真・恋姫無双 懇願3
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「………は?なに言ってんだよ?」

 

「お前はなぜ北郷流の当主が数代足りないか知っているか?」

 

 確かに北郷流は何代かの当主が足りない事は知っているが病気や昔の戦争で亡くなった

 ものと思っていた。昔父に尋ねたことがあるのだが、答えてはくれなかった。

 

「お前の父は最後の修行を達成できなかった。この修行の意味に気づけなかったためにな。」

 

「本当の意味?」

 

「…お喋りはここまでじゃ。今までの修行でお前の才能は見せてもらった。神童といっても過言ではない…後は洞察力と北郷の血を見せてみろ!!」

 

 「ゆくぞ!!」

 

 掛け声と同時に両足に溜めた氣で一気に一刀の眼前に迫り刀を振り下ろした。

 

「うわ!?」

 

 間一髪横に飛び一撃を避ける。振り下ろされた場所の地面は陥没するほどの衝撃を受けていた。そ れを見た一刀は祖父が本気で自分を殺そうとしているのを感じた。

 

「何を茫然としておる?戦場なら致命的な隙じゃぞ。」

 

「いきなり斬りかかられたら誰でも茫然とするわ!」

 

 一刀は体勢を整えながら頭の中で事態を整理しようとしたが上下左右から襲いかかる斬撃を防ぐの で精一杯だった。

 

「(く・・・一撃一撃がいつもの重さとは比べものにならない!それにこの押し潰されそうな重圧は いったい。)」

 

「考え事をしている暇はないぞ!」

 

 言葉と同時に北郷流奥義の1つ雪崩(高速の連続突き)が放たれる。

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「くそ!・・・雪崩か!!」

 

 一刀は透視眼を使いなんとか刀で防ぎきれると思い最後の突きを弾いて祖父の動きを止めようとし た。

 

「よし弾い{甘い!}な・・・つ。」

 

 弾いたと感じた突きは左肩を貫いていた。

 

「なぜ受けきれなかったかという顔をしておるな。」

 

 いつもの手合わせのときは全て受けるなり弾くなりできていた攻撃をなぜくらってしまったのか。 何かいつもと違う動きをされたくらいにしか一刀な考えていなかった。

 

「単純な事じゃ。」

 

「人を・・・相手を殺すという意思と、倒すという意思の違いが出ただけじゃ。真剣勝負の中で片方が殺す事を前提に戦っているのにもう一方がただ倒す事を前提に戦っていたら手を抜いているのも同然じゃ。」

 

祖父の言葉を聞きながら一刀は現状を確認していた。

 

「(左腕はまだ動くが、持久戦は無理だな・・・。)」

 

「どうやら本当に殺し合いが最後の修行みたいじゃな。」

 

「ふん。ようやく覚悟ができたか?」

 

「・・・・あぁ。」

 

「次の一撃で決めてやるよ!」

 

一瞬の静寂の後、同時に動きだした。次の瞬間、祖父の剣が一刀の脇腹を捉えた・・ように見えたのだが残像の様に姿が消え反対に足に深手を負った祖父が倒れていた。

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「たしかに斬ったと思ったんじゃが、まさか氣で分身を作るとはの。」

 

「とっさに思いついただけだけどな。」

 

「そうか・・・」

 

一刀は祖父に近づき傷口に手を添え自身の氣を集中させていった。

 

「どういうつもりじゃ?」

 

「つもりもなにも修行内容は殺すという事だろ?命を断てとは言われてないしな。」

 

 あっけらかんとした表情で一刀は言いはなち笑顔を見せた。

 

「・・・・ふはは!見事じゃ!足の腱をたち武人としての儂を殺したと言うことか。やれやれこれか らは普通の爺さんとしての老後かの。」

 

「・・・いや半年ほど我慢すれば8割方回復すると神経はなんとか繋げたからね。」

 

「簡単に言いおるがこの世の中に今の状態を氣の治癒術だけで治せるものなど世界に数人しかおるま い。そろそろ渡す時期みたいじゃの」

 

そう告げると祖父は道場に飾られている一振りの刀をさし出してきた。

 

「これは歴代の当主が持っていた刀、名を曼珠沙華という。今からお前が持つべき物だ。」

 

 一刀は近づき頭を下げて刀を受け取り宣言した。

 

「北郷一刀新当主として先任者の名を汚すことなく精進することを誓います。」

 

「うむ。後のことは任せた・・・さてお前を祝うために酒の席を用意してあるからな。飲むぞ!なん といっても婆さんに頼んでいたレミーマルタンがようやく届いたから早く行くぞ♪」

 

 そして一刀はふと思った。

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「・・・・あれここ感動の場面じゃねぇの?」

 

 そして翌日の朝・・・見事に二人揃っての二日酔いに陥ったのである。

 お昼を食べた後に一刀は日課の鍛錬を終え祖父と茶を飲んでいた。

 

「ん〜やはりほうじ茶より緑茶の方がいいの〜。」

 

「そう俺はチャイが一番好きだけどね。」

 

「・・・エロ紳士め。」

 

「え!?そこはエセじゃないのかよ!」

 

「お、そうじゃった。お前学園の理事長に呼ばれとったぞ、なにか用があるみたいじゃ。」

 

スルーですかそうですか。

 

「理事長が・・・会いに行きたくねぇ。」

 

 ハゲで筋肉ダルマのヒモパン男に会いに行くと考えただけでテンションが下がる一刀であったが無 視をして会いに来られたら変な噂がたつので嫌々ながら学校に向かうことにした。

 

「一応儂の知り合いだから失礼のないようにの。」

 

「マジで!?」

 

「・・・・。」

 

「リアルに沈黙しないで下さい。」

 

 そして学校に着くやいなや理事長室の前で深呼吸している一刀がいた。

 心の中で何度も校内でヒモパン一丁なわけはないだろうと心に念じながら地獄への入り口とも思え る扉を開けた。

 

「失礼します。」

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「あらぁ〜んやっと来たわねご主人様♪」

 

 ヒモパンのオカマが仁王立ちで待ち構えていた。

 

「・・・バルス(ぐさ)ぐぁぁぁ!!」

 

 目が合った瞬間に自分自身に眼潰しをくらわせた。

 

「ちょっとぉかなり傷つく行動をしてくれるじゃないのぅ。花も恥じらう漢女に対して。」

 

 すでに疲労困憊の一刀は色々ツッコミを諦めて話を進めた。

 

「それより用件は何でしょう?チョウセン理事長。」

 

「つれないわね〜。まぁいいわ風紀委員であるあなたに渡しておくものがあるよの」

 

 そういって部屋にあるガラスケースの中から刀を取り出した

 

「これは・・・?」

 

「実はねぇんここ聖フランチェスカ学園では代々の風紀委員がこの地獄蝶々を持つ決まりになってい るのよん。」

 

「抜いても?」

 

「いいわよぉん♪」

 

 抜刀したあと何回か素振りをし型をこなした。

 

「不思議なほどしっくりきますね。」

 

「そりゃそうでしょご主人様の家宝の曼珠沙華と同じ材質で作られたものよ。」

 

 それを知っているという事は、やっぱり爺ちゃんと知り合いなのかorz

 ていうかなぜご主人様と呼ばれるんだ?

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と落ち込んでいる俺をしり目に理事長が何かに気づいたように尋ねてきた。

 

「・・・・・ほんの微かに血の匂いがするわね・・ご主人様・・・人を切ったわね?」

 

「!?」

 

 なぜと思いつつも俺は理事長に事情を説明した。途中何度もオカマに対して何を真剣に話している のだろうと思っていた。

 

「なるほど最後の修練はギリギリ合格という感じかしらね。ご主人様一つ忠告をしておくわよ、人の 体を斬るという感覚と人を殺すという事は天と地ほどの差があるわ。祖父様と世界の幾つかの紛争 地域に行き人の死というものを近くで見てきたようだけども全く違うものだというのは覚えておい てね。」

 

「それで何で委員長でもない俺が地獄蝶々を持つんですか?」

 

「それはあなたが北郷一刀だからよ。」

 

 何を言っているんだこの人は格好だけではなく発言までも意味不明だな。

 

「とりあえず・・・話はそれで終わりでしょうか?」

 

「えぇ。もう行っていいわよご主人様♪また後でね。」

 

 やれやれ帰るとするか・・・え?後でだと?

 

「ただいま。」

 

「あら〜おかえりなさいご主人様♪」

 

 なぜここに変態ヒモパンお化けがにいるんだ。

 

「だぁ〜れが会った瞬間に卒倒する変態筋肉ですってぇ?」

 

誰もそこまで行ってません。

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「それで何で理事長がいるんですか?」

 

 というかなぜ電車で帰った俺より早く家にいるんだ?

 

「友人に会いに来ただけよ。」

 

 だから友人は選べと言っただろ。

 

「そんな事より忘れ物よご主人様。」

 

と言ってチョウセン理事長は地獄蝶々を渡してきた。

 

「これは校内で見回りする時と立ち番の時だけに必要なはずですが?」

 

「詳しくは言えないけど今から向かう場所に必要なものよ。」

 

「一刀、曼珠沙華も持って行け。」

 

「一本で十分だけど。」

 

「お前の本質は二刀流じゃろ?」

 

「・・・分かってたんだ?」

 

「師匠を甘く見ない事じゃな。それより旅の準備をしてこい。これは北郷家にきた依頼じゃ、よって新当主のお前がせねばならん。」

 

「はいはい無茶は今に始まったことじゃないから準備してくるよ。」

 

とりあえず旅行用具一式を用意するために部屋に戻った。

 

「どうじゃチョウセン?我が孫は?」

 

「そうね・・・刀一本なら互角でしょうね。けど二刀で戦われたら・・・私とあなた二人がかりでもキツイでしょうね。」

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それほど一刀には天意ともよべる武と智が備わっているか。

 

「力に溺れなければいいがの。」

 

「ご主人様なら大丈夫よ。」

 

「そうじゃな。」

 

「それより銅鏡はやっぱり?」

 

「ああ光っておる恐らく今夜じゃろう。」

 

「そう・・・恐らく今までの外史のなかで一番特殊な世界になるでしょうね単なる過去でも性別が変わるだけの並行世界でもない。どんな終わりを迎えるかはご主人様次第。そして最低条件は…。」

 

「準備できたよ?」

 

「ふむ。では道場に行くぞ」

 

三人は揃って道場に歩き出した。

 

「え?銅鏡が光ってる」

 

「時間がないから手短に言うぞ今からお前は過去の三国志の世界に吸い込まれる。基本的な流れは似ているとは思うが、情報は自分の目と耳・足で確かめろ!固定観念に囚われるな!いいな!」

 

「は?三国志何言って?あれ体透けてるんですけど何のマジックデショウカ?」

 

「ご主人様!私はその世界に干渉できたら行くけど期待はしないでね?あ・・それと向こうでは会話の中で出てくる名前は迂闊に読んじゃだめよ。よく確認してね!」

 

「はい?理事長まで何いってんの?何か吸い込まれてるんすけどぉぉぉぉ・・・。」

 

「行ったか。いやむしろ拉致に近いな。」

荊州・南陽

 

「以上で報告は終わりです!」

 

「蓮華の報告御苦労さま明命。」

 

「いえ。それでは帰ります。」

 

「泊まって行かないの?」

 

「夜の方が色々動きやすいので。」

 

「そうね・・・離れた将が来たのがバレたら面倒だからね。」

 

「付近の索敵ついでに森近くまで送りましょう。」

 

「はっ!ありがとうございます!」

 

「祭、と冥琳も散歩がてらどう?」

 

「そうだな、たまには外の空気でも吸おうか。」

 

 と四人で馬に乗り向かう途中。目の前の森に流星が落ちた。

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

本当に遅れて申し訳ない。あと就職ができません。バイトでもしようかな・・・・

 

今回の武器名は「つよきす」からとりました。(エロゲやりすぎかもorz)

 

次は・・・今から書きます!

 

あと今回からコメントも見ていきます。ではまた!

 

説明
この作品は作者の願望のままに書かれるオリジナル恋姫であります。初心者ななので文章や歴史との不一致など多々あると思いますが。見ていただければ幸いです。
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コメント
「どうやら本当に殺し合いが最後の修行みたいじゃな。」は「じゃな」いらなくないですか?(eitogu)
『一番特殊な世界』ってどんな外史になるんだろう?(劉邦柾棟)
『本質が二刀流』ということは、祖父に隠れて二刀流の修練を積んでいた、のですね?一刀流がいきなり二刀流に転換しても使う動きとかの違いとかで使い物になりませんし。 (華狼)
今後の展開が、結構気になります。就職活動で大変だと思いますが、頑張ってください!!(白龍)
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