【デジナミ】序章【小月暁夜】 |
カタカタとキーボードを叩く音が響く仕事場で、
俺はモニタに向かっていた。
「珍しいの、おんしが机仕事とは明日は雪か?
……と思ったら、何じゃ、さぼりか」
「人聞き悪いな、休憩中だって。
休日返上で出勤してるんだから、少しくらい良いだろ?」
デジヴァイスの中からの、相棒の刺々しい言葉に苦笑しつつ、
俺は新規登録ユーザ一覧を眺めていた。
休日返上で仕事をしていたのは、友人に協力を頼まれたのもあるが、
どちらかというと、こちらの方がメインだ。
送った荷物の到着時間と、妹の行動力から考えると、そろそろのはず。
「お、来た来た。見ろよギル、あれが俺の妹だ。可愛いだろ」
「言われなくとも知っておるわ。
おんしに散々写真と画像で見せられたからの。
妹馬鹿もほどほどにせい」
画面が更新されて表示されたのは、大切な妹の姿。
デジナミは基本的に外見変更は無理だから、
張っていれば見つかるだろうと思ってたけど、大当たりだ。
「名前の音はそのまま、職業も手紙の通り。
妹御は素直そうで可愛いのう」
「それは俺が可愛くないって言いたいのか?
……まあ、男に向かって可愛いとか言われても気持ち悪いし、
流奈が可愛いのは昔からだけどな」
画面を覗き込むギルにそう答えながら、俺は監視ユーザー一覧に妹を加える。
ストーキング、とギルがぼそりと呟いたが、気にしない。
兄貴権限でこれくらい許されるだろう、と思うことにする。
そんな事よりも、俺は嬉しかった。
俺の大切なこの世界に、妹が足を運んでくれたことが。
本当に、嬉しかったんだ。
「さあ、全力で楽しんでくれよ?」
そう呟きながら、無意識の内にで俺は笑みを浮かべていたらしく、
それを目撃した同僚にキモイとか、槍が降るとか言われた。失礼な。
まあ、その辺りのことはまた別の機会にでも話そう。
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あらすじ(ある日のギルの回想録より、抜粋)
○月×日
珍しくアキラが机仕事をしておると思ったら、
妹御のログインを、待ち構えておっただけじゃった。
挙句、ストーキングまで始めおった。
妹馬鹿は始めて遭った時から相変わらずじゃの。
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説明 | ||
小話投稿失礼します! うちのこ(アキラ)【http://www.tinami.com/view/253300】 は、デジナミにこんな感じで関わっています。 机仕事は出来る子ですが、好きじゃないみたいです。 ※簡単なあらすじは小説の末尾をご参照ください。 妹編 :【http://www.tinami.com/view/264784】 企画元様:【http://www.tinami.com/view/236070】 |
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