カーニバル 7話目
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 眼下の草原、心地の良い風、どこまでも続く青空。

これからの大冒険を予感させる。ボクは大きく深呼吸。

後ろから、かける足音、ボクをオリンズが追い抜いて

行く。ぐんぐん遠くへ……

 

 あ、転んだ、ちいさな子供か……

 

 ボクたちはブラッドさんからもらった地図と

「口は悪いが頼りになる」という不思議な剣と共に

オリンズの師のもとへ向かう。

 

 大きな岩山が、そびえ立ち、麓には森。

今日の夕飯なんにしようなんて考えながら入ったら

簡単に迷子になるだろう。

 

「オリンズ、そこを右だよ」

 

 まだまだ元気いっぱいの後をついて行くと地図が示す

とおりの上り坂があった。ここが最後の難所だ。

 

 ゆっくり進んでいくと、肩で息するオリンズが見えた

その先にとても大きな木があり、その上に家がある。

 

 ズズーン!

 

 急に重力が体を襲う。

視線を、ちまっとした少女へ向けると、とても苦しそうだ。

そのまま、上を見ると何かが降ってくる。

 

「あなた全然成長してないロシー」

 

 地上に降り立ったのは、ゴスロリでキメた女性だ。

間を置かず、ツカツカと歩き出し、握り拳に息を吹きかけ

軽そうな、げんこつをオリンズの頭に落とす。

 

 ゴゴゴチーン!

 

 見てくれでは想像できないような、木々で羽を休めていた

鳥たちも、慌てて飛び立つほどの大きな音が辺り一面に

こだました。

 

 頭からはサッカーボール大の、たんこぶがみるみる生えて

きた。顔の上にもう一つ顔があるかのよう……

 

 信じられない。

そのたんこぶを両手で押さえて、足をバタバタとさせて

痛みに耐えている。

ボクはとっさにオリンズの所へ駆け寄った。

 

 ……あれ?いつの間にか苦しめられていた重力が元に戻って

いる。

 

「ひさしぶりに、稽古をするロシー」

 

 やれやれといった顔に一瞬だけ、嬉しそうな色が混じった

ようにボクの眼には映った。

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ファンタジー小説です、続きものです。
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創作 ファンタジー 小説 魔法 オリジナル 長編 

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