外史異聞譚〜幕ノ二十七〜
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≪洛陽宮中/賈文和視点≫

 

過度の衝撃というものは、連続して与えられるとむしろ思考を正常化するものらしい

 

不本意ながら、ボクは実体験でそれを学ばされた

 

それは、呆然としていたボク達のところに、ねねが飛び込んできたことにはじまる

 

ねねは恋の家族を引き連れ、真っ青になってやってきた

 

「恋殿ーっ!! た、たたた大変な事になりましたぞーっ!!」

 

「………………ねね、おちつく」

 

さすが恋というべきなのか、彼女だけはいつもと変わらないようにみえる

 

「これが落ち着いていられますかなのです!!

 十常侍のエロ宦官共が殺され、官匪宦官の名前が洛陽中に投げ札をされたことで暴動が発生しておるのですぞ!!」

 

は?

なにそれ?

 

聞こえてはいるんだけど、なんというか言葉が耳に入ってこない

そんなボク達に元々短気なねねはかなりイラッとしたようで、じたんだを踏みながら言い募る

 

「でーすーかーらーっ!

 どこのどいつかは知りませんが、十常侍や主要な官匪宦官を殺したやつらがそれを洛陽中に投げ札し、民衆に雑魚宦官や官匪の名前を公開して、暴動を引き起こしやがったのです!!」

 

ねねは更に言い募る

 

「投げ札には

 『天子を悪用しようと企む官匪共に“天誅”を降すものなり

  民衆を食物にしてきた官匪に“天誅”を降すものなり

  これにかかる制裁に携わるものは“天意の徒”なりや』

 という一文と共に宦官官匪の名前が列挙してありました

 これを見た民衆の一部が官匪の家族を襲ったのをきっかけに、暴動へと発展しておるのです!」

 

その言葉にボクの頭が一気に冷える

 

あの時、あの男の言葉を聞き流していた自分に急激に腹が立ってくる

 

あの男は、いずれ形は違えどこうなることを完全に予測していたということだ

恐らくは月の顔を見た、その瞬間から

ただ、今は熱くなっちゃいけない

ボクだけは絶対に冷めていなくちゃいけないんだ

 

でないと月が、みんなが、これで終わってしまう

 

呆然とするみんな(恋だけは違うかも知れない)に、ボクは自分の頬をピシャリと叩いて気合を入れながら指示を出す

 

「…霞!

 今すぐ部下に招集をかけて宮中の宦官官吏を一掃してちょうだい!

 真弓も自分の部下をまとめて門を封鎖して!

 ねねは真弓と一緒に封鎖の手伝いを!

 月と恋はボクと来てちょうだい、このままボク達は後宮を制圧する!」

 

ボクの言葉に最初に正気を取り戻したのは霞だった

 

「ちょ!

 待ちぃな!!

 一体なにがどうなっとんねん、せめて説明しぃ!!」

 

「そんな暇今はないのよ!!」

 

ボクの叫びにねねが頷く

 

「ここで動きを誤っては、我ら全員、これで終わってしまうのですぞ!

 さあ恋殿、ねねがご一緒できないのは残念ではありますが、今は詠の指示に従って動くべきなのです!!」

 

「………………………(こっくり)」

 

ちょっとその間が気になるわね

ボクは一応頷いてこっちにトコトコと寄ってくる恋に月を任せると、霞と真弓に向き直る

 

「これが誰の仕掛けたものなのかは一目瞭然

 だけど今はこの流れに乗らないと、ボク達も宦官共と一緒に破滅するしかないの

 だからお願い、説明は後でするから今は力を貸して!」

 

ボクの言葉に一瞬瞑目した真弓は、しっかりと頷く

 

「私の考えが及ばぬ事ならば考えぬのが道理というものだ

 私は宮廷を封鎖すればよいのだな?」

 

「お願い

 出ようとするやつ、入ろうとするやつ、全部捕まえて

 女子供でも容赦しなくていいから」

 

「むしろ、そこで容赦されては困るのですぞ!」

 

ねねの台詞にボクはちょっと苦笑する

 

「確かにそうね…

 時間がない、すぐにお願い」

 

「おう!

 なにやらよく判らぬが、とりあえずは詠の指示に従うとしよう

 ねね、いくぞ!」

 

「了解なのです!

 恋殿と一緒でないのは非常に不満なのですが、今は仕方がないのです

 せいぜい扱き使ってやるから覚悟しろなのです!!」

 

「ぬかせ!

 ねねこそ私の邪魔をするなよ!!」

 

「そっちこそなのです!!」

 

軽口を叩き合いながら駆け出していくふたりから視線を外し、ボクは霞に向き直る

 

霞は全く納得していない様子で、青龍刀を肩に担いでボクを見つめていた

 

「さすがにこのままじゃウチは動けん

 せめてひとつでええ、納得いくように説明してもらおか」

 

霞ならそうだろうな…

ボクは霞の言葉に頷くと、簡単に説明をすることにする

 

「誰かが…

 って、多分漢中のあの男なんだけど、あいつが月を犯そうとした何進のエロブタを殺したのをきっかけに、宮中の大掃除をしてくれやがったのよ」

 

理解が及んでいない霞に、ボクは説明を続ける

 

「簡単に言うと、ここでボク達がこれをやったことにして皇帝陛下を手中にしないと、ボク達は漢室乗っ取りを企んだ大悪人にされちゃうってことよ

 実際はどっちでも同じなんだろうけど、ここで皇帝陛下を擁しているかいないかでは雲泥の差があるの

 だから…」

 

僅かに考え込んでいた霞が、腑に落ちたのかコクンと頷く

 

「なるほどなぁ…

 こりゃまたごっつぅあくどい話やなぁ…

 あの兄ちゃん、次に会ったらボコらな…」

 

ギラリ、と笑みを浮かべる霞にボクも頷く

 

「その為にも今は宮中を一掃してボク達が手中にしなきゃいけないのよ

 汚れ仕事だけど、こういうのは霞にしか頼めない」

 

「ウチかて加減できるかわからへんよ

 なにせ今のウチ、めっちゃムカついとるから」

 

「この際はやりすぎても構わないわ

 そしてボク達は…」

 

「皇帝陛下を後宮で確保する、か…

 なら急がなアカンな」

 

こうなったらトコトン八つ当たりしたるでー!と、叫びながら駆け出していく霞を見送り、ボクは月に視線を向ける

 

「詠ちゃん……」

 

「月、こうなったらとことんまでいくわよ

 今のこの流れは強制されたものだけど、最後まで流されてやる義理はボク達にはないんだから」

 

「…………………急ぐ、時間が惜しい」

 

表情を引き締めて立ち上がる月と、後宮の方角を睨みつけている恋に、ボクは声をかける

 

「ここまでやってくれたあの男をボッコボコにするためにも、今はボク達も動くわよ!」

 

そして一斉に頷いて、奥に向かって走り始める

 

 

恐らく逃げる事も適わずに後宮に押し込められているであろう、劉弁陛下と劉協様の事を考えつつ、ボクは呟く

 

 

「こうなったらアンタの策にとことん乗ってあげる

 でも月やみんなはボクが絶対に守ってみせる……

 いつまでも便利に使いまわせると思わないでよ、北郷一刀………」

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≪漢中鎮守府/司馬仲達視点≫

 

私がいつものように激務に忙殺されていると、元直ちゃんと子敬ちゃんがやってきました

 

この二人は割合一緒に仕事をしていることが多いのですが、二人揃って私のところに来るのは非常に珍しい事です

 

どうも普通の報告や業務内容ではないようなので、私は筆を止めて顔をあげます

 

「何かありましたか?」

 

「洛陽と長安から報告がありました」

 

元直ちゃんが端的にそう告げます

なるほど、ふたり揃って来るわけです

 

「どの筋道でそうなりましたか?」

 

それに答えるのは子敬ちゃんです

 

「いや、予想ってなかなか難しいもんですね

 うちの太守が提示して私達が一番可能性が低いだろうと予想していた“アレ”でした

 くきゃきゃきゃきゃ」

 

「できるなら一番起こって欲しくなかった状態です

 我々はさぞ恨まれている事かと」

 

ふたりの言葉に頷きながら、私は我が君が苦笑しながら呟いていた言葉を思い出します

 

「おそらく董仲穎は“仲間の安全”を盾にされたら、最終的には官匪宦官の要求を“自分だけが犠牲になる範疇”なら受け入れようとするだろうね

 それはそれでいいんだけど、それが発覚したときに周囲が暴発するのは困るんだよな

 なのでこっちが悪者になることでそのときは助けてあげよう」

 

などとおっしゃっていました

 

「表向きの事柄を全て相手に被せるのですから、相手にしてみれば悪者どころではないかと思いますが」

 

私は流石に呆れてしまってそう呟いたものです

 

私の呟きに、我が君は嬉しそうににこにこしながら応えます

 

「んー…

 まあ、董仲穎は自分の貞操なんて別にどうでもいいのかも知れないが、多分周囲は違うだろうな

 そして、その状況で我を見失うようじゃ、どの道これから組んではいけない

 だったら、何かにしがみついてでも這い蹲ってでも最善を選択して、機会を見つけて憎い俺の喉笛を食いちぎればいい訳じゃない?」

 

「そのような物騒な事を嬉しそうに言われては困ります」

 

「策なんてものはさ、所詮は人間の感情をどう操作して相手に選択肢がなくなったと勘違いさせるか、ただそれだけのためのものさ

 だから憎まれ蔑まれるのはむしろ当然なんだよ」

 

非常に寛いだ表情で背筋を伸ばしながら呟く我が君には、失礼ながら本当に呆れ返ったものです

 

そんな会話があったことに内心で苦笑しつつ、私は確認をとることにします

 

「予想としては最悪の方向ですが、他にずれはありましたか?」

 

「董仲穎……

 いえ、賈文和と陳公台がまともであるなら、こちらの予定通りになるかと思われます」

 

「こちらで暴動を誘発しておきましたんで、上手く宮廷を閉鎖して内部掌握をした上で、暴徒の罪を敢えて問わないことで官匪宦官を晒し首にすれば洛陽を掌握するのは簡単、てくらいの動きは期待したいところです

 くきゃきゃきゃきゃきゃきゃ!」

 

確かに、その程度は期待をしたいものです

 

「長安の仕込みはどうですか?」

 

この問いには元直ちゃんが答えます

 

「元ちゃん達がかなり念入りに仕込みをしてくれたため、長安に逃げ込んだ宦官連中や有力な官吏は一網打尽にできたようです

 これに関しては協力者の身柄と財産を約束したことが大きいですね」

 

そういった官匪共もいずれは処分しますが、と呟く元直ちゃんに軽く頷きながら、私は質問を続けます

 

「では、東側に逃げ出した連中は?」

 

「それも“予定通り”に放置してあります

 さぞ元気に慌てて諸侯の元に駆け込んでくれることでしょう」

 

私はそれに大きく頷くことで応えます

 

「大物は取り逃していませんね?」

 

「くきゃっ

 さすがはあの反乱の中で三姉妹を保護しきった連中です

 きっちりお仕事はしてくれました」

 

「結構」

 

子敬ちゃんの言葉に私が再び頷いて立ち上がろうすると、皓ちゃんと明ちゃんが入ってきました

 

「ただいまー」

「つかれたー」

『元ちゃん達も頑張ったー褒めてほめてー』

 

私達はそれに笑みを返す事で応えます

 

「とりあえず、袁家に対する仕込みはしたよ」

「流言風評であいつら好みの内容にしといたよ」

「実際に流れるのはだいたい10日後くらいからかな」

「袁家の耳に入るのはそこから5日くらいかな」

『食いつくには十分な内容で仕掛けておいたよ』

 

これに呟いたのは元直ちゃん

 

「さすがですね、仕事が早い」

 

それに親指を立てて応えるおふたりです

 

『でしょでしょー!

 もっと褒めてほめてー』

 

これがたまに鬱陶しく感じる私はまだまだ狭量です

 

ともかく、これでお膳立てはできたということです

 

私は、席を立つとみなさんに告げることとします

 

 

「十全とは言えませんが機会がやってきました

 全員に円卓の間にお越しいただくようお願い致します」

 

 

これがどう転ぶにせよ、我が君だけは私が必ずお守り致します

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≪漢中鎮守府/北郷一刀&世界視点≫

 

「さて…

 一生一度の猿芝居のはじまりだ…」

 

俺は周囲を固めてくれている少女達に向かってそう告げると、車椅子を押してもらいながら城門の上に出る

 

俺の眼下には何十万という兵士民衆が集い、合図の銅鑼の音と共にその喧騒がぴたりと止んだ

 

俺は一瞬だけ目を瞑り、左右に並ぶ少女達を一度見回してから、高らかに告げた

 

「この北郷一刀は“天の御使い”としてこの大陸に“天意”を示すため、この漢中に降り立った事を、今ここに宣言する!!」

 

 

 

俺は、この集会に先立ち、円卓に招集された全員に、これからの大方針を告げることとした

 

それは、俺達を“天譴軍”と称し、俺が“天の御使い”であると漢中全域に公表する、という事だ

 

また、これに付随して漢室とは違う役職と組織図を一般に公開することにより、俺達は天意を代行する集団であり、漢中に集う人民は天意と共にある、と喧伝することで諸侯との立場の差を明確にするためだ

 

古例になぞらえ、行政府を七曜に当て嵌め、軍を五行に当てはめる事で“天の御使いの軍”であり“天の御使いが治める地”と万民に印象づけるためである

 

俺としては性質の悪い洗脳というか宗教というか、とにかくやりすぎ感が自分でもあり、考えた名前もなんというか、14歳の頃の熱病がもやもやと蘇ってくるような居た堪れなさがあったため、誰かひとりでも反対したらやめようと思っていた

 

いたのだが…

 

満場一致で可決されてしまいました

 

なんというかこう、嬉しいんだけどこう、もにゅもにゅとした気持ちが、なんかね?

内心で一人悶える俺には誰も気づいてくれるはずもなく

 

易や占で日取りを計ったところ、翌日が一番いいとのことで、急遽演説と相成ったわけであります

 

演説中に天候が悪化すると凶で、最初は天候が悪くても日が出るようなら吉、という事で、実は内心びくびくと怯えている俺がいます

 

だってさあ、いくら21世紀の人間っていったって、天気なんかどうしようもないじゃん!

 

しかも、なんていうか、程よく曇ってるってどういう事だよ

 

これって何?

俺へのイヤガラセ?

 

と、こんな風に俺は考えていた訳だけど、この猿芝居は絶対に成功させなくちゃならない

 

てことで、ここから先は、後で周囲から聞いた事をありのまま伝えようと思う

 

 

 

その男が椅子に座したまま叫ぶと同時に、雲間から一筋の陽光が城門の上に降り注ぐ

 

観衆にはその男が自ら輝き出したように見えた

 

ざわめきが走る

 

陽光を受けて輝くということは、本当に天の御使いなのだろうか

 

男は叫ぶ

 

「諸君!!

 

この漢中に集い、今まで共に集い、働き、歌い、苦楽を共にしてきた英雄諸君!

 

この俺北郷一刀は、今こうして日々を生きる諸君こそが英雄であると断言しよう!!

 

確かに俺は天意を皆に示す為にこの地に降りてきた

 

そして天意により御使いであることを伝えられぬまま、諸君と共に歩んできた

 

そうであるが故に!

 

そうであるからこそ!!

 

俺はここに断じよう

 

この漢中に集い、今俺達が共に積み上げ、そして続けていく“生き様”を体現できる諸君こそが大陸の真の英雄である、と!!

 

そして宣言しよう

 

天の御使いは天意と共にここにあり、諸君らを、漢室を、そして大陸の全てを導いていく光とならんということを!!

 

俺はこうして御使いとしてようやく諸君と共にある事を天に許された

それは、なによりも諸君の尽力と、堅実にして嘘偽りのない、善良にして英邁な日々があったからこそ許されたのである!

 

だから諸君、胸を張れ!

 

今この地で天意を体現し、大陸全ての人々の魁とならん事を心から誇れ!

 

諸君は一人ひとりが英雄なのだ!!

 

この俺、北郷一刀は、君達英雄諸君と共に、これからも歩み続ける事をここに誓う!!」

 

 

誰かが呟く

 

俺達が英雄だって?

 

誰かが呟く

 

俺達も英雄だって…?

 

誰かが呟く

 

俺達は、英雄…

 

 

それら呟きは徐々に観衆に伝播していく

 

確かにこの太守はおかしな法は敷かなかった

奇妙なことばかり押し付けてきたように思えたが、結果として全部がよい方向にいった

贅沢もしてないし、女子供を差し出すような事もなくなった

租税は一見高いが、ものは安く医者にもかかれ、役人は親切になった

 

そう、数え上げればきりがない

 

だったら…?

 

あれが天の御使いなら、俺達は本当に、天の御使いに“英雄”って言われたのか?

 

俺達みたいな何もできずに日々汗をかいている、そんなやつこそが本当の“英雄”だって…

 

 

それは必然であっただろう

 

その大多数を占めるにも関わらず、結局認められずに来た民衆達

 

それをこの“天の御使い”は、はじめて認め、そして断言したのだ

 

“人民こそが大陸を支える本当の英雄である”と

 

故に、その呟きは歓喜となり、歓喜は絶叫となって観衆達を押し潰す

 

 

それは、民衆の心からの歓喜の迸りであった

 

 

この歓声をひとしきり楽しむかのように見ていた“天の御使い”は、その腕を軽く振るだけで一瞬にしてそれらを鎮めてみせた

 

 

「だが、俺が天意を代行するものといっても、その意を全ての人々にたった一人で伝えることは容易ではない

 

故に、俺が御使いとして降り立ったときより、それを支えてくれた者達に“天の国の位階”を授け、漢室と共に人民を導いていける“同志”を紹介しようと思う

 

彼女らはもう諸君には見知った者もいるであろう

 

そう、この漢中を支え造り上げてきた彼女達に、俺は今ようやく、天の御使いとして報いる事ができる

 

皆、これを認めてもらえるのであれば、拍手で迎え入れて欲しい!!」

 

 

間を置かず、万雷の拍手がそれに応える

 

なぜなら観衆にも理解できていたからだ

 

それら“天の位階”をもらえるのが、これまで漢中を支えてきた、今城門の上に立っている彼女達であると

 

「では、諸君の快諾も得られたことで、これより発表する

 

我々はこれより『天譴軍』と呼称する

 

我らが天意と共にある、と天下に示すためだ!

 

そして、これまでと同じよう、諸君の生活を支えていくものの名は『星辰七曜』という

 

つまり、天に座す星々のように、常に諸君を見守っていくものだ

 

もうひとつが『陰陽五神』

 

悪しき存在、諸君の生活を脅かす“外敵”から皆を護るものである

 

 

星辰七曜・日曜の長は向巨達、汝は日が万民を照らすがごとく、全ての管理と調整に務めよ

星辰七曜・月曜の長は田元皓と沮元明、汝らは外に対する皆の代弁者である

星辰七曜・火曜の長は司馬仲達、火の威を体現し、陰陽五神の束ねとなれ

星辰七曜・水曜の長には魯子敬を、財を統制し貨を束ねよ

星辰七曜・木曜の長は羅令則、汝は悪法悪衆を討ち滅ぼす雷であれ

星辰七曜・金曜の長には張公祺、その意をもって万民の慈母となれ

星辰七曜・土曜の長は任伯達を、その権能を富国富民に捧げよ

 

陰陽五神・青龍の将は羅令則が兼ねよ、法と律の矯めを期待する

陰陽五神・朱雀の将には高忠英、汝には工部を兼ねて軍に治にその技術を活かせ

陰陽五神・白虎の将は張儁乂を、その鋭鋒をもって全ての敵を撃ち貫け

陰陽五神・玄武の将は文仲業、その意思をもって我らを護りぬいてほしい

陰陽五神・黄龍の将には?令明を任じ、皆の最強の矛であり最後の盾であるように

 

筆頭軍師は徐元直、皆の軍師として補佐と情報の統括を期待するものである」

 

彼女らの名を呼ぶ度に歓声があがる

彼女らはそれぞれ礼をしたりして歓声に応えていた

 

それが一段落して、再び天の御使いの声が響きわたる

 

「諸君、再び俺は諸君に希う

 

我ら天譴軍と、天意と共に来てくれるだろうか!!

 

真の英雄たる諸君の力を貸してくれるだろうか!!

 

もしそうであるならば、高らかに叫んでくれ!

 

俺達は今、此処に在るのだと!!」

 

 

万雷のような歓声と共に、徐々に雲が晴れていく

 

観衆に燦々と降り注ぐ陽光は、まさに彼らの未来を象徴するかのようであった

 

そして、彼らと自らを誇り讃えるその歓声は、いつまでも止む事はなかった

 

 

天譴軍と後の外史に記されるそれは、こうして乱世にその姿を現したのだ

説明
拙作の作風が知りたい方は
『http://www.tinami.com/view/315935』
より視読をお願い致します

また、作品説明にはご注意いただくようお願い致します

当作品は“敢えていうなら”一刀ルートです

本作品は「恋姫†無双」「真・恋姫†無双」「真・恋姫無双〜萌将伝」
の二次創作物となります

これらの事柄に注意した上でご視読をお願い致します


その上でお楽しみいただけるようであれば、作者にとっては他に望む事もない幸福です

コラボ作家「那月ゆう」樣のプロフィール
『http://www.tinami.com/creator/profile/34603』
機会がありましたら是非ご覧になってください
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コメント
W元ちゃん’Sいくらでも褒めるよ!なでなでするよ! しかし御遣い教爆誕の瞬間は何度見ても気持ちがいいものです(通り(ry の七篠権兵衛)
↓ええ、今気付きました。マジ恥ずい、首吊りたい…………。(田吾作)
天譴軍の後押しもあって洛陽の官匪宦官が一掃され、董卓軍が遂に実験を握ってしまいましたね。そして反董卓連合が組まれる筋書きも描かれた、と。相変わらず黒いですねぇ一刀君達は。ああそれと一刀君、どこかの誰かが言っていた言葉を君に送ろう。「英雄なんてのは進んで厨二病をこじらせる輩どもだ」というのをw(田吾作)
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