鳳凰一双舞い上がるまで 第三章 4話(上編) |
雛里SIDE
「まさか、こんな瞬間がこんなに早く来てくれるとはな」
「っ!」
近づいてくる江賊団のお頭、もとい裴元紹さんの部下だったその男の人から離れようとしましたが、狭い部屋では直ぐに壁にぶつかってしまいました。
「この白鮫、あの山賊の群れの子分で腐っていた時もあったが、一度ぱぁっと弾けようと夢見ていた。いつかは上のえらい連中のように人たちを虫けら見るようにしながら行きたかった。お前とあの男さえ居なければ、今頃俺はあの村で一稼ぎしてもっと大きな山賊群れのお頭になっていただろう。でも、貴様らのせいでそれもぱーになっちまった」
「っ……」
「でも、もうそれも良い!もうここまで来たんだ。山賊の王には成れずとも、こうして江賊として成功したからな!むしろの職業を変えてもらってお前たちに感謝したいぐらいだ」
「ふ、ふざけないでください。あなたは裴元紹さんたちを殺しておいて、なんの罪悪感もないのですか?仲間だったのでしょ?」
声を絞るように精一杯出して、やっと白鮫というその人に聞こえるように出来ました。
目の前の状況は怖いほかありませんけど、あの時の出来事、元凶はこの人です。
なのに、自分だけここでこうしてまた人たちを苦しめる仕事を続けていたなんて……
「ああ?俺はあそこで誰一人殺しちゃいねー。殺したのはお前らの方だろ」
「私たちだちは誰も殺していません。あなたが街の長老たちを口説きさえしなければ、全部うまくいきました」
「あめぇんだよ。小娘。大体俺はあの爺どもの欲を聞いてあげただけだ」
「ど、どういう……」
「金が欲しいと思ったのはあいつらの方だ。俺はそいつらの欲を叶えるように裴元紹が持っている畑のことを言ってあげただけだ。そしたらあの連中自分たちで全部知恵を絞って仕組みやがった。まったくとんだ狸どもだったよ」
「!」
そんな……
「でも、長老さんたちを殺したのはあなた……」
「ああ、確かに「全部おまえのせいだ!」とか言いながら迫ってきたな。はっ!俺は何もしてねー。あいつらが怖くなって自分たちで殺しあったかそういうのかは知らねーが、俺はその場から逃げてそれで終わりだ」
「そんな……そんなこと信じるわけ」
「信じるかどうかどうでも良い」
白鮫さんは、私がいる壁の方に手を当てて道を塞ぎながら言いました。
「お前が居るということは、きっとアイツもここに来るだろう。丁度いい。昔の恩を返すいい機会じゃねーか」
「…一刀さんをどうするつもりですか?」
「アイツのこと心配してる場合じゃねーはずだが?」
白鮫さんは私の肩を強く掴みながら……
ジジーー!
「ぐぅっ!」
「……あ、あれ?」
突然、白鮫さんが私から離れました。
「く、くぅ…なんだ、これは……」
「?」
――プロテクト稼働開始。テレパシー・インターフェースを起動します。
「あわわ!」
な、何か、頭の中から声が聞こえるような……
――これは僕が万が一もあなたが『氷龍』の標的になることを念においてあなたにかけた自己防御措置です。
「左慈…さん?」
――僕はテレパシーインターフェース、今あなたの頭に直接声をかけてるこの暗視は、あなたを初めて会った時に左慈が自分の身に何か起こってあなたたちが危険に会う状況を考えてかけたものです。これを聞いている時点で、本物の左慈は死んでいるか、それとも力を失ってあなたたちを助けられない状況にあります。
「こ…の!」
白鮫さんがまた私を捕まえようとしましたが、今度も何かジジーとする音がして、白鮫さんは手を放しました。
「ぐああああ!!」
――現在あなたに危害を与えようとする相手は、近時『氷龍』を触ったことがあるか、その『契約者』です。『氷龍』の契約者である場合、あなたに触れることはできませんが、完全に守れるかには誤差があるので、できるだけ離れていてください。
「それが出来る状況だったら最初から守られる理由もありません!」
――…………
「」
落ち着いて、雛里ちゃん。落ち着いて、考えるのよ。
今白鮫さんは私に触れません。
だからってこの部屋を出て行ったら、他の賊たちに捕まってしまいます。そして、そうなると、この白鮫さんのように左慈さんが私を助けてくれません。
一刀さんが来るまで、この人と二人だけでなんとか時間を稼がなければなりません。
――その思考が最適だとされます。
「何で人の考え読むんですか、左慈さん!」
――僕は左慈ではありません。僕はテレパシー・インターフェースです
「何かこの人を止める方法はないんですか?」
――外史の人間の剰余容量では、攻撃手段になる暗視をかけることが不可能と判断します。
「っ、誰かある!」
あ!まずいです。
外の人を呼ばれてしまうと……
――プロテクト範囲を不特定多数に変更しますか?
「あわ?」
――さっきのような効果を誰にも発動できるようになります。
「そんなのがあるなら早くいってくだしゃい!」
――ただし、守られる範囲は今立っている所から一足で届くところ以内、それも半刻しか使えません。半刻がすぎると、このインターフェースは自動オフされます。
「……つまり、半刻内に一刀さんが助けに来てくれないと、私はこのままつかまるということですね?」
――肯定。
外から他の賊の人たちが来ています。
やむを得ません。
「いいです。やってください」
――承認受諾。プロテクト範囲を全ての物体に拡大します。
ジジーーーー
「ぐわぁー!ガクッ」
え、何か倒れましたよ、賊の人?!
「あ、あの、これって本当に痛むんですか?」
――通常の人間の場合、プロテクトに触れると脳内衝撃による脳震盪で気絶します。
怖いですよ、それ!?
「ちっ、小娘、妖術でも使ってるのか、あぁ?」
――インタフェース、力の長時間利用のために睡眠状態に入ります。
――・・・
「うぅ……」
「ふん!まぁ、いい。お前がここに居るだけで、あいつがここに来る保証になる。その時は以前のお礼をたっぷりしてやるぜ」
白鮫さんは、先ず私を諦めたように奥にある自分の椅子に戻りました。
一刀さん、早く来てください。
もう時間がありません。
真理SIDE
「前に一人居ます」
「…………」
私が先行して前に人たちが居ることを知らせると、変装した北郷さんと倉ちゃんは頭をうなずきました。
「…おい、そこのお前ら!見ない顔だな」
私が見た江賊が北郷さんたちを見て、二人を止めました。
「………」
「おい、ここ先は幹部以外は出入り禁止だ。どこの配属だ!」
「……この先が白鮫様の部屋がありますか?」
「はぁ?何寝ぼけたこと言ってんだ。いいからさっさと……
ガラッ
その時、突然後ろから松明が落ちて周りの薄かった光までも消えてしまいます。
「!!」
「せいっ!」
ブチッ
「ぐっ!き、きしゅ……」
ガクッ
言葉を終える前に、江賊は上から飛んできた即効の麻痺薬を塗った手裏剣に当たって倒れてしまいました。
「ここまでは別に問題なく来られましたね」
「どうやらこの道で間違いないようだな。奥に入るほど出てくる人間が少なくなってる。江賊の中でも高位幹部しか通らないようだし、もうすぐだろう」
気絶させた盗賊の服をかぶっている一刀さんが白い髪を隠した頭巾をを外しながら言いました。
肌はともかく、一刀さんの銀髪はさすがに目立ちます。
「……早く行かないと、雛里ちゃん危ない」
「そうだな。そろそろ速度を上げるか。周泰、先行して前に賊たちが居たら片付けてくれ」
スタッ
洞窟の上から何かを蹴って跳ぶ音がして、また静かになりました。
洞窟の上の暗闇に隠れて動いている周泰さんです。
人の目に目立たない私と、周泰さんが先に行って周りに何も居ないか、確認して、北郷さんと倉ちゃんは変装してもっと堂々と周りを観察するという作戦でしたが、外側には江賊たちが奪ってきたものや酒で遊んでいるのを除いたら、奥の方には数人しか会っていません。
ここまで来て、雛里お姉さんがここに居なかったらどうするかという不安もありますけど、他に探せるところは全部探しました。
「真理ちゃん、大丈夫か?疲れてるだろ」
「私は大丈夫です。それより早く行きましょう」
洞窟の地面は歩きにくいったらありはしない状況で、正直ここまで来るだけでも昔の私なら生き倒れしていました。
昔百合お姉さまに向かいに行く時、半日経たずに疲れた自身が恥ずかしくて、戻ってきてから毎日塾から街まで往復した甲斐がありました。
でも、まぁ、通常の時ならこういう場面を利用して北郷さんにまた抱っこしてもらうのも悪くありませんが、それはまた今度にします。
「あまり無理しなくてもいいよ」
「無理します。北郷さんも私の心配より、実は雛里お姉さんの心配したいでしょ?」
「………」
「……一刀、早く行く」
倉ちゃんが北郷さんを呼んで中に行くことを催促します。
なんか、倉ちゃんの方も焦っているみたいに見えます。
「そうだな。早く行こう…真理ちゃん、悪いけど急ぐから……」
「はい…てわわ!」
走ることを覚悟して頷いたら、北郷さんが私を抱き上げました。
「てわわ!」
「倉、行くぞ」
「うん」
「てわわ」
雛里お姉さん、これは私が誘ったわけじゃないです。緊急事態だから仕方ないんです。
そうです。
「てわ〜ん?」
北郷さんの腕が暖かいです……。
明命SIDE
「………明命、一刀たちにつれて行きなさい」
「御意」
蓮華さまの命に、私は臣下の礼をしました。
「いいのか、蓮華」
「一刀、あなたの気持ちはよく分かったわ。でもわかっていなさい。あなたが今しようとしていることは下手すると思春たちよりもあなたの友人を危険にするかもしれないわ。そしてあなた自身もね」
「………」
正直、私には一刀様の考えが良くわかりません。
一刀さんは初めて私が港で蓮華さまを助けるに遅く出てきて江賊たちをきった時、すごく怒っていました。
それは私が護衛武将なのに遅く来たとか、そういう他の孫家の方々から聞きそうな叱りではなく、守るべき相手を怪我そうとする相手たちを殺そうとしたことにたいしてのものでした。
あの時は理解できませんでしたが、今なら分かります。
一刀様は人を殺すことが嫌いな人なんです。
それがたとえ敵であっても、人が死ぬことを見たくないと思っているんでうs。
でも、まるで人質をとっている敵を制圧することが、そうでない人を相手する時よりも難しいように、
元は殺してもいいはずの相手を生かしたまま目標を達成することは何倍も難しい上に、自分自身までも危険になってしまいます。
自分の友人を攫っていって、今頃その人に何をしているかも分からない相手を守るために自分の危険を更に増加させるなんて、普通の人にはできませんし、して得もしません。
「一番たやすい方法はやる側もやられる側も全部殺せば良い。お前たちの論理ならそうなる」
「……何!!」
「人質を捕らえた悪人を捕まえる時に、捕まえる側として一番たやすい方法は何だ?人質も構わずに両方斬ってしまえばいい。それが甘寧の論理だ」
「………」
「蓮華が言っていることは、人質は活かして、悪人は殺すんだよ。でも、どうやって悪人に攫っている人質は活かして、その隣にいる悪人は殺す?それは一番難しいことだ」
一刀様は最後にこう言いました。
「そして、悪人の要求条件を叶えてあげること。彼らの幸せを取り戻してあげれば、悪人も活かして人質も生きる。質問、何が一番難しい方法だ?何が一番非人間的な方法だ?……人間は、いつも自分たちが歩いている道が易いを思う。慣れてるから、いつもそうしてるから、他の人たちもそうしてるから、でもふと気づくと、その道がどれだけ赤い、赤い道か気づくはずだ。その道を歩いた先にある幸せを、お前はその血に滲んだ手で触れるか?」
・・・
・・
・
サシュッ
「ぐぁっ」
「お、おい、どうし(サシュッ)ぐっ!」
一刀様より先に行って見つけた二人を始末しました。
一刀様に殺すのは絶対だめだと言われましたので、ちょっと高価品ですけど、即効性の麻痺薬を使っています。
一刻ぐらいしか効果が持ちませんが、この作戦には十分な時間です。そのうち解決できなければ失敗ですから。
「それにしても、厄介なことになりました」
道が2つに別れています。
暢気に一つずつ確認してる暇はありませんし……
「周泰」
私に追いついてきた一刀様の声が聞こえて、私は下に降りてきました。
タッ
「分かれ道です。どうしますか?」
「……分かれていく」
「いや、駄目だ。下手したら危険な目になる」
倉さんの提案を一刀様は一言で却下しましたけど、
「倉ちゃんの言う通りです。のんびりしてる暇はありません」
「………」
元を言うと道が2つあるからって分かれるのは得策じゃありません。危険を増やすだけです。
一刀様は自分が居ないところで残った友たちまで攫われることを恐れているのでしょう。
「諸葛均さんは戦うことはできません。賊たちには見えないけど、必ずそうだと言う保証はありませんし、一刀様が一緒に居てあげた方がいいでしょう。私は倉さんと一緒に行きます」
「……分かった。深追いはせずに、手がかりがなかったらすぐにここに戻って来い。いいな」
「はい」
「……うん」
倉さんと私はうなずきました。
「一刀様、何かあったらこれを……」
私が麻痺薬を塗った手裏剣を幾つか渡しました。
「ありがとう」
「下手しても自分を切ったりしたらだめですよ」
「……フラグ立ててくれてありがとう、周泰」
「?……はい」
フラグ?
「よし、行くわよ、しっかり掴まってろ、真理ちゃん」
「は、ひゃーい!」
答える間もなく、一刀様は諸葛均を抱いたまま右側の通路に向かいました。
…………
「どうして諸葛均さんは一刀様にお姫様抱っこされてるんですか?」
「……疲れたって」
これぐらいで疲れてるんですか。
軟弱なものです…………私もあんな風に抱っこされてみたいですじゃなく!
「は、早く行きましょう」
「……頼むなら雛里ちゃんが居ないところで頼んだ方がいい」
「はうわ!?」
何でわかるんですか!?
「……ぃ………ぃい……」
「……ぁ……はぁ……」
暫く奥に進むと中から人の喘ぎ声みたいな声がしました。
「……!」
「私が先に行ってみます」
「……行く」
え!?
タッたっタッ
「あ、ちょっと、倉さん!」
倉さんが突然中へと走りだしました。
一刀様に約束したのもあるので、私はその後を追って急いで中へ進みました。
・・・
・・
・
盗賊に女が攫われた場合、救出したとしてもその心の傷は酷いものだったりします。
なぜなら救出できた時は、既にその人は賊の男たちに輪姦されたり、とりあえずめちゃくちゃにされるらしいので、救出されて帰ってきてもそのままあの時の傷を耐え切れず自殺してしまうということも珍しくはないらしいです。
その点においては、賊を退治する時に人質の救助はそれほど重要な項目ではないわけです。
でも、
「なんですか……これは」
「………//////」
「倉さん、見ちゃだめです。言っちゃだめです!考えちゃいけません!」
というか私もまだ未経験です!誰か私の目を塞いでください!
「ここですか?ここが良いのですか?♪」
「ひぃ、やめて、そこは弱いの」
※ここから先は記録していた者があまりにもひどすぎる+そのまま上げると下ろされるため、削除しました。あと、この後左慈には反省文100枚書いてもらいました。
あ、あの、元こうなんですか?
男と女の営みって……
「……さっちゃん」
「ふん?……倉ちゃん!?」
べしっ!
「んおおおーー!」
仮面をしていた女の人は持っていた鞭を素っ裸になって叩かれていた男の人に投げてこっちに戻ってきました。
後、男の人の最後の声は耳に入っていません。忘れました。
「よくここまで来たわね」
「………アレ」
「うん、アレは何でもないよ。倉は知らなくていい。倉ちゃんは後十年ぐらいは知らなくていいから今のは忘れなさい」
「………うん」
「あ、あの……」
「!あら、あら、周泰ちゃん」
「!」
この女の人、どうして私の名前を……
「最近も猫には目がないのかしら」
「あなたは誰ですか?どうして私のことを知っているんですか?」
「うーん、そうね。あなたの質問に答えてあげることもいいのだけれど、今はもっと大事なことがあるわ」
女の人は私の質問に答えず、仮面を外してその顔を表せました。
すごく綺麗な人です。
さっきの場面さえ見てなければ見惚れてるはずです。
「……あなたたちしか来てないの?いや、待って……そうね。分かれ道があったわ。二手に別れたのね。……あまり安全な方法ではないけれど効率的よ」
「……さっちゃん、雛里ちゃん、ここに居ない?」
「そうね……倉ちゃんが『お母さん』って呼んでくれたらどこにいるか教えてあげてもいいわよ?」
べしっ!
「痛い!」
打った!?
「………さっちゃん、良いからさっさと教える」
「うぅぅ……はい」
倉さんが何か怖い顔で女の人を睨んでます……
さっきなんか『お母さん』とか言っていた気がしますけど…
一刀SIDE
「!」
真理ちゃんを抱いて闇に隠れて走っていた僕は急いで身をかくした。
「一刀さん、どうしたんですか?」
「……見張りが居る」
ちょっと離れた先に見張りが二人、真ん中には穴がひとつあった。
あの中に雛里ちゃんが居るのだろうか……
「私が行って確認してきます」
「頼むよ、気をつけて」
「はい」
真理ちゃんを下ろして、前に進ませる。
目の前に真理ちゃんが居ても、見張りの連中は真理ちゃんに気づくことはなかった。
彼女が軍師としてでなく、周泰のような隠密行動に長けた武将であったらきっと天の才を持っているとされるだろうけど、今の彼女とってはきっとなんとかしたい体質だろう。
だけど、今すごく利己的な話をすると、真理ちゃんがああいう能力を持っていてほんと頼りになると思っていたりする。
「……てゐ!」
「痛っ!何だ?」
「何だ、どうしたんだ?」
「今何かに後ろから足を蹴られた気がしたが……てめぇ」
「お、俺はやってねーぞ」
「嘘つけ!ここにお前と俺以外に誰がある!」
「…べー」
あはは…真理ちゃん。
雛里SIDE
「……」
取り敢えず、身は守れていますけど……それもあまり持ちそうにありません。
もう半刻がほぼ経っているように覚えますけど………
――緊急知らせ、プロテクト自然消滅まであとわずかです
教えてくれてありがとうございます。
ガーン!
ジジーー
「へっ?」
――緊急知らせ。異型物の侵入指導を確認。
「なるほど、こいつだとかなり歯ごたえがあるか」
「!」
目の前にはいつの間にか白鮫さんが立っていました。
そして、その人が手に持っているものは……
「どうしてあなたがその剣を持ってるんですか?それは一刀さんの……」
「この刀を手に入れてから俺の人生が開けたんだ。只の剣じゃねーぞ」
「……『氷龍』」
確かあの剣は左慈さんが持って行ったはず。
どうしてあれがこの人の手に握られているんですか?
ガーン!
――緊急知らせ。プロテクトが耐え切れない衝撃。もうすぐ自然消滅します。
「!」
不味いです。このままだと、一刀さんたちが来る前に……
「一刀さん!!」
ぶっ!
「ぐっ、てめー!」
ブチッ
「ぐぉっ!やられるか!」
「あぁ?」
何か外が騒がしいです。
外の見張りをしている人たちが騒いでるみたいです。
「おい、てめぇら、何をしている!」
白鮫さんが私を攻撃するのをやめて、騒がしい外に向かいました。
スルッ
「!」
「雛里お姉さん、もう大丈夫です」
「へ?」
手が突然自由になってます。
どうして……
まさか……!
「真理ちゃん?」
「はい♪」
真理ちゃんの名前を呼ぶと、座ってる私の後ろに真理ちゃんの姿が居ました。
真理ちゃんが私の手を縛っていた縄を解いてくれたようです。
で、
真理ちゃんがここに居るってことは…………
べしっ!
「ぐへっ!」
「!」
白鮫さんが部屋の中に転がって来ました。
「て、てめぇ……」
そして、その後を追うように部屋に入ってきた人は……
「……お前をあの時逃したことが一年間の悔いだった。良くも二度までもこんなことをしてくれたな!」
「一刀さん!」
「!雛里ちゃん!」
もうほんとに……
「ギリギリすぎます!」
「ちょっ!助けに来てくれたのにそれはないだろ!」
「大体一刀さんが私の事信じないで勝手に行っちゃうのが悪いんです!」
「ぐっ!そういうお前は何で居た場所に居ないんだよ!探せないだろうが!」
「てわわ、二人とも喧嘩してる場合じゃないですよ!?」
・・・
・・
・
つづく
余談
「安心しなさい。私がこういうこともあろうかと昔暗視かける時にちゃんと雛里ちゃんにプロテクト付けておいたから」
「……どれぐらい時間ある?」
「えっと……もう後ないかな」
「……頼りにならない」
「酷い!(泣)」
「あの、二人さんが言ってることがわかりませんが、こんなに走って行っても大丈夫なのですか?」
「ああ、大丈夫よ。さっきあのデブから聞いたんだけれど、今日は港を襲ったのが成功したお祝いで皆洞窟の入り口の方に集まってるみたいだしね。顔を出さないのはあの白鮫ぐらいよ」
「江賊団のお頭ですか?!」
「雛里ちゃん、そこに居るの?」
「ええ、……倉、白鮫に会ったら感情に操られずに先ず鳳統ちゃんと諸葛均ちゃんと安全を確保しなさい。いいわね?」
「……あたしが知ってる人?」
「………酷いことはお母さんに任せて、あなたは出来るだけ安全なところに行ってなさい」
「………ん」
・・・
・・
・
説明 | ||
真・恋姫無双の雛里√です。 雛里ちゃんが嫌いな方及び韓国人のダサい文章を見ることが我慢ならないという方は戻るを押してください。 それでも我慢して読んで頂けるなら嬉しいです。 コメントは外史の作り手たちの心の安らぎ場です。 かなり大雑把になった ……割といつものことだった。 あはは、こやつめ |
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コメント | ||
ZERO さん>>さっちゃんの貞操ならほぼ最初からなかったものですよ。だって……さっちゃん「……ピキッ」はい、だまります(TAPEt) 【カオナシ】関平さん>>なんでしょうね、ww(TAPEt) 通りすがりの名無しさん>>あはは、こやつめ(TAPEt) 聖獣ヒトヤ犬さん>>何その八つ当たり怖い(TAPEt) 山県阿波守景勝 さん>>それなか嫌ですね……あと、さっちゃん? さっちゃん「はい」 何故ここに? さっちゃん「ずっと居ましたが?」 え?(TAPEt) さっちゃんの貞操は無事でしょうね。まあ、無事にしか見えないか。(ZERO&ファルサ) 真理ちゃんのステルス能力は三国一ぃ〜!(通り(ry の七篠権兵衛) 誤字報告:前書きの「あはは、こやつめ」→「あわわ、こやつめ」ですよ。(キリッ さて、今から本編読ませて頂きますね。(通り(ry の七篠権兵衛) ここで生かした盗賊が誰かを殺したとして、その遺族に「お前があの時ちゃんと殺しておけばこんなことには、何で殺さなかった!家族を帰せ!」とか言われたら一刀はなんて答えるんだろう・・・(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) 氷龍が何故ここに……これもまた因縁か、それとも漢女の策略か……次回が楽しみです。しかしさっちゃん、あなたは何をしてるんだ……(山県阿波守景勝) |
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