犬走 椛の不満
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 椛はいらいらしていた

理由は上司である射命丸 文のことである。

 

 最近文は取材と称して仕事場である妖怪の山から離れることが多くなった、

以前は多少は忙しくとも幻想郷最速を誇る彼女のスピードでカバーできていたのだが

地霊殿の一件以来、文の書く文々。新聞は旧都でも読まれるようになり

地底の方まで取材・配達に行くようになったからだ。

 

 生真面目なところがある文は自身の新聞が地底と地上の双方で読まれていることに

やりがいを感じているらしく、苦手としていた旧支配者である鬼に対しても積極的に取材している。

 実際に彼女の書く新聞はある程度のねつ造やうさんくささはあるものの

新聞自体はシンプルで読みやすいため、地上と地底の情報を手軽に知るには便利らしい。

 

 しかしながら、取材ついでに宴会に誘われることも多いため二日酔いで出勤することも多く椛は難色を示していた。

 先日も酒気を帯びたまま仕事場に来た文に喰ってかかろうとして同僚に迷惑をかけてしまったばかりだ。

 

 今日は待機任務の予定で普段だったらにとりのところで大将棋をする予定だったが、気分が乗らなかったため哨戒任務の同僚と代わってもらい気分転換に散歩しているところだ。

 

?「あまり厄を溜めこむと厄神になってしまうわよ」

椛「わっ」

 

 声に驚き顔をあげるとそこには鍵山雛がいた、

彼女自体は温厚で無害だが彼女の溜めこむ厄は人間妖怪を問わず不幸にするため恐れられている

雛は言葉を続ける

 

 雛「そんなに驚かなくても大丈夫よ、今はあなたのほうが厄いから」と言いケラケラと笑う。

 彼女が言うにはコントロールすることが苦手な椛は知らず知らずの内に大きな厄を溜めこみやすいため小まめにストレスを発散することが必要らしい。

 

 「今回の厄は私が吸い取ってあげるけど自分でもコントロールするすべを見つけたほうがいいわよ」と一言だけ注意すると雛は回転しながらまたどこかへといってしまった。

 

 文「あやややや、厄神様といったい何を話していたの?」

 今度の声の主はさきほどまでストレスの原因であった射命丸 文である。

今日もこれから地底に向かうところらしく酒びんを片手に持っている。

 

文「今日の仕事は哨戒任務じゃなかったの?」

椛「思うところがあって代わってもらったんです。そういうあなたこそ今日はデスクワークの日では?」

文「私も思うところがあってこれから地底へ取材よ、椛にも同行してもらうわ」

椛「お断りします」

 

 冗談じゃない自分も酒は好きだが文ほどは飲めない、ましてや鬼などと一緒に飲めば

カエルのようにお腹を膨らませ、しばらくは歩くことができないほど酔いつぶされるに決まってる。

 

文「残念ながらこれは伊吹萃香・星熊 勇儀両名からのご指名よ(嘘)断るなら二人が直接つれにくるかもしれないわよ」

椛「うぐっ」

 

 山の四天王と言われた鬼が二人も山に来たらおそらく妖怪の山はパニックとなるだろう

それだけは避けなければならない。

 

椛「分かりました、ついて行きます。あくまで取材の助手としてですよ」

文「分かっているわよ、あくまで取材の助手として手伝ってもらうわ(鬼の接待役として)」

 

こうして二人は連れだって地底へと向かって行った

 

ちなみに翌日の文々。新聞の一面には酔った椛が勇儀に対してキスを迫る写真が使われ

タイトルは「遂に下剋上? 白狼天狗のアルハラ」だったと言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
ああ、もみじかわいいよw
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