【改訂版】真・恋姫無双 霞√ 俺の智=ウチの矛 一章最終話:話の六 |
/張遼
「……?」
つ、ついにキタで。一世一代の大勝負や。
目の前には小首をかしげるアイツ。
未だに名前知らんけど、半年の付き合いでそこそこには態度も軟化しとるはずや。
最初の頃みたいに露骨に嫌な顔されることは無くなったし。
……大丈夫、やよな?
ううん! ここで弱気になってどうすんねん、ウチ!
バシッと気合入れて、さぁ行くで!
「あ、あのな……その……」
「あの、俺忙しいんだが……」
「ご、ごめん……でも、時間は取らせんさかい、やで……」
「…………早くしてくれよ……はぁ」
「あ、うん……」
出鼻をくじかれてもうた。なんや今の絶妙な間は。
……それにしても、やっぱ相変わらず言葉にとげあんねんなぁ。向こうもなんや身構えとるし。
で、でも、ウチがしてがしたこと思えば当然やし、ここでしっかり謝らんと!
「あ、あんな! その、前に、アンタに怒られた時のことなんやけどな……」
「ん、あ、あぁ。半年くらい前のアレか」
アイツはなんや予想外やったらしく、一瞬だけ目ぇ丸うして驚いた。
でも、直ぐに能面な仏頂面に戻ってまった。表情変わらんやっちゃなぁ……。
「そや、それや!
あんときアンタに怒られて、ウチ今まで見ようとせぇへんかったコトにやっと気付けたんや!
それに、ウチが立場に胡坐かいて見降ろしとることに気ぃ付かんと、アンタを最低の言葉で侮辱してもうた。
そのことが謝りたくて……ッ。
それに、アンタにゃ何度も助けてもろてるし!
初め気が付いたんは最初裏に行った時で……、でも偶然や思ってなんもせぇへんかったけど……
そっから毎回裏行って問題起きるんとアンタが絶対居って、ちょっと話聞いたら、
アンタっぽい人が、その、ウチを助けるように、って……やでな、えっと──」
さぁ、言うで。
ウチなりに考えた、ウチが出来る一番の詫びや。
コレで許してもらえんかったら、それこそ頚切るくらいしか無い。
それに、命の恩人への礼や。
なんどもアイツにしてみれば他人でしかないウチを、何度も助けてくれたんや。
見逃せば楽にできるし、アイツ自身に火の粉が降りかかってまいそうな事も、アイツが助けてくれた。
そんな、命の恩人に礼を返すにゃ、やっぱりこの方法しか思いつかへん。
「ホンマにすまんかった! アンタのコト知らんと無神経に侮辱してもうて……
それに、マジでありがとう! ウチ、アンタに何度も危ないトコすくってもろうて……
やで……こんなんで詫びと御礼になるか分からんけど……
ウチの真名を預けさせて欲しいんや!」
言った……言ってもうた……。
**
「ウチの真名を預けさせて欲しいんや!」
さりげに情報漏えいさせてんの誰だよ……。
ま、いいや。
真名、ってのはこの世界の風習だ。
この“真名”は、本人が心を許した証として呼ぶことを許した名前で、
本人の許可無く“真名”で呼びかけることは、特に異性の場合は陵辱されるのや、唾を吐きかけられると同等の、
尊厳を最高に侮辱する行為で問答無用で斬られても文句は言えないほどの失礼に当たる。
ってのはお豆腐屋の主人さんの受け売りだ。
十歳の終わり頃に主人さんに初めて出会って、いきなり真名で呼ぶっちゅう暴挙を成し遂げた俺は、そこで初めて真名という存在を知った。
それまで、俺は誰かに名前を呼ばれることなんてなかったし、俺も人を名前で呼ばなかった。というか呼ぶ相手が居なかった。
なので、とある機会で知り合った、この上手く媚びれば助けてもらえそうな主人さんに好印象を持たせるべく、
俺は主人さんとその場に居た男性(後から知ったが彼は主人さんの兄だった)との会話から得た、主人さんの愛称らしき呼び名を使い、御礼を言った。
瞬間、その場が凍った。
そして一転、先程まで温かく見つめていた主人さんの兄は俺に包丁を突き立てるわ、
主人さんはおろおろ狼狽し半泣きになるわ、俺は俺で全く持って意味が分からずとりあえず刃物に逆らわないようにするわで。
完全に場は大混乱。兄さんの荒い息づかいと、主人さんの啜り泣くような声と、何もできない俺。
そしてそのまま膠着状態が続くこと二刻(約三十分)。
漸く落ち着いたらしい主人さんが、俺に説明と謝罪を求めた。俺は未だ意味が解らず主人さんに聞き返し……。
それで、今に至る訳だ。
もちろん、あの時は意味を聞いてから俺は文字通り平伏して米つきバッタみたいにぺこぺことひたすら謝り続けた。
なんとか許してはもらえたが、三年経った今でも主人さんに頭が上がらないのは七割真名を呼んだ所為だ。残りは働かせてくれた恩。
それくらい、真名を穢すことは数年かけても清算できない程の無礼になる様だ。
俺自身身を持って現在進行形で体感中なわけだし。
因みに乙女ちっくに泣いた主人さんは三十二歳。三十路って言うと血を見ます。
行き遅れって言うとスクラップでスプラッタな現代アート風オブジェになれます。
**
と、主人さんは置いといて。
話題は真名の重要性に戻る訳だが。
つまり主人さんの例の通りだ。
礼(苦笑)を重んじる儒教社会で、最高最悪に相手を侮辱する行為が、真名を許しなく呼ぶこと。
名前なので、うっかり間違える場合も無きにしも非ず、ではあるけども。
故意じゃ無くとも、しっかりとした謝罪をせねばならず、
基本的に絶対に倫理的に許されない行為、という解釈で間違いない。
ある意味扱い的には現代(この場合は未来か?)社会でのタブー、殺人などの命を奪う行為と一緒だと思われる。
履歴書などという概念は存在しないが、過去に故意に真名を呼んだ人間の信用は地に落ちるので、
何かの拍子に真名に対する礼を欠いたことが発覚すれば、雇用や就職の機会を得る事すら難しいそうだ。
殺人に似ていると言った所以はこの辺りにある。
日本でも犯罪者の再就職は難しく、それが再犯を招くと軽く社会問題になるだろ?
まぁ、社会保障制度や、人権などといった概念がないこの時代では、一度犯した失態を取り戻すのはほぼ不可能で、
失った社会的立場を取り戻す事もほぼ不可能。保障体制何ぞある訳がなく。
一度失態を犯せば相手の許しを得られない限り何もかもを奪われても泣き寝入りするしかない。
貧民街、特に裏の連中の何割かは真名絡みの問題で居場所を失った人間だったりする。
まぁ、生きてる彼らは運が良い方で。
許す許さん以前に首と胴体がお別れして生命的な意味で泣き“寝入り”する羽目になることも少なくないそうだ。
そう考えると、主人さんで失態を犯した俺は運が良かったのかもしれない。
無論、そんな事を人前で漏らせば俺もスクラップでスプラッタな現代アートになること間違いなしだ。
尤も、未来人の俺としては強力な拘束力や抑止力にさえなり得るその風習を、
何故利用しようと思える人間が居ないのか、それが不思議でならなかった。
何処の時代でもプライドなんぞ豚にでも喰わせとけ、なスタンスの人間は居ると思ったんだが。
K社會の人間でも、それはタブーとされてるみたいで俺は驚いた。
イスラム教圏で特定の動物の肉を絶対に食べないとか、そういうレベルの問題なのやもしれん。
生と共に在り、極端に身近で犯されざるべき領域だからこそ、誰も疑問に持たないんだと思う。
これって、真名預けた相手から裏切られたら余裕で死にたくなるレベルで絶望できるんだろうなぁ……。
さて、それほど重い真名だが、
勝手に呼ぶ行為の無礼度に比例し、預ける相手に掛ける信頼もとんでもない値になってしまう。
具体的に言えば、恋人なんぞ通り越してもう比翼連理な関係だったりとか己の半身レベルの親友とかそういうレベルの信頼を預ける相手に渡すモノ。
例外的に無条件で呼ぶのは、親や同腹の兄弟とかそんなんだ。下手すると、夫婦同士でも預けない事もあるそうだ。
政略結婚で側室入りした娘とか、そんなんだけど。
それに、相手の本質を指す、などと神聖性の極めて高いモノという認識なので、
呪術とかそんなモノを掛けられる可能性も多大にある為(冗談ではなく、マジで。妖術なる怪しげなモノを取得してる人間が実際居るのだ)
うっかり外で大声で呼んだりすれば真名を預けられる程の相手からの信頼を失ったり、
下手したら親友同士、愛し合ってた者同士で血を見る羽目にもなる。
ドジっ子がシャレにならない社会なのだ。
なので夫婦間では閨の中とか、家庭内とか極めて密閉性の高い空間で呼び合い、
家族ならば同様に家庭内でのみ、親友ならば、第三者が居ない場合のみ、と極めて局地的な場でのみ使われることとなる。
**
で、この張遼は俺にそれを預ける、と言ってる訳だ。
正直、俺にはこの制度が重いと感じていた。聞いた時から重く感じて仕方なかった。
すっごい重いから、もう両肩にかかる重圧とか責任とかが想像しただけでも半端じゃないから、
預けられる様な事があっても断ろうとさえ思ってた。
それに、真名を預かってうっかり口を滑らせた日にゃ命を狙われる理由がもれなく一つ追加されてしまうし。
それほどの信頼を寄せられる、ということはとても名誉なことらしく。
でも俺は今まで信頼とかとは無縁な生き方をしてきた訳で。
うん、考える程重く感じる。
俺は主人さんから聞いた時から思ってたんだけどさ。
明らかに呼び名一つの扱いが重過ぎだよ。
こんなん貰っちゃったらもうどうにもならない訳でさ。
のほほんと、高校生時代も転生してからも、そういうプライベートな責任とは無縁に生きていた訳でさ。
やっぱり重すぎるよ! と今でも思ってはいる訳なんだが……。
しかも責任は極々個人的なモノなのに、欠けば社会的地位まで失う訳だ。
……重い上にめんどくさい、と感じる自分が居る訳だ。
と、思わず叫びたくなる気持ち、この時代に分かる人は居ないんだろうなぁ……。
たぶん、飛行機を発明したライト兄弟とかしか分かってくれる人居ないんじゃないかしら。
鳥しか空を自由に飛ぶことが出来ない、ってもう赤ん坊レベルの常識と正面から戦った経験がある人しか。
重くて仕方ないそれ。
でも、だ。
何処かで、その真名を預けられるという事実を、喜んでいる俺が居るんだ。
……俺の主張としては、完全に真逆だったはず。
それなのに、だ。この張遼という女の子から真名を預けられることを喜んでいる俺が居る。
自分に困惑する。
もう、何が自分の意志なのか分からないんだ。
そんな情緒不安定な俺が取れる選択肢と言えば……。
「えっと……、とりあえずさ、なんで?」
時間を稼ぐ事くらいだった。
とっくに答えが出てる内心に、わざと気付いてないふりをして。
ツンデレ乙、と何処かから及川の声が聞こえた気がした。
**
/張遼
ま、まさか「なんで?」なんて、返されるなんて思っとらんかった。
今まで、真名を預けた事なんて無いけど……。
普通は真名を預けられたら、飛ぶように嬉しいモンやろし、
ウチも預けられたら、信頼されたんやー、って嬉しくなるやろし。
……まさか、なんで、って。
やっぱ、相当怒っとるんかな……?
かなり心にグッとくるもんがあるわ、あの反応。
……でも、ウチがアイツにしたことはそれくらいの事なんかもしれんし。
……うん!
決めた。アイツにどんな反応されようと、ウチは自分に負けん!
ウチなりのけじめや、けじめ。
アイツと、仲違いしたまんまになるかもしれんのは悲しいけど……。
ウチが謝って、訂正しんことのは進まんのや。
それに、アイツには助けられとるんや。
何遍も、ウチはアイツのお陰でいま生きとるんや。
やで……。
「なんでもくそもあらへんのや! ウチがアンタに恩を感じたで! ウチがアンタに謝りたいで! そんだけや!
別に許してもらえんくても構わへん! でも、真名だけは受け取って欲しいんや!
許せんなら預けてくれんでもええ! ううん、許せてもウチが信じれんなら全然構わへんわ!
でも、これはウチの謝罪の気持ちやさかい、受け取るだけでもして欲しい!
だめなら、ウチじゃ一生かかってもアンタに恩返しも謝罪も出来へん! もう自害する覚悟もできとるんや!
やで、ほんま済まんかった! あんときのウチは考え無しやった。許してもらえるともおもっとらんけど……
ウチの出来る限りの誠意やさかい、受け取ってだけでも欲しいんや……。
ホンマに……ありがとう、ごめんなさい……」
**
『ホンマに……ありがとう、ごめんなさい……』
……うん、重いよ!
まぁ……なんて言える訳ないんだけどね。
それに、彼女の決意を聞いて、あり得ない位喜んでいる俺を、俺ははっきりと自覚している。
本気なんだなぁ。俺でもわかる。
精神がここの時代じゃなくてもさ、張遼が本気、っちゅうことはひしひし伝わってくる。
重要性を知ってる分だけに、ね。彼女の決意が聊か早計な気がしない事も無いけどさ。
それだけの誠意をもって、対応してくれている、って事が凄い。俺じゃ絶対出来ない。
それに……やっぱりどこかで嬉しいと思う俺が居る。
重い重いと避けていた筈なのに、俺は嬉しくて仕方がない。
謝罪という形でも、俺に預けてくれる、という選択肢を選んでくれたことが嬉しくて仕方がない。
いつもは冷静で無関心で、一歩引いたところに居て利益を窺うスタンスの俺が、
いや、生きる為にそうせざるを得無くて、そうすることが普通になってしまっていた俺が
感情をあらわにしたくてうずうずしてるんだ。
そっか……やっと今腑に落ちた。
あの時俺が頭にきたのは、コイツと会話するのが楽しくて、気付いたら素になれてて、嬉しかったからなんだ。
だから、あんなちっちゃいことでキレちゃったんだし、でもあの後も見捨てたり興味無くしたり出来なかったんだ。
もうツンデレここに極まりだね……及川に文句言えねぇや。
……よし、決めた。
「……えっと、張遼が誠意をもって、俺みたいな孤児に対応してくれてんだ。
怒る怒らないとか、そんな細かいことで怒れる訳がないじゃないか。うん。
それに、あのさ、いまさらだけどさ、俺元々あの時はなんだかおかしかっただけで……
えっと、その、なんだ……俺、お前が思う程立派な人間じゃないけどさ……。
……その、誠意には誠意で答えなきゃいけない事くらいは分かるから、えっと、なんだ……その……」
「?」
俺が言葉選びに迷ってると、張遼はこく、と首を傾げた。
ちょっと視線が辛い。
「俺の生家の姓は高で、名と字は持ってない。てか貰ってない。
こんな乞食に、えっと……その、真名とか、撤回したほうがいいと思うんだけど……」
ああ、違う。そんな事が言いたいんじゃない……。
って思ってんのに、俺はいつの間にか妙な方向に口走ってた。
いや、俺も嬉しいのに、なんでまだ素直になれないんだよ……。
でも、俺が他人のコト心配してるなんて……。やっぱ何か変っていうか……。
というかなんで俺が関係の無いことの心配をしてるんだと。
とりあえず、張遼相手だと調子が狂っちゃうよ……。なんていうか、打算的になれないって言うか、妙に素が出るっていうか……。
やっぱ、あんとき怒った理由も子供じみたもんだと再確認。
俺、ただ初めて信じられそうだった人に、勝手に裏切られた気になってたんだ……。
勝手に俺の境遇を分かってくれるって思って、何も知らない相手の当然の反応に怒ってただけなんだ……。
はぁ……、俺……ガキだなぁ。
気使かいとかそんなの、もうとっくに忘れてた筈なんだけどなぁ……。
いつの間にか、真名の重さより、預けられた嬉しさが勝ってる俺って、とんでもなく現金な奴なのかしら。
……ああ、変なこと言っちゃったよ。訂正したいけど、無理だろうなぁ……。
冷静に張遼も考えれば、俺と真名を交換することの無意味さがわかっちゃうわけだし……。
はぁ……。
「そんなことないっ!! アンタが乞食とかそんな立場とか関係あらへん!
ウチは、アンタっちゅう人に預けたんや! あんたの立場預けたんにやない!!」
でも、飛び出してきたのはぶれない彼女の言葉だった。
単に向う見ずと言われればそうなのかもしれないけれども。
打算と損得で生きてきた俺にとって、初めての存在。
どうすれば、こんなに人間らしいのに、こんなに真っ直ぐな人が生まれるのだろうか。
「っ……、マジで、言ってんの?」
「うん、マジもマジ、大マジや! ウチがそうやって選んだんや、文句なんて言わせんわ!」
「……っ」
いかん、なんで俺が謝罪を受けてるのに泣きそうになってんだ……。
落ち着け、深呼吸深呼吸。
「……それで、アンタは……えっと、どうなん?」
不安そうな緑の猫目が、俺の姿を映した。
吊り気味に凛とした眼差しが、半年振りで妙に懐かしく感じる。
「えっと……謝罪を受けるよ。……ホントに、えっと、その、なんだ……ありがと」
「え……ホンマに? てかありがとってなんやねん、え、なんでウチ御礼言われとんの?」
「あー……、それは気にしないで」
「? ま、ええわ。ウチこそ、ホンマにありがとな!
えっと……ウチの真名はな、霞や! かすみって一文字書いて、霞」
花が咲く様な、紫陽花の花の様な笑顔を浮かべる張遼。
一瞬、胸の鼓動がどうしようもなく高まった。
……なんだ今の。俺、今どんな表情してんだ……?
落ち着け、落ち着け俺。
「……俺の、真名は……一刀。一つの刀で、一刀」
俺が真名を渡すと、また綻ぶ様な満面の笑みを浮かべる。
快活、元気、夏の青空……そんな印象を受けた。妙に詩的で変に恥ずかしい。
でも、俺と真名を交換したことで、その笑顔を浮かべさせた、ってことがどうしようもなくうれしい。
うん、こりゃアレだ。真名で邪な事なんて考えれんわ。
「そっかぁ! よろしくな一刀! ホンマに、マジで、よろしくな!!」
「ああ、うん。よろしく、霞!」
今生初めて、俺は心の底からの笑顔が浮かべられた気がする。
【おまけという名の蛇足】
「よろしく、霞!」
……っ!?
な、なんや!?
アイツ、あ、違った。一刀の笑顔を見た途端に、ウチの心臓が言うこと効かん様なってもうた。
もうばっくんばっくん言っとる。止まらへん。
「……? どしたの、霞?」
……ん? なんや今顔が真っ赤になってまってヤバいんやけど。
一刀の声色が、なんや気ぃつかってくれとるみたいな感じになってまっとる。
あー。心配させたんかな?
とりあえず顔を上げ……
「わっひゃあ!? な、なななんや一刀いいいいきなりびっくりしたやんけ!」
「え……俺の方が吃驚だよ? どうしたんだよ霞」
「あわ、あわわわわ! や、止め、真名呼ぶのいっぺん止めてや」
目ぇ上げたら目の前に一刀ん顔。
ま、またや、心臓がウチの制御から離れてまっとるよぅ……ううう……。
ヤバいめっちゃ顔熱い。
ただでさえなんや知らんけど顔見ただけでヤバいのに、
真名まで呼ばれたら、なんか、もう……こう、胸の編がきゅんきゅんしてまう。
なんやもう!訳が解らんへんわっ!
「え……、あ、そっか……ごめんね、し……張遼さん」
と、おもっとったら、一刀がなんやしょんぼりしてもうた。
……あ、う、ウチのバカ! あの言い方はどう考えても不味いやろ!
「あ、う……えっとな、そう言う訳や無くてな……なんていうかな……その」
「えっと、やっぱ親しくない男に呼ばれるのってアレだよね……
はは、うん、真名は預かったけど、俺は呼ばないからさ……」
「だーっ! だからちゃうねんてば! 全然真名で呼ばれるの無問題(もうまんだい)や!
むしろ呼べや!呼べやがれくださいや!」
あかん、テンパって自分で何言うとるか訳分からん。
「あ、じゃあ、えっと、霞……?」
「わっひゃあぁあわわぁあわあっわあああわああわわわああ!!?
やっぱむり! なんやもう訳分からんこそばゆいわ!」
「ど、どうしたの霞?」
「ひぅっ!?」
「し、霞?」
「あわ……あわはわわ……も、」
「も?」
「もう勘忍してやーっ!!」
「ちょ! 霞どこいくのさ!?」
「ぅっひゃぁあああああ!? ウチもうむり!無理!絶対無理!煩悩退散、悪霊退散!」
………………
…………
……
「……なんの騒ぎだぁ?」
「ふふっ、若いっていいわねぇ」
そう呟いた主人さんとその兄さんがいたとか居ないとか。
こんちゃー。甘露です。
桂花イラストを公開したらお気に入りが一気に四〇人増えました。
猫耳軍師、いと侮り難し!(ぇ
今回は霞との友情成立と、初恋の芽生え?
っぽいのです。
互いにどう思ってるかは、読者の皆様の想像にお任せします。
ただ、最後の蛇足で霞の方はどうかは、敏い読者の皆様なら分かって頂けるかと。
あ、でもニコポじゃないのであしからず。
違いが解らん? アレだ、出会って二秒で即陥落してるか否かだよ!
この場合は互いに重要な真名交換直後ってことで、一刀君の種馬スキルが当社比約三倍に!
吸引力の落ちない、唯一つの(ry
さて、次回第二章からは二人の少年少女時代編になります。
予定としては六,七話で次の章に行くと思います。
次章からの主な内容
・思春期真っ盛り!な二人の関係の行きつく先は…
・神速の武将、張遼
・陥陣営、目覚めの時
だいたいこの三つが主題になります。
メインヒロインは霞。サブはでません。
アンケ:種馬の片りんを見せた彼。この先どうなる!
1、ニコッ) ドキッ!じゃばじゃばじゃばじゃば←洪水の音
(意訳:女の子みんな攻略で種馬ハーレムわっしょいしちゃう感じ。
具体例:原作恋姫)
2、リアル三国時代っぽく側室さん娶っちゃう系。
でもやっぱり霞裏切るように思えちゃってそんないっぱい女作らない系
(意訳:正妻と2,3人の側室と結ばれる三国時代の武将に有りがち系。
具体例:GOLDMUND様 李氏春秋シリーズ)
3、中に誰もいませんよ?
(意訳:一夫一妻、浮気するともれなく霞から偃月刀のプレゼントがある感じ
具体例:一太郎様 恋と共にシリーズ)
ではー。
説明 | ||
今北産業 ・説明口調で真名解説 ・結局霞が気になって仕方なかった一刀君 ・やったねたえちゃん!家族が増えるよ!(良い意味で ※鬱展開はありませんヨ? ・結局一刀君ただの恋わずrゲフンゲフン ・なんかもう霞より言動が可愛くなるウチの種馬さん ・恐ろしい子っ!(AA略 ・そんなことより一章終了です。二章からは……ふふふ |
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2だな♪ 私だったらこれでいいわwww(ミクボン) もちろん3で、霞から偃月刀のプレゼントの後、霞を食べるのですねwwwwわかります。(さとッチ) 2でお願いします (yuk) 3(kuro!) 2から1への移行で。陥陣営と呼ぶに値する戦闘力かぁ・・・・・・今後が楽しみですね。(アルヤ) 2番だけど、その中でも霞はさらに特別って感じでお願いします。(summon) よければ2、それか3でおねがいします。(アカツキ) 2に一票!恋と音々とかは高順に色々とお世話になりそうだから!(シグシグ) いろんな女性に好かれはするが、一刀の中では3といった感じがいいなwww。(LG21) ここは3でお願いします。やはり霞オンリーで!(mokiti1976-2010) ぜひ、3でお願いします(歴々) 桂花に釣られたのです。3がいいよー。でも2でヤキモチ霞もいいよー。(cuphole) 3・・・でしゅね・・・(あわわ・・・噛んじゃった・・・・////(萌香) 流れに乗っかって、3です。 霞〜純情過ぎwwwwwww!?(≧∇≦)b(劉邦柾棟) 3でしょう てか霞のあわわはわわなんて初めて見たわww(夕闇 智弘) 周りに認められる為に偉いさんの娘を貰う事になる2からのその嫁さん事故で「霞さま北郷さまをよろしくお願いします(真名預けてないパターン)」からの3でw(shirou) 3を貫こうとして政略的な何かで2に移行。最終的に種馬スキル発揮して1じゃないかな?(azu) 俺的には3ですね。頑張って下さい。次回も楽しみにしています。(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊) よし2と3の間で揺れ動くといいと思うんだ。(通り(ry の七篠権兵衛) 3な純愛路線も見てみたいと思ったりしてww よし、こっからは2828のオンパレードだなwww(狭乃 狼) 3の一択だろうww だんだん素の一刀が見え始めたな、はてさてどれほど2828させてくれるのやらww(峠崎丈二) |
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