寒空と暖かさと |
<注意書き>
前みたいな甘々じゃなっしんぐ
キャラ崩壊あり
リーネちゃんマジ黒い
それでもいい方はどぞー
ブリタニア基地の一番高い塔。嫌な気配の雲は間断無く流れ、星の一つさえ見えはしない。
スオムスに比べればなんてことも無いけれど、それでも風は体温を奪うかのように吹き荒ぶ。
そのひんやりと冷えた空気を思いっきり肺に取り込む。冷たい風は熱くなった頭を冷やしてくれた。
「こんなところでどうしたんですか?」
後ろから聞こえた声。
振り向かなくても分かる、分からないわけがない。
だってコイツこそが、今私がこんな場所に居る原因なのだから。
それなのに、こんなところでどうしてなんて白々しいことを言うのだ。
「何であんなことやったんダヨ、リーネ」
昼間のハンガーの陰。
思い出されるのは、触れ合った紅の感触、俯きに隠される染まった朱、響く足音。
心情はひた隠して、問いかける。
後ろは振り返らない。どんな表情なのかを知ってしまったら、ダメな気がした。
「あなたが好きだから、では理由になりませんか?」
いつものような柔らかい雰囲気の言葉。何でもないことのように発せられる告白。
「私には……サー」
「分かってますよ」
だってあんなに大事にしてるんですから。
まるで宝物のように、触れたら消える雪を扱うかのように繊細に。
見れば見るだけ羨ましくなります。
その愛情を私に向けてくれませんか?
続けられる言葉。冷えたはずの顔がまた熱くなる。
何をリーネに振り回されているのだろう?
だって好きなのは、私の一番はサーニャのはずなのに。
言い訳も要らない、答えも決まっている。なのにその一言が言えないのだ。
さっき口から出ようとした言葉は、まるで栓をされたように出てこない。
でもこれは、拒絶してリーネを悲しませたくないなんて高尚なことじゃない。
「言い淀む理由当ててみましょうか?」
「……」
「サーニャさんから言われたことがないから……ですよね。エイラさんのことを好きだって、愛してるって。間違ってませんよ、欲張りだなんて誰も思いません。だって、あれだけの愛情を注がれてるのにそれを当たり前だなんて思ってるあの子。注いだら、注いだ分だけ応えて欲しいと思うのが人間です」
耳の中に響く声。
聞いては駄目な気がするのに、やめろ、という一言でさえ口から出るのを拒んでいる。
「私なら、応えてあげられます」
揺れ動く心、背中越しから暖かい体温が触れる。
耳元に掛かる吐息に混じって、エイラさんのこと大好きですから、と言葉が風に乗る。
その言葉に釣られて、振り返ってしまう。
あぁ、彼女の表情を見てはダメだとあれほど思っていたのに。
「なあ……私のどこを好きになったんダ?」
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エイリーネtr 短いし、続く予定もないよ えいらにはさーにゃ以外認めないって人は読んじゃダメー |
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