貴方のいない世界へ
[全1ページ]

 

 少女が二人。

 

「ねえ、死んで」

「なんで?」

 

「死んで欲しいから」

「嘘、死んで欲しいなんてこれっぽっちも思ってない」

 

「当たり」

「当たった」

 

「いなくなってほしいの」

「引っ越そうか?」

 

「それじゃあだめ、私のいる世界からいなくなって」

「月や火星に行ってもだめ?」

「だめ」

 

「一瞬で済むから」

「これって拳銃? 思ったより軽いね」

 

「プラスチックの安物だもの。でも普通に使えるわ」

「安全装置も無いね、そういえば今日は土曜の夜だっけ」

 

「違う違う、金曜の夜。しかも13日」

「わあ、なんか大昔にそういうのあったね」

 

「じゃあ、早く私の世界からいなくなって」

「どうしても?」

「うん、どうしても」

「じゃあ仕方が無いね」

「仕方が無いね」

 

 ぱんっ ぷしゅっ どさっ ふわっ

 

「いなくなっちゃった。さよなら」

 

 

「うん、望み通り私は貴方の世界からいなくなったよ」

 

 

「ばいばい」

 

 

 ガチャリ

 

「あ、おかえりなさい」

説明
駄文
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
568 564 0
タグ
駄文

つくね@鈴仙さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com