DAY AN-DEAD
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 男はバリー、女はサリー、アンデッドのカップルは、日の下に晒されると燃え尽きてしまうから、いつも夜中のデート。

サリーがふと言った。「昼にデートをしてみたい」と。

 サリーが寝てる間(昼)、バリーはサリーの願いをかなえてあげようと計画を立てる。しかしバリーもサリーも日の下に出れば灰になることは知っていた。それはヒトが呼吸をするということほどに当たり前なのだ。

 バリーは長い棒にテープで紙皿をくっつけ、その上に自分の髪の毛や爪を乗せる。それを何度繰り返しても、日の下に晒したとたん、灰になってしまうのだった。

-あるときは水につけて日の下に晒した。しかし塗れた髪は灰色の水に。

-またあるときは布に包んで晒した。しかし、布の内側で自分の欠片は虚しくも灰に変わってしまう。

どうやら布とかそういう薄いものの影では効果がないらしい。バリーは実験中ずっと建物の陰にいたが、そのときバリーは灰にはならなかった。サリーとデートするには。昼に彼女を連れ出すには。もっと強い影が必要なのだ。それでいて、建物の影に隠れてコソコソではサリーを楽しませることができない。大通りを、堂々と。

 

 

ある日バリーは、道端に落ちた新聞から「皆既日食」を知る。それは彼の目にはとても新鮮で、新しい可能性だった。これなら、彼女の願いをかなえられるかもしれない。

 

そしてその日はやってきた。

「サリー!起きるんだ!」

バリーはベッド(棺)で寝ているサリーを起こす。

「まだこんな時間じゃない」

「外へ出よう!」

「何言ってるの。嫌だ、灰になっちゃうわよ」

「大丈夫さ!」

棺の扉を開け、地下から地上へ。そこには、見慣れた暗闇だが、確かに「昼」があった。

ずっとずっと、憧れていた。憧れていながら目にすることすらも許されていなかった。でも確かに今目の前に広がっている。ずっとずっと、憧れていた。

 バリーはサリーの手を引いて、「デートをしよう!」と無邪気に笑う。二人は、暗い、暗い、昼の中へ。憧れの中へ。見たことがない鳥。いつもは開いていない店。大通りはいつも日の下に晒されているから、初めて見る人だかり。皆既日食に注目しきった大通りの人ごみの中を、手をつないで、歩いていく。何を買うでもなかった。どこのテーマパークに行くでもなかった。ただこうして、昼の大通りを、歩きたかった。

 

「そろそろ時間だ。棺に戻らないと。」

「今日は楽しかった。ホントに楽しかった。ありがとう、バリー。」

「そう、それはよかった。」

「私、このままでいい。」

「え?でも僕らは」

「いいの。一生の願いが叶ったんですもの。もういいの。」

「そうか、それがサリー、君の願いなら。」

 

太陽の祝福に包まれて、二人は形を失った。

説明
アンデッドの綴りを間違えたワケじゃないよ!ツイッターでテキトーに書き込んだ文章のまとめ。だからかなり粗っぽいと思います。
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