真・恋姫†夢想 『禁断の決戦!天上天下絶品武道会!!』 話の七「闇より出でし二匹の獣」
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 それは、天上天下絶品武道会の、一回戦が行われた日の、夜の事だった。

 

 由「輝里!どうや?!連中見つけたか?!」

 輝里「ごめん、こっちは見つけられなかった。蒔姉さんは?」

 由「まだ連絡が無い。けどそろそろ……あ、来た。姐さんから念話や」

 蒔『由!輝里!連中を見つけたぞ!今は街の東地区に向かってる!こっちは一刀と合流した!そっちもすぐにこっちへ来てくれ!』

 由「了解や!輝里、聞いとったな?」

 輝里「もちろん。行くわよ、由!」

 由「はいよ!」

 

 念話―要するにテレパシーによる会話を、別の場所でとある目標を追いかけている蒔と交わした二人は、その蒔が一刀と合流して向かっているその先を目指し、街の家々の屋根から屋根を伝って翔けて行く。

 

 この日の昼間、父親である狼から急に呼び出しを受けてこの世界に来た彼女達は、その狼からとある命を受けた。狼が事前に用意していた、武道会進行のための台本が、何時の間にか何者かによってすりかえられていたため、その犯人と目的を調査するように、と。それを受けて輝里と由、そして蒔の三人は、武道会の行われているその傍らで、密かに街中を調査していた。

 

 そして見つけたのである。

 

 三人も、ほんッッッッと〜〜〜〜〜に、良く知った、出来ることなら知りたくなかった、そこに残留していたその“気”を。彼女達のみならず、あらゆる外史の少女達が、心底から憎くて憎くてたまらない、“ど変態”どものいやらしい“気配”を。

 

 『何が目的がまあ大体分かるけど、ここであったが百年目!今度こそ絶対、ぬっ殺すッ!!』

 

 そして、僅かなその残滓を三人は執念で追いかけ、そして、大会のためにかなりの人数が留守にしていた、都の中央たる城のその城中にて、その『二匹』を発見したのであった。

 

 ??「ワフワフ〜♪大漁大漁、いや、ここはやっぱり宝の山だぜ♪フヒーヒwww」

 ??「クェックェックェッ♪あーも、たまらん。おお!こっちは愛紗のおぱんつさま〜♪フンカフンカ、ハムハムwう〜ん、でり〜しゃす♪」

 

 ……文字通り、山と積まれたその、女性物の下着に思いっきりダイブをし、恍惚とした表情でそこに居たのは、犬と、鳥。

 

 管理者の中でも、特に変態的性癖を持ち、その欲望に忠実に動いている、一部には『四性獣』なんていう風にも呼ばれている、その二匹。

 

 『ヒトヤ』、そして『ティマイ』である。

 

 蒔「見つけたぞ!このど変態ども!」

 輝里「さあ、とっとと大人しく、私たちにボコられなさい!」

 由「尋問はそれからゆっくり、たっぷり、漢女の胸の中でしたるさかいなあ!」

 

 ヒトヤ「げっ!狼の所の馬鹿娘ども!?」

 ティマイ「クェッ?!な、なんで俺達が居ることが分かったんだ!?」

 由「……摩り替えた台本に、((ティマイ|あんさん))の名前、しっかり書いてあったけど?」

 輝里「そうそう。大きな字ではっきりと、『監修:ティマイ』って」

 蒔「……馬鹿だろ、お前?」

 

 ひゅう〜〜と。その場に流れる変な空気。

 

 ヒトヤ「ほんとに馬鹿たれかあんたは!?なんで名前なんか書いてんだよ?!」

 ティマイ「いや〜。……記録者としての癖で、つい」

 蒔「さて。そろそろお縄についてもらおうか?」

 輝里「ティマイはとりあえず吊るして〜、でもってヒトヤは同姓のよしみで、亀甲縛りで勘弁したげる♪」

 ヒトヤ「じ、じょーだん!同じ縛るんなら、俺が美少女を縛りたいっ!」

 ティマイ「クェ〜♪おっぱいの大きい子を逆さづり……おぱんちゅ丸見えでたまら〜ん♪」

 

 『……前言撤回。やっぱこの場でフルボッコ♪』

 

 じゃきり、と。輝里たちがそれぞれに武器を構えたその瞬間、

 

 ヒトヤ「あ、やば。ティマイ、逃げるよ!」

 ティマイ「クェ?!ちょ、お宝は?!」

 ヒトヤ「また後で回収する!今頃あいつらもうまくやってるだろうしな!」

 ティマイ「クェ〜、仕方ない、ここは一旦、戦略的撤退と行くか!」

 

 びしゅんッ!と。目にも止まらぬというか、黄金○闘士も真っ青なぐらいの速さでもって、その場から姿をかき消す二匹。

 

 蒔「逃がすか変態ども!追うぞ、由、輝里!」

 『らーさ!!』

 

 そして、冒頭のシーンへと繋がる。

 

 

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 一刀「蒔さん、輝里たちはなんて?」

 蒔「ああ、今からこっちに向かうってさ。それじゃああたしらも連中を追おう。一刀、久々の共同戦線、頼りにしてるよ?」

 一刀「……あの〜、蒔さん?今の俺はあっちの俺と違って、武の方はさほどでもないんですが」

 蒔「……そだっけ?まあ、なんだ、自分の身ぐらい守れるだろ?それに」

 一刀「それに?」

 蒔「……あたしだって、たまにはあんたを守るナイトになってみたいしね」

 一刀「……蒔さん」

 蒔「一刀……」

 

 と。本来の目的を忘れ、じっと見詰め合っていい雰囲気を作ってる二人。そこに、

 

 狼「……お前らな」

 『ほえっ?!』

 狼「……なにやってんだよ?連中も追わんと、こんなところでいい雰囲気出しやがって。……輝里と由が見たらまた、O☆HA☆NA☆SHI☆&O☆SHI☆O☆KI☆、が来るぞ?」

 一刀「そ、そうだな。よし!とっとと連中を追いかけよう!ね、蒔さん!?」

 蒔「そ、そうだな!よし、行くぜ一刀!親父!」

 狼「……ったく」

 

 そうして狼も合流した三人は、ヒトヤとティマイが去っていった方へと、揃って駆け出し始めた。その最中、狼はふとこんな事を疑問に思っていた。

 

 狼「(……にしてもあいつら、この外史にわざわざ来たのは、みんなの下着目当てだけなのか?それに、いくら連中でも“あの姿”のまんまでその辺をうろついていたら、いくらなんでも目立ちすぎるだろうに)」

 牙『(……変化の術でも使っているのではないのか?)』

 狼「(それは無いさ。大体あいつらがそんな術を使えるなんて、全く聞いた事がないぞ?)」

 牙『(……では、誰か協力者が居るとでも?)」

 狼「(……そう考えるのが、一番妥当なんだがな。変化の術を他人に施せるとなるとアイツぐらいしか……)」

 

 と、ヒトヤとティマイの協力者について、狼が思考をしているところに、

 

 輝里「父さん!」

 由「お父はん!」

 

 屋根伝いに同じ方角を目指していた、輝里と由の二人が、その場に合流をしてきた。

 

 狼「おう、二人ともおつかれさん。……どうだ?上から連中は見つけられたか?」

 輝里「……すみません」

 由「ごめん。見失ってもうた」

 蒔「……親父、すまん。こっちも連中を逃がしてしまった」

 

 狼の先を走り、ヒトヤとティマイの後を追っていた一刀と蒔も、悔しそうにその顔を歪めながら、その場にとぼとぼと歩いてくる。

 

 狼「……まあ、しょうがないさ。どうやら、連中には強力な術者が付いているっぽいし」

 一刀「術者?」

 牙『おそらくは……于吉。そして』

 一刀「……左慈、か?」

 狼「十中八九、な。あの二人が動いているとなると、ヒトヤとティマイはスケープゴートだと思って、多分間違いないだろうな」

 蒔「……于吉と左慈が、あの二匹を利用している……ってことか?」

 輝里「目的……何かしらね?」

 由「正直見当もつかんけど、どのみち碌な事や無いやろな」

 

 左慈、そして于吉。両者ともに、管理者と呼ばれる存在でありながら、狼達とは決して相容れることの無い存在。外史そのものを認めず、外史そのものを破壊し、何度と無く狼たち肯定派の者達と対立してきた、俗に否定派と呼ばれる者達の実行役である、創られた者達。

 

 その実態はともかく、彼らもまた哀れな犠牲者であると、少なくとも狼はそう思っている。外史を破壊する、そのためだけに生み出された存在である彼らを、狼や他の肯定派の者達は何度かそのくびきから解き放つべく、その永遠に続く運命から救おうとした事もあった。

 

 しかし、結果としてその目論見は失敗に終わってきた。彼ら自身が、それを拒み続けているためである。左慈に関して言えば、今この場に居る北郷一刀という人物を抹殺し尽すという、そのある意味強迫観念のようなものに縛られているのが、その最大の理由である。そしてその相方である于吉の方は、左慈に心底からべた惚れなため、左慈がうんと言わない以上、于吉もまた決して首を縦には振らないのである。 

 

 

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 狼「……ガチホモだからな〜、于吉の奴」

 一刀「左慈の方は心底嫌がってるみたいだけどな」

 由「ていうか、そっちの方が正常やろ?」

 輝里「……ぼ〜」

 狼「……?輝里?お〜い??」

 輝里「……ガチホモ……つまりは、左慈×于吉……いえその逆もありで于吉×左慈……待って待って、そこはあえて一刀×左慈って言う手も……はぁ〜/////」

 狼「……また始まった……」

 由「BLなんかのどこがええんやら。輝里〜!はよ帰ってこ〜い!!(びしぃっ!)」

 輝里「はうっ!?……あ、あれ?私今一体何を……」 

 

 妙な妄想にふけり、どこか逝っていた輝里を、由が見事なまでのツッコミで正気に戻す。

 

 狼「……ともかく、今日のところはここまでにしとくか。……もし連中が何か仕掛けてくるとすれば、明日の大会二日目の何処か、だろう」

 一刀「だろうな。……問題は、どのタイミングで仕掛けてくるか、だけど」

 蒔「……決勝戦終了後の、優勝者表彰式あたりが、一番可能性が高いのではないか?」

 輝里「そうね。そこが一番、みんなの気が緩んでいる所でしょうし」

 由「ほなお父はん。うちらは」 

 狼「ああ。輝里、由、蒔。お前達は念のため、会場から少し離れた場所で待機しておいてくれ。会場の外から何か仕掛けてくるなら、そのままそこで迎撃。もし会場内で何か仕掛けてきたら」

 輝里「……“あれ”を使って構わないのね?」

 狼「ああ。それから一刀」

 一刀「ん?」

 狼「……お前にこれを渡しておく」

 一刀「……おい、これって」

 狼「……万が一の保険だ。使わずに済むなら、それに越したことは無いがな」

 

 一刀の手にそれらを握らせ、狼は一人その場から離れた。

 

 狼「……ヒトヤ……ティマイ……そして左慈、于吉……。お前らが、どうあってもこの世界に混乱と破壊をもたらす気なら、俺はもう二度と手加減はしない。……今度こそ、二度と戻って来れない無限回廊に、貴様らを放り込んでやる……!!」

 

 くっくっく、と。なにやら真っ黒な気をあたりに漂わせ、尚且つ、何気にその影が狼鬼の形になっていた事に、彼自身も気づかないまま、月の光が照らす夜道を一人歩く狼。

 

 ……その背後から、なにやら一刀を巡って、彼の娘三人が言い争っているその声を、あえて聞こえなかったことにしつつ(笑。

 

 

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 そんな、彼ら以外は知ることの無いその追跡劇が行われた夜が明け、武道会の二日目がその始まりを迎えようとしていた。

 

 はたして、大会は無事、その最後の時を迎えることが出来るのか?

 

 それとも、左慈や于吉、そしてヒトヤとティマイによる、何らかの横槍が入るのか?

 

 天上天下絶品武道会。

 

 その運命の二日目が、間も無くその幕を上げようとしていた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 tobecontinued……。

 

 

 

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 はい。今回はオチネタ用のお話をお届けでございますw

 

 

 さて今回、しっかりはっきり名前の出たあの二人。

 

 『聖獣ヒトヤ犬』さん。

 

 『大性堂ティマイ鳥』さん。

 

 お名前使用許可の件、ありがとうございましたw

 

 

  

 でもって、扱いというかキャラがあんな風ですが、文句は一切受け付けませんのであしからずw

 

 ・・・だって、お二方の普段どおりの行動を書いただけですもん♪ 

 

 

 でもって次回は二回戦冒頭よりのスタートと相成ります。

 

 ま、あの四人(二人と二匹)が、何もしてこなければ、ですけどね。

 

 

 ではまた次回、天上天下絶品武道会、話の八。

 

 『武道会、その二日目の朝』

 

 

 それではみなさん、再見〜( ゜∀゜)o彡゜

説明
さて、武道会の続きなんですが。

今回はオチネタ振り用の裏話的回でございます。

そして、例の獣さんたちがいよいよ登場w

あ、一応、ご本人方には許可を取って書いてますことだけ、
ここに記しておきますですw

それでは本文の方をどうぞwww
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コメント
なるほど・・・・まだ懲りていなかったわけですか。じゃあ、広域殲滅魔法を撃つ準備でもしときましょうか。負不ッ!負不腐ッ!!(ほわちゃーなマリア)
裏で蠢いていたのは「ド」が付く獣でしたか・・・ 古典的ですが際どい紐パンツ(勿論おさげ筋肉漢女使用済み)を置いて、@上部に巨大カゴA落とし穴・・・駄目か、あの筋金入りの二匹の前ではこれしきの罠は看破されそうですなw (村主7)
峠崎丈二『ふむ、やはりな。狼が主催のイベントは大々的に催される事が多い。裏で動くにはもってこいだからな……一応、家内に気をつけろ、くらいは言っておくか?」(峠崎丈二)
戦国さん、狩りの時間はまだまだ先ですよーww(狭乃 狼)
ヒトヤ犬さん、後二人はどこぞの亀さんと・・・わかんないやwテヘ♪ スターダストさんは全力で違うと思いますww(狭乃 狼)
さて、誰か一緒に狩りに出かけません?(戦国)
ひっとーさん、もうちょっとだけwait、でお願いしますね?w(狭乃 狼)
四性獣!?俺・ティマイと後二人は・・・こるど?一朗太?いや!スターダストだ!!!!!(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
ティマイ鳥、笑っていられるのも今のうちかもよ?クックックwww(狭乃 狼)
黒山羊さん、やっぱり計算どおりでしたかwww(狭乃 狼)
スターダストさん、だいじょーぶ、ちゃーんと、フルボッコぱーりー!には、参加してもらいますからw(狭乃 狼)
クェ〜♪ まだよ、まだ終わらないさ!! そしてダストゥ、気づくのが遅かったようだな〜 クェクェ♪ karasuさん解ってますよ、みなまで言わなくても♪(mighty)
やはり、この二人でしたか。問題ありません。計算通りです。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊)
やっぱり紛れ込んでいた・・・噂は本当だったか、くそ!!俺がこいつらをぶっ飛ばしたい!討伐者として(スターダスト)
karasuさん、貴方・・・・・・四性獣の一人に入る気ですか?www(狭乃 狼)
大ちゃん<まだ早い!フルボッコにするのはもう少し時を待て!www(狭乃 狼)
劉邦柾棟さん、ボクの暴走・・・見たい?・・・知らないですよ、ドン引きしてもwww(狭乃 狼)
jokerさん、あこがれちゃらめえー!ww正気にもどってー!?www(狭乃 狼)
二性獣さん・・・・私にも少し送っていただけますでしょうか? お宝を(karasu)
|>??)????〓〓 目標の気を感知した! コレより見敵必殺行動に入る!!(大ちゃん)
いよいよ、本格的に色々と動き出してきましたねwwww。 武道会二日目は一体、何がどうなるのかが気になります。 そして、狼さんの暴走ネタはあるのか?無いのか?も気になりまぁーす!?(劉邦柾棟)
ここまで変態になれるとはっ!!!あ、あこがれる・・・(幼き天使の親衛隊joker)
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