「私は、ターンエンドだ。」

「俺はエンドフェイズに罠発動。フルアタック・コピー。このカードは相手フィールド上のモンスターを全て攻撃表示にする。そして攻撃表示になったモンスター１体につき１体のバトルトークンを攻撃表示で特殊召喚する。」

と、いうことはMMシールドウォールが攻撃表示になって、トークンが１体生成されるのね。

「俺のターン、ドロー。メインフェイズ時に罠発動、希望の大地。このカードは墓地のJと付くモンスター５体・Jと付くシンクロモンスター１体の合計６体を除外して発動する。デッキからJ・ゴッデス‐希望の大地を１体特殊召喚する。」

あのカード何となく共感覚とか持ってそうだなぁ。攻撃力３０００だけど何かあるんだろうなぁ、強い効果とか。もう正直なんでもいいから早くお兄ちゃんといちゃいちゃしたい。

「さらに俺は罠カード、マインド・アズ・ジャッジメントを発動。このカードは除外されている特殊召喚可能なJの中で、一番攻撃力が高いカードを相手フィールド上に攻撃表示で特殊召喚する。その後相手フィールド上の１番攻撃力の高いモンスターのコントロールを得る。そしてその後、自分フィールド上のモンスターを１体破壊する。俺はMMハイドロキングのコントロールを得て、バトルトークンを破壊する。」

えっ！？ちょ、ちょっと待って。MMハイドロキングは対象を取らないカードの効果を受けないんだからコントロールを得ることはできないんじゃ・・・。

「マインド・アズ・ジャッジメントの効果は少しばかり厄介なんだ。あのカードは相手が発動したカードとして扱うこともできるし、魔法カード、あるいはモンスター効果として扱うこともできるカードなんだ。」

「MMハイドロキングは『相手の』対象を取らないカードの効果を受けないんだけど、マインド・アズ・ジャッジメントは今、ミサトんが発動したことになっているから、さすがのキングさんも裏切らざるを得ないってわけっさ〜。」

「・・・私のフィールドにはJ・ガトリングアームズが残った。攻撃力は２７００か。」

「俺はJ・ゴッデス‐希望の大地の効果発動。自分フィールド上のモンスターをリリースすることで、そのモンスターの攻撃力分、自身の攻撃力を上げる。よって攻撃力は８０００となり、攻撃力０のMMシールドウォールに攻撃して俺の勝ちだ。」

「自分のカードの効果を忘れたか、セイギ。私はJ・ガトリングアームズの効果発動。相手バトルフェイズ中に毎に１度だけフィールド上のモンスターの攻撃力を５００上げることが出来る。よって私が受けるダメージは７５００だ。」

「なら、速攻魔法発動、絶望の大地。フィールド上のJ・ゴッデス‐希望の大地を除外することでデッキからJ・ゴッデス‐絶望の大地を特殊召喚。攻撃力は３２００だから、ガトリングアームズへの攻撃で今度こそ終了だ。」

「ロンドンタウンはミストと名の付くモンスターがフィールドに存在しない時、ミストカウンターを２つ取り除くことで、攻撃を無効にする。J・ゴッデス‐絶望の大地の攻撃は通らない。」

おぉ、耐えた。霧島先輩は手札１枚だけでライフが残り５００。セイギ君は手札無しのフィールドにアルファル・・・じゃなくてJ・ゴッデス‐絶望の大地が１体、ライフは同じく５００。どっちが勝つんだろう・・・。ドキドキ。

「私のターン、ドロー。手札より魔法カード、ミストラストを発動。墓地の一番下にあるミストと名の付くカードを手札に加える。私はMMイリュージョニストを手札に加える。そしてミストラストが墓地へ送られたことによりロンドンタウンには５つカウンターが乗っている。５つのカウンターを取り除きMMクリスタルボールを墓地から手札に加える。」

部長、あのカードは何ですか？

「知らん！！私がなんでも知っていると思ったら大間違いだ！！」

お兄ちゃん・・・教えて。

「あのカードは、相手フィールド上のモンスターを１体選択して、そのモンスターとまったく同じ能力を持つようになるカードだ。」

「J・ガトリングアームズをリリースして、MMクリスタルボールを召喚。そして効果によりJ・ゴッデス‐絶望の大地と同じ能力になる。相打ちにしてターンエンドだ。」

「き、霧島先輩！？なんという人だ。自身の運命を１つのドローに託すとは。」

「う、美しい・・・。」

「さすがは霧島先輩だ・・・。」

「セイギ！モンスターなんか引いたらどうなるかわかってんよなぁ？」

「俺のターン、ドロー。・・・メタモルポットを攻撃表示で召喚。ダイレクトアタックで終了っと。」

あ、終わった。しかもメタモルポットで終了って・・・。

「ふぅ、今日はとことん勝てないな。」

「うっしゃー、ミサトんに勝ったぜ。ということで、俺もお茶ね。よろしくミサトん。」

うわぁ、学園のアイドルをパシリに使おうとしてるよ。

「セイギぃいいいいいいいい！！！！！貴様ぁああああああああああ！！！！！！」

「うわぁー、笹野先輩、助けて下さい！」

「俺は文化祭の時にしか動かないんだが・・・。まぁかわいい後輩のためか。おーい１年、その辺にしといてやれよ。」

「あぁ、何だテメェ。」

おい、何だとは何だコラ。私の世界一自慢できる最高のイケメンお兄様だぞ。

「あっ！お、お兄様でしたか。これは、大変失礼いたしました。」

「ちなみにこの人のフルネームは知ってるかい？１年生君。」

いきなり何を言い出すんだこの部長は。お兄ちゃんの名前は真一だよ。名前もカッコいいよね。こう、何か、高校生探偵をやってそうな響きの・・・ってあれ？何かみんな後ずさりしてるけど・・・どうしたの？

「お、おい・・・笹野真一ってまさかあの・・・。」

「い、いや、でも、まさか、そんなこと・・・。」

何かクラス中がざわざわし始めたけど、お兄ちゃんって有名なの？

「さぁな。俺はただの文化祭実行委員の１人だよ。」

「や、やっぱりあの笹野真一だ！！」

「おいっ、先輩を呼び捨てとは、いい度胸してるな１年。名前は・・・佐藤宗一だったか。」

「ひぃ、す、すみませんでしたっ！！！！！」

あ、逃げた。何だあれ。う〜んまぁいいか。それより早く部室に行きましょう。私ももっとデュエルしたい。

「そうだな。よし、行くか。」

おぉー！

まぁ、色々とトラブルはあったけど、楽しかったしまぁいいか。

あ、後でちゃんとクラスのみんなはセイギ君のことを許してくれました。よかったねセイギ君。

―５月１９日　天気：晴れ　野原高校遊戯部　笹野知子　でした―