芳川「電話を受けるだけの簡単なお仕事?」
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―黄泉川のマンション―

黄泉川「桔梗もそろそろ仕事探さないとダメじゃんよー」

 

芳川「それが、なかなか私に合う職種がなくてね」

 

黄泉川「とりあえず、ここに求人誌を置いとくから、適当に見てみるじゃんよ」

 

芳川「分かったわよ。後で見ておくから」

 

黄泉川「やる気あるじゃん?」

 

〜〜〜

芳川(ネットゲームに嵌ってしまってから、ますます外に出るのが億劫になってしまったわ。在宅勤務でいい仕事とかないかしら?)パラパラ

 

芳川「あら? 電話を受けるだけの簡単なお仕事?」

 

芳川(在宅勤務可。日給十万円。資格も特に必要ナシ? なんて破格な仕事なの)

 

芳川「さっそく電話してみましょう。もう埋まってるかもしれないけど」

 

芳川(それならそれで、就活をしたってことになるでしょうし)

 

prrrr

 

電話の男「はい。どちらさまでしょうか?」

 

芳川「あの、求人誌を見たのですが、まだ募集してますでしょうか?」

 

電話の男「はい。大丈夫ですよ。希望者は多いのですが、今のところ、こちらの条件に見合う人物がいませんでしたので」

 

芳川「条件……?」

 

電話の男「お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

 

芳川「芳川桔梗と申します」

 

電話の男「おや、『絶対能力進化実験』の研究員の方でしたか」

 

芳川(え? なぜ、私の素性を!?)

 

電話の男「あなたでしたら問題ないでしょう。ようこそ、暗部へ」

 

芳川「暗部……?」

 

電話の男「数日中にそちらにマニュアルをお送りしますので、それにてご確認ください。以降この番号は使用できなくなりますので」

 

芳川「あ、ちょっと!」

 

電話の男「それでは」プツ

 

芳川「切れてしまったわ」

 

芳川(ヤバ系の仕事だったのかしら?)

 

数日後

芳川「これがマニュアルね……」

 

芳川(なになに? あなたには、『グループ』の指揮をとって頂きます? 何のグループなのかしら……)

 

芳川(メンバーは、土御門元春、結標淡希、海原光貴に……)

 

芳川「一方通行!?」

 

芳川(最近見ないと思ったら、こんなところで……。まったく何してるのかしらね)

 

芳川(ええと、情報を適宜送信しますので、それに従ってアナウンスを。秘密は絶対厳守)

 

芳川「後は、正体がばれないように気をつけてください、ってこれだけ?」

 

芳川(まあ、なんとかなりそうね。それほど忙しいって訳でもなさそうだし)

 

――――

一方「ガソリン代と人件費は払ってやる」ガチッ

 

運転手「!?」

 

一方「第二十三学区だ。よそ見はするなよ」

 

一方(まずは、相手の目的を探るべきだ。それには、まず『ひこぼしU号』のデータを得る必要があるな)

 

ピピピ

 

一方(さすがに、警備員の詰め所に掛けりゃ、割り込まざるを得ねェだろ)

 

芳川『お電話ありがとうございます』

 

一方「!?」

 

芳川『こちら―――』

 

一方「すンませン。間違えました」プッ

 

一方(なンだ? 警備員でも、あの電話の野郎でもねェところに繋がった? どォいうことだ?)

 

一方「いや、うン、掛け間違えただけだな」ピピピ

 

芳川『お電話ありがとうございます』

 

一方「…………」

 

芳川『こちら、よ……あ、名乗っちゃいけないんだったわね』

 

一方「…………」

 

一方「オマエ、電話の男の代わりか?」

 

芳川『ええ。そういうことになるわね』

 

一方(芳川の声そっくりじゃねェか)

 

一方「俺の知り合いの声で出るなンざ、オマエも趣味が悪ィな」

 

芳川(あ、ボイスチェンジャー使うの忘れてたわ)

 

芳川『ゴホン。それで、用件は何かしら?』

 

一方「『ひこぼしU号』のデータを出せ。あれに搭載されている軍用レーザーの出力は?」

 

芳川『少し待ってもらえるかしら』

 

一方「早くしろ」

 

芳川『……………………………』

 

一方「オイ。まだか」

 

芳川『ふぅ。危うく、パーティが全滅するところだったわ』

 

一方「ゲームしてンじゃねェよ!!」

 

芳川『まあまあ、そんなに怒らなくてもいいじゃない。ハゲるわよ?』

 

一方「どうやら、よっぽど死にたいらしいな。この件が終わったら、ゆっくり料理してやる」

 

芳川『あら、怖い。それで、『ひこぼしU号』のデータなんだけど』

 

一方「さっさとしろ」

 

芳川『どうやら、四〇〇〇度程度の高温で 『ちょっと出かけてくるじゃんよー!!』

 

一方「…………」

 

芳川『…………』

 

一方「…………」

 

芳川『四〇〇〇度程度の高温でね』

 

一方「さらっと、話戻そうとすンな!!」

 

芳川『何か問題でも?』

 

一方「『何か問題でも?』じゃねェよ!? 今、聞いたことがある口癖が聞こえたぞ!!」

 

芳川『それはきっと気のせいよ』

 

一方「あァ、そォだよな。オマエがあいつの訳ねェよな。俺の勘違いに違いねェ」

 

芳川『それで、『ひこぼしU号』は 『あーっ! ミサカも行くーってミサカはミサカは』

 

一方「…………」

 

芳川「…………」

 

一方「オマエ、芳川だろ」

 

芳川『芳川って誰かしら?』

 

一方「黄泉川ンところに巣食ってるダメニートだ」

 

芳川『まったくご存知無いわね』

 

一方「……そォかよ」

 

芳川『納得してもらえたようね』

 

一方「まァな……」

 

芳川『それで―――」

 

一方「そォだ。今度そっちに顔出すンだが、何持ってきゃいいンだ?」

 

芳川『んー、ウェブマネーが切れそうだから買ってきてもらえるかしら?』

 

 

一方「やっぱり、オマエ芳川じゃねェかァァァ!!!」

 

 

芳川『あ』

 

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そのころ

〜〜〜

佐久「何してるんだ山手?」

 

海原(一方通行さんに電話が通じませんでした……)

 

説明
一方さんと芳川さんのギャグ。時系列は15巻時点です。
自己評価★★★☆☆
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タグ
とある魔術の禁書目録 一方通行 芳川桔梗 

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