真・恋姫無双「新たなる地と血」第21話
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この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

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水関での戦闘が始まって一週間、連合側は初戦以来全く出て来ない董卓軍に苛立ちを覚えていた。

 

関の外で挑発等を行なっているが全く相手にしてもらえずにいた。

 

「きっーーーーーーー!たかが関一つ落とすだけですのになんなんですかこの体たらく!!。」

 

「そうは言っても相手が出てこない以上、仕方がないじゃない。」

 

「それを何とかしなさいと言っているんです!」

 

「何とかしろって言われて、色々と試しているけど駄目なのはあなたも知っているでしょう?」

 

「それを何とかしなさいと言っているんですわ。」

 

もはや唯の子供の我侭。集まった面々は呆れて揃ってため息をつく。

 

「こうなったら私が雄雄しく美しく華麗に落としてみせますわ。皆さん見てなさい、この私の活躍を!」

 

一度失敗すればいいんだと思い、誰も何も言わなかった。黙っている事を肯定と勝手に解釈した麗羽はそのまま出て行ってしまった。

 

「ぬ?!麗羽姉様が活躍しては妾が目立てないではないか。七乃ぐずぐずしてはおれん、妾達も行くぞ!」

 

「お嬢様〜待ってくださいよ〜」

 

従妹の美羽も麗羽が関を落とすと思い自分も目立とうと出て行ってしまった。

 

『袁家は馬鹿だ』

 

それを見ていた者達は一様にそう思った。

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〜水関〜

 

「くぁ〜、退屈やなぁ〜」

 

水関の中では霞、華雄、一刀が先程調練を終わらしてお茶をしていた。

 

幾ら篭城戦とは言え唯籠もっていては精神衛生上よろしくない事と何時戦闘が再開されても良い様にである。

 

そんな一時の休息も兵の報告によって打ち破られた。

 

「お、今度は『袁』の旗が二つか。ということは袁紹と袁術やね。」

 

関の上から出て来た軍勢を確認する。

 

「わざわざ総大将が出てくるとはご苦労な事だ。」

 

「此処一週間、何もなかったからいい加減痺れを切らしたんだろうな、麗羽は。」

 

相変わらずだ、と一刀は笑う。

 

「笑い事やないで一刀。あいつの所為でこないな事になっとんやから!」

 

「そうだ、笑い事ではないぞ!あ奴の下らん見栄の為に月様が危険に晒されているのだ。少しばかり痛い目に遭って貰わねば気が済まん。」

 

袁家が出て来た為二人の怒気が溢れ出した。華雄の言う通り元は麗羽の下らない見栄で始まったこの戦、なら少しばかり痛い目に遭って貰わねばならない。

 

まあ元々の計画からその心算ではあった、思ったより早めに出て来た事に思い通りに行かないなぁと思いつつ、準備の為下へ降りる。

 

「ええかお前ら、今袁紹と袁術が来とる!」

 

「やつらは自分達が権力を得たいが為、我が主董卓様を悪と決めつけてきた、愚か者である!」

 

「皆も知っていると思うが月−董卓は心優しい娘だ。そんな月を守る為に皆、力を貸してくれ!」

 

整列している兵達に声を掛ける一刀達。

 

『わああああぁぁぁぁーーーー!!』

 

『董卓様をお守りするぞ!』

 

『袁紹に一泡吹かせてやるぞ!』

 

『奴らを返り討ちにするぞぉ!』

 

『開門!!』

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〜連合側〜

 

水関の門が開いた事に気が付くと

 

「あら、やっとこの私に敵わないと知って降伏に出てきたようですわね。」

 

「姫って何でこんなに無駄に自分に良い様に解釈するんだろう?」

 

「そりゃあ『名門』袁家の出だからだろう?」

 

麗羽の勝手な物言いに斗詩は疑問を抱くが、猪々子によって簡単にあしらわれる。

 

「でも向こう、なんかやる気満々ですよ。」

 

「よっしゃぁ!このあたいがどんな奴ら相手でも蹴散らしてやるよ。」

 

「文ちゃんも無駄に自信に溢れてるよねぇ〜。この間の戦闘、孫策さんと関羽さんが良い様にあしらわれてるのを見てたのに…」

 

「そんな細かい事気にすんなよ、斗詩。」

 

「はぁ〜」

 

「斗詩さん、猪々子さん。無駄話をしていないでさっさとあの田舎者達を叩きのめしてあげなさい。」

 

「「あらほらさっさ!」」

 

迎撃に向かう斗詩と猪々子であったが錬度と士気が低い袁紹軍は、逆に錬度と士気の高い董卓軍。数によって若干苦戦したものの良い様にあしらわれていた。

 

また霞の隊と華雄の隊が袁紹軍とぶつかっている間、袁術は水関突破を狙って、その横を潜り抜け様としたが一刀の隊によって阻まれていた。

 

「ぴぎゃあああああ!なんじゃあやつは?!」

 

美羽は次々襲い掛かってくる兵達を、簡単にあしらいながら近寄ってくる一刀に恐怖していた。

 

普段ならそんな美羽の様を見て、ハァハァしている七乃も今はそんな余裕は無く、美羽を守るために兵達にひたすら指示を与えていた。

 

だが一刀は、それを潜り抜け美羽の乗っている所まで辿り着き、剣を振り下ろそうとした所で雪蓮がやってきた。

 

「駄目よ、まだやらせはしないんだから。」

 

振り下ろされた剣を受け止める。その後遅れて祭、思春、明命が到着した所で、撤退の合図が出され一刀達は撤退して行った。

 

「(一刀、本気じゃなかったわね。なんでかしら?)」

 

一方、霞の方も麗羽の目の前まで来ていた。だが麗羽は落馬による痛みの為、へたり込んでいた。

 

「あ、あわ、あわ…」

 

恐怖に顔を引き攣らせる麗羽に向かって、霞は飛龍偃月刀を振り下ろそうとしたが、春蘭に阻まれていた。

 

「なんや惇ちゃん、こいつ庇うんかいな?」

 

「華琳様の命で仕方なく、な!」

 

力を込めて霞の得物を押し返す。

 

「はは、惇ちゃん大分力付けてる様やな。あの時とは段違いや。」

 

「そういうお前もな。」

 

再会した二人は睨み合う。嘗ては同僚だった、が今この外史では敵と味方。戦場で出会えば戦うしかない、それが武人としての礼儀なのだから。

 

お互い武器を構えたまま微動だにせずにいた。否、出来ないでいた。下手に動けば隙を与え自分がやられてしまう、それほど二人の実力は拮抗していた。

 

埒が明かないと思っていた所に撤退の合図が聞こえた為、霞は去って行った。

 

「夏候惇将軍、追わなくてもよろしいのでしょうか?」

 

「いい。引き上げるぞ。(霞の奴本気ではなかったな、何を狙っている?)」

 

振り下ろそうとした剣に殺気が無い事に春蘭は疑問に思った。

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麗羽・美羽の両袁家は先ほどの戦闘の際、恐怖と落馬により腰を痛めた為に、自分の天幕に引きこもってしまった。仕方なく袁家を放って華琳達は集まって軍議をしていた。

 

今回の戦で狙われた麗羽・美羽を助けた雪蓮・春蘭は一刀達との戦闘結果を報告する為に。

 

「つまりは唯の脅しだったてことね。」

 

話を聞いた華琳はそう判断した。幾らお飾りとはいえ総大将である麗羽に、大打撃を与えれば連合の士気は更にがた落ちするのは明白、一刀達はそれを狙っていたのだ。

 

「ほんっと、厄介ね。一刀が敵に回ると。」

 

そんな呟きに桃香は反応する。

 

「あのぅ、曹操さん。その一刀って人、知ってるんですか?」

 

「ええ、少し前までうちで客将として働いていたもの。それがどうしたの?」

 

「でしたら、話し合いで何とかなりませんか?」

 

「はわわ!?桃香様!?」

 

「はぁ〜」

 

劉備の突拍子も無い言葉に朱里は慌て、華琳は深くため息をつく。

 

「あなたねぇ、今の状態でこっちから和平なんか持って行ったら((連合|こっち))が悪いです。って言ってる様なもの、降伏と一緒、負けを認めたようなものなのよ。私達は下手をすれば国賊扱いよ。和平って言うのはこちらが優位に立っていなきゃ意味が無いのよ。」

 

「でもでも、争わないで済むならそれで…(バンッ!!)ビクッ!」

 

「劉備、ならあなたはなぜここにいる?いい加減にしなさいよ、話し合いがしたいなら最初から連合に参加せず直接向こうに行ってすればいいじゃない。戦う覚悟が無いのに戦場に来ないで!他の者への士気に影響するから。」

 

華琳に激しく叱責され、劉備は落ち込む。

 

「他に何も無いのなら、解散しましょうか?」

 

そう言って本日の軍議は終了した。

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〜袁紹天幕〜

 

麗羽は天幕の中で寝台に横になりながら、斗詩と猪々子に腰に薬を塗ってもらいながら、一人ぶつぶつ言っていた。

 

「この華麗な私が負けるなんて有り得ないですわ。これはきっと夢、そう夢ですわ。目が覚めればこの私がきっと大!活躍していますわ。」

 

「じゃあ、この腰の痛みはなんなんですか?」

 

薬を塗りながら呆れながら斗詩は聞く。

 

「…これは、少し馬から落ちただけですわ。」

 

「麗羽様、馬から落ちたんですか?」

 

強がりを言う麗羽に意地悪く猪々子も質問をする。

 

「う、うるさいですわよ!まだ終わらないですの?」

 

「はいはい、終わりましたよ、っと(ペシ)」

 

「っ〜〜〜〜〜〜〜!」

 

猪々子は終了とばかり腰を叩いた。叩かれた麗羽は余りの痛みに声が出ず悶えた。

 

「文ちゃん、駄目だよ、今腰叩いたりしたら。」

 

「いや〜わり〜わり〜。つい、な?」

 

悪びれる様子も無く謝る。

 

「己ぇ〜董卓さん〜。この恨み晴らさずおくべきかぁ〜」

 

「姫ぇ、それ単なる逆恨みです。」

 

肩を落としながら麗羽に突っ込みをいれる斗詩であった。

 

〜袁術天幕〜

 

美羽の方は先ほどの恐怖を忘れられず、天幕の寝台の毛布を頭から被り震えていた。

 

「がたがた、ぶるぶる、がたがた、ぶるぶる…」

 

「はぁ〜い、お嬢様。蜂蜜水がありますから、もうこれで大丈夫ですよ〜」

 

七乃としてはもう少しこの状態の美羽を堪能したかったが、流石にそう言う訳には行かず例によって例の如く蜂蜜水でご機嫌取りをする事にした。

 

「(ヒョコ)…本当かえ?もう大丈夫なんじゃな?」

 

「(あ〜ん、もう美羽様可愛い!)はい、これをあげますからもう大丈夫ですよ〜。」

 

何がどう大丈夫なのかは分からないが、それで安心した美羽は蜂蜜水を飲み、先ほど何があったのかを既に忘れていた。

 

「んぐんぐ、ぷは〜。七乃〜、お代わりなのじゃ!」

 

「や〜ん、美羽様ったらさっきまで何があったのかをもう忘れてるぅ。このお調子者〜」

 

「ぬはははは、もっと妾を褒めよ。」

 

…すっかりいつもの調子に戻った美羽であった。

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あとがき

 

この二人に反省という言葉は無い。

 

そして劉備…orz

 

この娘ならこんな事平気で言いそうだなぁと思う。

 

言っておきますが決して嫌いなわけじゃあないですよ?あの乳は至高品です(笑

 

tkb同様、頭の中がちょっと桃色なだけです(ェ

 

水関も後少しで終わり、もう少ししたら虎牢関に移る予定です。

 

水関編、もう暫くお付き合い下さい。

 

ではまた次回〜

説明
緒戦より一週間が経過。
何も無い事に苛立った連合が取った行動は…
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コメント
TAPEt さん そんな事をしている暇があるならさっさと行って復興しよう。と言ってるようですがやってる事自体矛盾の残念な娘ww(アロンアルファ)
桃香の目で見ると誰が良いとか悪いとか言い合ってる間に洛陽では人死んでる、お前らマジくだらないことで喧嘩してんじゃねーよ、という感じじゃないでしょうか。(TAPEt)
2828 さん こんな大将で大丈夫でしょうか…?(アロンアルファ)
阿呆が多いなぁw(2828)
骸骨 さん 全く以ってその通りです(アロンアルファ)
瓜月 さん 自覚ゼロですorz(アロンアルファ)
アルヤ さん これが彼女らの通常運転ですよ(アロンアルファ)
転生はりまえ$ さん KYじゃなきゃ、反董卓軍なんて出来なかったでしょうww(アロンアルファ)
readman さん これぞ桃香クォリティ!です。(アロンアルファ)
桃香と麗羽と美羽は「空気」を「からけ」と読む勢いですね。(量産型第一次強化式骸骨)
どこでも変わらずKY桃香。そしていつもの駄名家ですね。(アルヤ)
KYなやつ多すぎだろ・・・・反董卓連合・・・・・(黄昏☆ハリマエ)
こういう発言をするからこそ劉備は輝きますね♪ 空気が読めて現実を見る劉備なんて桃香じゃない。 続きも楽しみです。(readman )
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恋姫無双 真・恋姫無双 北郷一刀 反董卓連合 

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