仮面ライダー×真・恋姫†無双 呉編 ハロウィン特別編 |
『ハロウィン?』
「ああ」
ここはある外史の呉。
そこは孫権(蓮華)が国主と治めている国でその補佐としている青年、北郷一刀。
この青年は外史の管理者によって仮面ライダーと呼ばれるものに変身できる力を持った現代人であった。
「うん、そろそろそんな時期だったはず」
「その『はろうぃん』ってなんですか?」
亞莎が一刀に尋ねる。
「簡単に言うとちょっとした行事かな。
子供達がお化けとか妖怪とかまあ、この時代で言う妖(あやかし)の類に変装して、大人に『お菓子をくれないといたずらするぞ』って言うんだ。
それで大人はいたずらされたらたまらないとしてお菓子を子供にあげる。そう言うものだよ」
「そうか…、まあいたずらしたらたまらん者もおるからの…」
祭は思わず小蓮の方を見る。
「何よ、祭」
「いや…」
祭は思わず笑った。
「でもそれを街の人達に伝えるの?」
「いや、変なことを言うとなんか混乱があった時、対処に難しいからな。
とりあえずやるとしたら俺達の中だけでしよう」
「そうですね」
「亞莎って前にお菓子と言うか、ゴマ団子一緒に作ったよね?
だからお菓子代わりと言うか、ゴマ団子用意しない?」
「それ、いいですね」
「でもいたずらする子供の役は誰がするんですか〜?」
穏が尋ねた。
「別に無理にいたずらする必要はないだろ。
ちょっとしたパーティー……まあ宴会だな」
「宴会か、久しぶりに堂々と酒が飲めるぞ」
「よく言うぜ、暇があったら酒飲んでるくせによ〜」
「そうですよ、蓮華さんや穏さんにもう少し押さえてくださいと言われているでしょう〜」
そこにキバットとタツロットが祭の言葉にツッコミを入れる。
このキバットは一刀が仮面ライダーキバに変身するために必要なアイテムであると同時に生き物でもある。
タツロットもキバットと同じアイテムと同時に生き物、そして仮面ライダーキバを真の姿であるエンペラーフォームにするための存在でもある。
「なんじゃと〜」
「三人とも落ち着いて……」
「まあ宴なのなら、酒もその時は大目に見るわ。
けれど祭、その日までお酒は控えること。いい?」
「むぅ……、酒を飲みながら、堂々と酒にありつける喜びを味わおうと思ったのに……」
「祭様……」
「空腹は最高の何たらって言うじゃないですか。今回のそれはそうだと思って……。
後、二日待てばいいだけですから……」
「その二日が待てんと言うのじゃ!」
「子供じゃないのに……」
もうどうしようもないと思った一刀。
それから二日が経つ。
「蓮華」
調理場で一刀と亞莎がゴマ団子を作ろうとしている時に蓮華がやって来た。
「一刀、亞莎、私に何か手伝えることはない?」
「手伝えることねぇ……」
「一刀様」
亞莎が小さい声で一刀に耳打ちした。
「何?」
「蓮華様はきっと一刀さんと一緒に何か作りたいと思ってるんですよ」
「俺と……、まあたまには一緒にでもいいか」
亞莎の耳打ちが終わる。
「それじゃあ蓮華、亞莎と一緒になるけどゴマ団子一緒に作ろうか」
「ええ♪」
そして三人でゴマ団子を作り、予想していたよりも早く終わった。
「予定より早く終わりましたね」
「作ったゴマ団子はどうするの?」
「蓋してここに置いておけばいいかな。
あ、それと万一のために食べるなって書置きをしといた方がいいかな」
一刀は作ったゴマ団子を乗せた皿に蓋をし、書置きを残した。
三人が中庭に出てみると、何やら騒がしくなっていた。
「明命、どうしたの?」
「蓮華様、それが小蓮様の姿が見えないのです」
「小蓮の?」
「はい。今日はハロウィンとのことで私と一緒に妖役をしようと決めていたのですが、今日は小蓮様の姿を見ていないのです。
蓮華様、知ってますか?」
「そう言えば、私も小蓮の姿を見てないわ」
「亞莎は?」
「私も見てません」
「祭と穏にも聞いてみて」
「「分かった(分かりました)」」
二人は祭と穏にも聞いてみたが、二人とも見てないと答えた。
それから夜へとなった。
「どこ行ったのかしら……」
「あれ? そう言えば一刀さんは?」
「あ!」
「そう言えば……」
「一刀!」
「わっぱめが、どこに行きおった?」
全員が小蓮と一刀がいないことに気づく。
すると突然玉座の間の部屋の明かりが消える。
「!?」
「な、何?」
「うろたえるな!」
祭が喝を入れる。
「お菓子をくれないと呪っちゃうぞ〜」
そこに白い布をかぶったような妖が現れる。
「ひゃっ!」
「むっ! 妖の類か!」
「えい!」
明命が刀を抜いてその妖を斬るが、その妖はすぐに復活する。
「え!?」
「その程度の攻撃、私には聞かないぞ〜。
早くお菓子を出せーーーーーー!」
妖が皆に襲い掛かろうとするが……。
「変身」
そこにある声が聞こえてくる。
「え?」
そこにいたのは一刀が変身した仮面ライダーキバエンペラーフォームであった。
「一刀!」
「どこに行ってたんですか?」
「これの正体を探ってたのさ、だろ、小蓮……」
「小蓮?」
「な、なんのことかな? 私は妖……」
「もうネタはばれてるってこった!」
キバエンペラーとなった一刀はドッガハンマーを取り出す。
「こいつの能力とかは分かってるよな……」
「うっ!」
「ドッガー、フィーーーーバーーーーー!!」
グリップの先端にタツロットを差し込む。
そして閉じられていた手からトゥルーアイが現れ、隠れていた小蓮を見つけ出す。
「ひいいいい!!」
キバエンペラーはドッガハンマーを引きずりながら小蓮に近づく。
「ちょっと一刀! 本気じゃ、ないよね……」
「………」
キバエンペラーは黙っていた。
そしてキバエンペラーがドッガハンマーを上げると頭上にはでかい拳のエネルギー体が出来ていた。
「一刀ーーーーーーーーー!!」
キバエンペラーはドッガハンマーを振り下ろした!
しかしそのハンマーは小蓮を大きくそれていた。
「……」
小蓮は涙目の状態でハンマーが落ちた場所を見る。
「悪霊退散と……」
キバエンペラーはようやく声を出す。
そして変身を解除する。
「言ってなかったけどな、ハロウィンって元々は妖とかが入ってこないようにするための厄払いみたいなものなんだよな。
今俺がやったのはその厄払いさ。いたずらする子供もの悪戯心と言う妖をね…」
「か、一刀……」
「うん?」
『一刀(さん)(様)のばかーーーーーーーーー!!!!』
全員から責められる一刀。
しかしそんなことがあっても何とか許してもらい、皆で楽しく宴をするのであった。
呉の国は平和である。
例え妖が現れても守ってくれる、仮面ライダーがこの世界にいる限り………
おまけ
作者「ハロウィンには早いけどどうだったかな?」
一刀「結局今回は何がしたかったんだ?」
作者「今回のオチとしてはいたずら小蓮を懲らしめるってことになるのかな」
一刀「ところで過去にお前が書いたものってあるけど…」
作者「ああ、ほかにも蜀編、魏編、ディケイド編、そらのおとしもの編になる。
順番も『呉→蜀→魏→ディケイド→そらおと』の順に投稿するつもりだ。
時系列としては蜀も魏も最終回とかそのあとの話の後、蜀編はつまり少し前に投稿した映画的なネタの後になるな。ディケイドもその後とか戦国乙女の話の後になる」
一刀「初見に優しくないな」
作者「一応初見でも大丈夫なような配慮はしてるし、それでもって人のために過去の連載物を紹介してるんだ。
とまあ、ハロウィンはハロウィン、いつものネタはいつもので投稿ぺースはあまり変える気はない」
一刀「つまり火曜日〜水曜日にはいつものように『そらのおとしもの』ネタが来るんだな」
作者「その通り、ハロウィンネタはどういうペースで投稿かは決めてないが、10月中に全部投稿するつもりだ。それでは!」
説明 | ||
10月31日にあるハロウィンを元に作者が過去に書いてきたシリーズ作品でハロウィンネタをやろうというものです。 今回の物語は過去に書いた『仮面ライダー×真・恋姫†無双 呉編』の後日談(時系列はエピローグ前)となります。 『仮面ライダー×真・恋姫†無双 呉編』の該当(2011年10月9日時点での)集 http://www.tinami.com/search/list?keyword=%E5%91%89%E7%B7%A8&genrekey=1 BLACKが書いたハロウィンネタ 『仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編 ハロウィン特別編』 http://www.tinami.com/view/320395 『仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編 ハロウィン特別編』 http://www.tinami.com/view/323315 『仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双 ハロウィン特別編』 http://www.tinami.com/view/325990 『そらのおとしもの ハロウィン特別編 『克服せよ! その体験(きょうふ)!!』』 http://www.tinami.com/view/327203 |
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コメント | ||
呉編、すごく久しぶり。(アーマイル) | ||
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