真・恋姫無双〜2人の飛将軍〜 第17話
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第17話 秘密

 

氾水関にて一刀、恋、華雄、霞、翠、詠、風による軍議が行われていた。ほかのメンバーは呉に対する防衛のために長安に残っている。

 

「本来ならば外堀から埋めて行くべきだが、時間をかけていられる状況ではないのはみんな分かってるはずだ。よって今回の侵攻は陳留へ直接攻撃をかける。そのため障害になる宛へは霞と翠の部隊。濮陽へは華雄と風の部隊。そして許昌へはおれと恋、詠の部隊にて攻城を仕掛ける」

一刀が今回の侵攻についての説明を言っていく。

 

「宛と濮陽を落城させた場合はすぐに軍を再編し許昌へ向かってくれ。一度軍をまとめた後に陳留へ攻めあがる」

 

「了解や、まかせときー!」

 

「まかされたぞ!」

霞と華雄がこぶしをあげて気合の声を上げる。一刀は詠に目配せするが、付け足すこともないらしく首を振った。

 

「よし、大まかなところは以上になるよ。じゃあ、本隊が到着しだい出陣するぞ!」

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陳留

 

玉座の間では魏軍の主要武将達が集まっていた。

 

「董卓軍が動いたわ。おそらく狙いはここ陳留よ」

華琳が玉座に座り、状況を説明していく。

 

「華琳様!私が董卓軍などすべて吹っ飛ばしてくれましょう!」

春蘭が意気として声があげるが・・・

 

「なにバカなこと言ってるのよ!この猪馬鹿!」

桂花が罵倒した。

 

「だれが猪馬鹿だ!」

 

「あんた以外だれがいるのよ!」

いつものように口喧嘩始めた2人を華琳が押さえる

 

「春蘭、桂花やめなさい!いまはそれどころではないわ」

華琳の言葉に2人は怒られた犬のように縮こまる。

 

「春蘭あなたの武は大抵の軍を相手にしても勝てると私は思っているわ・・・でも董卓軍にはあの2人がいるわ」

その言葉に秋蘭が答える。

 

「北郷一刀と呂布ですね・・・」

2人の名前を聞いた春蘭の顔がすこし曇る

 

「で、でも!それならば策をもってすれば!」

桂花が打開案を示そうとするが・・・稟が否定する

 

「よっぽどの策でなければ、賈?とふ・・程cを欺くことは難しいでしょう。それに北郷も相当に頭のきれる人間のようですし・・・」

 

「稟。そなたはどう考えているのだ?」

秋蘭が稟に意見を聞く

 

「認めたくはありませんが勝ち目がありません。兵力差は董卓軍には通用しないでしょう。武力、知力ともに董卓軍は我が軍の1枚も2枚も上でしょう・・・」

 

「降伏したほうがいいということだな・・・」

 

「そうなりますね・・・」

秋蘭と稟の会話に春蘭が割り込む

 

「戦わずして降伏など認められるか!」

 

「そうね・・・敵わないから戦いはないというのは曹孟徳ではないわね・・・」

華琳が傍にいる秋蘭にのみ聞こえるような声でつぶやいた

 

「みんな聞きなさい。相手がいくら強大だとしても私達は曹魏よ。戦わないという選択はありえないわ。いまの魏のすべてをかけて董卓軍にぶつかるわよ!いいわね!」

 

「「「「「「はっ!」」」」」」

 

華琳は宛、濮陽、許昌の兵を陳留まで撤退させ、そして河北方面の城へは援軍無用の伝令を飛ばした。そして陳留、許昌間の平原に陣を構え董卓軍を迎え撃つ体勢を取った。

 

こうして董卓軍10万、魏軍10万は正面から激突することになる・・・

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詠√

 

ボク達は氾水関を出陣し、予定通り夜までに宛、許昌、濮陽への分岐点になる場所に到着し野営を組んで、行軍の疲れをとっていた。明日は早朝にここを発ち、作戦を開始する予定だ。

 

最後の確認をかねた軍議が終った後にボクは自分と風の天幕にもどろうと歩いていると、一刀が陣の外に歩いていくのが見えたので追いかけてみた。

 

野営の近くにあった森のなかに入った一刀を一度見失ったボクだったけど一刀の苦しそうな声と咳き込む音が聞こえたのでその方向に歩いていくと小川の岸にうずくまり手を口に当てている一刀を見つけた・・・

 

「一刀・・・・?」

 

「え、詠?!どうしてここに?」

一刀はボクが来たことに驚きながらも咄嗟に口に当てていた左手を背中に隠したけど、ボクはその手に赤い血のようなものが見えてしまった。ボクは一刀の言葉に答えずに近づき左手をつかんで前に出す。そこには血によって真っ赤に染まった左手があった。

 

「一刀・・・これ・・・なに?」

 

「いや、いまここで躓いてさ・・・」

 

「嘘よ・・・だって傷1つないじゃない・・・」

 

「っ!」

一刀の顔は月明かりの影に隠れて見えなかったけどすごく動揺してるのはわかった。

一刀の様子がおかしいというのは風もいってたしボクも薄々は気が付いていたけど、状況はかなり悪いほうに進んでいるみたいだった・・・

ボクがいくつかの可能性を考えていると一刀が声を上げた。

 

「詠・・・いまからいうことはみんなには秘密にしてほしい。特に恋には・・・」

そういった一刀は前の世界のことなど、普段では到底信じられないような話をしていった。でも一刀の目に嘘をいってるような濁りはなかった。

 

「体の異変を初めて感じたのは反董卓連合が終結した後・・・それ以来時より発作のように胸に痛みが走ってひどいときは血を吐いていたんだよ・・・たぶんだけどこれは歴史を変えた罰なんじゃないかなって思ってるんだ」

一刀はいまなんていった・・・?罰・・・?

 

「どう・・・いう・・・こと・・?」

 

「さっき前いた世界について話したよね?その世界やおれがしってる歴史だと月は反董卓連合に負けて表舞台から姿を消すんだよ。それをおれは無理やり歴史を捻じ曲げて月を守ったんだ・・・歴史はねじ曲げてはいけないものだったらしい、あの時以降歴史が変った時にはほぼ確実に発作は来ていたから・・・」

 

「そんな・・・」

ボクは一刀がこんなに辛い思いをしてるなんて知らなかった。みんなに秘密にしてきたのはわかったけどどうして恋だけは絶対に伝えてほしくないってどういうこと・・・?

 

「ねぇ・・・一刀、どうして恋には伝えたらダメなの?あの子は一刀のことを一番想ってるわよ?」

 

「恋のことも話さないとね・・・恋もおれと一緒で前の世界からの人間なんだよ。そしておれの死をもっとも近くで見てしまった女の子でもあるんだ・・・」

 

「!」

恋は以前一刀が倒れたときボクに・・・

 

『・・・恋、1度ご主人様を失った。もう2度と失いたくない。だから恋はご主人様のそばにいる』

いまやっとこの言葉の意味が分かった。恋もつらかったのね・・・

ボクが恋のことを案じていると一刀が言葉を続ける

 

「それに、月たちを助けた最大の理由は恋が『月たちを助けたい』って望んだからなんだよ」

 

「恋が・・・?」

 

「そう、恋にとって月や詠は家族なんだって・・・だからおれはその思いを叶えてあげたいから月達を守るって心に誓っていまここにいる」

 

「一刀・・・」

ボクのなかで一刀や恋への無意識に疑問に思っていたことが崩壊していく感じがした

だからこそ、ボクは一刀を自分の胸に抱き寄せた。

 

「え、詠?!」

一刀は顔を真っ赤している。ボクもきっと真っ赤なんだろう。でもいまはそんなことを気にしてる場合じゃない。

 

「一刀ありがとう・・・でもムリだけはしないでボク達は家族でしょう?」

動転していた一刀はボクの言葉を聴いて動きを止めて小さく、「うん」と答えた。

 

「一刀、気分が良くなるまで寝たらいいわ。膝貸してあげるわよ」

遠慮しようとする一刀を無理やり膝枕する。まったくはずかしいのを勇気だしていったんだから遠慮とかしないでよ・・・

 

その後すこし雑談をしてると一刀から整った寝息が聞こえてきた。ボクは一刀の髪をやさしく撫でながら月に話しかける

 

「一刀はボクたちの大切な家族・・・もしボクたちからうばったらゆるさないんだから・・・」

こうして夜はさらに闇に染まっていく・・・

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早朝。

 

董卓軍は陣から3方向へ分散して出陣する。それぞれの目標としている城へ向かって、しかしその労力は無駄に終ることにいまの段階では一刀たちは知る由も無かった。

 

許昌

 

それから2日後の昼に許昌へたどり着いた一刀達は戦闘体勢に入るが許昌は城門すら開いており一切反応がない。罠の可能性も考えられたが、一刀と詠が内部偵察に向かうと兵は城下町の治安維持のための最低人数しかおらず、その兵たちも一刀を見ると降った。

 

「これはどういうことかしら・・・?」

 

「たぶん曹操はおれたちと全力で正面から戦うつもりらしい」

 

「まさかボクたち相手に正面からというのは考えて無かったわ。なにかしらの策を講じてくると思っていたのに」

 

「まぁ、兵を消耗することなくこれたのを良しとしよう。この様子だとほかの城もそうだろうし早めに集まれるだろう」

一刀の予想通りに宛、濮陽ともに兵士は少数しか居らずすぐに制圧し、霞や華雄たちは許昌へ移動していた。

 

許昌制圧から3日後

霞、華雄たちの部隊が合流し、詠と風による部隊編成が告げられた。

 

「まず、お兄さんが率いる1番隊、恋ちゃんが率いる2番隊は中央をお願いします。左翼は華雄の部隊である4番隊。右翼は翠ちゃんが率いる5番隊の配置でいきますです。そして霞ちゃんの3番隊は遊撃部隊として行動をお願いするのです。本陣は詠ちゃんと風、それに親衛隊で固めます」

 

「陣形は基本魚鱗。一刀と恋の武力をもって中央を食い破るわ。華雄と翠は基本中央の支援。霞は搦め手対策で当初は後方で待機をお願い。一刀、恋いけるわね?」

 

「ああ」

 

「・・・まかせて」

 

「では出陣よ!」

出陣の銅鑼が許昌に響き、兵士たちの大きな鬨があがる。

 

「十」「呂」「華」「張」「馬」の旗が風にたなびく。

 

許昌から出陣してくる董卓軍を華琳は自分の目で確かめる。そして自分のうしろに構える魏の兵士たちに振り返る。

 

「魏の精兵たちよ!この戦いがすべてを決めるものとなろう!次の戦いはないものと考え、この1戦に己のすべてを出せ!各自の奮戦に期待する!全軍出陣!」

 

華琳が「絶」を振り下ろすと魏軍が前進を始める。

 

そして董卓軍と魏軍は真正面から対峙した。

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一刀と華琳がお互いの軍から歩み寄る

「やぁ、曹操。久しぶり。陳留決戦以来かな?」

 

「そうね。陳留の件は改めて御礼を言うわ」

 

「感謝されるものでもないさ。おれは恋や霞を助けるために行っただけだしな」

 

「謙遜するのね。まぁいいわ。もう分かりきったことだけど聞くわ。どうしてここに?」

 

「魏を貰い受けに」

 

「すでに勝ったつもりなのかしら?」

 

「まさか、おれの知ってる曹孟徳はそう簡単には勝たせてくれないだろうしな」

 

「ふふ、いいわ。魏のすべてをかけてあなたに当たるわ。私たちを従えたかったら叩き潰してみなさい」

 

「ああ」

一刀と華琳の会話は終わり2人が自軍に戻る。

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そして一刀、華琳は同時に叫ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『全軍突撃!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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あとがき

 

どうも作者です。予想通り日曜日に投稿できませんでしたorz

 

今回ですが、本当に展開が速いです。見直してみて「はやすぎww」と作者すら思っています。でも・・・その間にもってくるものも思いつかないためにいじることもできず・・・(´・ω・`)

 

17話は一刀の秘密を詠が知ることと対華琳軍のはじまりになります。

よって次回は1話つかって戦闘パートになる予定です。

 

さて次になんとなく思いついたので三国志\のパラメータで設定紹介

 

北郷一刀

 

統率 90

武力 98(+6)

知力 87

政治 89

 

閃華(+3)と日本刀(+3)の補正付きの主人公。どうみてもチートです。本当にありがとうございます。

 

統率 75

武力 102(+8)

知力 35

政治 25

 

方天画戟(+8)補正付きの恋。一刀との修行で自身も武力up

 

統率 92

武力 32

知力 97

政治 96

 

天才軍師詠ちゃん。補正はいまのところなし。

 

統率 86

武力 28

知力 98

政治 85

 

搦め手の天才、風。政治を低くしてるのは作戦考案が主のため

 

作者のなかではこんな感じの能力値で話を作ってます。ほかのキャラのパラに関してはご希望があればあげる予定です。あ・・・ちなみに覚醒麗羽様はこんな感じ・・・

 

覚醒麗羽

 

統率 92

武力 96

知力 80

政治 75

 

では次回お会いしましょう(´・ω・`)ノシ

説明
荊州が孫呉に下った。そのために一刀たちは魏への侵攻を決意する・・・そしてその道中・・
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コメント
覚醒麗羽って文醜、顔良と同レベルの武力って設定だったのでは?(Allen)
覚醒麗羽こえぇぇぇ(魔乙)
レイハのくせにほんとたかいな(qisheng)
覚醒麗羽様強っ!話が進んで面白いです。(readman )
タグ
恋姫無双  一刀    華琳 

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