【W】捏造その後 |
「では後は僕の仕事だ」
「ああ、任せたぜフィリップ」
相棒の集めた情報を元に、いつもの通りに飛び込む。
――地球の本棚。地球のすべての記憶を有する莫大なデータベース。心地よい広大な空間。
「それでは、検索を――」前髪を掠めて、風が通りすぎていった。
データ空間であるはずのここに、自然な風が入り込むことは100%、ない。
口元が緩む。こう笑えるようになったのはいつからだろう。
「ミックは相変わらず探偵事務所で元気にしているよ。最近出たキャットフードがお気に召したようで、他のメーカーのものだと食べないんだ。翔太郎がよくこぼしているよ」
「翔太郎は相変わらずのハーフボイルドさ。ドーパント犯罪がなくならないから街が泣いているって嘆いてる」
「そうそう、照井竜と亜樹ちゃんが結婚したんだ。なんとも驚きだと思わないかい?恋愛と婚姻は興味深いね。特に二人の会話はなかなか面白かった」
――しばしの間。
「シュラウ……母さんは園咲の家と決別しても籍を抜かなかったんだね。何故だろう。答えが聞きたかったな」
貴女の声で。
全く違う道を歩んだ父と母が、今どんな顔をして互いを見ているのか、見られないのは少々癪ではあるけれど。
姉さんたちも仲良くやっているのだろうか。
「あまり時間がかかると翔太郎や亜樹ちゃんに心配かけるから、そろそろ僕は用を済ませるとするよ」
検索を済ませ、手にとった本の情報を読み取りながら、思う。
多分園咲来人の家族は、ここにいるのだ。目には見えず、耳には聞こえないだけで。
「僕のことなら何も心配要らないさ」本を閉じると、見慣れた事務所の地下。
「幸せだからね、なんと言っても家族が二つもある」
さあゆこう、家族のもとへ。
説明 | ||
ついったから。園咲ファミリーもおやっさんも地球の本棚にいるって信じてる。 | ||
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仮面ライダーW フィリップ 地球の本棚 特撮 | ||
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