野原遊戯 DUEL1-1
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俺たちの通っているここ、市立野原高校には去年から活動を開始した部活がある。それが「遊戯部」だ。主な活動内容は2つ。古き良き日本の遊び、並びに海外の遊びを研究・広めること。また、そういった物の大会があるなら出場し優勝を目指す。という名目で部を発足させたのだが、まぁ本命は「遊戯王」で遊びたい奴らが集まっただけの部なんだ。

部員は現在4人。男女ともに2人ずつで2年が3人、1年が1人だ。っと、話している内に着いたな。ここが我らが遊戯部の部室だ。旧校舎4階の5号室、最も遠い部屋でな、教員たちもほとんど来ない場所だから都合がいい。

ガチャッ。

俺が扉を開けたらすでに勝負が行われていた。

「あっ、こんちゃっす、笹野先輩。」

今挨拶してきたツンツン頭の童顔野郎は、1年の藤正義(ふじ まさよし)だ。お前と同じクラスだろうから、顔くらいは知ってるだろ?

「くわぁ〜、負けたぁ〜。コンニャロめ!」

今バカっぽい声でバカなこと言ったバカは野々瀬原今日香(ののせはら きょうか)と言って、残念なことにあのバカが遊戯部の部長なんだ。ショートヘアのアホ毛がそのバカさを際立たせているな。

「おまっ!意味もなく5回もバカといったな、パンダのくせに!」

んで、その向かいに座っている黒髪ロングのメガネが霧島美里(きりしま みさと)だ。ん?あぁ、パンダってのは俺が「笹」野だかららしい。パンダの餌っていうだけのバカっぽいあだ名のつけ方だろ?

「またバカって…。うぅ、ミサトぉ〜、パンダがいじめるぅ〜。」

「バカはバカなんだから、しょうがないだろ。それより、私の特徴は髪の毛とメガネだけか?」

性格の悪いドSってのも付け加えるか?

「遠慮しておくよ。それよりさっきから何故説明口調なんだ?」

お前にはこの女子生徒が目に映らないのか?

「そういえば、同じクラスとか言ってたような?誰だっけ?」

「初めまして、笹野知子(ささの ともこ)と言います。兄の真一(しんいち)がいつもお世話になってます。」

世話をしてるのは俺の方だがな。それと、こいつら相手にかしこまる必要はないし、敬う必要もない。

こいつは俺の妹だ。部活にまだ入ってないみたいだから、遊戯部に案内したんだが…

「で、その妹ちゃんが我が遊戯部に入部してくれるのね。やったねミサト、部員が増えるよ。これで5人になったから部活動として認められるわ。」

落ち着きのないバカが早速早とちりボケをかましてきたか。だが残念だったな、それはボケとして成立しない。理由は簡単だ。

「よろしくお願いします。」

礼儀正しくお辞儀をした後輩(同級生)に、さすがの3人もポカンとしている。とりあえず口は閉じた方がいいだろうな。3割増しでアホっぽくみえる。

「あの、私遊戯王の経験はあまりないんですけど、一生懸命頑張ります。」

『頑張る』というのは少しズレてるかもしれないな。この部活は『遊ぶこと』が目的だからな。って、野々瀬原、何をしているんだ?

「何って、トモッキーの実力をはかろうかと。」

言っとくが、こいつはまだ自分のデッキを持っていないぞ。まぁ俺が昔使っていたデッキならあるが…。

「んじゃ、それで。よしトモッキー、カモ〜ン。」

「はい。よろしくお願いします。」

「「デュエル!!」」

さて、今からデュエルが始まるんだが、ん?なぜいきなりデュエルと叫んだかって?そこらへんの遊戯王のルール的なものは各自で調べてくれ。残念だがこの小説は初心者のための説明は請け負っていないんだ。まぁオリカの説明はちゃんとするつもりだから、そのくらいでカンベンしてほしい。

「先輩、誰と喋ってるんすか?」

別に、誰でもないさ。さて先攻は野々瀬原、後攻は知子だな。

「私のターン、ドロー!」

オーバーアクションは時間の無駄だ。スマートにやれ。

「うるさいなぁ。私はモンスターをセット。カードを一枚伏せてターンエンド!」

さて、部長のデッキは「T・(トランプ)」+「種類(今回はスペードのようだ)」を冠するデッキだ。それに対して知子が使っているデッキは「C(カラーズ)-」を冠するデッキだ。特徴?そんなもん見ながら感じてくれ。

「私のターンです、ドロー。」

「手札から増援発動。デッキからC-ブラックナイトを手札に加えます。」

ブラックナイトの効果は1ターンに1度、戦闘を放棄する代わりに裏側表示のモンスターカードを1枚墓地に送る効果を持っている。

「C-ブラックナイトを召喚。そして効果で部長のセットしたモンスターを墓地に送ります。」

「ふっ、甘いな。私がセットしたモンスターはクリッター!その効果によりデッキから攻撃力1500のT・スペードフォーを手札に加える!」

「あらら、私は攻撃できないのでカードを1枚伏せてターンエンドです。」

今伏せたのは罠カードのカラーズトラップだな。破壊された時にデッキからレベル4以下のC-と名の付いたモンスターを攻撃表示で特殊召喚するものだ。あのバカはエンドサイクが大好きだからな。最高の伏せカードさ。

「ふっふっふ…、それも甘い!砂塵の大竜巻を発動!!今伏せたカードをブレイク!!!」

「ではカラーズトラップの効果で、デッキからC-レッドエンジェルを攻撃表示で特殊召喚します」

「なっ!何ですと!?」

アホだな。初心者にいいように操られて恥ずかしくないのか?部長さん。

「くっ、私のターン、ドロー!」

「この瞬間C-レッドエンジェルの効果発動。相手がドローするたびに500ポイントのダメージを与えます。」

「ふん、どうってことないさ。私はT・スペードファイブを特殊召喚!」

あのカードはサイバードラゴンのようなものさ。最もいくつか縛りはあるが。

「そしてファイブをリリースして、T・スペードキングをアドバンス召喚!キングはレベル8だがT・と名の付くモンスター一体のリリースで召喚できるのだ!」

さらにキングが相手モンスターを戦闘破壊した時、デッキからT・と名の付くモンスター1体を墓地に送ることで、送ったモンスターのレベル未満のモンスターをデッキから特殊召喚する効果を持つ。ただしこの効果で特殊召喚されたモンスターは攻撃できない制約を持つ。

説明
遊戯王のオリジナル小説第1話です。出てくるカードの大半はオリジナルカードなので注意が必要です。あと、作中ではデュエルのルール説明などはほとんどありません。処女作なので、稚拙な部分など大目に見てもらえると助かります。途中までしかPCに移してないのでDUEL1-2といった感じで続いていけたらいいなぁ…。
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