【改訂版】真・恋姫無双 霞√ 俺の智=ウチの矛 一章:話の四 |
ウチの朝は結構早かったつもりやった。先ず絶対に日が昇る前に起きとったし。てか起きてまうし。
朝の涼しい空気ん中で偃月刀の素振りをするのはもう歯磨いたり、身体洗うみたいな自然にする習慣と一緒な。
やらんと落ち着かんくなってまうし。
んで、きっちり千回、ブレない様に、基本通りに振る。
終わると次は、実戦を想像して演舞する。打ち込んで、叩き割って、横に薙いで、貫いて。
一挙一動で相手を確実に、殺す為の動作を繰り返す。
各百を振り、全部が丁度終わる頃に、朝日が顔を出し始める。
そしたら濡らした布で汗を拭いて、戦装束を片付けて、偃月刀の手入れをする。
終わると見計らったみたくピッタリに侍女さんが朝飯を持ってくる。
毎朝内容は決まっとって、肉包(ろうばお)と、青菜と豚肉の炒合菜(ちゃおほつぁい)をしっかり食べる。
最近背も胸もなんや成長しだしたし、偃月刀振るにも筋肉が要るし、やでいっぱい食べる。
お腹いっぱいになったら、老師と一緒に文字と儒学の勉強。墨も竹簡もたっぷり使って反復練習。
二刻くらいやったら、太陽が真上に昇るからお昼ご飯を食べる。粥と何かの野菜の塩漬けを食べる。
午後から騎馬訓練があるで軽めに済ませとった。腹三分目くらいかなぁ。
食事が終わると、常駐兵のおっちゃんねえちゃん達に交じって訓練。
模擬戦とか勝ちぬき戦とか、乗馬訓練とか。
日が傾くまで、思いっきり馬走らせ、武器を奮う。
ちなみにここじゃウチは敵無しや。馬術しかり、武芸しかり。
夕暮れに城ん中に戻って、用意されたお湯と布で汗と汚れを落とす。
五日に一度だけ、お湯を張った浴槽で湯浴みが出来る。
その日はウチも皆も何となく機嫌よくなるし、皆さっぱりするから好きやった。
夕飯は大体日替わりやけど、肉包か菜包が主食で、それに汁物と粥、肉か野菜の炒物と果物が出てくる。
それをぺろりとウチは平らげると、寝支度を侍女はんと一緒に済ませて、蝋に火ぃ灯して本を読む。
大体は軍記ものとか、歴史書とか。たまに宿題の兵法書とかも読んだ。
一刻くらいかけて一編読むと、明かりを消して、柔らかいかけ布に包まれて寝る。
これが、ウチの“あたりまえ”やった。
あの日、あの男ン子にボロクソ言われるまでは。
これが普通で、これが世の基準で、これ以上にすれば贅沢なんや、って思うて生きとった。
……全然違った。
ボロクソ言われてから、ウチはやっと下を見た。下が見えた。
三日。
アイツに言い放題されてからウチは形振りも見栄えも構わず聞いて尋ねて見て回りまくった。
そんで、やっとコレっぽっちもウチは普通じゃないんや、って気付いた。
アイツとかみたく貧民街の子どもは兎も角としてもや。
日に三食食べられること。湯で身を清められること。夜明かりを灯して竹簡が読める事。
全部、普通や無かった。
普通の民草の普通ですら、昼食は軍人か土木やる人だけの特権で。
温かいお湯で身支度するなんてとんだ薪の無駄遣いで。
夜に明かりを灯してまで本を読むことはとんでもない贅沢やった。
それが、“普通”の普通、常識で当たり前やった。
ウチの常識はみるみるうちにグシャグシャになってもうた。
**
/一刀
「んじゃ、明日もよろしくなー」
「……」
さて、結局あのバカは貧民街に住むことになった訳だが……。
というか豆腐一週間届け続けてるんだが未だ帰る気配がない、どころか順応し始めとる。
主人さんもなんかめっちゃ気に入っとるし、何を思ってるのかは知らんが、貧民街の生活に着々と馴染んできてるし。
……あいつは本当に一体何を考えてんだ?
折角金のあるトコロに生まれたのに、わざわざソレを捨てて安穏とした生活からかけ離れた場所に来るとか。
マゾとか、非虐趣味とかか? それとも修行して喜んじゃう系の人とかか?
俺だったらあり得ないね。大体俺脆弱な未来人だし。
もしお金のある場所に生まれてたら、そこから蹴落とされない為の努力はするだろうけどさ。
アイツに言った“つまらない同情”くらいはしてもそれで終わりだろうしさ。
結局俺が怒ったのも、今までの苦労が一単語で片付けられたんが気に入らないだけだったし。
冷静に思い返したらそんなもんだ。仲間意識とか、同族意識なんぞ無いし、絆(笑)とか、友情(苦笑)とかも無いし。
庶民の味方とか気どれる程余裕は無いんですよ一刀さんには。
でも俺、なんであんな些細なことでムキになってたんだっけ。
いつもならもっと、こう、なんつーか。
打算的? な感じで上手く利用しよう、とか。そういうキャラだった筈なんだけどなぁ。それが生きる術だし。
アイツ猪突猛進の申し子みたいなキャラだから、お涙頂戴な演技の一つや二つかませば、それこそお財布になってくれたりしただろうし。
なんでかねぇ。マジで。調子狂っちゃうよ。
……それにしても、あんな春頭で生きてけるのかしら。
いや、心配してないよ? 別に心配はしてないんだけどね?
なんつーか、あんな大層なお説教かましといて、それで死なれたら後味悪いと言うか。
というかあんな軽い会話した相手自体アイツが初めてでそんな相手が知ってるとこで死ぬっちゅうのも、
気分的にも精神衛生的にもよろしく無いし。
それに俺は何だかんだいってもアイツに会う度イライラしてる訳だし。
……ねぇ?
あれ……俺、一体何に言い訳してんだ。てかなんで言い訳してんだ?
脳内説明口調とか、天から声がするのか、天から。
それとも、アレか。右目の邪眼とか封印された右腕とか黄金の左足とかそういう年頃なのか?
ルシファーなのか? ルシファーさんが堕天使で暗黒騎士さんチーッスなお年頃なのか!?
……まだ、一二歳なんだけどなぁ。
ん、こほん。
それにしても春だね、頭が。
弱肉強食なこの時代で博愛精神とか持ってんのかね。じゃなきゃこんなとこに住まんだろうし。
生まれる時代が違えばそれこそノーベル平和賞とか狙えるレベルだろうけど。
こんな時代じゃ喰いもんにされるだけだろうに。
幸いにも、表な方だけ見て暮らしてるみたいだから良いけどさ。
裏なんて見ちゃったら……ねぇ?
……って、俺はなんであんなのの心配してんだっ。
はぁ、もう訳分からん。
俺はアイツが嫌いな筈だ。うん。嫌いだからあんとき気に食わなくて。
嫌いだから前にお説教した訳だ。
うん、アイツが嫌いだからだ。うん、そう、嫌い、嫌いなんだ……よな?
そう言えば、及川は俺に良く、ツンデレ乙! とか言ってたっけ。
……いやいやいやいや。天が認めても俺は認めん。
ツンデレじゃない、あの時初めて調子狂わされたから何となく気になるだけでだね、うん。
大体俺はアイツが嫌いで、俺自身突き放そうとしてるんだし。大体俺自身何故かイライラしてんだし。
うん、好意的ならそんなことしないし、うん。だからツンデレじゃない、うん!
完結だよ、はい論破。
よし俺大勝利、だから俺はツンデレとかじゃなく単純にあの時の違和感的なのが気になるだけであって……
〜以下無限ループ〜
──この非生産的の極みな一人議論、一人言い訳に気付き冷静になってた頃には
朝日が完全に昇りきってて、主人さんに笑顔でドヤされる羽目になった。
くそう、やっぱ俺アイツ嫌いだ。アイツなにもして無いけど。
あとがき
メ _|\ _ ヾ、
メ / u 。 `ー、___ ヽ
/ // ゚ 。 ⌒ 。 ゚ u / つ
/ //u ゚ (●) u ゚`ヽ。i l わ
l | | 。 ゚,r -(、_, )(●) / ! ぁぁ
ヾ ! //「エェェ、 ) ゚ u/ ノ あぁ
// rヽ ir- r 、//。゚/ く ああ
ノ メ/ ヽ`ニ' ィ―' ヽヽヾ ぁあ
_/((┃))_____i |_ ガリガリガリガリッ
/ /ヽ,,⌒) ̄ ̄ ̄ ̄ (,,ノ \
/ /_________ヽ \
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
_|\ _
/ u 。 `ー、___ ヽ
/ ゚ 。 ⌒ 。 ゚ u / つ
/u ゚ (●) u ゚`ヽ。i わ
| 。 ゚,r -(、_, )(●) / ぁぁ
il ! //「エェェ、 ) ゚ u/ あぁ
・ 。 || i rヽ ir- r 、//。゚/ i ああ
\. || l ヽ`ニ' ィ―' il | i ぁあ
゚ヽ | | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| | ダンッ
。 ゚ _(,,)ツンデレ乙! (,,)_ / ゚
・/ヽ| |て ─ ・。 :
/ .ノ|________.|( \ ゚ 。
 ̄。゚ ⌒)/⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒ヽ\  ̄ 。
はい、もうごめんなさい。
気づいたらツンデレてましたかずとくんが。
な、何を言ってるのかわからねーと思うが以下略
落としどころを見失ってるうちに大変なことになってました。
とりあえず10000文字ほど消去し投下です。
次の話でかずぴーと霞が仲良くなったらいいなぁ・・・
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今北産業 ・ツン ・デレ ・乙 ・短めです。中継ぎです。 ・でも夕方にはもう一回更新するかと。 ・何故かツンデレるあの子。 ・誰得?俺とkねーよ ・ジェバンニが一週間以内に!一週間待ってください! と懇願したのでこうなりました ・約3100文字です |
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コメント | ||
泥臭さがあって珍しいSSですね。面白いです(ドーパドーパ) 一刀、ツンデレ乙!!(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) はいはい、ツンデレ乙www(アルヤ) かなり前に中二病を調べたら女子だと小六病とか言うって説明があったからたぶん12歳でも問題ない……かも?(akieco) |
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