【T&B】赤い指輪咲かせて【兎薔薇】 |
【1】
「へ? ブルーローズが記憶喪失ぅ!?」
「どういうことですか、アニエスさん」
突然呼び出された二人のヒーローは、難しい顔をしたアニエスに詰め寄った。
デスクワークをしていた虎徹とバーナビーに緊急収集がかかったのは、つい数分前の話だ。アニエス直々の呼び出しで、事件ではないと聞いて二人は互いに顔を見合わせた。呼び出された先は普段あまり使われていない倉庫だ。訝しみながらもやってきたところで、冒頭に繋がる話を聞かされたというわけである。
「記憶喪失って言っても、厳密にはそうじゃないのよ。なんて言えばいいのかしら……、そう、刷り込みっていうか、猫になったっていうか……」
「刷り込み?」
「猫ぉ? おい、どういうことだよ。ますます意味分かんねーぞ」
「ああもうっ! 見れば分かるわよ!」
そう言ってアニエスは、埃っぽい倉庫の奥からブルーローズを連れてきた。青い髪、きわどい衣装、特に変わった様子は見られない。「ブルーローズ、俺が分かるか?」虎徹が声をかけると、俯き加減だったブルーローズの顔がゆっくりと持ち上がった。つんとした表情はいつもの彼女そのままだ。
どうしたんだよ、と一歩前に踏み出したところで、その場の空気が変わった。
「……タイガー」
薔薇が、咲く。
甘く、柔らかな声が青い唇から零れた。情けない声を上げてブルーローズを見つめた虎徹は、瞬時にそのことを後悔するはめになった。水晶のように透き通った瞳が潤み、僅かな光を弾いて輝いている。それが愛おしいと言わんばかりにとろけ、自分を見つめているのだ。
それは年の差や仲間だといった概念をすべて跳ね除け、子持ちの中年男性の胸を高鳴らせるに十分すぎる威力を持っていた。
ふわりとした微笑を浮かべ、ブルーローズは幸せそうに顔をほころばせている。これは異常だ。バーナビーも息を呑んだ。すべてを魅了してしまいそうなこの雰囲気は、本来の彼女にはまだない。それが一体どうしたことだろう。
助けを求めるようにアニエスに目を向けると、彼女は頭を抱えながらも語ってくれた。
ブルーローズの異変は、彼女の所属しているタイタンインダストリーの社員が起こした犯罪によるものだった。
熱狂的なファンの一人である社員が、彼女の差し入れの中に薬を混入したのである。幸いにも毒物ではなく、生命にかかわるようなものではない。しかし、その薬はいわば媚薬のような効果を持ったものだった。強烈な苦味で薬物の混入はすぐに気がついたため、犯人はすぐに取り押さえられた。すぐさま吐き出したが、体内に入った薬の影響により異変は免れなかったらしい。
現在、薬の分析が急ピッチで行われており、中和剤は早ければ明日の夜にできるだろうという話であった。
所属する企業の社員が起こした不祥事ゆえに、企業側もこのことを公にするわけにはいかない。ブルーローズは未成年だ。この状態で親元に帰せば、ヒーローをやめさせられるかもしれない。できるだけリスクを回避しようとした結果が、内密に彼女を保護するというものだった。
白羽の矢を立てられた二人のヒーローは、なんで自分達がと首を傾げた。あらゆる意味で危険な状態の彼女を保護することに異論はない。だが、他社のヒーローに頼れば、その分リスクは大きくなるだろう。
アニエスは苦々しい顔のまま、ぽうっと虎徹を見つめるブルーローズの頭を撫でた。
「その犯人、男のくせに少女漫画が好きでね。あと、それなりにイイ趣味してたそうなのよ。……この子が飲んだクスリ、目が覚めて一番最初に見た人に懐くように作られてたらしいわ」
「そりゃまた……なんつーか、お約束の……」
「お約束過ぎて最近見ないわよ、そんなクスリ。で、そのとき運悪く、アンタ達の写真がプリントされた飛行船が窓の外を飛んでいたらしくってね」
「つまり、薬を飲まされたブルーローズが一番最初に見た相手……それが僕達だった、っていうことですか?」
「ビンゴよ、バーナビー」
ただの写真だけなら反応しなかったかもしれない。けれどそれは、見知った相手のものだった。
同時に二人を見たブルーローズは、見事な刷り込みで彼らに心を奪われたというわけだ。放っておけば社を抜け出して会いに行こうとするので、そんなリスクを高めるくらいなら――と向こう側から要請が来たのだとか。
ああ、と二人は同時に溜息をついた。
視線の意味を理解し、どっと疲れが増す。言葉にしなくともありありと伝わってくる好意の視線は、目の毒でしかない。
「そういうわけだから、バーナビーの家でしばらく匿ってちょうだい。いい? くれぐれも間違いを起こさないように。タイガー、アナタ枯れてるんだからちゃんと見張っておくのよ」
「俺はまだ枯れてねぇ! つか、そんな心配なら俺らに預けんなよ」
「記憶喪失だけどそうじゃないって言ったでしょ? この子さっき、アンタ達に会わせろって言って、アタシに銃を向けたのよ。いーい? 『覚えてるけど覚えてない』の。分かる? アンタ達に預けるしかないのよ!」
「ああ、それでそんな怒ってたのね……」
「それじゃあ、よろしく!」
ヒールを高らかに響かせて倉庫を出ていったアニエスを見送り、二人は恐る恐るブルーローズを振り返った。寂しそうな様子で俯いていた彼女が、一瞬にして花も恥じらう笑顔に変わる。特になにを言われたわけでもない。彼女はなにも言わなかった。
その笑顔から零れた吐息だけで、二人の男は頭を抱えるはめになった。「本当に彼女、僕の家に連れていくんですか」勘弁してくれと言わんばかりの言い方だ。事実、バーナビーはブルーローズを見ようともしない。
広さ的にもプライバシー的にも、虎徹の家よりバーナビーの家の方が相応しい。そう告げるとさすがに彼は承諾したが、虎徹とてこの状態の彼女と過ごすことはできれば避けたかった。だが、見捨てるわけにもいかないだろう。
こうして、我慢大会が始まった。
【2】
「ねえタイガー、こっち来てよ」
「おう、あとでな」
「いや! 今がいいの。いますぐ来て。ね、タイガー」
薬の影響があるとはいえ、根本的な性格が変わったわけではないようだ。だが、それが反対に厄介だった。すべてがごっそり変わってくれれば別人と思って接することができたのに、そうやって逃げる手段が用いられない。
メイクを落としてブルーローズからカリーナへと戻ったのだから、一緒にいつもの彼女に戻ってくれればよかった。それなのに、女子高生の顔をしてとんでもない色香を放つのだから堪らない。
立派な革張りのソファに身を落ち着けていた虎徹の斜め前で、チェアに座っていたカリーナがぷうっと頬を膨らませた。――そうだ、ずっとそうしててくれ。年相応の仕草に、ようやっとほっとする。子供っぽさを前面に押し出してくれれば、変な気を起こさなくて済む。
コーヒーを入れて戻ってきたバーナビーが、「厄介ですね」と囁いてきた。
「なぁんでああもオンナの顔ができるかね、ガキのくせに」
「虎徹さんが思ってるより子供じゃなかったってことじゃないんですか? 大変ですね、好かれるのも」
「うっせ。お前だって好かれてんだろうが」
「さあ? 一緒に僕の姿も見たとはいえ、もともと僕は彼女に嫌われていましたから。そのせいじゃないですか?」
眼鏡が曇らないようにと冷ましながらマグに口をつけるバーナビーは、どこかつまらなさそうだった。嫌われていると彼は言ったが、虎徹が見る限りそんなことはないように思う。最初こそ「感じ悪い」だのなんだの言われていたが、最近は上手くやってきている。
どうすっかなぁ。ぽつりと零すも、解決策は見えてこない。カリーナはバーナビーにプレゼントしたウサギのぬいぐるみを抱き締め、小さな子供のように唇を尖らせている。「あ、そうだ!」元気いっぱいのその声に、男二人が肩を震わせたのは内緒の話だ。
「ねえ、じゃあハンサム来てよ」
「嫌ですよ。そこで大人しくしてて下さい」
「なんでよ、ケチ! こっち来るくらい容易いもんでしょ? ちょっとくらいサービスしてよね!」
色気の欠片もない要求に、ほっとすると同時に苦笑が漏れた。
我儘な女王様でいてくれれば、どれだけ楽なことだろう。そう願うのに、彼女を蝕む薬は戯れに糸を引く。
「――じゃあいいわよ。私が行くから」
声が変わった。
まずい。隣のバーナビーも警戒したのが分かる。とんっとチェアから降り、ぬいぐるみを代わりに座らせたカリーナは迷いのない足取りでソファまでやってきた。ええと、と困り切った虎徹の太腿に手を置き、ずいっと乗り出してきたかと思うと目元に小さくキスが落とされる。キスが終わると、彼女は視線をバーナビーに向けた。
そのまま膝の上に乗り上げて横座りし、投げ出した足をバーナビーの膝に乗せる。精一杯伸ばした腕でシャツの襟を掴み、バーナビーを強引に引き寄せたかと思うと、眼鏡のつるを歯でくわえてゆっくりと彼の顔から引き抜いた。
ソファの上にぽとりと落とされた眼鏡が、間接照明の柔らかな光を弾く。バーナビーの首の後ろに腕を回しているせいで、虎徹とバーナビーの距離も近い。互いの顔がほんのりと色を変えていることに、薄闇でも十分気がつく距離だった。
膝の上でくすりと笑ったカリーナが、虎徹の胸に体重を預けてきた。顎のすぐ下につむじが見え、シャンプーの匂いが鼻先をくすぐる。どくりと速さを変えた鼓動に気づかれただろうか。内心焦る虎徹の手に小さな手が重なり、彼女はその華奢な指先をするりと絡めてきた。
【3】
「ブ、ブルーローズ?」
「だーめ。私はいまはヒーローじゃないもの。カリーナって呼んで。そうじゃなきゃ返事しない」
ご丁寧に指先で唇を押さえられ、思わず頭を抱えたくなった。大人っぽさはブルーローズ時に比べれば格段に下回っているのに、この色香はどういうことだろう。こんな薬を飲ませてどうするつもりだったのか――と考えて、吐き気がした。なにかある前に犯人が捕まってよかった。
できれば、飲む前に捕まってほしかったが。
「んー……あ、やっぱり! ハンサムは眼鏡ない方が好きかも。なんていうか……、うん、目がすっごく綺麗。宝石みたい」
虎徹の胸に頭を預けたまま、カリーナはバーナビーの顔を引き寄せて目尻に口づける。無理な体勢にバランスを崩しかけたバーナビーが肘置きに手をつき、一見すれば彼女を追い詰めているかのような形になった。しかしそこには虎徹もいるわけで、傍から見れば奇妙としか言えない状況である。
二人の男に挟まれて、彼女はふわりと笑った。
「だぁいすき」
使い古されたクスリには、使い古されたネタを。
なにかが切れる音が聞こえたような気がした。虎徹の腕が、理性よりも先にカリーナの腰を抱く。猫のような声を上げた彼女の唇を塞ごうと顔を近付けると、脇から伸びてきた手によって阻まれた。
「なにしてるんですか、おじさん」
「え? いや、あの、まぁ……なにしてるんだ、俺?」
「手は出すなって言われたところでしょう。忘れたんですか?」
「忘れちゃいねぇが……。あれ、つかバニー、いま、また『おじさん』って……?」
鋭く細められたエメラルドの双眸に射抜かれ、虎徹がたじろぐ。虎徹さん虎徹さん、と雛鳥のように後ろをついてくる相棒は、今や出会った頃のような冷たい空気を纏っていた。
「年の差を考えても見て下さい。犯罪ですよ、犯罪。それに、もう枯れてるんでしょう?」
「だぁからっ! 枯れてねぇっての!! 現に今だって――」
「それ以上言ったら踏み潰しますよ」
言い争う二人を見上げ、カリーナはくすくすと声を上げる。いつもならば「うるさい」と一蹴してきそうなところだが、今の彼女にとっては楽しい演出のように見えるらしい。虎徹に身体を預け、バーナビーを引き寄せ、そして満足そうに笑う女王様はとろりとした目で二人を交互に見つめた。
その目はやめろって。どうしようもない反応をしそうになる自分を叱咤しつつ、虎徹は意識を違う方向へ飛ばそうと、昨日見たバラエティ番組を思い出す。「ねえ、タイガー」呼びかけるが一向に目を合わせようとしない様子に拗ねた彼女は、標的をバーナビーに移したらしい。
柔らかな微笑をたたえたまま、触れるか触れないかの感覚でバーナビーの輪郭をなぞっていく。その指先がもたらす感覚がどのようなものか知っているだけに苦味が走る。若い彼に、それに耐えられるだけの理性があるだろうか。
「ね、構ってよ、ハンサム」
「やめて下さい」
毅然としたその態度に、虎徹は「お?」と目を丸くさせた。この誘惑に耐えられるとはなかなかの理性の持ち主だ。感心するやら少し心配するやらな複雑な気持ちが生まれ出した頃、膝の上にさらなる体重がぐっと加わる。
「僕だってちゃんと名前があるんです。呼んで下さいよ、カリーナ」
――あ、駄目だったのね。
聞いたこともないような甘い声でカリーナにそう囁いたバーナビーは、目元を僅かに赤く染め、興奮の色を隠し切れていなかった。まあ若いもんな。そうは思っても、自分の目の前でいちゃつかれるのはたまらない。とはいえ、膝の上にカリーナを乗せたままではろくな身動きも取れないのだ。
薄紅色に色づいたカリーナの頬に、バーナビーの指が滑る。口元に落ちてきた指先に、彼女は小さく音を立ててキスをした。
「バニーちゃん?」
「違います」
「バニー」
「それも却下」
「じゃあ、バーナビー」
応えるようにバーナビーがそっと顔を近付け、キスを――気がつけば、阻止していた。なにするんですかと言わんばかりの視線が投げられたが、先ほどと同様に適当に言葉を迷子にさせて誤魔化すより他にない。
拗ねるのはバーナビーだけではなく、膝の上の女王様も一緒だから面倒だ。「なんでよう」などと言ってくるが、なんでもなにもない。ただ、冷静でない状態で――そうだ、彼女は薬を飲んでこうなっているだけだ――、やたらと女子高生が唇を明け渡していいわけがない。
遊び慣れた大人の女なら気にしないが、彼女はまだ若い。それなのに自分の意に沿わぬところでこんなことをしていたとしたら、あとで必ず後悔するだろう。だから止めたのだ。年長者としての立派な理由に、虎徹はほっと息をついた。
それにしても、今の彼女は本当に毒でしかない。これで手を出すなとは、アニエスも残酷だ。
「タイガー、ぼーっとしてないでこっち見なさいよ。なに、私のこと嫌いなの?」
「嫌いなわけあるか。大事な仲間だろうが」
「仲間? ……それだけ?」
「それ以上でもそれ以下でもないだろ? なぁ、バニー?」
牽制も含めて放った言葉は、正直誰に対してのものなのかよく分からなかった。バーナビーからの返事はない。
むくれたカリーナの髪を撫でながら、どうにかなりそうな気持ちに気づかないふりをする。気づいてはいけないし、それを悟らせてもいけない。自分は、彼らとは違っていい歳をした大人なのだから。
だからカリーナが切なそうに指輪を撫でたときも、なにも言わずに見つめていた。僅かに突き立てられた爪の痛みなど、はなからなかったものだと思い込むことにした。すると、虎徹にしたのと同様に、カリーナはバーナビーの左手の人差し指に填められたシンプルな指輪を撫でていた。
「……いいなあ」
指輪を撫でながら呟かれた一言は、子供のような声だった。
「私も指輪、欲しい」
「彼氏にでも買ってもらえ」
「彼氏なんていないわよ。……だから、タイガーがちょうだい」
「馬鹿言え。おじさんお金持ってねーの。指輪なんて買ってやれるわけ……って、なにしてんの、お前」
今にも泣き出しそうな胡桃色の双眸が、まっすぐにこちらを見つめている。バーナビーが苦い顔をしているのが視界の端で見えた。眼前に突き出された指先に、目つぶしでもされるのかと身構えたが、どうやら違うらしい。
指差すように、彼女は虎徹の前に左手の人差し指を突きつけた。小刻みに震えるそれは、一体どういう意味を持つのだろう。
「お金なんて使わない。人差し指でいい。……薬指なんて言わない。この指でいいから、ちょうだい」
意味が分からなかった。
突き出された人差し指、震える声と指先、滲む瞳、――そして、苦しそうな相棒の姿。
逃げることは許されない空気だとすぐに気がついた。向き合わなくてはいけない。だが、どうやって? 考えあぐねていた虎徹の唇に、差し出された指先が触れた。その瞬間、すべてを悟った。
確かにそれなら、お金もかからない。簡単にあげられる。けれど、本当にそれでいいのだろうか。
それに、意味はあるのだろうか。
「早くしなさいよ、タイガーのバカ」
嘘をつこう。そう思った。気づいてはいけないし、気づかれてはいけない。それは駄目だと大人ぶって説教するのはやめにしよう。自分は酔っている。彼女の魅力にあてられた。
ずるい大人になろう。純真な子どもをたぶらかす、悪い大人になろう。
薄く唇を開け、細い指先を招き入れる。前歯にこつん、と爪の先が当たった。揺れる瞳を覗き込みながら、間違いを優しく修正するように指の腹に舌を添える。びくりと震え、逃げそうになったそれを軽く噛んで引き止めた。
そこから先はなにもしない。時折口の中にある指に舌を這わせたが、それ以上引き寄せることも押し出すこともせず、ただ黙って彼女の目を見つめていた。どうするかは彼女次第だ。伏せられていた瞼が震えながら開き、熱を持った双眸が虎徹を見た。
そして、覚悟を決めたようにゆるゆると指が奥まで侵入してくる。小さな手だ。喉の奥を突かれて苦しいと感じることもない。
「ん、っ……」
指の付け根に歯を立てた瞬間、甘い声が漏れた。視線を動かすと、バーナビーが反対の手に唇を押しつけている。
最初は弱く、次に強く。強弱をつけて歯を立てる。最後に指全体を舐め上げ、指先に小さなキスを落として解放してやった。カリーナの白くか細い指は唾液で光り、その付け根に赤い線が刻まれている。それはまさに指輪のように見えた。
彼女はそれを愛おしそうに見つめ、笑う。つう、と眦から伝い落ちていく雫に、虎徹は気づかないふりをした。
「ありがと、タイガー」
「くすぐったい、バーナビー」そんな風に笑うカリーナは、いつにも増して大人びて見えた。二人の男はなにも言わない。
虎徹は彼女を膝の上に乗せ、頭を抱いた。バーナビーは彼女の腹に顔を埋めるように、ソファに寝そべった。二人のヒーローに挟まれて、ブルーローズでも、いつものカリーナでもない彼女は幸せそうに目を閉じる。
やがてすうすうと聞こえてきた寝息は、年相応のものだった。
説明 | ||
▽お客様、アポロン産のバディサンドはいかがでしょうか? ▽あまり見かけないので自給自足したバディサンド。もっと増えればいい! ▽前提として、虎(→)←薔薇←兎 ▽ぴくしぶにも同作品を掲載中。 |
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