真・恋姫無双〜2人の飛将軍〜 第18話 |
第18話 曹魏の意地
董卓軍と魏軍は互いに魚麟の陣で激突した。
先制したのは董卓軍。詠と風は董卓軍最強の槍2本を真っ向から魏軍にぶつける。その信頼に答える様に一刀、恋を先頭に1番隊2番隊が魏軍の中央を切り広げていく。それに支援すべく華雄と翠が両翼から突撃を仕掛けようとするが・・・
「夏候淵隊構え!撃て!」
秋蘭が指揮する弓矢部隊が董卓軍両翼へ大量の矢を放つ。その矢によって華雄、翠の部隊は防御に回らざる得なくなった。
左右からの援護が無くなった一刀達は包囲される前に後退を開始。殿を一刀、恋が務めながら下がっていくが、2人と兵の間に大きな鉄球が振り下ろされる。その攻撃を避けた2人だったが兵たちとは大きく離れてしまう。
「隊長!」
「かまうな!いけ!」
事態に気が付いた副官たちが足を止めようとするのを一刀は制する。
「やってくるとは思ってたが・・・まさか交戦早々に仕掛けてくるとは・・・」
一刀と恋は自身の愛器を構える。その視線のさきには曹魏の主力武将の全員がいた・・・
一刀たちが包囲されたことはすぐさま本陣へ伝えられる
「詠様!風様!一刀様と恋様が敵武将による妨害をうけ孤立したと!」
「一刀たちならすこしは持つわ!1番隊、2番隊は一旦本陣まで後退、以後は私に指揮下に入って。華雄、翠、霞に突撃準備をするように伝令を。時期はこちらからの銅鑼にて知らせると」
―――一刀・・・本当に大丈夫なのね・・・?
一刀と恋の退路を塞いでいた鉄球を恋が吹き飛ばそうと方天画戟を構えるが、
「恋!」
一刀が恋の肩を押すと恋と一刀の間に伝磁葉々が打ち込まれる。
「ちっ!おれと恋の分断を狙ってきたか・・・」
「そうだ!悔しいがお前たちと我々の武力には大きな差があるからな!卑怯と罵られ様ともお前達に勝つためにはあらゆることを使わせてもらう!」
伝磁葉々によってできた一刀と恋の間に魏の将が割り込み、春蘭が答える。
「夏候惇、許緒、楽進、それに于禁・・・ということは恋のほうに夏候淵、典偉、李典か」
「呂布の心配とは余裕だな!いくぞ!」
春蘭、季衣、沙和が一刀に飛び掛る。そのうしろで凪が全身に氣を込め始める。春蘭と沙和が左右から切りかかり、そして季衣が岩打武反魔を一刀へ叩きこもうとする。3人の同時攻撃を一刀は後退して避けるのではなく体をかがめて岩打武反魔に向かっていく。そして閃華を鎖に刺しこみ、そして捻じりきった。鎖から離れた鉄球は沙和のほうに落ちていく。
「岩打武反魔が・・・」
「あぶないのー!」
季衣と沙和が驚愕を声を上げつつ動きを止めてしまう。
「2人とも動きを止めるな!動け!」
春蘭が2人へ叫ぶがすでに遅く一刀は距離を一気につめて沙和の二天を刀で叩き落し、みぞおちにこぶしを叩き込む。
「あ・・・」
沙和が強烈な衝撃によって気を失って倒れる
「沙和!」
春蘭が沙和を助けようと七星餓狼を振りおろすが、一刀はそれを避ける。春蘭は剣戟を止めることなく一刀に切りかかるがそのすべてを一刀は2本の刀を使い、受け流していく。しばらく続いた剣戟の応酬は一刀が一瞬の隙をつき七星餓狼を蹴り飛ばす。しかし春蘭はそのまま一刀へ飛び掛り一刀の手首を取る
―――なにを・・・
「凪!やれぇ!」
「はい!はぁぁぁぁぁぁぁ!猛虎蹴撃!」
戦闘開始からずっとため続けた凪の氣弾は巨大な虎の形をつくり一刀へ突き進む。春蘭は渾身の力をかけ一刀を氣弾へ投げ飛ばす。
「っ!」
すぐに体勢を整えた一刀だったが、氣弾は至近距離まで迫っていた。そしてその巨大な氣弾は一刀の視界を真っ白に染めて戦場に大きな爆発音を響かせた・・・。
「呂布お前の相手は我々だ」
恋の前には秋蘭、流琉、真桜が立ちふさがる。
「・・・・おまえたち弱い」
恋が本気の殺気を3人にぶつける。秋蘭はその殺気を受けながらも口を開く
「ああ、我々3人でかかっても呂布、おまえには勝てないだろうでも・・・姉者たちが北郷を倒すまでの時間を稼ぐぐらいはできるぞ・・・?」
北郷という言葉に恋は反応する。
「・・・ご主人様はやらせない。恋が守る」
そういうと恋は3人へ突っ込む。恋の突撃を止めるために真桜が螺旋槍を地面に突きたて土砂の壁をつくる。そして流琉と秋蘭は伝磁葉々と餓狼爪を構えて土砂の壁を目晦ましに攻撃を開始する。
恋は土砂の壁にすこし驚き足を止めてしまうが、その壁の向こうに秋蘭と流琉が攻撃態勢に入ってるのが一瞬見えた恋は方天画戟に氣を込めて横薙ぎする。その剣圧によってうまれた風は土砂を吹き飛ばしそして飛来する秋蘭の矢すら叩き落した。伝磁葉々はその風によって速度は遅くなったものの恋へ一直線に進む。しかし速度が落ちたことに衝撃力が下がった伝磁葉々を恋は片手で受け止め、引き寄せる。鎖で繋がっていた流琉は手を離しそびれ恋のそばに引っ張られた。
「そんな・・・ぐはっ!」
引き寄せた流琉を恋は方天画戟の柄で流琉を突き飛ばす。流琉はかろうじて気を失ってはいなかったがその衝撃で動くことはできなかった。
「流琉いま助けるで!秋蘭様!援護たのみますわ!」
真桜が回転する螺旋槍を構え恋へ突撃する。そのうしろから秋蘭が無数の矢を恋へ放つ。恋は飛来する矢を最小限の動きで避けながら方天画戟を大きく振りかぶる。
「螺旋槍の力を見さらせ!」
「フッ!」
真桜の突きにあわせて恋は方天画戟を螺旋槍の頂点に叩き込む。高速回転する螺旋槍と方天画戟の激突によって火花が散る。2人とも足に力をこめて負けないように踏ん張るが、元々の武力差はいかんともできない。恋が方天画戟に力を更にこめた瞬間、異音が真桜の螺旋槍から聞こえた。
「う、うそや!うちの螺旋槍が!」
真桜の悲鳴に呼応するように螺旋槍は頂点から崩壊した。そして真桜の首筋に方天画戟が掲げられる。
「こ、降参や・・・」
「・・・ん」
真桜は立ち上がるとその場から離れて流琉の看病のためにそばにいく。
真桜たちの様子を見ていた恋はその怒りの死線を秋蘭にぶつける
「・・・あとはお前だけ」
「く・・・さすがは『飛将軍』と呼ばれるだけはある。しかし・・・呂布よ。賭けはわれわれの勝ちのようだ」
「!」
『凪!やれぇ!』
『はい!はぁぁぁぁぁぁぁ!猛虎蹴撃!』
恋たちのところに一刀と戦っている春蘭と凪の声が響く。そして続いて戦場に響く大きな爆発音。凪の猛虎蹴撃によって生じた爆発のために戦場は大量の砂塵に埋め尽くされる。
一刀たちを救うために董卓軍が魏軍へ一斉突撃を掛け、それを防ごうと乱戦状態になっていた戦場は、爆発音によっていきなり静まり返る・・・
「なんや・・・いまの音は?」
董卓軍も魏軍の兵士たちもその爆心地へ顔を向ける・・・。
爆心地でも春蘭と凪が肩で息しながら土煙の先を見つめる。そして煙が徐々に消えていき・・・その場にはズタズタに切り裂かれた一刀の白銀の外套と柄の部分から折れ刃の部分もボロボロになった2本の日本刀のみが残っていた・・・
両軍の将や兵士ともに最初はなにが起きたのか分からなかったが、楽進隊のある1人の兵士が口を開いた
「楽進様が『飛将軍』北郷一刀を仕留められたぞ!!」
その叫びに放心状態だった凪は声を上げる
「飛将軍、北郷一刀はこの楽進が討ち取った!」
魏軍の兵たちの大きな叫びが戦場へ響いた。
一刀が討たれたという情報が董卓軍へ隠しようのない驚愕を与えてしまい、兵士たちは動揺してしまう。それを抑えるために華雄と翠が後退指示を出そうとし、そして霞は部隊は率いて馬を駆り恋を救出に向かおうとする。
しかし新たな爆発音と叫びによって霞たちは動きをやめてしまう
「あああああああああああああああああああああ!!!!!」
魏軍の歓声によって塗られた戦場を魏軍よりも大きくそして悲しい叫びが塗り替えていく
その中心にいたのは泣き崩れる恋だった・・・
あとがき
どうも、作者です。
毎日が暑くて死にそうです。扇風機が恋人になってます。エアコン?そんな金食い虫はつかいません。
では今回の物語について。最初は麗羽のときのような戦場パートにするつもりでした。戦略等も考えてはいたのですが、それよりも今回は将同士の戦いを描いていこうとおもいました。そして一騎打ち戦を考えました・・・キャラが足りん!(゚д゚ )ということでボツ。そうして今回のようになりました・・・(´・ω・`)
もうそろそろ作者は一刀が嫌いなの?といわれそうなぐらいに傷つけているように感じるかもしれませんが・・・しょうがないのです・・・恋と一刀が無双するだけの話を毎回やっても書くほうも面白くないですし・・・じゃあ、どちらがやられる?としたら一刀君になってしまっただけなんです!理由ですか?決まってるじゃないですか!恋は負けないから恋なのですよ!結論をいうと恋好きのせいってことです・・・ハイ・・・ゴメンナサイゴメンナサイ(´・ω・`)
次回は恋がメインで進行します。そして魏との戦いにも終止符が打たれます。
では次回お会いしましょう(´・ω・`)ノシ
追記
なんか新しくなって文章の長さが分かりにくくなって気が付かないうちに文章が短くなってるような気がします・・・読み応えがなくてゴメンナサイ・・・
説明 | ||
董卓軍と曹操軍は奇しくも陳留で激突する。そして魏の意地が一刀達に襲い掛かる・・・ | ||
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身代わりの術?(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) 恋「ご主人様を傷つけたオマエラゼンインユルサナイダカラシネ!!」(sinn) |
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