真・恋姫無双「新たなる地と血」第24話
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この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

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水関を抜けた連合軍、どう見ても譲ってくれて感があるため素直に喜べずにいた。一部例外を除いて…

 

そんな中先行偵察を任されたのは、西涼連合の馬超こと翠とその従姉妹馬岱こと蒲公英。そして幽州の公孫賛こと白蓮である。

 

麗羽曰く「ただで食事にありつこうなんて図々しいですわ。」とのこと。別に麗羽の軍から糧食を貰っている訳でも無いのに酷い言い草である。

 

とはいえ、水関でも特に働いていないのは事実で、ろくに動いていない為鬱憤が溜まっているのは事実。物の言い方はともかく気に入らなかったが、それを了承した。

 

虎牢関に向かって馬を走らせていたが先ほどから白蓮の表情が優れないでいた。それに気が付き翠は声を掛けた。

 

「どうした公孫賛(で合ってるよな?)、気分が悪いのか?それとも腹減ったのか?」

 

「お姉様〜。お姉様じゃないんだから、そんな訳無いでしょう。」

 

「蒲公英!私をなんだと思ってるんだ!?」

 

「ええ〜、聞きたい〜?」

 

「…やっぱ、止めとく。」

 

蒲公英の意地の悪い笑みに気が付いた翠は勝てないと思い、再び白蓮の方を向く。

 

「(逃げた。)」

 

そう思う蒲公英を他所に、翠は白蓮に話し始めるのを待った。

 

「この連合って……悪い!今の事忘れてくれ!」

 

そう言うと白蓮はこの場から立ち去ってしまった。

 

「あ!?ちょっ、ちょっと待てよ!」

 

突然話を中断され、走り去って行く白蓮を呆然と見送る二人。

 

「ねえ、お姉様。あの人気、が付いてるんじゃ…」

 

「あの様子じゃあ、多分な。」

 

「劉備って人と知り合いって言うから、同じかなって思ってたんだけど違ったみたいだね。」

 

「お前何気に酷いな。あれでも一応幽州任されてる奴なんだから。」

 

「…お姉様も何気に酷いね。『あれでも』とか『一応』とかさ。」

 

「うっせえ!」

 

今回、西涼連合の長である馬騰はこの連合には来てはいない。理由は体調不良。その代理として代わりに寄越されたのが馬超こと翠であった。

 

そしてこの二人が話している事はこの連合の内部の事。馬騰はこの連合が組まれたことに疑問を抱いていた。理由は簡単、月の事を知っていたから。あの娘が檄文に書かれていたような事をしないと。

 

その為、馬騰本人は体調不良と偽って参加を取りやめ、娘である翠と蒲公英をこの連合に送り込み様子を見させていた。

 

そして翠達が感じた事は母馬騰が思っていた通り、この連合に義は無いという事。ほとんどの諸侯が功績目当てで、まともに洛陽及び董卓の事を調べ上げている者など皆無だと言う事。

 

先ほど話に出た『あの人』とは当然の劉備の事で、その友人である白蓮も蒲公英は同類ではないかと思っていた。

 

結局その後、何事も無く虎牢関に到着。関は静かで、その事を伝令に後から来る麗羽達に伝えるよう指示し、陣を敷き待つことにした。

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《恋対春蘭・秋蘭・凪・真桜・沙和・祭・明命・斗詩・猪々子》

 

華琳の発案で武将全てで一刀・呂布の相手をしなければ太刀打ち出来ないと聞き、武官達は憤慨したが関羽を一方的に叩きのめした華雄を例に挙げ、そして実際戦った事のある雪蓮と祭、愛紗の感想を取り入れられ、それが採用される事となった。

 

そして現在、恋対春蘭・秋蘭・凪・真桜・沙和・祭・明命・斗詩・猪々子と、一刀対愛紗・鈴々・星・翠・蒲公英・雪蓮・思春の戦いが行なわれていた。

 

真桜の螺旋槍を弾き、追い討ちを掛ける。なんとかそれをガードするが螺旋槍が壊れた。

 

「ああー!うちの螺旋槍がー!」

 

「隙有りなの!」

 

そう言って背後から今度は沙和が襲いかかってくるが、声を出している時点でばればれなので余裕でそれを避ける。

 

避けられ姿を見失い、恋の姿を探そうとしたが既に背後に回りこまれ、体当たりを喰らい真桜の方へと吹き飛ばされる。

 

「わ?!沙和こっちくんな!」

 

「真桜ちゃんどいてなの〜!」

 

などと言っている間にゴン!と音が辺りに響き渡り、頭を押さえ蹲る二人。

 

「真桜!沙和!」

 

凪が声を掛けるが頭を打ち、蹲っているだけだと分かると恋の方へと構える。

 

だが凪は「(この人に勝てるだろうか?)」という疑問を持ち始めていた。春蘭様でさえ敵わないと言われたほどの実力の持ち主である呂布に、正直見るまでは半信半疑であったが、実際戦ってみて真実だと分か

 

ると愕然とした。そしてはっきりと言って良いほど気後れしている。

 

春蘭や秋蘭、そして各武将達が全力で攻撃をしているが、全く恋には届いておらず凪は弱気になっていた。

 

「凪!諦めるな!」

 

春蘭はそんな凪に喝をいれた。

 

「は、はい!!」

 

返事をした凪は春蘭がまだ諦めていない事を気付き再び構えをとる。

 

素早い動きで明命と凪が牽制し、春蘭が攻撃を仕掛け、その隙に秋蘭と祭が矢で射掛け、何も考えず突っ込んでくる猪々子とそれをなんとかフォローをしようとする斗詩。

 

だが恋の前では全く有効になっておらず皆「(桁違いだ)」と思っていた、と同時に華琳の案を聞いて正解だと思った。

 

多人数でもまともに攻撃が通用していないのに、単身挑んでいたら瞬殺されていたと思う。

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《一刀対愛紗・鈴々・星・翠・蒲公英・雪蓮・思春》

 

一方、一刀は愛紗、鈴々、星、翠、蒲公英、雪蓮、思春を相手にしていた。

 

「でえりゃああああ!!」

 

「うりゃりゃりゃあ!!」

 

「はあああああぁぁ!!」

 

愛紗、鈴々、星の三方から来る攻撃を回避し、一刀は鈴々の蛇矛を掴むと、そのまま自身を中心に回り始め遠心力で鈴々を投げ飛ばした。

 

「にゃ〜〜〜〜〜〜〜?!」

 

「(うし!世界新いった!。)」

 

などと心の中でガッツポーズをした。

 

「鈴々!?」

 

「慌てるな、愛紗。あれくらいでどうなる鈴々ではあるまい。今はこちら集中しろ。」

 

「(ありゃ、もう立ち直っちゃった。星も余計な事を。けど、流石に冷静だよね。)」

 

巧くすれば愛紗の動揺を誘えるかと思ったのだが、星の一言で若干動揺しかけていた気味であった愛紗は気持ちを切り替えられた。

 

鈴々が抜け二人で一刀と対峙する。

 

星が槍で突きを繰り出すも刀を使って全てそれを弾き、愛紗が偃月刀で斬撃を繰り出すもそれを避ける。

 

「桃香様の為にも早くこ奴を倒し、此処を抜けなければ…」

 

「(全く世の中は広いものだ。この様な武芸者がいたとは。)」

 

うわ言の様にブツブツと繰り返し呟く愛紗に対して、星は気丈に振舞っているが内心焦っていた。自分達の攻撃が届かないでいる事に。

 

今日初めて対峙するはずなのに、自分達の攻撃を以前から知っているかのように避け、受ける。その為懐かしいとすら、そんな錯覚さえ覚えてくる。

 

次第に愛紗の攻撃が焦り粗く大振りになり体力も集中力も低下していってしまう。

 

愛紗と一刀の鍔迫り合いの((最中|さなか))、一刀は別の方向から矢が飛来してくることを視界の端に捉えた。だが愛紗はそんなことに気が付かず必死に押し切ろうとしていた。

 

声を掛けようかと一瞬思案したが、それでは間に合わないと判断した一刀は愛紗を突き飛ばした。

 

突き飛ばされた愛紗は胸を触られるような形になり、勘違いした愛紗が顔を上げ文句を言おうとしたが、矢が彼女の近くを通り過ぎ、一刀の顔へと飛んでいったのが見えた。

 

「ぐっ!」

 

一瞬ではあったが呻き声を聞いた途端、愛紗は固まってしまう。

 

愛紗だけではない、星、翠、思春も動きを止めてしまった。そんな様をみて雪蓮と蒲公英は不思議に思ったが、一刀の動きが止まった事を蒲公英は好機と思い、駆け出して行った。

 

その姿を見た翠は「蒲公英!?」と叫んでいたが、既に攻撃を仕掛けようとしている蒲公英の耳には届いてはいなかった。

 

一刀は当たった箇所を押さえていたが、誰かが近づいてくるの分かるとそちらの方へ目だけやると、一人の少女がこちらへ駆け寄り攻撃しようとしているのが見えた。

 

一刀はそれを防ぐ為顔を上げたその時、顔を隠していた覆面が外れ、素顔を露わになった。

 

そして蒲公英の攻撃を難なく弾き返す。

 

『ご主人様(主・北郷(さん)・一刀(さん))!?』

 

それを見た者は皆一様に驚いた。固まってしまった。

 

「あ、あ、ごしゅ…じんさま…なのですか?」

 

愛紗はふらふらと歩み近寄る途中、自らの得物を落とし、転がったそれが足に当たるとそこに目をやる。

 

その刃を見るとつい先ほどまで、これを振るい一刀に向けていた事に気が付いた。

 

「あ、あ、あああぁぁぁ〜〜〜!…」

 

『愛紗!?』

 

愛紗が突然叫びだしたかと思うと、次ぎは倒れたことにまた驚く。

 

抱きとめた一刀は愛紗が、意識を失っただけだと気付くと安堵の表情を浮かべる。

 

外れた覆面で顔の傷を包帯代わりに巻いた所で、今度は空から音がし、そこに目を向けると人らしきものが降って来る事に気が付いた。

 

「ふんぬああぁぁぁぁ!」

 

そこに突如現れたのは、華佗と外套に包まれた劉弁を連れた卑弥呼であった。突然の乱入者にそこにいた者達は固まってしまっていた。

 

「ぬ?儂とした事が着地点を誤ってしまったわい。がはははは!」

 

卑弥呼は降りてきた(?)場所を見渡し、どうやら違う事に気付く。

 

「(丁度良い。)全軍撤退!」

 

一刀の合図で董卓軍は虎牢関へと撤退を開始する。

 

「主、待ってくだされ!」

 

星が撤退しようとする一刀に声を掛ける。

 

「…俺の事は華琳に聞いてくれ。」

 

「華琳殿に?」

 

星にそう言い残すと一刀は虎牢関へと撤退して行った。

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あとがき

 

やっと書けた〜。

 

虎牢関戦もそんな長くならないと思いますがそろそろ決着が付きます。

 

ではまた次回〜

説明
戦いの場を虎牢関に移す。
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コメント
瓜月 さん 一刀より連合の方が大混乱(アロンアルファ)
骸骨 さん 見てますよ?投げ飛ばされた後全速力で戻ってきたと同時に(しまった鈴々の叫びが入って無い…(アロンアルファ)
あれ、実は鈴々は一刀の顔を見てない?(量産型第一次強化式骸骨)
readman さん お楽しみに!(アロンアルファ)
劉邦柾棟 さん 未だしてません。いや、しませんから。(アロンアルファ)
アルヤ さん きっと????が飛び交うでしょうww(アロンアルファ)
転生はりまえ$ さん どうする連合!?ww(アロンアルファ)
IFZ さん 良い展開ですww(アロンアルファ)
次も楽しみです!(readman )
愛紗が精神崩壊をwwwwwwww!?(劉邦柾棟)
ついに蜀の人たちにも会いましたね。桃香たち知らない人たちの反応が楽しみですねwww(アルヤ)
どうなる連合!?(黄昏☆ハリマエ)
おぉ!!良い展開ww(IFZ)
タグ
恋姫無双 真・恋姫無双 北郷一刀 反董卓連合 

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