真・恋姫†無双 〜覚醒美羽様と行く袁術√〜 第2話
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一刀「と、とりあえず跪くのをやめて……椅子に座ろうよ」

 

 

俺は今の状況をやめて貰うべく声を掛ける。

 

 

袁術「しかし……」

 

 

一刀「お願いだよ、このまま話を続けられても俺の心情的によろしくないからさ……落ち着いて聞く事が出来ないよ」

 

 

袁術「わかりました…」

 

 

観念したのか立ち上がり椅子に座り張勲さんもそれに続き座る。 俺も座りテーブルに手を置く。

 

 

一刀「さっきも言ったけど俺は元の世界では一般人で何か特別な技量があるわけじゃないし、役に立てる様な事があるとは思えないんだけど……」

 

 

張勲「正直な話、北郷さんにその辺りの事は期待していません」

 

 

袁術「な、七乃!?」

 

 

張勲さんの発言が予想外だったのか袁術ちゃんが声を上げる。 何か違う名前を呼んでいたがあだ名か何かだろう。 

 

 

一刀「いいよ袁術ちゃん、張勲さん続けてください」

 

 

張勲「はい、北郷さんに求めるのは天の御使いとしての名ですね。 この際北郷さんが本物でも偽者でもどちらでも構いません、ただこの時代にはない知識や考え方が出来ると思うので必ず目に付きます。 その光を反射する服でさらに天の御使いとしての信憑性が増しますね……」

 

 

確かにこの時代にとっては俺の知識は未来の物だからかなり有効だろう。 ……と言う風に考えはするが断るという考えは俺の中ではあまりない。

 

 

一刀「わかりました、俺が天の御使いかなんてわからないけど好きに使ってください」

 

 

張勲「………まだ理由を全部言っていませんが、そんなに簡単に決めてしまっていいんですか?」

 

 

一刀「思う所はいろいろありますよ? 言える事やそうじゃない事もあるでしょうし……」

 

 

張勲「…………」

 

 

一刀「でも、さっき袁術ちゃんが俺が降りべくして降りたと言ってました。 じゃあ俺が袁術ちゃんの治めている所に降りたのもそういう事なんじゃないかと思います……と、もっともらしい事言ってますがかわいい女の子にこんな真剣にお願いされたら断る事なんて出来ませんよ」

 

 

袁術「なっ!?」

 

 

張勲「あらあら〜、天の御使いが降り立ってついでに跡継ぎ問題も解決ですかね〜♪」

 

 

俺が照れ隠しに言った内容が二人をおかしな方向に誘導してしまったようだ。 袁術ちゃんの顔は真っ赤になり、張勲さんは一人で話を飛躍させている。 落ち着いたのか袁術ちゃんが咳払いをしてこちらを向く。

 

 

袁術「話を戻しますが北郷様はお力を貸していただけるという事でよろしいですか?」

 

 

一刀「うん、俺なんかでよければいくらでも」

 

 

袁術「ありがとうございます、なら北郷様に妾の真名を預けたいと思います」

 

 

一刀「真名? 何それ?」

 

 

俺の発言に二人は何度目かわからない驚きの表情をする。 真名は親しい人以外は、例え知っていても口に出してはいけない本当の名前で相手に預けられない限り呼んではいけない神聖なものだと教えてくれた。 たぶんさっき俺があだ名だと思っていたものがそうなのだろう。

 

 

袁術「改めて……妾は袁術、真名は美羽と申します」

 

 

張勲「私は張勲、真名は七乃です」

 

 

一刀「俺に真名はないけど、一応一刀が真名に当たるのかな……後一つお願いが……」

 

 

美羽「何でしょう?」

 

 

一刀「俺の事を様付けで呼ぶのはやめない? 別に偉くないし呼び捨てでいいよ」

 

 

これには美羽ちゃんが猛反対。 天の御使いなのだから様付けするのは当然だとかいろいろ言われてしまった。 その後七乃さんが手助けしてくれて盟友と言う位置付けにすれば問題ないという事で何とか了承してくれた。 ついでに同じ理由で敬語も無しになったのはラッキーだった。

 

 

七乃「あっ、私は敬語が癖みたいなものなので気にしないでください♪」

 

 

七乃さんにも言ったらすごくいい笑顔で言われて何も言えなくなってしまった。

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一段落して今のここの現状を教えてもらった。 美羽は最初に俺に見せていた性格をしていて本当の性格は七乃さんにしか明かしていないそうだ。 明日信用できる者だけを集めて俺の事と一緒に自分の事を話す事にしたらしい。

 

 

七乃「信用できる人言うと五人ですかね……」

 

 

美羽「いや、六人じゃ」

 

 

七乃「六人ですか? ……((紀霊|きれい))さん、((楽就|がくしゅう))さん、((橋?|きょうずい))さん、((李豊|りほう))さん、((梁綱|りょうこう))さん……これで全員じゃないですか?」

 

 

名前を聞くと確かに袁術の陣営にいた武将達の名前が出てきた。

 

 

美羽「もう一人……((陸績|りくせき))も呼ぶ」

 

 

七乃「陸績さん……ですか?」

 

 

美羽の発言に俺は驚いた。 陸績は呉の将だったはずだ。 元々は学者を志していてかなり知識が広かったらしい。 自分が死ぬ時天下統一の年を予言してほぼその通りになったという逸話がある。 確かに袁術とも関係がある人ではあるがそこまで詳しくはわからない。

 

 

七乃「本当にいいんですか?」

 

 

美羽「うむ」

 

 

話の流れを聞いていると美羽と陸績さんは何とも言えない間柄みたいだ。 とりあえず今日はここまでで明日の会議でという事になった。

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〜その夜〜

 

 

城壁に一人、上を見上げ星を見ている人物がいる。

 

 

陸績「ふむ……」

 

 

あごに手を当て、何か考え事をしているようだ。 反対の手には杖が握られており足が悪い事が伺える。

 

 

陸績「ここ最近の星の動き……昨日の流星、そして今日の星……近々大きな動きがあるかの……」

 

 

誰に言うわけでもなく、自分の考えを口に出して確認する。

 

 

陸績「明日は珍しく袁術の((童|わっぱ))が小生の事を呼び付けた……」

 

 

下に向けていた視線を再度上に向け、呟く。

 

 

陸績「どうやらお前との約束を果たせる時がきたみたいだぞ……睡蓮よ……」

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どうも茶々零です。

第2話いかがだったでしょうか?

 

 

かなりの難産でした;

 

さて今回次の話の布石として名前だけですが美羽様陣営のキャラが明らかになりました。

さすがに登場まで名前を伏せると何が何やらって感じになるので;

 

 

後、アンケートですが、そろそろその辺りの話を書き始めるので締め切らせていただきます。

答えてくださった方々、ありがとうございました。

 

 

でわまた第3話でお会いしましょう。

説明
第2話でございます。名前だけですが主要キャラが明らかになります。
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コメント
pukochi様:まぁわかりますよね;(茶々零)
骸骨様:新鮮すぎてたまに混乱します;(茶々零)
jonmanjirouhyouryuki様:わかっていましたがお得意の改変ですw(茶々零)
PON様:この話を連載すると決めた段階で大体出す将は決まっていました、と言うか書きたい話があってそこに登場した将を出しました。(茶々零)
”蓮”が付くひとねぇ…堅い人かなぁ(pukochi)
やっぱり敬語で話す美羽は新鮮ですね。陸績は誰と約束したのでしょう。まあ予想はつきますが。(量産型第一次強化式骸骨)
兪渉、閻象、華キン、魯粛と袁術配下だったり一時的に配下にいた連中は他にもおもしろそうなのはいるんですが残念です。(PON)
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