真・恋姫?無双 帰って来た者 二十一話
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戦況はあまり芳しく無かった。

魏の兵数三十万に対し五胡の兵数百万。

その差は将の質や士気の差でも敵わなかった。

結果的に華琳もに出ることになってしまった。

 

「はぁ……はぁ……きりがないわね」

 

蜀や呉に増援を頼みはしたが蜀や呉にも五十万の五胡の襲撃があった為そんな余裕は無い。

敵は何が何でも魏を滅ぼしたいのだ。

そんな時更に最悪な報告が兵から報告される。

 

「曹操様!戦場に巨大な大男が百人程現れこちらの味方が次々に倒されています!」

 

「何ですって!?」

 

良く見ると戦場のそこらじゅうに大男が味方の兵士を殴り飛ばしている。

十人掛りで戦っても倒せていない。

春蘭レベルの将でようやく倒せている。

それが何人も来ているのだから相当味方は押されている。

春蘭達が全力で倒しているがそれでも味方の兵士の損害は計り知れない。

そして春蘭が大男の人数を二十人にまで減らす。

すると

 

「春蘭達が……押されてる?」

 

そう、先程まで春蘭達で倒せた大男達がいきなり強くなって春蘭達では倒せなくなってしまった。

最早恋でようやくというレベルだ。

そして大男の内の一人が華琳の方に近づいてくる。

それをさせまいと兵士は何とか止めようと壁になるが時間稼ぎにすらならない。

 

「曹操様!お逃げください!」

 

兵士はそう叫んだが華琳は逃げる素振りすら見せない。

それどころか手に持っている絶を構える。

 

「曹操様!?」

 

兵士は驚いた顔をする。

恋でようやく勝てる相手、そんな相手に華琳が勝てる筈が無い。

 

「私がここで逃げる訳にはいかない」

 

そう言って鎌で大男に斬りかかるが大男は巨体を物ともせずそれを簡単にかわす。

そして大男は巨大な拳を振うが華琳はそれをかわし手首から先を斬り落そうと絶を振うがそれもかわす。

一瞬だけ隙が出来た華琳の身体に大男の拳が振われる。

華琳は何とか絶で衝撃を和らげたが絶が吹き飛んでしまった。

 

「っ!」

 

そして、大男はその拳を振りかぶる。

その拳が華琳に当たれば華琳は命を取られてしまうだろう。

 

「(一刀……)」

 

華琳が一刀のことを思い出す。

あの優しい笑みを……

あの優しさを……

全ての思いでを思い出して華琳は大男の拳を最後まで見つめる。

一刀の事を思いながら……

その時一筋の風邪が吹いた様な気がして愛おしい声が聞こえた……

 

「華琳、頑張ったな……」

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その愛おしい声を発した少年は大男の拳を受け止めていた。

少年は大男の腕を振って投げ飛ばす。

 

「一刀……」

 

華琳の呟きに一刀は華琳の方を向いて微笑む。

その後大男の方を向く。

そして、こう言った。

 

「お前等は俺を怒らせた」

 

一刀は気で刀を創り出す。

そして、ゆっくりと男に近づく。

男は拳を振うが一刀は簡単にかわした。

そして、大男の手首を斬り落とした。

 

「さようなら」

 

一刀はそう言って大男の首を刎ねた。

首を刎ねた後一刀は華琳に駆け寄る。

 

「華琳!大丈夫か?」

 

「ええ、それよりあなた今までどこに……」

 

「詳しい話しは後で。

今はこいつ等を片づけるから」

 

「そう……頑張りなさい」

 

「ああ」

 

一刀はそう短く返答して走った。

その顔は優しい笑顔だった。

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「ふっ!」

 

その倒れた男で大男は全滅した。

だが……

 

「あれ?」

 

大男の肉が集まり先程の大男よりもさらに巨大な大男になった。

その姿はまさに巨人。

 

「まじ?」

 

一刀の表情には余裕は無い。

 

「きついなぁ……」

 

巨人が拳を振うと一刀は顔を引き締める。

すると巨人の腕に穴が開く。

丁度矢の大きさの穴が。

一刀がそれに驚いていると後から声がした。

 

「何だ。

手を焼いているのか?」

 

「今のはかわす気だったんだよ。

こく……や?」

 

そこには黒矢が居た。

正確にその姿を描写するならば確かに黒いマントは羽織っているが……

フードで顔を隠していないのだ。

 

「何だ私が黒矢以外の誰に見える?」

 

「及川」

 

それを聞いて及川は動揺の表情を浮かべる。

 

「な、何!?な、何でや!?何で分かったんや!?」

 

「フード」

 

「フード?」

 

及川はそう言われてフードを確認する。

そして……

 

「うわぁぁぁっ!さいてぇぇぇやぁぁぁっ!

かずぴーかてどうせ『黒矢?どんな厨二の名前だ』とか思っとったんやろうが!」

 

「お前、そんな理由で顔を隠してたのか?」

 

「当たり前や!冷静なキャラなんて厨二な余程奴やないとやらんわ!」

 

「おま、今すぐ全ての外史のクールキャラに謝って来い!」

 

「無理や!どんな無茶ぶりやねん!」

 

そんなバカげたやり取りをしていると巨人が拳を振ろうとする。

一刀は気の刀を消して及川は弓を左腕にしまう。

 

「普通巨人って拳を振う前に大声を上げるもんやないの?」

 

「違うんじゃないのか?いま現に上げ無い巨人が居るんだから」

 

二人はそんなやり取りをしながら右手に気を溜めて気の塊を創る。

そして、及川は矢にして放ち、一刀は拳を振って気を放った。

すると、巨人は倒れた。

 

「なぁ、仲間を連れてくるとか言ってたけどどこに居るんだ?」

 

「あそこや」

 

「あそこ?」

 

及川の指した方を一刀が向くと……

漢女が居た。

 

「お前!連れてくる奴を考えろよ!何であいつ等を連れてきた!」

 

「良いやないか。

最悪掘られるだけや」

 

「それが嫌なんだよ!」

 

そんなやり取りをしていると巨人はまた立ち上がる。

 

「何が嫌なんや。

慣れれば大丈夫や。

気持ち良くなる」

 

「まさか……お前、モテナイからって……」

 

一刀はそう言いながらゆっくりと後に下がる。

すると先程まで一刀が居た所に巨人の拳が振り下ろされた。

 

「違う!違うわ!」

 

「だって体験したようなことを言ったじゃないか」

 

「推測や!ボケや!何でそれが分からんのや!」

 

及川は一気に一刀に近づき胸倉を掴む。

今度は及川の居た所に拳が振り降ろされた。

 

「って、ちょっと待ってくれ。

俺ってお前みたいな奴と互角にしかやり合えなかったのか?」

 

「そうやの」

 

「最悪……」

 

一刀はorz←こんな恰好をした。

及川はしゃがむ。

すると、一刀と及川の上を巨人の拳が通り過ぎた。

二人は立って今度は先程よりも大きい気の塊を創った。

 

「何がやねん?」

 

「お前みたいな尻軽男と互角だったっていう事実が俺の精神に深い傷を与えた」

 

「うわ、かずぴ〜に尻軽言われた!」

 

「あぁ!?」

 

一刀が睨みを利かせると巨人の左腕がしぼんだ。

すると巨人の右腕が膨らむ。

そして、一刀と及川の居る所に降り降ろそうとした。

が……

 

「「さっきから邪魔ばっかすんな(や)!」」

 

一刀と及川の気の攻撃により大男の肉体は粉々になった。

 

「お前、そう言えば蜀と呉はどうなったんだよ?」

 

「安心せい。管輅はんと許子将はんが何とかしてくれてるわ」

 

「そうか……良かった……」

 

一刀は安堵の表情を浮かべた。

それを見ると及川は弓を構える。

 

「かずぴ〜まだ安心するには早いで。

解放軍の面子を追いかえさんと」

 

それを聞いて一刀は刀を創り出し及川は弓を構える。

 

「行くで!かずぴ〜!」

 

「おう!」

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解放軍本陣

 

「ちぃっ!このままじゃ前線が崩壊するか……!」

 

「啓雅、ここは撤退を提案します。

このままでは不味いです」

 

沙紀がそう提案すると啓雅は頷くきこう言った。

 

「ああ、分かってる。

撤退の号令を出せ!」

 

すると、先程まで誰も居なかった所に突然于吉が現れる。

 

「何を言っているんです?

我等の戦力と魏軍の戦力は『黙れ!』!?」

 

「解放軍を率いているのは俺だ。

口出しするな」

 

啓雅の圧力で于吉は何も言えなくなる。

沙紀はゆっくりと外へ出ていく。

于吉とすれ違いざまに『死にたく無かったら啓雅に従いなさい』そう言って。

 

「……失礼します」

 

于吉はそう言ってその場から消えた。

啓雅も撤退の準備を始めた。

 

「一刀、ホントに流石だぜ……」

 

そう呟いた顔は清々しい顔だった。

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戦が終わり魏の本陣

 

「何があったんだ?」

 

一刀が本陣に戻ると華琳が気絶していた。

桂花が一刀に近づきこう答えた。

 

「あんた達が連れて来た筋肉だるまを見た瞬間に倒れたのよ……」

 

それを聞いて一刀は及川を睨む。

だが、及川はそれを気にせず口笛を吹いている。

 

「それよりほ……一刀」

 

いつもと違う呼び方をされて少し驚いたが一刀はすぐに微笑んで聞いた。

 

「どうしたんだ?桂花」

 

一刀がそう聞くと桂花は一刀に抱きつくき優しい声でこう言った。

 

「帰ってきてくれてありがとう……」

 

「こちらこそ……待っててくれてありがとう……」

 

しばらく良い雰囲気を二人共楽しんでいたが……

 

「「「あぁぁぁぁぁぁっ!」」」

 

「「!?」」

 

やはり一刀が一人を愛すると誰かが嫉妬する訳で……

 

「一刀、相変わらずね」

 

「か、華琳?

良かった目が覚めたんだ」

 

「一刀、覚悟は良いかしら?」

 

「あ、いや、あの……」

 

一刀は目で及川と貂蝉達に助けを求めるが……

 

「及川ちゃん、街をちょっと観光しない?」

 

「良いの、何か美味いもんでも食べよか」

 

「それも良いの」

 

そう言いながら三人はその場から消えて行った。

及川は出ていく際に憐みの目で一刀を見ていた。

 

「全軍……」

 

「ちょっと待って!さっき気を使い過ぎたから今だけは!」

 

「突撃!」

 

「「「おぉぉぉぉぉおっ!」」」

 

「ぎゃあぁぁぁぁっ!」

 

その後及川が腰を押さえている一刀を見て『何でかずぴ〜はあんなに良い思いを出来るんやろうか』そう

貂蝉達にもらしていた。

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後書き

 

さて次回予告です。

 

今回の襲撃で解放軍は三国共同の敵となった。

その為、三国は解放軍を倒す為に会議をする為に集まり会議をする。

そして、貂蝉は今回の決戦の勝利条件を話し始める。

その所為でその場が一気に修羅場と化す。

 

何故修羅場と化すかは次回をお楽しみにです。

では、また次回。

説明
こんにちわ〜
今回は一刀と及川とその仲間達が大活躍します。
では、始まり〜
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コメント
修羅場・・・・・とても凄く気になるなあ^^(k.m)
及川かっこよく出てきたのにやっぱりアホだった(VVV計画の被験者)
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真・恋姫?無双 恋姫?無双 恋姫 帰って来た者 

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