと引き止めることなんて出来やしないのだ そんな重い気分で床についた俺だけども寂しさとともに完全に寝入ってしまったのか気がつくとスズメがチュンチュン鳴いてる時間だったんだけど予想外だったのは隣を見るとメリーさんがいつものように布団をしいて隣に寝ていたことだった 一瞬頭が?になって押入れの中を覗いてみたらそこはがらんどうで状況整理の結果理由はわからないけど俺が寝てる間にメリーさん布団をいつもの場所に敷き直したみたいでとにかくいつもどおりの朝がそこにあった メリーさんが起きたあと昨日はあんなに楽しみにしてたのにいったいどうしたのって聞いたら最初は面白かったけど寝ようとしたら狭いし息苦しくて押しつぶされそうだしで寝づらかったから結局いつもどおりに戻したっていうんでしょうがないなあと言いつつもメリーさんと隣同士で寝られる日々がおもったより早く戻ってきたことに安堵したい 調子にのってわざわざ布団敷き直さないで俺の布団に入ってくればよかったのにって言ってアンタアタシが寂しかったから戻ってきたとか思ってない?って睨むメリーさんの凛々しかわいい視線を一身に浴びたい
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