真・恋姫?無双 帰って来た者 十五話
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一刀が倒れたことを確認した啓雅は背中に大剣を背負い

一刀にゆっくりと近づいて行く。

 

「最後のは危なかったなぁ。

もし『黒龍牙』が防がれてたら倒れてたのは俺だったからなぁ……」

 

一刀と啓雅の戦績は互角。

どちらが勝つかは時の運。

今回啓雅が勝ったのは啓雅の運が良かっただけ。

だが、一刀と啓雅は運も実力の内だとだと言うのが分かっていた。

 

「恨むなよ一刀……

俺達にもお前が必要なんだ……」

 

そう言って啓雅は一刀の身体に手を伸ばす。

すると

 

「っ!」

 

啓雅はバックステップでその場を離れる。

 

ドゴォォォォォォッン!

 

啓雅の居た所に月のクレーターの様な穴が開いた。

 

「お前、邪魔をする気か?

誰だか知らねぇけど俺の邪魔をする気なら殺すぞ?」

 

啓雅は背中に背負った大剣を構えその相手を威圧した。

 

「ご主人様を連れて行かれちゃ困るのよん。

ご主人様はこの世界に必要な人。

ご主人様の帰還を待っていた人達にとっては太陽よん。

その太陽がまた居なくなったらあの子達は立ち直れなくなるわん」

 

「お前、管理者か?」

 

「その言葉を知ってると言うことは

私達以外の管理者と接触したのかしら?」

 

貂蝉は聞かずとも分かっていた。

管理者や正史の人々は既にこの世界を肯定している。

ある二人を除いては……

あの二人は外史の否定派。

誰が肯定してもあの二人だけは否定する。

この世界は一刀が居ることにより肯定されている。

(一刀が居ない間は貂蝉達肯定派が何とか世界を消さない様に頑張っていた。)

その世界を否定するには一刀がもう二度とこの世界に一刀を戻さない様にしておけば良い。

その時啓雅と意図が一致したのだろう。

そして、協力を申し出た。

そんなところだろう。

 

「ああ、左慈と于吉だ」

 

その名前を聞いた時貂蝉はやはりと思った。

あの二人はとにかく一刀を恨んでいる。

一刀が苦しむ姿を見て更には外史を消せる。

一石二鳥だ。

 

「あの子達もいい加減にして欲しいわねん……

それよりそんな体で戦う気かしらん?」

 

『黒龍牙』は啓雅の気を殆んど使う技。

啓雅の体は最早戦える体では無い。

一刀を背負えるかどうかも分からないのだ。

 

「それでも戦うと言うのなら……」

 

貂蝉はそこで一度切った。

そして

 

「私達が相手になるわよん」

 

貂蝉がそう言うとどこからか管輅と許子将が現れる。

啓雅はそれを見てこう言った。

 

「分かった今回は諦める。

今回はな……」

 

啓雅はそう言って選手の入り口から姿を消した。

 

「貂蝉、一刀さんを運ぼうか」

 

「そうねん、曹操ちゃん達もご主人様を心配してるだろうし」

 

「腰を振りながら言うでない。

気持ち悪くなるわ」

 

「許子将ちゃんひどいわん!」

 

「早く運ばんか」

 

「分かってるわよん」

 

貂蝉は一刀を背負い跳んだ。

それを見た許子将と管輅も跳んだ。

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洛陽城内

 

 

洛陽城内にて魏の将達は落ち着かない様子で右往左往していた。

あの冷静な秋蘭であってもその中の一人である。

特に落ち着かないのは一刀を兄と慕う三人である。

 

「う〜ん落ち着かないのです〜」

 

「流流〜落ち着かないよ〜〜」

 

「私だって落ち着かないの!少し黙ってて!」

 

風は軍師最悪のことを考えなくてはならない。

そのことにより三人の中でも最も落ち着いていない。

そんな時に玉座の間の扉が開く。

 

「どうも〜洛陽一の美人の『ギロリ!』ひぃっ!」

 

魏の将達は貂蝉のこと等どうでも良かった。

ただ、一刀のことが心配でしょうがなかったのだ。

それを見た蜀と呉の将達は魏の将達と一刀の絆が相当強いことを改めて感じた。

だが、ここで魏の将達が貂蝉を殺すと不味いので雪蓮が貂蝉に聞く。

 

「御遣い君はどうしたのかしら?

あなたと管輅と許子将は最後まで会場に残っていたみたいだけど」

 

「ごしゅ…一刀ちゃんは一刀ちゃんの部屋よん。

今管路ちゃん達がだぁりん……華陀ちゃんと交代で治療してるわん。

今、一刀ちゃんの部屋は立ち入り禁止よ」

 

「一刀さんの様子はどうなんですか?」

 

「死ぬほどの怪我はしてないわ。

治療が終わって一週間も安静にしていれば大丈夫よ」

 

それを聞いて魏の将は安堵の表情を見せる。

 

「それで治療はどれ程で終わるのかしら?」

 

「今日中に終わるわ。

心配しなくても大丈夫よ。

それよりここに居る全員にお願いしたいことがあるの」

 

「何かしら?」

 

「一刀ちゃんは恐らく何か体を一瞬で治すような技を持っているわ。

その技を一刀ちゃんが発動させそうになったら全力で止めてほしいの」

 

「何故?」

 

「華陀ちゃんが言うにはその技は一刀ちゃんの体に相当な負担をかけるらしいのよ。

だから、全力で止めて欲しいの私達はしばらくちょっとした事情でここから離れないといけないのよ」

 

それを聞いて華琳は首を縦に振りこう言った。

 

「分かったわ。

その技を一刀が発動させそうになったら全力で止めましょう」

 

華琳がそう言うと恋が華琳に近づいて言う。

 

「……恋も手伝う」

 

「良いの?」

 

「……(コクン)」

 

「ならお願いするわ。

桃香、しばらく恋を借りるわね」

 

「うん!良いよ!」

 

彼女達はその時知らなかった。

一刀が素直にじっとするような男で無いと言うことを……

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後書き

 

さて、次回は一刀が裏技を使おうとして皆に止められる話です。

最早勢いで書いているのでグダグダになります。

全力で頑張るので応援よろしくお願いします。

では、また次回。

説明
こんにちわ〜
前回は一刀が負けてそれからの話です。
一刀はどうなるのか!?
では、始まり〜
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コメント
全回復による負担はロマンを感じます。(readman )
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