激走戦隊カーレンジャー 真夏の大雪、通行止め! |
「野球で勝負しようとすれば激走戦隊カーレンジャーに打ち返され、奴らには伝説の野生の車も持っていかれてしまった……。どう倒せってんだ!」
バリバリアンで宇宙暴走族ボーゾックの総長ガイナモが頭を抱える。
「私にいい考えがあります。リーッチッチッチッチ……」
それを受けてリッチハイカー教授が言う。
「入ってきなさい。激走戦隊カーレンジャーの最大の弱点をつける者よ。」
「お前は……ボーゾック一の気象学者WW(ウェーウェー)ザザーン!」
「はいザザーン!」
ところ変わって株式会社ペガサス。
いつもどおり、激走戦隊カーレンジャーに戦う力を与えたダップが作ったカーレンジャーの秘密基地のサイレンが鳴る。
「ボーゾック発生ダップ!」
ダップがいつもどおりに秘密基地から出てくるが、そこでチャイムが鳴る。
「株式会社ペガサス様にお届けものザザーン。」
「お前が今週のボーゾックか!」
「WWザザーンだザザーン。そんなことより……」
WWザザーンが持っていた箱を差し出す。
「暑いのでお中元ザザーン。」
早速実が箱を開けて中身を見る
「おおっ、うまそうなアイスクリームやん!」
ドライアイスによるもやと共に箱の中から現れたのは6個のアイスクリーム。
「今は社長がいないから……バレないうちにダップの分にしちゃいましょ!」
「それがいいでございます!」
洋子の言葉に同意する直樹。
「待って!もしかしたら何かの罠かも……。」
だが、菜摘だけは警戒するが、
「心配することはないぞ、ペガサス勤務の一般市民達!」
「シグナルマン!」
「本官もお中元をいただいて食べたが……このとおりだ、なんともない!
どうやら近所中に配っているらしい!
それにだな……」
シグナルマンが回想を始める。
パトロール中のシグナルマンの横を自転車に乗った子供が通り過ぎていく。
「ああっ、コラッ!歩道を自転車で……」
「自転車で歩道を走っちゃいけないザザーン!」
その前に立ちはだかり、自転車を止めるWWザザーン。
「はい、こっちザザーン。」
縁石の外に出し、
「ごめんなさい。」
「分かればいいザザーン!」
手を振って見送る。
お婆さんが信号のない横断歩道を渡ろうとしているが、なかなか渡れないでいるのを見たシグナルマンが駆け寄ろうとするが、
「おばあさん、おぶって渡らせてあげるザザーン。」
「おやおや、優しい宇宙人さんだこと。」
「……とまあ、こんなことがあったのだ。」
「もしかしていいボーゾック?」
「ボーゾックがいいことするなんて!」
「雨でも降るんちゃう?」
「やっぱり何事もないのが一番でございますね。」
くつろいでいた直樹が言った直後、
「今度こそボーゾック発生ダップ!」
「よし、みんな、行くぞ!」
「激走!アクセルチェンジャー!」
現場に駆けつけるとWWザザーンが暴れていた。
「戦う交通安全!激走戦隊カーレンジャー」
「来たか、激走戦隊カーレンジャーザザーン!」
「WWザザーン!お前、結局悪いボーゾックだったのか!?」
「当たり前ザザーン。チーキュの都会は雪に弱い!
雪を降らせればチーキュは大打撃ザザーン!」
「そんな、夏場に雪が降る訳ないだろ!」
突然、雪がちらつき出す。
大雪がカーレンジャーの5人の上になだれ込み、雪に埋もれるカーレンジャー。
「な、なんだなんだ!」
ペガサスの秘密基地。ダップが見ていたニュースではお天気お姉さんが話していた。
「日本全域に大雪、雪崩警報が発令されました。
これは普段、悪事ばかり働いているボーゾックがいいことをしたためと思われ、
ボーゾックに善行を止めさせる必要があるものと思われます。」
「大変ダップ!悪人がいいことをしたことで雪が降ってきたんダップ!」
「もっといいことしちゃうザザーン!」
「させるか!オートブラスター!」
5人が光線銃を構え、撃とうとするが
「なんで出ないの!?」
「スタッドレスタイヤを履いていない車は雪道では走れない!クルマジックパワーが雪でかき消されてるんダップ!」
そのうち5人ともへたりこんでしまう。
「ああっ、くそっ……普段通りの力がでない……。」
「おおっ、予想外に良い展開ザザーン!」
「くそっ、ダップ!RVロボの発進を頼む!残っているクルマジックパワーでやつを……、」
「駄目ダップ!雪で出動できないダップ!」
「激走戦隊カーレンジャーのRVロボは車でできているザザーン。つまり巨大ロボも出せないザザーン!」
「そうだ!ペガサスサンダーで空から……!」
「なお、全国が大雪になっている影響で飛行機は国内便、国際便ともにすべての運行を見合わせている模様です。」
「だってダップ。」
ニュースキャスターが無情にも告げたのを通信で聞く。
「心配はいらないぞ……激走戦隊……カーレンジャーの諸君……」
「シグナルマン!」
吹雪の向こうにシグナルマンの影か映る。
「本官は……子供の頃……自分の限界に挑戦しようと思って……」
シグナルマンは恭介たちの目前まで来て倒れた。
「アチッ!すごい熱だ!」
額に手を当てた恭介が思わず手を引っ込める。
「アイスクリームを大量に買い込んで……食べたことがあるのだ!当然腹を壊して……高熱で寝込んだ!
そこのボーゾックが配っていたアイスクリームを……事情を話してご近所の方々から頂いて全て食べたのだ!」
「そんな……自分の体を犠牲にして……。」
「シグナルマンの熱のおかげで雪が溶けていく!」
「クルマジックパワーも戻ってきたでございます!」
「こうなったら奥の手……、芋長の芋ヨーカン!」
芋長の芋ヨーカンで巨大化するWWザザーン。が、突然大雪がやむ。
「何故ザザーン?雪がやんだザザーン!」
「それは私が説明しましょう。これはボーゾックがいつもどおりの方法で巨大化したためと思われます。」
「だっぷ。」
「形勢逆転やな!」
WWザザーンもニュースを聞かされる。
「しまったザザーン!」
「レンジャービークル、発進!」
素早くRVロボに合体し、
「RVソード!激走切り!」
「ぐわぁっ!ワンパターンは……いけないザザーン!」
そして数日後、
「うーん、うーん……」
「シグナルマン、風邪をひいてまでボーゾックを倒すなんてかっこいい!」
シグナルマンはペガサスの社長の息子、市太郎にコバーンベースで看病してもらっていた。
そしてペガサスでは、
「おいお前ら、もうちょっと真面目に働けよな……。」
社長が見るからにだらけている恭介と実に言う。
「あれ、知らないんすか社長。急に真面目に働くと大雪になって日本が大変なことになるんですよ。」
「そうそう、こないだのボーゾック、そうやって雪降らしたってニュースで言っとりましたよ。」
「だったらなあ……」
ドスン、ドスンと思いきり足音を立て、恭介と実に近づいていく社長。
逃げようとしたが、
「お前ら、普段から真面目に働け−!」
社長の拳骨で身体を挟まれ、グリグリされる恭介と実だった。
説明 | ||
20〜26話の間あたりで。 | ||
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コメント | ||
感想ありがとうございます。できるかぎりシュールな内容にしてみたのでそう言っていただけると非常に嬉しいです(ブレードゼロ) カーレンジャーらしくてとても良い・・・(nu) |
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