哀愁の落葉 |
秋めく外観。木の葉は茜色に染まり、地面から上まで全てがこれまでと変わっている。わっさわっさと降り積もる木の葉。その上を私は歩いて行く。肌寒くなってきたので、寒さに負けないように布をはおりながら。私の軽やかな身体でも、木の葉は踏むたびに、ゆっくりと沈み、音をたてる。深く深くへと進んでいくと、大きな枝が一本折れていて、道を塞いでいたのでゆっくりと迂回をして、また進んでいく。
目的はてっぺんにある風車の近く。それはとても長い道のりに思えた。空は夕焼けで、太陽が赤い光を周囲に降り注いでいる。今いる場所からでも枝の間からよく見えた。
山を登っていくと、木の葉の中に埋もれてしまった。思わず変な声が漏れてしまったが、私以外に誰も聞いているわけがないので、火照った顔をなでてから、穴から抜けだした。どうやら、大きな穴があったところに木の葉が降り積もっていたようだ。振り返って見てみれば、確かに私が落ちたからとはいえ、周囲より少し凹んでいたように思う。鈍臭いのは相変わらず治らない。
徐々にだけれど、風車へと近づいているのを見て取れる。私はゆっくりと道を進んで行く。今度は、道の真ん中に狼の死体が落ちていた。痩せこけているようで、餓死しているようだった。手をあわせて祈ったけれど、臭いが辛くて少し離れたところを通ってしまいなんともいえない気持ちになる。
ようやく風車の下へと着くことが出来た。随分脆かったが、聞いた通り、中に入れるようになっているようだった。軋む螺旋階段を登っていく、体重が軽くて良かったとこの時になって初めて思う。あとちょっとでも重かったら、板が割れてそのまま落ちてしまいそうだったから。息はあがり、脈も激しくなってきた。身体中に汗を掻いている。
一番上まであがると、床があって、寝椅子が置かれていた。羽根車の裏側はゆっくりと動いている。製粉のために使用されていただろう部分はポッキリと折れてしまっていた。
私は寝椅子に腰を降ろした。羽根車とは逆の方向に窓が開いていて、そこから風景を眺めた。葉が一枚も付いていない木々。夕焼けに染まる海面。町はすでに廃墟のような静けさを持っている。長かったと思う。よくここまで来ることが出来たと思う。もう、私の身体は限界だった。だから寝椅子の心地良さの中で揺られながら、そっと目を閉じた。
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残暑が厳しいですが、そろそろ秋の季節ですね。 ちょっと利用してみようかと思ったので、コラボレーションラウンジを利用してやってみました。→http://www.tinami.com/lounge/collabo/article/47 | ||
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