[桐乃prologue's]高坂桐乃の憂鬱/俺の妹の図書館宣戦
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「高坂桐乃の憂鬱」

 

 どうしてこう、人間関係というのは放っておくと悪い方向にばかり転がるのか。

 いやこの場合、今まで知らなかったけれど実はこいつはおかしかった、というパターンだ。

「高坂桐乃を放っておくと、世界が滅ぶのよ」

「ついに頭がおかしくなったか」

 再び昼寝をしようとしたところに降ってきたのはインターホンの音だ。

 やってきたのは、”黒猫”というハンドルネームの、桐乃のオタク友達だった。

 ――ただのオタク友達だった、はずだったのだ。

「情報統合思念体によって作られた対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェース。それが私」

「なんの漫画の読み過ぎだ。つーか、流石に本気で口にしてるのを見ると体中が痒いんだが」

「今、世界に危機が訪れているの」

「お前、人の話聞いてるか」

「高坂桐乃が、夏コミで求めている同人誌を買えないと、世界が滅ぶわ」

「そんな世界いらん!!」

「解決する方法はただひとつ」

 ここで、黒猫は行儀よく麦茶を一口飲んだ。

 そうか、ドッキリだ。

 これは俺をおどかそうというドッキリ企画なのだ。そう思っていると、黒猫が人差し指を俺に突き出した。

「解決する方法は、あなたが、高坂桐乃と一緒にコミケに同人誌を買いに行くこと」

 ……えっと、これ、笑うところか?

 

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「俺の妹の図書館宣戦」

 

 それは柔らかに見えなくもない、粛然たる反逆だった。

 俺の妹である高坂桐乃は、夕食で腹を膨れさせて戦をする気など毛頭ない油断した両親の鼻面に、その書類を突き付けた。

 中学三年生である妹の豪然たる意志が、その表情に、確かに現れていた。しかし、声だけは粛々と、荒々しさを決して表には出さないように、妹は大人の喧嘩に踏み出そうとしているのだった。

「私、図書隊に志願する」

 それは、夏休みを間近に控えた、暑い夜の出来事だった。

 

 

「な、何をいきなり言い出すんだ……」

 流石に親父の声が震えていた。

「そ、そうよ、どうしたの桐乃?」

 お袋も、手に持っていた湯のみを慌てて机の上に置く。

 そして兄である俺に至っては、何も言うことができない。ただ両親の慌てふためく様子と桐乃の頑なな表情を交互に見つめることしかできない。

 桐乃が机の上に置いたのは、一枚のチラシだった。

 図書隊員募集。

 そう書かれたチラシには、「一緒に、文化を守りませんか?」という文句が踊っている。

説明
9/18開催のSHT(スーパーヒロインタイム)にて頒布予定の新刊コピー本のサンプルです。 頒布価格100円、既刊orグッズを購入して頂いた方には無料で頒布しようかと考えております。 [建前]物語の冒頭部<prologue>の疾走感のみを抜き出したネタ本です!どこから読んでもどこで読み終えても大丈夫!ネタをネタとして笑える人カモン! [本音]コミケ終わってから慌てて申し込んだから起承転結つけた話書く余裕なんて……。 なお当日は結のみの参加となりそうです。ぼっちですので気軽に絡んで下さるととてもありがたいです。 配置[俺妹01]でお待ちしております。
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俺の妹がこんなに可愛いわけがない 桐乃 

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