ようこそ! きのこ駅前商店街へ! #1 喫茶店LEO
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(プロローグ)

 

看板:『新装開店につき ホール係 1名募集! 時給・800円(昼食付き) ウェイトレスのお仕事です。元気な方 大歓迎! 担当:鏡音(店長)』

 

白い札:「準備中」

 

ピンクのタコを乗せた回転看板が店先にある喫茶店“LEO”の前に、ピンクの長髪の女性が一人立っていた。

 

女性:よしっ!、ここでバイトしよっ!

 

***

 

<ようこそ! きのこ駅前商店街へ! #1 喫茶店LEO>

 

カランコロン♪

 

ドアを開けると、目の前には小さめの店内と5つ程のカウンター席があった。カウンター席の中央の向かい側に、蝶ネクタイをしたいかにもマスターっぽい黄色髪の少年っぽい青年が立っていた。

 

女性:あの〜、ご担当の鏡音様でしょうか?。

少年:・・え?、あ!、そうですよ。僕が店長の鏡音レンです。もしかして、アルバイト希望の方?

女性:はい、「巡音ルカ」と申します。外の求人広告見てきました。あの、これ、履歴書です。

 

ルカはレンに既に書き込んである履歴書を渡した。

 

レン:ふんふん・・・なるほど、ご実家の北海道からこちらへ単身上京されて・・ああ、あのコーポ・オオマにお住まいで。で、ここでアルバイトにチャレンジと。

ルカ:はい。明るさなら誰にも負けませんし、大家族の家の手伝いだったらずっとやってきましたので、ホール仕事にも自身があります!。

レン:うん、明るくて元気なら大丈夫だよ。じゃ採用!。

ルカ:有り難う御座います!。

レン:いや、なに、新装開店でバイトさん一人がやめちゃってね、困っていたんだ。それと、うちのお客さん、9割この商店街の人だけだから。“街の憩いの場“って所かな。

ルカ:常連さんをしっかり覚えます!。

レン:個性豊かな人たちだから、すぐ覚えられると思うよ。あ、これ、制服ね。あそこのSTAFF ROOMで着替えてね。サイズは僕の見立てだから、きつかったら言ってね。

ルカ:はい!。

 

ルカがSTAFF ROOMで着替えて出てきた。服は黒基調の普通の喫茶店制服と、黒のエプロンだった。

 

ルカ:サイズぴったりです!

レン:よかった。それじゃ早速、外の白い札をひっくり返して“OPEN”にしておいて。

ルカ:はい!。

 

ルカが外に出て札をひっくり返していると、店長と同じ髪の毛で同じ身長くらいの女性が後ろに立っていた。

 

女性:ふーん、バイト入ったんだ。

ルカ:あ、あの、お客様でしょうか?。

女性:あ、うん、開店したんだったら、お邪魔しようかな。あ、私、ここの常連の鏡音リンっていうの。宜しくね。

ルカ:はい!、私、アルバイトの巡音ルカって言います!、宜しくお願いいたします!。

リン:うんうん、フレッシュな新人ちゃんじゃないの!、レンも安心したかもね〜

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カランコロン♪

 

レン:いらっしゃ・・・・・・って、リン姉か・・、あ、ごめん。ルカさん、この人がうちの常連の一人の鏡音リンさんだよ、ちなみに僕の姉さん。

リン:うんうん、綺麗に新装開店出来たわね。あ、ブレンド1つね。

 

リンはカウンター席に座った。

 

レン:いつものね、って、リン姉、お店の方、いいんですか?。

リン:あー、いいのいいの、今、若い連中に店番させているから。何かあったら携帯にいれるように言ってあるし。

レン:「若い」って、リン姉も十分若いっていうか一番若いんじゃないか?。

ルカ:あの、ご姉弟で別のお店なんですか?。

レン:あ、鏡音の本家がリン姉さんのお店なんだよ。“鏡音建設”っていう土建屋で、ここ全部の建築改装関係を請け負っているんだ。僕はどーにもあの仕事が好きじゃないんで、リン姉さんに・・・まぁ押しつけて、僕は独立して喫茶店を経営させて貰っているんだよ。

リン:おかげさまで、“若女頭”って事でこの商店街で名が通っちゃったんだけどね。

ルカ:はぁ。

レン:はい、ブレンド1つ、リン姉さんに持っていってね。

ルカ:はい!。

 

ルカはリンの所にブレンドコーヒーを1つ持っていった。

 

リン:う〜ん、相変わらず良い香りね、やっぱあんたはこれが天職だったみたいね〜、おいし!。

 

カランコロン♪

 

新しいお客さんが入ってきた。

 

レン:いらっしゃい・・・、ってミクさんですか。

 

ミク:ようやく改装終わったみたいね。それと新しいバイトさん?、ミクミク?。

ルカ:(ミクミク?)はい、アルバイトの巡音ルカです。宜しくお願いします。

ミク:お!、礼儀正しくていいね!、やっぱ若いのはこうでなくっちゃね!。ミクミク。

ルカ:(ミクミク?)有り難う御座います。

ミク:私は初音ミク、この商店街で“初音青果店”っていう店をやっているよ、宜しくね。

 

ミクはカウンター席のリンの隣に座った。

ミク:リン親方、こんにちは。

リン:こんにちは・・・って、“親方”はやめてよね〜、もぉ〜。

 

レン:ミクさん、お店の方、いいの?。

ミク:あ、うちの“はちゅね軍団”に店番やらせているから、なにかあったら私の携帯に入れるように言ってあるよ。まぁ、ここんところ客入りは良くないから、ヒマだろうけどね、ミクミク。あ!、私いつもの1つね。

レン:ブルーマウンテンでしたね。今いれるので少々お待ち下さい。

 

ルカ:凄いですね、今度も“いつもの”で通っちゃうんですか。

レン:ミクさんはネギ大好きなんで“酸味が強めのコーヒーが好き”って事で覚えているんだよ。それにミクさんが大好きなカイ・・

ミク:ミク!

レン:あ、すみません、い、いや、何でもないよ、はい、ブルーマウンテン1つ。

ミク:うーん、良い香り、ミクミク!

ルカ:(大好きで、カイなんたら・・・なんなんだろう、大好きって?)

 

カランコロン♪

 

またお客さんだった。新装開店って事や、商店街の憩いの場ってのは、伊達ではないようだ。

 

ルカ:いらっしゃいませ!(・・・・・・・青い・・・・人?)

レン:あ、カイトさん!、いらっしゃい!。

 

カイト:新装開店したんだ、おめでとう!、それと新しいバイトさん?。

ルカ:はい、巡音ルカと申します、宜しくお願いします!。

カイト:こちらこそ!、僕はこの商店街でアイスクリームチェーン店をやっている“工藤カイト”って言います。宜しく!。

ルカ:こちらこそ!。

カイト:じゃぁ、僕もいつもの1つお願いね。

レン:ブルーマウンテンですね、かしこまりました。

 

ミク:(モジモジモジモジ・・・・)

 

カイト:僕は・・・あ!、ミクさん、お隣のカウンター席、宜しいですか?。

ミク:は!、はいです!、こちらこそお願いしますです!。

カイト:?

 

ルカ:(!、・・・はぁ〜なるほど、“大好き”だから同じメニューなのね〜。ミクさん、威勢いいけどシャイなのね〜、ふふ♪)

レン:カイトさん、はい、ブルーマウンテン。

 

カランコロン♪

 

ルカ:いらっしゃいませ(今度は赤い人?)

レン:あ、メイコ姐さんいらっしゃい!

メイコ:おぅ!、寄らせて貰うよ!、新装開店か、今度祝い酒持ってくるよ。何が好き?。

レン:えー、僕は飲めないので、えっと、御神酒として使わせていただきます。日本酒の、えっと、清酒正宗でお願いします。

メイコ:あいよ!・・・・って、あなた、新人ちゃん?。

ルカ:は、はい、アルバイトの巡音ルカです、宜しくお願いします!。

メイコ:私は咲音メイコ。商店街で、“リキュールショップMEIKO”っていう酒屋をやっているんだ。宜しくね!。

ルカ:こちらこそ宜しくです!(元気のいい人だなぁ)

メイコ:んじゃ、私は・・・いつもので!。

レン:マンデリンですね、少々お待ちを。あ、ルカさん、メイコさんは酒好きで苦味が好きだから苦味の強いマンデリンなんだよ。

ルカ:覚えておきます!。

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カランコロン♪

 

ルカ:いらっしゃいま・・せ・・・・・(お侍さん?)

レン:あ、学歩さん!、いらっしゃい!。

学歩:無理せず“がくぽ”でいいでござる。それと、これ。注文のパン斬り包丁を一丁、完成したぞ。

レン:有り難う御座います!。

 

がくぽは包丁をレンに手渡し、ルカの方を振り向いた。

 

がくぽ:?、なんじが新しい“あるばいと”か、それがしは“神威学歩”という者。通称“がくぽ”と言われておる。この商店街で刀剣屋“神威”を営んでいる。宜しくな。

ルカ:私は巡音ルカと申します。こちらこそ、宜しくお願いいたします(刀剣屋だからこういう格好なのかな・・・)

がくぽ:それでは、いつものをお願いする。

レン:甘みの強いモカでしたね、かしこまりました。あ、ルカさん、がくぽさんはこう見えても“甘いもの好き”なんだ。たまに僕の得意の“スペシャルバナナパフェ”を注文してくれるんだよ。

がくぽ:今日はおやつ食べてきたから、パフェはまたな。

レン:はい、モカです。

がくぽ:ん〜、良い甘みと良い香りだ、さすがだな。

ルカ:(なんかだんだんお客さんが凄くなるような気がする・・・)

 

カランコロン♪

 

レン:あ!、プリマさんとアンさん!。いらっしゃいませ!。

アン:おぅ!、キタぞ!、シンソーカイテンだそうだな!、これはオイワイだ!。

プリマ:オイワイです・・・

 

アンはレンに花束を渡した。

 

アン:ジャァ、ワタシは、あまーーーーい、ココアを頼むゾ!。

プリマ:ワタシは・・・クリームソーダをお願いします。

レン:OK!。

 

アンは後ろを振り向いた。あまりの濃いキャラに驚いて後ろでトレイをかざしているルカを見た。

 

アン:Oh!, New face!, So cute!, What’s your name?.

ルカ:え・・えっと、My Name is Luka Megurine.Thank you so much!.

アン:Oh!, Good!.・・・Lukaさん、ハイ、良くできました。ワタシはこのShopping Centerの英会話教室“E.M.T”で英語を教えているSweet・Annデース!。そしてこっちがワタシの相棒のプリマデース!。

プリマ:プリマです、宜しくです・・・。

ルカ:は、はい、宜しくお願いします!。

 

アンとプリマは二人用のテーブル席に着いた。

レン:お二人、今日の教室の方は?。

アン:教室は今日はオフ日なんだ。だからゆっくりさせて貰うよ。

レン:ルカさん、ココアとクリームソーダ、アンさん達にお願いね。

ルカ:はい!

 

カランコロン♪

 

またお客さんだった。今日はやけに客入りがいい。

 

レン:あ、ミリアムさん、お疲れです!

ミリアム:お疲れ〜!、今日の夜は休日とったから、たっぷりゆっくりしていくよ。

 

ルカ:(わ!、格好いい人・・・・)

レン:ちなみにルカさん、ミリアムさんは女性だよ。商店街のショットBAR(バー)“Clear Voice”(クリアーボイス)の女性バーテンダーで店長さん。夜のみ営業だから、たいがいここで食事していくんだ。

ミリアム:お昼、まだだったんだ。ブレンドのサンドイッチセットお願いね。

ルカ:かしこまりました(じょ、女性・・・残念だけど素敵な人・・・)

 

ミリアムは窓際の席に座った。

 

ミリアム:そうそう、新装開店だったんだね。今度うちに来てよ、おごるから。

レン:僕は飲めないんで、ノンアルコールカクテルをお願いします。ルカさんは?。

ルカ:え?!、わ、私は・・・・ピーチカクテルで。

ミリアム:お!、新しいバイトさんは行けるクチなんだね、よし!、任せて!。

ルカ:(やっぱり素敵な人・・・)

レン:ルカさん、ミリアムさんにサンドイッチセットを持っていってね。

ルカ:はい!。

 

カランコロン♪

 

レン:あ!、アル親分とローラさん!、いらっしゃいませ!。

アル:おう、寄らせて貰うよ!。新装開店で綺麗になったな!。

ローラ:こんにちは♪・・・あら?、新人さん?。

ルカ:はい!、巡音ルカです!、宜しくお願いします!。

アル:そうか!、ルカちゃんか!、宜しくな!、俺はBIG・AL、アルでいいぞ!。ここで不動産屋“亜瑠不動産”をやってるんだ。でもって、こいつが俺の秘書のローラ。

ローラ:宜しくお願いします。

ルカ:こちらこそ宜しくです!。

 

レン:今日はいつものですか?。

アル:そうだな・・・、今日は腹減ってるから、いつものトラジャコーヒーの他に、スパゲッティナポリタンを頼むかな。お前は?。

ローラ:私はいつものコナコーヒーだけをお願いします。

アル:ダイエット中か?。

ローラ:(キラーーン!!!)

アル:あ・・・すまん、なんでもない。

レン:かしこまりました。

 

アルとローラはミリアムとは違うテーブルに座った。

 

レンはルカに小声でぼそっと話しかけた。

 

レン:(ルカさん、アル親分に店のことは聴いちゃだめだからね。下の人たちが店番しているし、スタッフ公認でこっち来ているから。それと、アル親分も怖いけど、最強はローラさんだからね。覚えて置いて)。

ルカ:(は、はひ・・・・)。

 

レン:じゃぁこれ、アル親分のテーブルにお願いね。

ルカ:はい!。

 

カランコロン♪

 

レン:あれ?、レオンさん、ゲーセンの方は?。

レオン:バイトに任せてるよ。俺は今は休憩時間。あー腹減った。ブレンドのホットケーキセットお願い!。

レン:かしこまりました。

 

レオンは1つだけ残っていたテーブルに座った。

 

レオン:お!、これはまた綺麗な新人さんだね〜!。

ルカ:巡音ルカと申します。宜しくお願いします!。

レオン:おう!宜しく〜♪。この商店街で子供が集う場所、アミューズメント店(ゲーセン)“レーザーキャノン”の店長やっているよ。楽しい所だから、休日にでも来てね!。

ルカ:わ!、私、ゲーセン大好きです!。是非、お休みの日にでも!。

 

レン:レオーン、営業活動はそれくらいしておけよ〜。はい、ルカさん、ブレンドのホットケーキセット、レオンの所にね。

ルカ:あ!、済みません、今持っていきます!。

 

レン:えっと、リン姉にミクさんに・・・・・・、よし。ルカさん、これでこの店の常連は全部だ。店開けている時間は9割このメンツの誰かが来ているから、宜しくね。

ルカ:はい!、覚えます!。

 

店内、ワイワイガヤガヤ・・・・・・

 

***

 

たこルカ:こうして始まった、巡音ルカの商店街ストーリー!。新人さんのルカさんと、ちょっと(?)個性的な常連お客さん達とのほのぼの(予定)ストーリー。これから一体どうなる事やら。

はちゅね:一番“個性的”なのは、喫茶店の看板の上に乗っかっている、キミでしょうが!。

たこルカ:あんただって、ミクさんの手下でしょうが!?。しかも量産型だし。

はちゅね:たこのオブジェよりはマシですよ〜だ!。

たこルカ:たこじゃないもん!、“たこルカ”だもん!。

 

はちゅね:・・・・

たこルカ:・・・・

 

はちゅね:は!、ではこれからこの喫茶店、そしてこの商店街、どうなるのでしょうか?。

たこルカ:あ、補足だけど、商店街の正式な名前は、“木之子駅前商店街”、“木之子=きのこ”です!。

はちゅね&たこルカ:ではでは〜♪

 

***

 

CAST

 

巡音ルカ(ルカ)&たこルカ:巡音ルカ

鏡音レン(レン):鏡音レン

鏡音リン(リン):鏡音リン

初音ミク(ミク)&はちゅねみく:初音ミク

咲音メイコ(メイコ):MEIKO

工藤カイト(カイト):KAITO

神威学歩(がくぽ):神威がくぽ

 

プリマ:PRIMA

アン:SWEET・ANN

ミリアム:MIRIAM

アル:BIG・AL

ローラ:LOLA

レオン:LEON

説明
○ボーカロイド小説シリーズ第2作目の”ようこそ! きのこ駅前商店街へ!“シリーズの第1話です。マスターの“レン”、ウェイトレスの“ルカ”が営んでいる喫茶店“LEO”を中心に、ボカロ達の日常が展開する・・・かも知れないジュブナイルです。
○まずは日常生活の章です。
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タグ
Vocaloid ボカロ小説 巡音ルカ 鏡音リン 鏡音レン 初音ミク KAITO MEIKO 神威がくぽ 海外組 

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