訳あり一般人が幻想入り 第4話 |
(なんでこんなことになった…… 俺が何したよ……)
横谷はうつ伏せに突っ伏したまま、頭の中にアレコレと疑問が((駆|か))け((巡|めぐ))った。
(それよりもだ……)
その幾多にも出てくる疑問よりも今、一番声を大にして言いたいことがあった。
「痛ぇぇぇぇぇぇえ!!」
生まれて初めてかもしれないくらいの大声を、体をガバッと起こすと同時に太陽がほぼ昇りきった空に向かい叫んだ。
第4話 紫は(そういう風に)言っている、ここで暮らす宿命(ハメ)になると
ぱんぱんっ
「この天気なら早めに乾きそうだな」
ここは八雲家の屋敷。その屋敷の庭で洗濯物を干している女性がひとりごちていた。
「((藍|らん))さま、洗濯物ここに置きますね」
「ありがとう、((橙|ちぇん))」
屋敷の奥から洗濯物が入ったかごを持ってきた((橙|ちぇん))と呼ばれる少女がよたよたと歩いて、((藍|らん))という女性の隣に置いた。
くぱぁ
「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜」
「なんだ!? 突然スキマが開いた!?」
「なんか、声が聞こえる……」
縁側から見て左の方から突然スキマが開いていた。そこから男性の悲鳴が聞こえていた。藍はその場から動かず、ずっとスキマの方を見ている。橙は((怯|おび))えて藍の後ろに隠れてスキマを見ている。
「ぁぁぁぁぁぁぁああああああっ!」
ドウンッ!
「むごぉっ!?」
どさっ
((刹那|せつな))、謎の男がスキマから落ちてきた。その男は顔面を地面にもろに食らい、勢いよく体がエビ反り状態に。数秒停止した後、徐々に体が戻りうつ伏せに倒れた。
「「「・・・・・・」」」
三人は黙ったままだった。そのうちの藍と橙の二人は突然の出来事に言葉を失った状態であった。少しの沈黙の後、藍は男の方へ歩み寄る。橙も戸惑いながらも、藍の後ろにくっついたまま近づく。
「一体、誰なんだ? しかも全然動かない……」
(こ、怖い……)
藍は男の近くまで顔を近づけ
「お、おい、大丈夫か?」
と呼びかける。その瞬間
「痛ぇぇぇぇぇぇえ!!」
男は突如として体を起こし、空に向かって叫んだ。
「ふわっ!?」
「ひゃあっ!?」
二人は男のつんざくような叫び声に驚いて思わず尻もちをついた。
「痛ってぇ〜、何しやがるんだアイツ、突然スキマに落としやがってぇ〜! あ゛ぁ!? 鼻血も出やがった!」
横谷は手で鼻血が垂れてきた鼻回りを押えつけてながら紫に対し悪態をつける。
「あ、あの……」
「あ?」
右から女性の呼ぶ声が聞こえた。顔を向けると尻もち付いた女性と、その女性にすがり怯えながら横谷を見ている少女がいた。女性の方は袖の長い白のロングスカートに青い前掛けと袖口が。その前掛けと袖口には一風変わった模様が描かれており、全体的に中華風な服装に見える。
尖がりが二つある帽子をかぶり、体の後ろは何本か金色の尻尾が見えていた。
少女の方は小さい緑の帽子にネコ耳が生え、左耳には金のピアスのようなものが。服装は赤のワンピースに中は白のブラウスで、ワンピースのスカートから、先が白い尻尾が二本見え隠れしていた。
「大……丈夫か?」
藍は恐る恐る横谷に気遣いの言葉をかけた。
「あ……だ、大丈夫だ、問題ない」
取り乱してしまったところと、痛がっている様子を見られたことに恥ずかしく思いながら平静を装った。鼻血が出ていて大丈夫とは思えないが。
「あらあら、鼻血が出てるわね。藍のスカートの中身が見えたのかしらね。うふふ」
「ゆ、((紫|ゆかり))さま!」
「!」
縁側からスキマを展開して現れる紫が、鼻血が出ている横谷を見てやや((卑猥|ひわい))な冗談を言う。
「そんなわけねぇだろうが……」
突然スキマの中へ落としたことに悪びれる様子がないことと、その冗談が自分を馬鹿にしていると思い怒りが湧きあがり、その怒りをぶつけようと鼻血を拭い紫の方へ歩み寄る。
「てめぇが突然落としたからこうなったんだろうが、あぁ!? ふざけたことしてんじゃ――」
「おい貴様!」
横谷が紫に殴りかかろうとしたところに両手を広げた藍が割って入った。
「んなっ!?」
「紫さまに手を出したらタダじゃ済まないぞ貴様!」
藍は鋭い眼光で横谷を((睨|にら))みつける。後ろの尻尾がピンと伸びるように広がっているので紫より背が小さいが、とても迫力を感じるものがある。
「うるせぇ、どけよ。つぅかここはどこだよ、お前は誰なんだよ!」
「無礼な! 貴様のような((輩|やから))に名乗る名前など――」
「まあまあ、落ち着きなさい二人とも」
紫がいがみ合っている二人をなだめる。しかし今出ている怒りをすぐに抑えられるほど大人な二人ではなかった。
「紫さま! いったい誰なんですこの人!」
「もとはと言えばお前のせいでなぁ……」
スッ
「黙りなさい」
「「!?」」
がっつくように問い詰める藍と、止められる筋合いはないと言わんばかりに詰め寄る横谷両人に広げた扇子を突き付けて黙らせた。
「まぁ、突然落としてしまったことは謝るわ。でもああするしかなかったのよ」
扇子を下げ、頭は下げることなく優に謝罪の意を述べ、話を続ける。
「ここはどこだと言ったわね。ここは私の屋敷よ」
「屋敷……? なぜここに連れてきたんだ。俺はここに用なんかないぞ」
「貴方になくてもこちらにはあるわ」
「……なんのだ」
「ここに働いてもらうために」
それを聞いた瞬間、横谷と藍は驚いた顔をした。横谷はあの二人の話を聞いてばかりだったので、あの時霊夢との約束を交わしていたことは知らない、ましてや藍はこのことを知る由がない。
「なっ、なぜこの人をここに働かせるのですか!」
「俺も納得いかねぇなぁ、何勝手に約束事決めてんだよ!」
二人は反論する。紫の突然な気まぐれとも企みとも取れる約束事に納得できるわけがなかった。そんな二人を余所に紫はおどけるような感じで答える。
「理由は……藍の言葉使いを直す意味でここに働かせようかなってね。ついでに藍の男性に対する耐性を付けるって意味で♪」
「ふざけないでください!」
藍は言葉使いに関しては自覚をしてはいたが、そのために外来人をここに連れてきたわけではないことはわかっていた。その後の二の句で藍は顔を赤らめながら紫のふざけた言動に激怒する。
「そんなに怒らないでよ、冗談が通じない子ね。本当は……あの子、霊夢が勝手に結界を緩めないようにこっちで引き取ったのよ」
「あぁ? ふざけんなよ、俺をここから帰さねぇ気か!?」
今度は横谷の方から怒声を発する。博麗大結界を緩めることが、外の世界に帰れる唯一の手段だと思っている横谷は、ここから返すつもりはないと言い取れる紫の発言に焦りの色が隠せない。
「そういうことじゃないわ。勝手に結界を緩めたら、あなたもあのとき聞いたでしょうけど迷い込んだ外来人がここにきてしまうの。それに、なんらかの不運な事情が起きて結界が消えてしまったら、私達はここに生きていけないの」
「はぁ? どういうことだよ」
横谷は最後の言葉に疑問に思った。正体がバレるのを恐れているのか、それともこの土地全体が無くなってしまうのか、などと生存出来ない理由を自分なりに考えていた。
そこに、紫が言葉を継げる。
「あなたにはわかるかしら? 存在を否定される恐怖を。幻とされる絶望を」
「あー? お前、何を言って………………!?」
横谷は一瞬何を言っているのか理解しかねたが、突然目が大きく開いた。
『え?あいついたのか?』『アイツいらねぇよw』『別にいなくたっていいしね〜w』『むしろ邪魔だわw』『アハハハハハ・・・・・・』
「……ッ、そんなもん、知ったこっちゃねぇよ。もとより妖怪がそういった感情を持ってるとは思ってねぇし。それ以前に妖怪だったり幽霊だったり、そいつらの存在を信じたところでなんの良い事もない」
「そうね、あなたの世界では目に見えないものは迷信として扱われる存在ですものね」
紫は自嘲と、外の人間をあざ笑うように笑っていたが
「でも、私達妖怪にとってそれは死に関わることなのよ」
突如として、先ほどまでふざけていた人とは思えないほど真剣な顔をして横谷に話しかける。
八雲紫の能力『境界を操る程度の能力』は、世の中に存在する全ての『境界』を掌握し、自身の意図で隔離したり結合させたりするなど自由自在に操ることが出来る能力。横谷の前に現れた際に使われた『スキマ』は、空間と空間の境界に裂け目を作り、紫がいた空間場所と横谷達がいた空間場所が、その間の空間を取っ払い連結させている仕組みだ。
某長編漫画よろしく、ひみつ道具にあるバッグが『スキマ』のような役割で、取り寄せたいモノをバッグの中に手を突っ込み入れて、その取り寄せたいものを取る、といったものだ。ただしそのひみつ道具はモノを取り出す為のものであり、移動の手段には使われなかった。
そんな絵空事のような、考えようによっては恐ろしい能力を持てるのも、幻想郷創生期から存在し創造の際の中心人物でもある、妖怪の賢者の((所以|ゆえん))たる八雲紫の圧倒的な妖怪としての力が成せるものだろう。
しかし忘れてはならない。力の大小強弱など関係なく、彼女も((所詮|しょせん))『妖怪』という『人間には見えざる者』の一員である。
「妖怪や幽霊なら恐怖や畏怖を人間に味わわせる、神なら人間に崇拝される。それらが自分の力を誇示する原動力となり、生きるための糧となる……だけど人口が増加して妖怪の勢力が人間に押されていった。それに拍車をかけるように科学文明が発達して、妖怪などが迷信のものとなっていった」
紫は一息置いて
「そして妖怪たちの力が日に日に弱体化していった。私も例外無くね……。それで私は妖怪たちの力を取り戻すべく、先代の博麗霊夢と一緒に妖怪が集まる山奥に『幻想郷』を創ったの。その時に張った結界が『博麗大結界』よ」
紫の会話がそこで止まる。その時の紫の顔は、あの時の悲惨な光景を思い出してしまったかのように沈痛な面持ちになっていた。
「人間と妖怪が組んで妖怪のための楽園を創ったってわけか……だが、只の結界が外の世界とここの世界を((隔|へだ))てることが出来るのはおかしな話だよなぁ?」
横谷は話を聞いて絵空事と思い、失笑気味に疑問を投げかける。
「只の結界なら、ね。博麗大結界は『常識』と『非常識』を分ける境界なのよ。私の能力で幻想郷を『非常識の内側の世界』として、外の世界の迷信やお((伽噺|とぎばなし))を否定する力を利用して今の幻想郷を保っているってわけ」
「フン、非常識……か……」
横谷は失笑しながら紫の話に納得していた。今まであった人物のほとんどが妖怪であること。人間も魔法を使ったのか箒で空を飛んでいること。外の世界のとは全く異なる妖怪たちの出で立ち。妖怪に能力なるものが使える人物がいること。どのような仕組みか知らないが外の世界との隔絶が出来る結界。
全て外の世界ではありえないことだらけ、つまりは『非常識』である。霊夢が常識を捨てろと言った事もうなずける。
ありえない出来事はただの絵空事、迷信と決める『常識』の力と、そのありえない出来事をいとも簡単にやってのける『非常識』な力。原理や理屈がどうなって外の世界と分け隔てているのかはわからないが、その大きい相反する力があれば非常識で出来ているこの世界と妖怪の賢者の力を以てして出来る事なのだろう。
横谷は頭を下げながらそう考え、自分自身に納得させる。
「……も一つ質問いいか」
「ええ、いいわよ」
横谷はにやけ顔を戻し紫に質問をする。
「……ここに霊夢以外の人間はいるよな」
「ええ、もちろん。彼らがいなければここに居る意味がないしね」
「その人間は……お前ら妖怪の生きる糧のためにいるってことか?」
突如顔を上げ、鋭い眼光で紫を睨みつける。その目から怒りや苛立ちが感じられた。
「端的にいえば、そうなるわね……」
「・・・・・・」
紫は淡々と答えた。優は未だ顔が変わらない。
「安心しなさい。たまに他の妖怪が襲ったりするけれど、食べたり殺したりするのは外来人ぐらいよ。今いる人間を襲ったら幻想郷全体のバランスが悪くなるし、なにより自分の首を絞めることになることになるわ」
「……そうかい」
目線を下に落とし数秒沈黙の後、優は目を閉じ呟いた。横谷の反応を藍は((腑|ふ))に落ちなかった。話の内容から自分に危害が及ぶことは目に見えている。普通に考えたら「そうかい」といった納得に近い言葉を言うのはまずないはず、と疑問に感じたからだ。
「話は((逸|そ))れたけど、納得したかしら? ここに連れてきた理由を」
「ハッ、理由も納得も何も、どう足掻いたってすぐには帰れることは出来ねぇし、ここを逃げたってどうしようも無いし、結局ここで働かざるを得ないんだろ」
「そうでもないわ」
「え?」
横谷は疑念の目で紫を見る。
「これも霊夢から聞いたでしょうけど、私は『境界を操る程度』の能力が使える。その能力で外の世界の人間をここに連れてくることが出来るわ」
「ああ、それは聞いた、後半はアンタの口からな。それで、何が言いたい」
「ニブイわねぇ、私は外の世界の人間をここに連れてくることは容易ってこと。そしてその能力は一方通行で終わるほどチャチなものじゃないわ」
「……つまりその逆も然りってことか?」
「そういうこと」
「なるほど、全体を覆っている博麗大結界を緩くするより、スキマを使えば安全確実に早く出来ると、それなら安心だな……じゃないだろ! だったらなんで帰してくれねぇんだよ!」
横谷は三流ノリツッコミを素で行いながら紫に声を荒げて突っかかる。
「だから言ったでしょ? ここで働いてもらうためによ」
「ふざけんなよ早く帰せよ! それにコイツがいるだろ、俺がここにいる必要ねぇだろうが!!」
横谷は藍の方を指差した。藍はムッとした顔で優を睨む。
「あ〜らぁ、いいのかしら? 働かないと帰させてあげないわよぉ?」
「あってめっ、アイツと同じ手を使いやがって!」
紫の決定打とも言うべき言葉を聞いて横谷はすぐに焦る。アイツとは言わずもがな霊夢である。
「さて、どうするのかしら? といってもあなたに選択肢はないと思うけど」
「………わかったよチクショウ。働きゃいいんだろ、くそっ」
「ふふふ、決まりね」
横谷は苦虫を噛み潰す思いで泣く泣く承諾した。その様子を紫は正に楽しむように笑い見る。そのまま紫は屋敷の方へ戻って行く。
しゅたっ
「ん?」
「げ」
「どうも♪ 清く正しい射命丸です。やはりここでしたか」
突然現れたのは射命丸文だった。優は顔を見るなり((嫌忌|けんき))な顔をした。
「ではでは、先程の続きをしましょうか」
「文ちゃん。ちょっとこっちに」
屋敷へ戻っていた紫が縁側に座りながら、文に対し手招いている。
「え? あ、はい……」
文は戸惑いながら紫の方へ近づく。
(ホッ……よかった)
「おいお前」
ホッと胸をなでおろしていた優に向って藍が声をかける。
「帰るためにここに働くのは紫さまが決めた事だから仕方ない。多少の((粗相|そそう))も目をつむる。だが、もし紫さまに手を出したら命はないと思え」
藍は横谷をここで働くことを一応認めたが、紫には手を掛けるなと脅しをかけた。
「するか、そんな自分の首絞めるようなこと。自分の置かれた立場くらいわかる」
横谷は藍の方を向き、愚を犯さないことを誓う。
「それが賢明だ。なら、さっそく取り掛かってもらう」
「ああ待ってくれ、名前だけでも聞かせてくれ。アンタが紫の付き人か何か、てことはわかるが一応」
「……私は八雲藍だ。紫さまに仕えている式神だ」
「式神、ね……俺は横谷優……その子は?」
横谷は自己紹介を終えると向こうに((佇|たたず))んでいる橙に目をやる。橙は優がこちらを見てビクッと体をこわばせ、すぐに藍の後ろに隠れた。
「あ、あぁこいつは橙だ。私の式神だ」
「式神の……式神?」
式神が式神を扱うことが出来るのは、八雲藍の『式神を操る程度の能力』によって出来ること。本来式神の身の者が自分専用の式神を行使することはできないが、彼女本来の姿は『九尾の狐』なのだ。
九尾の狐は数々の伝説があるほど強力な妖怪であり、八雲紫ほどではないがそれに次ぐ妖力を持っている。その膨大な妖力のお陰で式神である藍自身も自分の式神を持つことが出来る。そしてその式神が藍の隣にいる子供のような、元が化け猫の橙である。
横谷は式神が式神を扱う事が出来るのかと疑問を持ったが、そういう知識は((疎|うと))いのですぐに考えるのを止めた。それを余所に藍は橙にアイツには無暗に近づくなよと釘を刺した。橙は無言で力強く頷いた。
「橙にも手を出したらタダじゃ済まないからな」
藍は目をキッとさせながら優に向って言う。
「……手は出さないって。手ぇ出して死んだら元も子もないからな」
横谷はホールドアップをし、危害は加えないという意思表示をした。
「橙を人質にして脅迫しても無駄だからな」
「……しません。妖怪と人間の力の差は、私めにもよ〜くわかっているおつもりですから」
再度釘を刺す藍に敬語で諭すように、しかし皮肉な感情を込めて手出しはしないと再び誓う。
「……そうか、ならいい。では――」
と藍はいい、横谷に今日一日の仕事とここで住むにあたっての心がけを話す。まずは部屋の掃除、その次に風呂用の薪割りと湯沸かし、その後は藍の補助の役割をする。心がけに至ってはこのことを再三再四、横谷に言い聞かせた。
『紫さまには敬語を使え』と。
「とりあえず今日はこれくらいだ。因みに寝るところは、あまり使われていない客間に一人で寝てもらう。何か聞きたいことは?」
「……えーっと」
「無いなら早速取り掛かってくれ。雑巾と箒なら物置にあるはずだ、それを使って部屋掃除してくれ」
「あ、ああ……ハァ」
藍は近くの物置に指を指しながら言った。言い終わるとそそくさと途中だった洗濯干しを始めた。横谷はため息をこぼしながら物置に向かい雑巾と箒を取り出し、部屋掃除を始めた。
「……じゃ、そういうことで」
「はぁ、わかりました……」
二人も話を終えたのか紫は屋敷に戻っていった。文は((怪訝|けげん))そうな顔をして、来た道――もとい飛んできた道――の方向へ帰って行った。
「紫さま、天狗と何をお話ししたのですか?」
「んふふ、内緒よ♪」
「は、はぁ……」
藍が((訊|たず))ねるも、紫はおどけて人差し指を口元に持って行く。藍は、紫の相変わらず真意の読めない思考に苦り切った顔で返答する。
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◆この作品は東方projectの二次創作です。嫌悪感を抱かれる方は速やかにブラウザの「戻る」などで避難してください。 | ||
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