瓶詰無双4
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虎牢関

 

 

「れ、恋殿〜。洛陽の月様から、矢のような催促がきてるのですよー」

「・・」

 

「北郷を、早くコッチへ戻せと」

「・・むり」

 

「む、無理って月様の、主君から命令なのですよー」

「・・真面目、むり」

 

「いや、ですから」

「・・むり、むり、むり×7」

 

「無理の連呼って。な、なんでですか理由は・・」

「可愛すぎる」

 

「はぁ?」

「カズト・・可愛すぎるから」

 

 

そう答え、恋は顔を赤らめる。

その様と返答に、恋の軍師音々は肩を落とす。

 

恋は、先ほどからの会話中。

一回も、音々の方を向かずに一点、北郷を見つめていた。

 

 

「(音々の話に、全然興味が無いんですねー・・)」

 

 

この上の空の直接上司と、更に、その上の上司(月)に挟まれて・・。音々は中間管理職的な心のダメージを得ていた。

 

 それもこれも・・。

 

 

「(ずずーっ)ふへぇ?こいよんじゃ?」

「よ、呼んでない・・」

 

「そう?なら食べるの続けるよ・・」

「・・う、うん。気にせず食べる」

 

 

チビ可愛いヤツ(北郷)のせいであった。

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「し、しかし・・。恋の折角の好意で、極細冷やし中華作ってもらったけど・・」

 

 

そ、それでも俺の口の半分以上の太さがはあるし・・(むぐっむぐっ)。

 

 

「ひゃ、ひゃばり・・いっぽんでくちゅいっぱいになりゅよ(涙)」

 

 

「か、可愛い・・すぎる」

「す、すみません・・月様。わ、私も恋殿に同感です・・涙目は、ずるいのです〜」

 

 

「・・ふぁ?」

 

 

な、なんだろ?

恋と音々が、俺を見つめている。

 

も、もしかして・・。

 

「2人もたべたいの?冷やし中華・・。お、俺、特製でちょっとしかないんだけど?」

 

 

本数にすれば、に、二本しかないのですが、麺は・・。

そ、それなのにそれを俺から取るの、取っちゃうの麺を(涙)

 

 

「ひゃああああああああははははははあああああ//!!!!!!!!」

「れ、恋殿!!い、いくら北郷が、餌を奪われた可哀想可愛すぎる雛にみえたからって!!壊れないでくださいですー!!」

 

 

「お、おおごえだして・・?ど、どうひへのふひゃひとも?・・ふぁ・・あっ、麺こぼしちゃった・・」

 

 

「ひぃぃははあああああああああああああああああ!!!!」

「れ、恋殿!!いくら北郷が、乳児のように母性本能を擽る、ご飯こぼしをしちゃったからって!!なんか2人ぐらいをパクらないでくださいですー!!」

 

 

「れ、恋?なに、叫んでるの?もしかして・・そんなに冷やし中華が食べたいの」

 

 

・・・(北郷)。

 

 

「んっ・・あげる(涙)」

 

 

「どぁあああああああああああはははは!!!!」

「ねええねねねねねねねえええええ!!!!」

「呂布将軍!!涙目になりながらも、冷やし中華を分けあたえようとする、北郷の優しさに壊れないでください!!陳宮将軍もです!!」

 

 

音々も、壊れたので・・。状況解説を近くの兵が行ってくれた。

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こんな、このオン、オフが激しすぎる赤い人(恋に)。

俺が、ここに拉致られたのは、数日前。

 

「萌えで勇気・・100倍」

に、なるため俺を連れてきたらしい

ま、まあ・・。当人が、勇気100倍になるのは別に構わないが。

 

・・とはいえ、自分ばかりじゃなく、俺への、精神的負担を考えて欲しかったな。

 

特に、連れ去られた当日は一番やばかった・・。

俺は、恋に同行していた犬(セキト)に噛まれて、ここまで連れて来られたのだ。俺も、猫には数回噛まれ連れ去られた事があったが、犬は桁が違う。

 

犬歯が・・そう犬歯がマジ「ヤバイ」のだ。

 

しかも、この犬(セキト)、なにかと武名を馳せてる犬で・・。

この犬のせいで、地に倒れた者は数え切れない数だそうだ。

 

確かに、下手すれば、その牙は裁断機に近い、凄まじい殺傷具合の鋭さがあったし。

 

なにより。このご時世、犬用のアノ薬も打ってないだろう。

・・致死量が高すぎる、あの犬の病気が、あの犬歯には含まれているかもしれない。

そして、多くの犠牲者も、そっちの病気で倒れたのかもしれない。

 

・・俺はそんなやばいものに数時間噛まれていた。

しょ、正直・・。俺の体が、この先どうなるか分らない。

 

く、くそっ!!あの日の事は、その日限りの苦痛だけではなく、こうも長く俺の心を苦しめるのか!!!

 

 

「はぁ・・(絶対、俺のちいちゃい体・・。あの病気に、太刀打ちできないよな)」

「・・怖い?」

 

 

えっ、う、うん・・。犬独特の病気、俺、ものすごい怖いよ。

でも・・。俺、それを口に出してないよ?買主の恋に悪いし。

 

「戦場・・」

「戦場?」

 

「・・無理につれてきたゴメン、カズト」

「(あ、ああ・・。そういえば)」

 

 

ここ(虎牢関)は実はあと数日で戦場となるべき場所だ。

 

 

『反董卓連合』

 

 

よくわからないが、そんな敵が月を倒そうと、こちらに軍を向けているらしい。

 

 

「大丈夫、大丈夫・・恋も、大勢の敵を相手に勇気が欲しかったんでしょ」

「・・(コク)」

 

「そりゃあ、無理に連れて来られたのはなんだけど。でも、俺が居るだけで月軍、一の将軍様の助けになるなら、逆に喜ばしいぐらいだよ」

「・・カ、カズト」

 

「しかし・・問題は連合だよなー。恋と音々音は当然だし、月も詠も、みーんな、いい娘なのに攻めてくるなんて!!」

 

洛陽の主になった、月が、皇帝を好き放題に決めたり、自由気ままに政治をしてるとか。そんな大人の理由で攻めてくるらしいけど。俺には・・細かい理由はよくわかんない!!でも、やっぱり皆、いい子だもん。・・そんないい子を倒そうだなんて悪い奴らめ!!

 

 

「連合の奴らめ。俺は「ぷんぷん」だぞ!!」

「「・・(「ぷんぷん」・・怒りのテンプレ表現、萌え〜//)」」

 

 

でも・・。

俺が、怖がるからって言って、月と詠は俺に敵が攻めてくることを教えてくれなかった。

それも・・。

 

「月と詠にも「ぷんぷん」だな・・。やっぱり、一週間無視の刑だ!!」

「「・・(二回目でも、良い物は良い)」」

 

 

「よーし!!俺も、鬼の中に飛び込む一寸法師の如く、修羅の働きで見返してやるぞぉーー!!」

うん、決めた!!

 

「恋!!」

「・・な、なに?」

 

「俺用の、ちちゃな武器用意してくれ!!」

「?」

 

「それで、悪い敵を懲らしめてやる!!」

「な、なにいってるですかー。そ、そんなちっこい体で!」

 

「恋も、ちっちゃいけど一騎当千の猛将じゃないか!」

「恋殿とは、小さいレベルがちがうのです!」

 

「そこは努力と根性で!!」

「そんなもので、どうにかなるわけないです!!恋殿もいってあげて下さいです!!」

 

「・・・・」

「・・あれ、恋殿なに黙ってるのです?」

「恋?」

 

 

そ、曹操相手に・・。

ちんまいカズトが、ちいちゃい棒キレもって立ち向かう。

 

 

「・・萌えな絵」

 

 

じゅるー。

 

あっ・・。恋からヨダレが。

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数日後

 

 

「てぃ!やぁ!とぅ!!」

「「(ダラダラ〜)」」

 

精一杯、剣術の練習を続ける北郷。

そして、そのちんまい北郷の剣術の練習を、ヨダレだらけで見ている恋と音々音(始めは文句を言っていたが、練習風景のあまりの可愛さに、音々も落ちたらしい)。

そんなヨダレ2人の元に急報が入る。

 

 

「陳宮さま!!当方に近づく軍勢の陰あり!!」

 

 

「は、はぇ・・ち、ちんまくて可愛いです〜」

「・・・ちいちゃい・・いこーる・・正義」

 

 

・・一回目は、2人ともに無視されたが。

 

 

「陳宮様!!!!!!!!!!!」

「はっ!!・・つ、ついに・・来ましたか、連合軍の奴ら」

 

 

2回目には正気に戻れた。

 

 

「・・・おおき・・いこーる・・悪、・・恋が倒す」

 

 

恋は、爆走中だ。

 

 

「い、いえ・・それが、軍勢は洛陽方面から迫っております」

「洛陽から?と、なると月様の援軍?しかし、援軍だなんて、そんな話は聞いてないですー」

 

「陳宮さま、もしかして味方に偽装した敵兵なのでは?」

「それにしては数が多すぎるのです・・。やはり、なにかしらの理由があって月さまの本体が(ビュッ!!)・・き た のでわ?」

 

 

「ふにゃあああああああ!!!」

 

「か、かずと!!」

「な、なにゃんだ・・。いきなり何か、俺の頭の上に落ちてきた・・。矢?」

 

先が、丸くなってるとはいえ、なんでこんな危ないものが、こんな所に。

んー?なんか矢先に手紙が。

 

 

なになに、えーと。

 

 

「北郷を至急渡せ、さもないと謀反人として恋、お前ヤッルぞ♪」

「「「・・・・」」」

 

 

な、なにこれ?

 

 

「ねぇ・・」

「ヤラレル前に、ヤル!!」

 

 

「俺を渡して、穏便にいこ」

って、言う前に・・。恋が、最悪の覚悟決めちゃった♪

 

 

「決めちゃった♪じゃないよ!!音々!!恋を押さえて!!」

 

 

軍師の、君しか居ないよ!!止められるのは!!

 

 

「・・・」

 

 

音々?

 

 

「コレ(北郷)は、音々たちのものです。だから、やっちまいましょうですー(音々は、何行か前に言ったとおり「堕ちてる」のだ、そりゃあ骨のズイまでしっかりと)」

 

 

音々!!!!!!!!

 

まずいよ、まずいよ、まずいよ!!!

なにいきなり仲間割れする事、覚悟してるんだこの2人。

 

 

「・・音々音」

「はっ・・弓隊、構え!!!目標、洛陽方面から迫る敵軍ですー!!」

 

「えっ、いや・・。しかし、あれは月様の軍では??」

「あれは我らを騙し打とうとする、敵の偽装兵、かまわず打つのです!!」

 

「いやさきほど・・偽装兵ではないと」

「・・責任は我らが取るです、あと動かなければ恋殿の刀の錆びです」

「・・んっ(シャーキン!!)」

 

「お、お前ら準備急げ!!!!し、死にたかないだろ(味方の大将のせいで)!!」

「は、はっ・・。じゅ、準備終了しました・・し、しかしほんとうに・・」

「いいです!よーしー!!」

 

 

「えっ、ちょっと!!」

 

 

なに止める間も、突っ込ませる時間的余裕すら与えず!!淡々と戦闘を開始しようとしてるんだこの人は!!

 

 

「うつので・・!!」

 

嗚呼・・。

でも、もう間に合わない・・。

さ、最悪だ・・。

 

って、あれ?

 

 

「ワン!!!!!!!!」

 

 

「なっ!!」

「・・!!」

 

 

「あれ〜?」

 

 

俺、飛んでる?

しかも、今度は、あの数十メートルある高い関の楼閣からだ。

なんでー?

 

 

「ワグウウウ!!!」

 

 

あっ?セキトに咥えられてるからだ・・。

 

 

「んんーー?」

犬に噛まれながら、数十メートルから落下。

=犬は当然として、俺も死。

 

 

「がああああああああああああああああ!!!た、たすけてぇえええ!!れんーーーー!!!!」

 

 

犬と、なんで心中しないといけないんだよーーー!!

 

 

「わう!!」

 

 

な、なに「落ち着け」みたいな目で、俺を見てるんだよセキト!!!

こ、こんな地獄ましっぐらで、落ち着けるわけ・・。

 

はっ!!

セキトの目が語っている。

 

「すまんな・・小僧。今、わが主たちを仲間割れさせるわけにいかんのだ。だから、両軍の目の前でお前を連れ去れる。さすれば、あの馬鹿あるじ達は、目標を見失い戦をやめるであろう」

「そ、そうなのか・・セキト」

 

 

なんて、思慮深い名犬なんだ、お前は。

ただの危ない狂犬病持ちだとしか思って無かったよ。

 

「で、でも・・。数十メートル上から落下して助かるの?」

「ふっ、馬鹿にするな小僧、飛将呂布の第一ペットである私だぞ・・。このぐらいでは死なんさ!」

 

 

「そ、そうか・・」

 

 

よ、よかった・・。でも、あれ?

 

 

「セキトが助かるのは分ったけど、俺は?俺は絶えれるの」

 

 

俺、貧弱だよ。前、俺がオイタした時、音々の細い指一本の「陳宮デコピン」で骨に罅が入ったぐらい。

 

「・・・まあ、物事、犠牲はつきものだ」

「はっ?」

 

「それに、我から、主の寵愛を奪った相手に情けなど必要あるまい・・」

「えっ?」

 

 

総合すると!!

 

 

「わん!!」

 

 

文句言う前に、ただの犬モードに戻りやがったこのワンコー!!!

まあ・・でも、そもそもさっきの会話も死ぬ間際の幻想的な俺の「アレ」世界の想像だしね。

 

セキト、ホントはさっきから「ワンワン」としかいってないし。

・・うん、死へGOGOだな。

-5ページ-

あとがき。

 

今日はこれで投稿終了します。

・・質が確実に悪くなってるので。

 

修正しました。

ご指摘ありがとうございます。

 

説明
北郷による前回のあらすじ。

『俺、小さくなって詠に囲われてたら、赤い人に捕まった』

以上。
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コメント
れ、恋と音々が壊れたーー!!wwwそして今度は、どこの陣営に旅するのだろうか?(ほわちゃーなマリア)
貂蝉で仲たがいじゃなくて一刀で仲たがいとは(VVV計画の被験者)
董卓と呂布は貂蝉が原因で仲違いしたけど…こっちもそれに近い事態に!?(ノワール)
ねねは恋のこと様じゃなくて殿って呼んでますよ。(マイコロス)
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