Monthly Hero巻頭特集 Tiger & Barnaby 復活記念 ロング・インタビュー!
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インタビュー・文責:クリスティナ・マルティン 写真:アンディ・ニューマン

 

 先月、アポロンメディアの記者会見にて正式に発表されたTiger & Barnabyの完全復活、および1部リーグへの復帰に狂喜した読者は多いだろう。

 思えばシュテルンビルトを、そして全ヒーローファンを震撼させたあの事件からもはや一年が立った。アポロンメディアCEOによる犯罪はヒーローTVを、ひいてはヒーローそのものの存在意義を揺るがすような大きな事件だった。

「われわれには本当にヒーローが必要なのか?」

 それはルナティックの出現以来、折に触れて語られてきたテーマである。ヒーローはショウアップされ、「画」にならないような事件には呼ばれない。そう、ヒーローがわれわれを助けてくれるかどうかは、それが派手な事件かどうかによって決まる。ヒーローはわれわれ全てを助けてはくれない。

 ならばわれわれにはヒーローが必要なのだろうか?

 私はその問いにこう答えたい。その答えはまさにマーベリック事件の時に出たのだと。

 「殺人犯」鏑木・T・虎徹はテレビによってヒーローであることを否定され、テレビによって犯罪者にされた。だが彼は徹頭徹尾ヒーローであり続けた。彼はあきらめることなく仲間を信じ、最後まで戦い抜き、マーベリックの悪事を白日の元に晒した。台本の書かれたショウではない。彼は、テレビなどなくとも、テレビに否定されようともヒーローであり続ける。

 アポロンメディアの大不祥事ともいえるこの事件を暴いたのが、ほかならぬアポロンメディア所属のヒーローTiger & Barnabyであったというこの事実が、彼らヒーローの在り方を表していると言えるだろう。

 彼らは、ヒーローは、テレビなどなくともヒーローであり続ける。だから私は高らかに答えよう。われわれにはヒーローが必要だと!

 

 だが、その活躍がテレビで見られたらもっとうれしい! そんなわけで、われらのヒーローTiger & Barnabyのテレビへの復帰を祝福し、ここに彼らのロング・インタビューをお届けしよう!

 

 

 

●今回はTiger & Barnaby復活記念ということで、まずはコンビ復活、そして1部リーグ復帰おめでとうございます

タイガー(以下T)&バーナビー(以下B)「ありがとうございます」

●まずはコンビ復活のご感想をお願いします

B「またタイガーさんと一緒にヒーローができるということに興奮しています。ご尽力いただいた関係者のみなさんには感謝してもしきれません」

T「まぁオレはしばらく2部で一人でやってたんだけど、バニーちゃんが一緒にやるっていってくれたときは、やっぱりうれしかったですね。能力の落ちたオレ一人だったら、こんなにはやく1部にあがるなんて絶対ムリだったし。また二人でやれてホントうれしい」

●今お話にも出ましたが、タイガーさんは能力減退してますよね。以前のような活躍は望めないと思うのですが、バーナビーさんの負担が大きくなってしまうということはないのでしょうか。

B「そんなことは絶対にありません。今までタイガーさんの活躍を見てきてくださった方なら分かっていただけると思いますが、タイガーさんは能力を使ってないときでも十分強いです。それに10年以上ヒーローとして積み上げてきたスキルがあります。僕と虎徹さんは同じ力を持ってますけど、総合的なスキルは圧倒的に虎徹さんのほうが上です。一見僕のほうが活躍してるように見えるかもしれませんが、僕がポイントを取れるのも虎徹さんのサポートあってこそです。さっき虎徹さんは一人だったらずっと2部だったって言ってましたけど僕はそうは思いません。虎徹さんならすぐ実績あげて1部になってたと思います。みなさんワイルドタイガーを過小評価しすぎですよ!」

T「バニーちゃん、興奮しすぎ(笑)」

●……なんか…すみません。

T「あやまんなくていいから(笑)。いや、オレもね、ホントなら『バニーちゃん、一人でやんなよ』って言ってやるべきなんだろうけど、なんていうかなー、二人だからできる戦い方っていうか、そういうのに慣れちゃって……やっぱね、いいもんですよ、信頼できるバディに背中預けられるっていうのは」

B「こてつさん……」

●やはりTiger & Barnabyは二人で一つってことですね!

T&B「はい」

 

●ちょっとお話は変わるんですが、一年間ほど活動されてなかった時間がありますが、その間は何をされていたんですか?

B「特になにも」

T「おい!!!(笑)」

B「ちょっと充電期間っていうか…。あの事件の後、どう気持ちの整理をつけていいかわからなくて…。

マーベリックは僕の親を殺し、ウロボロスとつながり市民を裏切ってきた人間ですが、僕を育て、タイガーさんとバディにしてくれた人でもあります。今まで信じてきたものが真実ではなかったという喪失感があって…。あまりなにかをやるという気力が湧かなかったんです」

T「……(無言でバーナビーの肩に手を置く)」

B「でもそんな僕を心配してくれて、タイガーさんが――タイガーさんご実家に帰られてたんですけど、ご実家に呼んでくださって、そこでのんびりしてるうちに気持ちの整理をつけることができました。タイガーさんの田舎、すごくいい所なんですよ。僕も引退したらあっちに住もうかなって。ね?(とタイガーを見て)」

T「なんもないけどな、あそこ」

●では、タイガーさんはご実家にいらっしゃったんですね?

T「そうそう。そんで兄貴の家業手伝ったりしてたんだけど……、兄貴怖いし、家でごろごろしてたら娘に『かっこわるい』って言われるし、肩身狭くて」

B「タイガーさんの娘さんって、すごくしっかりしてて、タイガーさん全然かなわないんですよ(笑)」

●バーナビーさんはタイガーさんのご家族とも交流があるんですか?

B「ええ、良くしてもらってます」

T「ウチに泊まってたんだもんな」

B「すごく楽しかったです」

●ホントに仲がいいんですね。一緒に仕事していて喧嘩とかなさらないんですか?

B「しませんね」

T「ケンカはないかなー」

●不満とかないんですか? 相手に直して欲しいところとか…。

T「うわ、その質問こわっ!!」

B「なんで怖いんですか(苦笑)」

T「だってバニーちゃん、オレにめっちゃ不満ありそう」

B「ないですよ。タイガーさんのこと尊敬してますもの」

T「ほんとかよー」

B「あっでも、あえて言うならやっぱり、物壊すのやめてほしいかな」

T「あー」

●コンビ復活早々に、車壊してましたよね

T「違うの、アレはバニーちゃんが悪いの!」

B「僕のせいじゃないですよ(笑)。なんかウチの会社、タイガーさんが物壊すことに関して寛容なんですよね。事業部長とか口では一応怒ってるんですけど、口調とか全然怒ってないんです。ワイルドタイガーは物を壊すもんだっていうダメな固定観念があるんです」

●(笑)でもそのダメな固定観念、私も持ってます

B「そうなんです! ファンの人もタイガーさんを甘やかすんで、タイガーさん開き直るんです! なので僕だけでもやめてくださいと言いつづけないと、と思って」

T「でもオレ前から思ってたんだけどさー、そんなにオレって物壊してるかな?」

●えっ!!?

B「なに言ってんですか、自覚ないんですか?」

T「だって他のヒーローだって物壊してんじゃん。バニーちゃんも壊すでしょ?」

B「……すみません。ちょっと本人自覚ないみたいなんで、後で話し合っておきます」

T「げっ!!」

●タイガーさんからはバーナビーさんになにかありますか?

T「えー、特にないかなー。あえて言うなら、真面目なところ」

●真面目なところをやめてほしいんですか?

B「そんなこと言われたのはじめてです」

T「こないだもさ、『反省会しましょう』って言われて、よっしゃー飲みかぁ、って思ってついていったら喫茶店連れてかれてさ。延々ホントに反省会するんだよ」

B「だから反省会って言ってるじゃないですか!」

●バーナビーさんが正しいと思います

T「なんで! 反省会っていうのは名前だけで飲むものだよ! 大人ってそうだよ!」

B「ちょっとなに言ってるのかよく分からないですね」

T「バニーちゃんはさあ、もっとこう、人生において遊びを覚えたほうがいいと思うんだよ。だからオレはバニーちゃんに色々遊びを教えてあげようと思ってる。だから今日はこの後飲みに行こうな!」

B「ようはこの後の話し合いを回避したいんですね」

T「うっ……」

 

●バーナビーさんはまた写真集が出るそうですね

B「はい。トップマグ社から出していただきます」

T「なんでトップマグなの」

B「事業部長が……」

T「ああ……」

●トップマグと言えば、タイガーさんの古巣ですね。タイガーさんも素顔がばれてしまったわけですし、写真集とか出されないんですか?

T「ええ!!? なんでオレ!!? 誰が買うの!!?」

B「僕、買いますね」

T「なんで(笑)バニーちゃん買っちゃうの??」

●私も欲しいです! タイガーさんもっと顔出しの仕事しないんですか?

T「うぇ!? いや、やっぱりさ、ヒーローは素顔隠してるからいいんだと思うんですけどね」

●でもバレてしまっているので…

T「それがとても困ってる…」

B「タイガーさんは恥ずかしがり屋なので、たぶん顔出しはないと思います。しばらくは」

T「しばらくって! しばらくって何?」

B「業務命令っていうものが、ありますからね……」

T「なに? バニーちゃんなんか知ってんの?」

B「(とてもいい笑顔)」

●楽しみにしてます!

T「楽しみにしないで!」

●最後になりましたが、ファンの皆様に一言お願いします

B「以前ヒーローとして活動していた時、僕は本当に未熟だったと思います。数字としての成果は残していましたが、真の意味でヒーローたりえたのかというのはずっと疑問でした。一度ヒーローを辞めたのもそれが原因です。まだ一年しか経っていません。僕自身そう変われたとは思いませんが、以前とは違う心構えでヒーローとして活動していきたいと思っています。僕の周りにはすばらしい手本がいるので(ここでタイガーが恥ずかしそうに鼻を掻く)、…スカイハイさんとか」

T「なんで! 今の流れはタイガーさんでしょ!?」

B「日々成長していけたらと思っています。どうぞよろしくお願いします」

T「幼いころ、オレはこの変な力がコンプレックスでした。レジェンドに助けてもらってからは、人を守るこの力がオレの誇りになった。そしてその力を失いつつある今、オレの誇りは人を守りたいというこの思いです。オレはしょぼい能力でも、いや能力なんかなくなってもヒーローであり続けたいと思う。誰かを守りたいと願い行動する人間は誰でもヒーローになれるってことを、この身を持って証明したいと思ってます。オレ一人ではできません。俺にはファンと、スポンサーさんと、メカニック、ヒーロー事業部のみんな、そしてなによりバーナビー・ブルックス・Jrがいます。一生をかけてみなさんに、このシュテルンビルトという街に恩返しをしていきたい。だから、これからも見守っていてください」

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編集後記:

いかがでしたでしょうかT&B特集。ヒストリーや懐かしのバーナビー水着クラビア、そして新規撮りおろしピンナップまで! 編集もかなり情熱傾けて取り組みました!

目玉のT&Bへのロングインタビュー。アポ取るの大変だった…。どんなに大変だったかって、アポロンメディアの電話交換手さんが名乗らなくてもヒーロー事業部に繋いでくれるようになったくらいといえばお分かりいただけるだろうか。

ともかく大忙しのT&B。アポ取れてもすっぽかされるかもとひやひやしましたが、ちゃんと時間通り来て、しかもインタビューの後はオフだったらしく、気さくな調子でいい取材をすることができました。

ずっとタイガーは熱血漢でバーナビーはクールって印象があったのですが、バーナビー熱かった(……てかちょっと怖かった)。インタビューしながらバーナビー変わったな、ってずっと思ってました。色々あったもんね。それをずっとそばで支えてきたタイガーへの絶大な信頼を感じて、もう、ほんとにT&Bは二人じゃないとダメなんだなって思いました。タイガーは相変わらずチャーミング。そして大人! ベテランヒーローの真髄を見せられた感があります。

これから二人の活躍がTVで見られるのかと思うともうたまらない! MHはこれからもT&Bを追いかけていきます!

 

次号の巻頭特集は「KOHスカイハイ密着取材! その栄光と挫折、そして再生」デス! 愛すべきてんn…天使スカイハイのヒーロー活動からイベント活動、さらには私生活まで見せちゃいます! 両面ピンナップはブルーローズ&ロックバイソン! なんでこの組み合わせなのかはよく分かりません! 企画会議には魔物が住んでいる! どうぞお楽しみに!

説明
ヒーロー業を親の仇をとるための手段としか思っていなかったバニーちゃんが、(虎徹さんと一緒に)ヒーローをやることが人生の目的になったら、インタビューの受け方も変わるんじゃないかと思って。もっと素の自分でしゃべれるようになるんじゃないかなと。そんで、ちょっとタイガーさんを悪く言われたりするとめちゃ熱くなっちゃったりしたらたまらんな。とか思っていたらバニーちゃんより私のほうが熱くなっちゃって、気づいたら仕事中なのに脳内で二人にインタビューをしてにやにやしてました。とっても楽しかった…。ちなみに仕事はとっても繁忙期でした。終業時間後大変なことになりました。      
ちょっと腐っぽいですが、匂わす程度です。だって第三種郵便物認可の雑誌ですもの!(たぶん) ホントはもっと長かったのですが、シリアスな部分は前面カットしました。
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TIGER&BUNNY 鏑木・T・虎徹 バーナビー・ブルックスJr. 

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