魔動少女ラジカルかがり SHOOTING -第五話Bパート- |
「は? 逃げられた?」
転送室からブリッジに戻ったところで伝えられた戦闘報告。
それは、あの黒い魔導師の捕縛に失敗したというものだった。
「逮捕しようとしたところで使い魔の妨害が入ってね。転送で逃げられたわ」
「えーと、戦闘領域から大きく離脱した私の失態でしょうか」
「いえ、増援を予想しきれなかったこちらの問題よ。気に病まないで」
だが、あの離脱は艦からの指示ではなく、私の提案だ。あそこは危険を恐れず全員で捕縛するべきだったか。
次元震を引き起こすロストロギアに、それを狙う密猟者らしき魔導師。
スクライアに恩を売れられれば程度と考えて関わったこの事件。
開始早々少し面倒なことになってきた。
――――――
テスト投稿二次創作SS 魔動少女ラジカルかがり SHOOTING
テスト内容:続・原作キャラ描写のテスト
原作:魔法少女リリカルなのはアニメシリーズ
原作設定:日本製シューティングゲーム各種
ジャンル:オリキャラ介入で時系列の狂った典型的原作再構成
――――――
帰艦したヤマトさんと私は、ハラオウン提督に連れられて休憩室に案内されていた。
日本風の茶室……と言えばいいのだろうか。
漫画で見たノダテというシーンが思い出される。
「ヤマトさん、ここはこの国の茶室というものでしょうか?」
学生自体の寮の自室に草で出来たカーペットのタタミを用意するなど、私以上に日本フリークのヤマトさんに聞いてみる。
ちなみにヤマトとは、日本の別名らしい。そこから興味でも持ったのか。
「いやあ、茶室は木造の個室だよ。ここは……何なんだろうね?」
「何なんでしょう」
木製のおたまのようなものでカップに湯を注いでいるハラオウン提督に視線を向けてみる。
取っ手がなく形が歪なカップを手に取ると、カップをくるくる回してからお湯を端に置いてある筒の中に捨てた。
これは、カップを温めたのかな。
「前に見た映像にこの国の外でお茶を飲む文化資料があって、再現してみたの」
楽しそうに言うハラオウン提督。おそらくそれがノダテというものだろう。
しかし、管理外世界の文化資料ってそうそう転がっているものなのだろうか。
「本局でカガリさんの同郷の方にこの世界のお茶の話を聞きまして。それ以来、日本の文化に興味を持ったのよ」
主任ちゃんが元凶かー!
そういえばヤマトさんに日本の製品を調達していたのも彼だったか。広がる日本オタクの輪。
「でも艦長、茶道には角砂糖は使いません」
「あらあら、いいじゃない。これから呼ぶのも小さな女の子なんだし。あ、カガリさん、渋かったらお砂糖使ってね」
「はい」
日本オタク同士で意見の相違があったらしい。
こういう場合は偉いほうに従っていた方が波風が立たないのでハラオウン提督に追従しておく。
ちなみに、白い服の魔導師さんは友人宅へ遊びに来ていた最中らしく、一旦別れを告げてからこちらへ向かうらしい。
現地にはハラオウン提督の息子さんのハラオウン執務官が向かっている。
顔見知りのヤマトさんが行けば良いと思うのだが、先遣隊の帰艦とか色々あるのだろう。
海の事務処理はよく知らない。
ハラオウン提督からお茶を渡される。
この世界のお茶の葉はどのようなものか知らないが、お茶自体は携帯飲料としても親しまれている人気の飲み物らしい。
ここ二百年ほどで文明レベルの向上が激しく、このように手はずから淹れることは珍しくなっている。
魔法を使わないこの管理外世界の文化は、参考知識として学習機械で割と多めに脳に焼き付けられてある。まあ、日本の項目がピンポイントで多いのは教育局の人たちの趣味が大きいだろうが。ああ、昔の私って何て玩具。
そんな過去を思い出しつつ、お茶を一口飲んでみる。
「んぐっ」
ちょっと苦い。そして甘いような口当たり。
「あら、お砂糖いる?」
「いえ、お茶菓子には合いそうです」
普段全く使わない異世界の知識の中でもお菓子の項目は参考になる。お茶菓子はヨウカン。渋いお茶に合う甘いお菓子だ。
一口飲んでは一口食べ、ということを繰り返していたところで、部屋に男の子が入ってきた。
ハラオウン執務官だ。九歳の私と同年代の子に見えるが、資料によるとこれでもヤマトさんと同じ十四歳。
この歳でも執務官職につけるあたり、時空管理局は本当に実力主義というか資格主義だ。執務官試験に年齢制限はない。
「保護対象者と現地魔導師をつれてきました」
執務官の後ろには、例の白い女の子がついていた。
いや、バリアジャケットを解除していてもう白くないが。
服はパーカーにミニスカートと、ミッドチルダでも見るようなデザインだ。
精神性と文化性の上限というものだろうか。どのような世界でも一定以上に文化のボーダレス化が行われた人類種の文明は、“想像の範囲内”の服装になる。
筆舌に尽くしがたい異形というものは、おおよそ閉鎖文化でしか生まれない。
文化が一極化した狭い管理外世界では、そのような異形文化もあって管理世界の一部の人たちに密かな人気があるのだが。
髪の色は茶。黒髪美人がこの国古来の美意識らしいのだが、他国との文化交流でそのあたりも変化したのだろう。
私個人の美的感覚から言えば、可愛らしい子だ。
肩には相変わらず首長ネズミが乗っている。
「ユーノ・スクライアです。通報にかけつけてくれ、感謝します」
ああ、やっぱりこの小動物がユーノくんなんですね……。魔法少女文化の伝統に則り、小動物化でも強要されたのだろうか。
「魔力治療のためこのような姿で失礼ですが、よろしくお願いします」
勘違いだったらしい。魔力治療ね。確かに生物として省エネっぽくはある。
「ユーノくんってやっぱり人なんだね……」
女の子が感慨深げに言っている。よほど小動物として長い間すごしていたのだろうか。
「あ、わ、私はなのは。高町なのはです。よろしくお願いします」
改めて彼女を見る。ちょっとした鼻声が特徴的な同年代の女の子。
頭の横で縛った髪がおじぎでぴょこぴょこと動いてなんとも可愛らしい。
同年代の魔導師、か。会うのはユーノくん以来だ。
ハラオウン提督がちらりとこちらを見てきた。私が挨拶しろと言うことですかね。
この部屋を選んだことからも、堅苦しい雰囲気はなしにしたいのだろう。ここは私が挨拶するのが無難か。
「よろしくお願いします、高町さん。日本では高町のほうがファミリーネームでよろしかったですよね?」
「あ、うん。気軽になのはって呼んで、ください」
「はい、なのはさん。私はカガリと申します。こちらがリンディ・ハラオウン提督。この艦の艦長さんです」
艦長と聞いて再びお辞儀を繰り返すなのはさん。階級の存在しない一般市民だというのに、しっかりしている。
あらあらかわいい、などとハラオウン提督が向かい側で眺めている。このパターン、前にどこかで見たような。
「それと私は特に偉くもない階級無しの魔導師ですので、敬語は不要です。歳も近いみたいですしね」
私の方が敬語なのは、まあ年上に囲まれた癖と言うものなので仕方がない。今更直す気もないし。
なのはさんはにっこり笑みを返してくれた。管理局側には友好的らしい。実はヤマトさんが攻略済みとかだったら嫌ですねぇ。
提督に促されて私の隣に正座するなのはさん。向かいにはハラオウン執務官が座る。
二人にもお茶とお菓子が振舞われる。
私と提督は二杯目。カップはその場でお湯ですすぎ、小さな布巾で拭いてからそのカップに淹れなおされた。
使いまわさず一度洗う、このあたりは独自の作法があるのだろう。
ハラオウン提督は角砂糖を一つ、二つと入れた。あ、今度はミルクを入れた。
隣を見ると、なのはさんの顔がひきつっていた。ヤマトさんも渋い顔だ。
……フォローを入れておこうか。
「なのはさん、日本ではないようですが海外では砂糖入りの緑茶飲料が一般的に販売されていますよ」
甘い飲み物と言うことで知識を記憶から掘り起こせた。甘い緑茶はお茶の本場である中国という国で人気らしい。
隣の国だというのに知らないのか、それとも彼女もヤマトさんみたいに茶道とかいう文化にこだわりがあるのだろうか。
「あはは、そうなんだ……」
引きつった笑みのままお茶を手に取るなのはさん。
その手前では、お皿に軽く注がれたユーノくんがお茶をぺろぺろとなめていた。
うーん、これはこれで可愛いかも……。
手を伸ばすと、腕を伝って肩の上に乗ってきた。
「お久しぶりです、ユーノくん」
返答代わりに頬を小さな舌でなめてくる。
……なめてくる?
「いきなり頬なめるとか何考えているんですか」
指でユーノくんの頭をはじいて叩き落した。
いきなりびっくりしました。ヤマトさんの初対面頭撫で以来の大事件だ。
「そんな破廉恥な仲になった記憶はありませんよ」
「いや、この形態だと行動まで動物っぽくなっちゃって……」
「昔ネズミを飼っていた事ありましたけど全然なめませんでしたよ」
「うう……」
魔力回復のためじゃなくて、本当はやっぱり呪いなのではないだろうか、この子は。
隣のなのはさんは、あははと笑いつつ頬をさすっていた。被害者一名確認。
まあユーノくんの動きから見るに身体的な怪我はないようなので僥倖だ。
大怪我をしているから変身して傷を消しているという線は消せないが。
「それで、今後について何だけれど……」
和んだところでここからが本題、とハラオウン提督が話を切り出す。
ぴしりとなのはさんとユーノくんの背筋が伸びた。
「私たちの行動を邪魔しない限り、現地世界の魔導師の協力は原則拒否しません。管理外世界であっても管理法の原則である自分達の世界を守る権利は保障されます」
現地協力者としての関係を維持、ということか。
魔法の記憶を消去してお帰り願うというのも想像していたのだが。
「ただし、第一級ロストロギアが絡んでいる以上、臨時局員という形で私たちの指揮下に入ってもらいます。ユーノさんもなのはさんのサポートと言う形で指揮下に入ってもらうわ」
人手不足の時空管理局とはよくいったものだ。敵対者が確認されたことでAAランクの魔導師である私の参入だけでは心もとないと言うことだろうか。
たしかに次元世界には世界防衛権の原則はあるが、民間人はまず現場から離そうとするのが一般的な対処なのではないだろうか。海はよく解らない。
先遣隊としてヤマトさんが会ったときに、強い要望でもあったのだろうか。
ヤマトさんのほうをちらりと見てみる。
……ウインクで返された。何が言いたいんですか。
戦場でもないのに以心伝心など出来るはずもない。
話はユーノくんと提督の二人で進んでいく。
ときおりハラオウン執務官の細かい指摘とヤマトさんの甘い意見も混ざるが、協力者としての方針には変わらない。
私には関わりのないことなので、一人お茶を飲みながら羊羹を消費していく。
はあ、それにしても足が痺れた。
場所を移してモニター室。
互いの紹介が終わったので、今回の事件の顛末についての確認だ。
場にはエイミィ執務官補佐が加わり、パネルの操作を行っている。
「すごいや。どっちもAAAクラスの魔導師だよ」
最初のヤマトさんとなのはさん、それと黒い服の魔導師が戦っている場面がモニターに移っている。
ヤマトさんはSランクでユーノくんはAランクの魔導師なので、AAAクラスというのはなのはさんと黒い魔導師のことだろう。
「なのはちゃんなんて、クロノ君の好みっぽい可愛い子だしぃ」
「エイミィ! そんなことはどうでもいいんだよ」
エイミィ執務官補佐の言葉に、必死で突っ込みを入れるハラオウン執務官。
本人の前で他人の好みを暴露とか、すごいところですねぇ、アースラ。
あの執務官補佐さん一人が天性のおちょくり士なだけかもしれないですけど。
「魔力の平均値を見てもなのはちゃんで127万。黒い服の子で143万。最大発揮時は、さらにその三倍以上! クロノ君より、魔力だけなら上回っちゃってるねえー」
この魔力値は、例えて言うなら魔法的防衛能力を持たない都市を軽く焦土にしてしまえるレベルの出力だ。
黒い魔導師は魔法の行使も見るに一流のミッドチルダ式魔導師。
なのはさんも魔法を知って二週間程度でこの魔力を完全に制御している。
本当にユーノくんは発掘の才能がある。
ちなみにリンカーコアを持たない魔導師である私はこの魔力単位での計測が意味をなさず、資料の備考欄には「魔力値は参考値までとし、特殊デバイスの出力と魔力持続能力の無限性に留意されたし」などと書かれる。
この身体本来の魔力の計り方は、魔力エネルギー炉とか発電所とかそういう方面での数値だ。
「魔法は魔力値の大きさだけじゃない。状況に合わせた応用力と、的確に使用できる判断力だろう」
「それはもちろん。信頼してるよ、アースラの切り札だもん。クロノ君は」
先遣隊にヤマトさんを出して執務官さんが出ていないということは、ピンポイントに投下して状況打破に使うためのまさに切り札として運用されるのだろう。現場で弾をばら撒いてトリガーハッピーに陥るヤマトさんとは違うということか。
この歳で執務官ならば、いくら資格主義の時空管理局であっても実力とコネを兼ね備えた肝いりなのだろう。
応用力と判断力を重視するというあたり、高ランク魔導師にみられがちな火力重視の傲慢さも見て取れない。
「執務官さん」
「なんだ」
画面をじっと見ていたハラオウン執務官が目線だけをこちらに送ってくる。
そういえば彼と言葉を交わすのはこれが初めてか。
「私たちの一族にはラスト・ダンサーという慣用句がありまして」
「ラスト・ダンサー?」
「最強を目指した戦闘機は、最高の砲台でも最高の装甲を持つでもなく、それらを後から自由に搭載できる最高の汎用性を持って作られたと言う故事です」
「ほう?」
「大局的に見たら最高の魔導師というのは高い魔法知識と技術を持つ総合魔導師なのかなーと思います。執務官さんの言う通り」
火力一辺倒の魔導師は使いどころが難しいものだ。
「まあ私はミッド式が使えないので汎用性なんて縁が無いんですけどね」
地上本部の私の投入具合を見ていれば解る。
武力制圧が必要なとき以外はお呼びでない。
「それが話のオチか」
「笑えなかったですか?」
「自虐的すぎだ」
切って捨てられました。
モニターを見て、ハラオウン提督は黒い魔導師の境遇についてなにやら嘆いている。
まだ子供なのに、か。
地上本部で多くの犯罪者を見てきた私としては、幼くして強大な魔力を持ち犯罪に手を染める魔導師などというものは珍しくもなんともない。さすがにAAAは初めてだが。
まあでも幼くて優秀な魔導師の行く末を決めるのは、確かにそれを見守る大人たちだ。
発掘者となり本格的に魔導師の道を進まなかったユーノくんを見ていても良く解る。
「ユーノくんってああ見えても総合Aの優秀な魔導師なんですよ」
「らしいな」
魔導師としての親が居なかったなのはさんはどうだろうか。
時空管理局は見守るに値するか。警察機関としての顔がある以上、犯罪の道へは進まないだろうが。
「さっきのラスト・ダンサーでいうならば、なのはさんという強力な砲台を制御できる汎用機がユーノくんなんじゃないかなって」
「無知で魔力馬鹿の魔導師に魔力の少ない高技術の魔導師がつけば、最高の魔導師になれる……と言いたいのか」
「まあユーノくんは管理局にはあげないですけどね。彼は魔導師以前に考古学者です。なのはさんをスカウトするだけで我慢してください」
「まるで彼が君のもののような言い方だな」
「知らなかったんですか? ((古代遺産|ダライアス))と((考古学者|スクライア))は相思相愛なんですよ」
提督の会話に付き合っているエイミィさんがこちらを横目で見てきた。相思相愛という単語に反応したか。
部族的な関係であって、個人的な意味で言ったわけではないんだけれど。
「まあなのはさんとユーノくんは微妙にラブオーラを出しているので、なのはさんゲットできればユーノくんがついてくる可能性も高いのではないのでしょうか?」
「はは、あとで提督に言っておくよ」
まあ言わなくても聞こえているようですが
ついでになのはさんとユーノくんにも聞こえています。ちょっとエイミィ執務官補佐の真似をしてみました。
「でも、辺境にわざわざロストロギアを回収しに来るなんて……」
「まさかこの子の背後の組織が輸送船を事故に合わせたのかしら」
私たちの私語を横に、ハラオウン提督とエイミィ執務官が考えを巡らせている。
だが判断材料が余りにも少ない。ミッドチルダ式の魔導師で使い魔を従えているというだけだ。
そこで、ずっと何かを考えるように俯いていたヤマトさんが顔を上げた。
「フェイト。フェイト・テスタロッサだ、彼女の名前は。テスタロッサという魔導師で調べてみてくれませんか」
「え、ヤマトさん、あの子名前言ってた?」
なのはさんが驚いたようにヤマトさんに尋ねる。
私が現地に向かうまでに何かあったのか?
「あー、ああ、戦闘中だったから俺しか聞こえなかったのかもしれない」
魔導師の名前を聞いて、ハラオウン親子が何かを考えるように静かになった。
テスタロッサ、というファミリーネーム部分で指定するあたり、何かあるのだろうか。
犯罪者グループの組織名?
「テスタロッサという魔導師に心当たりが?」
「ちょっと前に、ね……。ああ、エイミィさん。プロジェクトF.A.T.Eというのも一緒に追ってみてください」
追加の単語も出てきた。
相変わらず謎の多い人だ。敵対するであろう魔導師のほうは謎だらけでは困ってしまうが。
さて、話はまた戻ってなのはさんとユーノくんの処遇。
どうジュエルシードを回収しようか、などという話ではなく、なのはさんの家族にどう説明しようかというものだった。
管理局から文化資料と参考対処方法は届いているが、付け焼刃の嘘ではぼろがでてしまう可能性が高い。
生活を維持するため、基本元の生活を保ち必要に応じて招集できると言う形に収まるのが一番いいのだが……。
「嘘をつくのは得意なので、私がご家族に説明しましょうか」
さらっとすごいことを言う提督。
でも、得意であってもなのはさんから家族の人となりや家庭状況を聞いて嘘の内容を考え、納得してもらえる可能性を上げなければいけない。
可能なら、魔法から何から説明して親御さんに正式な了承をしてもらうか、危ないから駄目とはっきり言ってもらうのが良い。
だが魔法の存在など、不可侵である魔法文化のない管理外世界に知らせるわけにも行かず、皆頭を捻っている。
なのはさんの家族構成は父、母、兄、姉。
母以外は古流剣術の熟練者で、質量兵器を持つ武装護衛隊を相手に剣と針投げと鉄の糸で渡り合う実力を持つ。……なんだこれは。
ちょっとした危険があると説明したら家族を守るために絶対に首を突っ込んでくるだろう。
なのはさんの活動を拒否されるよりもそちらのほうがやっかいそうでもある。
ふむ、ここは考える人員を増やそう。
「皆さん、実はこの国の文化に詳しい良い人材を知っているんです」
エイミィ執務官補佐に次元通信の連絡コードを渡す。念話ではなく、通話機を使った機械通信のコードだ。
繋がる先は……。
「こんにちは、カガリ・ダライアスです」
「んだよこっち深夜なんだけど」
モニターに男性の顔が大きく表示される。大画面で映像通信はやるものではないですね
。
画面に映るのは、寝起きでただでさえいかつい人相がさらに怖くなっているおじさま、ダライアス一族の主任ちゃんだ。
「喪失文明復興局生活文化部多次元調査課課長。時空管理局嘱託魔導師として要請します」
とたんに真面目な顔になる主任ちゃん。
「……嘘を考えるのにご協力ください」
帰ってきた答えは、「は?」だった。
――――――
あとがき:ラスト・ダンサーの会話をさせるためだけに書いたそんな五話Bパート。
なのはにとっては出会いと成長の物語。転生憑依者にとってはフィクションの実体験。でもカガリにとってはよくあるただの一事件です。少なくとも今は。
用語解説
■これは、カップを温めたのかな。
紅茶では良くあるカップを温める動作ですが、茶道でもしっかり茶碗を温めます。表千家しか知りませんけど。
ちなみに薄茶と呼ばれるお茶は口当たりがまろやかでさほど苦くはありません。
■気軽になのはって呼んで
「私の名はシュバルリッツ・ロンゲーナ。大佐と呼んでくれたまえ」といったSSにおける手抜きの呼称の定着方法……などではなく、自分をこう呼んで欲しいと自己紹介時に伝えるのは海外で一般的です。
あだ名は付けられるものではなく自分で名乗るものだとか。「なのはさん、でいいよ」などと言う彼女は家族経由で某歌姫の国の文化を知っているのでしょう。
■テスタロッサという魔導師で調べてみてくれませんか
転生憑依者のチート技未来予知は、発動しても物語が本筋から大きく外れません。
「これが原作の修正力かっ!!」んなわけありませんがな。
SHOOTING TIPS
■ラスト・ダンサー
R-TYPE FINALを象徴する最強の汎用機の一つ。究極互換機。
全ての波動砲を選択可能。
全てのフォースを選択可能。
全てのビットを選択可能。
全てのミサイルを選択可能。
説明 | ||
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