秘密結社・きのこ研究所 #4 謎が謎呼ぶ! きのこ研究所(後編)
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第4話 「謎が謎呼ぶ! きのこ研究所(後編)」の巻

 

(前回のあらすじ)

重要成分Yの瓶が盗まれた。瓶は調査で見つかったが発見場所はがくぽチーフの部屋からだった。一度は拘束されたがくぽだったがMEIKO会長の判断で釈放、無罪放免となる。

瓶を盗んだのはプリマ医師だった。謎の人物とコンタクトを取り最後の仕事の連絡を済まして医務室に戻ると、MEIKO会長直轄の密偵・コードネーム「EGG・PLANT」(茄子)=“がくぽチーフ”が待ちかまえていた。同じ相棒の密偵・コードネーム「SWEET」だったプリマ医師と対決するがくぽだったが、あっさり負ける。が、途中で連絡を要望したレンのために対決は中断、がくぽは窓から逃げたのだった。レンからの連絡により、プリマ医師はMEIKO会長へプライベート回線でのTV電話をかけたのだった。

 

***

 

MEIKO会長:コードネーム「SWEET」・・・いや、もうそのコードは使わないんでしたね、プリマさん?。

プリマ医師:よくご存じで。

MEIKO会長:コードネーム「EGG・PLANT」、“茄子”好きのがくぽチーフから先ほど暗号メールが送られてきました。

プリマ医師:これまで有り難う御座いました。その内容の通りですので、この時刻をもって契約解消とさせていただきます。というか、やはり私にもがくぽを含めた刺客を送るのでしょ?。

 

MEIKO会長:私からがくぽチーフに返信暗号メールを送りました。

プリマ医師:やはり

MEIKO会長:“契約解消”だと。

プリマ医師:私を消すことに失敗したからですか?

MEIKO会長:違います。まずあなたに刺客を送る事は考えていません。そして彼に解雇通知を送ったのは、“私の予想通り”になったため、一応彼に通知をしただけです。でも彼は最初から“やめる”事にしていたのでしょう。“計画”を次のフェイズに移行させるためだと思うわ。

プリマ医師:?、計画って、“がくぽの計画”なんですか?

MEIKO会長:そう。彼もある意味、あなたと同じ“二重スパイ”なの。計画の詳細はまだ掴めていないけど、彼の事をまず最初から説明しないとだめみたいね。

プリマ医師:詳細にお願いします

 

MEIKO会長:はい。あなたも知っての通り、私は色々な所に密偵を送ってます。この研究所の隠蔽防止や問題所員の粛正のため、あなたやがくぽを雇いました。でも、この研究所に関わる“他の組織”などにも情報収集のため、同じように密偵を送ってます。彼らからの情報の1つに、あなたが契約して今回が最後の仕事だった、その組織に関する大きな情報が記された物がありました。

プリマ医師:ちょっと待って下さい!。なぜそこまで知っているんですか?。まるで私とがくぽが“二重スパイ”であることを知った上で私を密偵として雇ったと聞こえますが?。

MEIKO会長:その通りよ。ごめんなさいね。スパイである事を逆に利用したのよ。私は知っていたの。あなたが“戦隊結社・エクスカリバー”のスパイとしてうちに入所した事。だから、逆にエクスカリバー、いえ、“正義の剣“、と呼ばれるその組織の糸口を掴むため、あなたに逆に私たちの組織の事を詳しく知ることが出来る”密偵“扱いでの保健医になってもらったの。あなたもスパイとして絶好のチャンスだ、と思ったはずよ。

プリマ医師:おかしいと思わなかったといえば嘘ですが、私もそれを利用しました。おかげで“正義の剣”の方の仕事の報酬は弾んでいました。

MEIKO会長:あなたが組織と仲介していた指定発送先を、毎回チェックしては情報を集めていました。正義の剣もバカではなかったの。色々攪乱されたため、情報の糸口を掴むのは困難でした。ですが、かなりの回数を要しましたが、やっとこ、つまり最後である今回、担当が確証のある情報が入手しました。あなたも“VOICE ONLY”での連絡だったから、相手の姿を知らなかったはずよ。

プリマ医師:もう“どうしてそこまで知っているんですか”の質問はしないことにします。そして私は相手とは一度も会ったことがないです。

 

MEIKO会長:その相手、“正義の剣”のボス、コードネーム「ビッグ・アル」の正体、誰だと思う?。

プリマ医師:雇用相手には興味ないですが、極秘の薬品を集めさせる人物だから、闇ルートでさばく連中のボスなんでしょうね。

MEIKO会長:「がくぽ」よ。

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プリマ医師:!!!

MEIKO会長:それも、組織構成員は彼だけ。たった一人の組織・・・、「戦隊結社・エクスカリバー」、組織“正義の剣”は彼だけが一人で動いていた、ある意味の“架空の組織”。そしてやっていたことは、私たちのような“秘密裏に研究している組織”から重要薬品などを盗み出させて集めること。闇ルートに薬品が上がってないそうだから“売却”は行っていないみたい。今の所、そこまでしか情報は入ってきてないけど、何の目的でそんな事をしているのかはわかっていないわ。定番パターンだったら、“本当の目的”ってのが、まだありそうよね。

 

プリマ医師:もう開き直る事にします。なぜ、この組織はこれだけオープンな面が多いのに、無駄に“秘密”を使う事をするんです?。意味ないと思うんです、悪事を働いているわけでもないし、危険な研究なんてどこの一般研究施設でもやっている事ですし。

MEIKO会長:・・・私の予想が正しいなら、まだそれを話す時ではないみたいです。でもそのときが来たらちゃんと話します。でも代わりに、あなたのプライベートに関わる大事な情報も入ったので、知らせることにするわ。

プリマ医師:!?

MEIKO会長:あなたはスパイ業を利用して“ある人物”を探しているわね。是非、あなたの口からその名前を聞きたいわ。確証を得るために。

プリマ医師:・・・・・LEON(レオン)、私の兄です

MEIKO会長:そう、あなたは10年前に行方不明になった兄、天才化学者の“レオン”を探しているのですよね。でも、これだけ化学に関係する場所を中心にしたスパイ業をやっていても、兄の行方は掴めなかった。

プリマ医師:・・・兄はどこにいるんですか?

MEIKO会長:がくぽのアジトよ。研究させているのか、幽閉させているのか、目的は不明だけど、アジトを突き止めた時に偶然確認できたの。

 

プリマ医師:アジトの位置を教えて下さい。

MEIKO会長:あなたは一人じゃないの。選抜チームを組んで、みんなで乗り込むわ。

プリマ医師:こんな個人的なことに・・・

MEIKO会長:言い方が悪くなるけど、あなたの個人的なその事は1つの用事に過ぎないの。正義の剣のアジトを潰す事は、私たち、きのこ研究所・・いえ、秘密結社・マシュルムンの目的の1つ。

プリマ医師:言葉だけ取るなら、悪が正義をやっつける、みたいに聞こえるんですが・・・

 

MEIKO会長:悪に該当するのはおそらく正義の剣の方だと思うわ。だって、正義の言葉を盾にして多くのスパイを雇い、重要物品を集めさせた後、そのスパイを闇に紛れて消す。あなたも今回の仕事の後、消される予定になっていたの。たまたま、がくぽ自身と同じ潜入先だったから、ボスが直接下す事にしていたみたいだけどね。

 

??:そう、でも結局、せんせいに逆にやられそうになったけどね。

 

プリマ医師:!、誰!

 

??:先生、強いもんね〜

??:でも、アジトに直接一人で行くのは、いくらなんでも無理無理よ。

???:俺達だって、結構役に立つんだよ。こう見えても。

 

プリマ医師:ちょ!、ここ入室禁止にしたはずなのに!、なんであなた達が!

 

レン:ここに来る途中、全員、携帯モニターで見ていたんだよーん!

 

プリマ医師:レン君!、あなたさっき!。

 

レン:全部MEIKO会長から聞いていたんだよーん。で、天井のモニターから見ていたら、最初のがくぽとの戦闘が始まったから階段横からドアの前に来て止めただけなんだよーん。

ミク:そう、その後、PCモニター回線に切り替えて、私たちも階段の所でモニター使って様子を見ていただけなの、ミクミク。

リン:先生には報告会で助けてもらったもんね、今度は私たちが先生を助ける番。

 

プリマ医師:レン君、ミクさん、リンさん・・・・

 

KAITO社長:でも、我々の目的も達成するけどね。プリマちゃん?

 

プリマ医師:KAITO社長まで!

???:最後は私の出番ね

 

プリマ医師:え?!

 

MEIKO会長:じゃーん!、会長の登場なのじゃぁ!。あ、所員の人たち、背景ありがと。もういいわ。

所員達:イー!

 

プリマ医師:え?!、だって、これ・・・って、もしかしてPCの回線変えていたの?!

MEIKO会長:ええ、趣味悪いと思ったけど、プライベート回線先をここのモニターへ変換していたの。だから私の横にみんないたし、移動中はモニターで全員確認していたのよ。

 

プリマ医師:・・・あーあ、これで私が二重スパイだってこと、バレちゃった

MEIKO会長:いえ、あなたはこれからもずっと、“医務室勤務で、リンさんの敏腕右腕で、みんなのアイドル”の、「プリマ医師」よ。

プリマ医師:え!?、だって・・・

MEIKO会長:私は先ほどを持ってあなたを解雇しました。但し私の密偵としてだけね。

リン:そして、がくぽの方のスパイ職も、今回で最後だから、こっちも要するにクビよね。

ミク:で、事情は私たち全員、全部知っている、ミクミク

レン:だから、残ったのは、“医務室勤務の女医さんとしてのプリマ先生“だけなんだよーん

KAITO会長:ぼく、アイスとプリマちゃん無くなったら、生きていけないよ!!

 

プリマ医師:・・・・・・みんな・・・・バカ・・・・・・

 

その場に居合わせた全員が驚いていた。皆が初めてみる、プリマ医師の涙だった。

 

MEIKO会長:はいはい、涙は拭いて。さぁ、次に進むわよ!。全員でアジトに乗り込むのよ!!!

リン:そして、プリマさんの兄さんを助け出すのよ!

ミク:組織も叩きつぶす! ミクミク!

レン:ついでに集められた重要物品も、全部貰っていくんだよーん!

プリマとレン以外全員:それは、ないない

 

プリマ医師:・・・・プッ・・・アハハ!

全員:アハハハハハ!

 

ここでもプリマ以外全員内心驚いていた。初めてのプリマ医師の屈託のない笑顔だった。

 

MEIKO会長:じゃぁ、いっくわよー!!!!

全員:おーーーーー!!!!!!

 

(低いミクの声)集結した仲間達!、偽善を語る正義の剣を砕くため、みなはアジトへと乗り込むのだった! 次章、こう御期待!

 

***

 

CAST

 

リン所長:鏡音リン

レン副所長:鏡音レン

ミク副所長(兼ナレーター(低いミクの声)):初音ミク

がくぽチーフ(コードネーム「ビッグ・アル」):神威がくぽ

プリマ女医:PRIMA

 

KAITO社長(マフラー総帥):KAITO

MEIKO会長(アルコル大帝):MEIKO

 

MEIKO会長の背景持ち:エキストラの皆さん

説明
○ボーカロイド小説シリーズ第1作目の”秘密結社・きのこ研究所シリーズ”の第4話です。ボカロ達がスタッフのおかしな研究所を中心に、おかしな日常が展開します。
○事件の続きです
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Vocaloid ボカロ小説 鏡音リン 初音ミク 鏡音レン KAITO MEIKO 神威がくぽ PRIMA 

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