真・恋姫無双 黒天編 第9章 「第2回三国会議」 外伝 |
真・恋姫無双 黒天編 裏切りの*** 第9章 外伝
ここは人里離れた所に位置する小さな丘
そこに、景色とは似つかわしくない大きな屋敷が構えられていた。
その屋敷には数多くの部屋があり、一つ一つが高級感を漂わせる造りになっていた。
廊下もきれいに掃除されており、チリ一つ落ちていない。
その廊下を一人の人物が歩いていた。
???少女「まだ起きていないのかしら?」
そして、その少女はある部屋の前で立ち止まる。
コンコン
???少女「入るね」
ノックをした後、少女がその部屋に入ると男が一人ベッドで眠っていた。
??少女「まだ起きていない・・・か」
もう目が覚める頃でしょうと言われて、どれだけの時間がたっただろうか
いや、実際にはそんなに時間はたっていない
しかし、その少女にとってはその時間はまるで永遠に続くのではないかと思うくらいながいものだった。
少女はゆっくりとベッドに近づいていき、男の寝顔を確認する。
そしてベッドの脇に置かれている机に、背負っていた愛用の弓を置き、椅子を一つ持ち上げる。
その椅子をベッドの横にまで持ち運び、少女はそこに座った。
そして、再度その男の寝顔を確認した。
???少女「寝苦しそう・・・」
額には汗が浮かんでおり、髪も汗でしっとりとぬれていた。
少女はポケットから汗を拭く布を取り出すと、軽く男の額を拭いてやった。
???男「うっ・・・ん・・・」
???少女「え!?」
額を拭いていると男の瞼が微かに動いたのが分かった。
少女は慌てて布を引っ込め、驚きのあまりに立ち上がり、様子を伺う。
男の瞼が徐々に開いていき、手で目を擦っている。
そしてその後、徐々にベッドから体を起こしていった。
???男「ここ・・・は?」
男は目を擦りながら、辺りの様子を伺う
そして、男はベッドの横で呆然としている少女と目が合った。
???少女「あっ・・・・・・」
少女は驚きのあまり声を出すことができない。
男も少女の目をジッと見つめながらボーッとしている。
カガミ「目を覚ましましたか?」
すると、扉の方からまた別の声が聞こえてきた。
???少女「カガミ・・・、やっと・・・目を・・・」
カガミの方へ振り返った少女の目はもうすでに潤んでいた
カガミ「そうですか・・・意識は大丈夫ですか?」
扉の前でカガミは男にそう問いかけると、男はゆっくりと首を縦に振る。
???少女「よかった・・・本当に・・・よかったよ・・・」
少女は手で顔を覆いながら、椅子には座らず、そのまま崩れていきながら床にペタンと尻餅をついた。
少女の顔を覆う手の隙間からは涙の雫が見てとれた。
カガミ「ええ、本当に良かったですね」
カガミは少女の横にやって来ると、優しく頭を撫でてやるのだった。
少女が少し落ち着くのを待った後
???少女「体は大丈夫なの?」
少女は心配そうな声でカガミに話しかける。
カガミは男の額に手を当てて、目を瞑っていた。
そして、額から手を離す。
カガミ「ええ、特に問題は見受けられません」
???少女「よかった・・・。なら・・・」
カガミ「積もる話もありましょうが、すいませんが彼と二人きりで話したいことがあります」
???少女「えっ・・・、なんで?私が聞いてちゃダメなのよ」
カガミ「それは話せませんが、出て行ってください」
???少女「それは今じゃないとダメなの?」
カガミ「すいませんが・・・お願いします」
いつもとは違う表情で話すカガミの姿に、少女は首を縦に振らざるをえなかった。
カガミ「お気持ちはお察しします。ですが、今だけ・・・。状況を先に説明しないといけないでしょう?」
???少女「・・・・・・分かったわ。戦いの最終確認とアイツにも報告しとく。終わったら呼んで・・・話したいこと・・・いっぱいあるんだから・・・」
そう言って、少女は机の上に置いていた弓を手に取って、その部屋から出て行った。
少女が出て行ったあと、カガミとベッドに寝ている男だけが残る。
少しの沈黙の後、カガミは今まで少女が座っていた椅子に腰掛ける。
カガミ「あの時のことは覚えていますか?」
???男「・・・・・・・・・ああ」
カガミ「これからやることも覚えていますか?」
???男「・・・・・・・・・なんとなく・・・」
カガミ「手伝ってくれますね?」
???男「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
カガミ「あなたが手伝ってくれないと、すべてが元に戻りません」
???男「・・・・・・・・すべて・・・・元に・・・戻らない・・・」
カガミ「そうです。あの子達も・・・ね」
???男「どうせ・・・オレに・・・選択する余地はないんだろ?」
カガミ「そうですね。あの時点からあなたにはもう選択する権利はありません。ただ、遂行する義務があるだけです」
会話を続けているうちに男の意識も戻ってきたようで、徐々に話し方がスムースになっていく。
???男「オレが手伝えば・・・・・・本当にやってくれるのか?」
カガミ「それは保障します。しかし・・・あなたと約束したことは二つ。もう一つは・・・分かっていますね?」
???男「・・・・・・問題ない」
カガミ「その言葉を聞いて安心しました。では、こちらを受け取ってください」
カガミは左手を掲げると、黒い小さな空間が生じ、その空間に手を入れる。
そして、ゆっくりとその空間から手を引くと何か物を握っているようだった。
そしてすぐにそれが鞘に入っている剣であることが分かった。
カガミはその剣をベッドの上の男に手渡した。
カガミ「名を『縁切(えんぎり)』と言います。もちろん、ただの剣ではありません」
男は恐る恐る鞘を引き抜くと、そこには刀身がついていなかった。
つまり、男に渡されたのは鞘と剣の柄の部分だけということになる。
カガミ「この剣はこの外史を潰すにおいて、重要な役割を果たします。使い方をお教えしますので、とりあえず外へ出ましょうか」
???男「待ってくれ・・・」
立ち上がろうとしたカガミを制止するように、男が声をかける。
カガミ「何ですか?」
???男「オレはた―――」
カガミ「“戦えない”と言うつもりですか?」
男の言葉をカガミは冷静な口調で遮った。
カガミ「あなたはいつもそうですね。人を傷つけたくないといって自分の本当の力を発揮しようとはしない」
???男「守れるだけの力があれば充分だ・・・」
カガミ「今回はそういう訳にはいかないと分かって言っているのですか?さきほどは『問題ない』と言いましたよね?」
???男「・・・・・・・・・」
カガミ「今回ばかりはあなたに本気になってもらいます。そのなまっている体は後でツルギと御三方に叩きなおしてもらう予定ですから、覚悟してくださいね。心配しなくてもポテンシャルは充分にあるのです。それを発揮する術(すべ)を思い出してください」
男は口をつむぎ、そこからは決して何も話さなくなった。
カガミ「はぁ〜〜、先が思いやられます。行きますよ」
男は顔を伏せがちにしながらも、しぶしぶとベットから降りて立ち上がった
カガミ「それと、あなたにまずやってもらわないといけない事は・・・」
カガミ「“北郷一刀を殺してもらうこと”ですからね・・・」
END
あとがき
どうもです。
いかがだったでしょうか?
実は皆さんにお願いしたいことがあります。
この外伝に出てきた???少女ことです。
この少女は第6章でも孫策との戦闘で登場しているのですが、名前が決まっておりません。
自分なりに考えてはみたのですが、いまいち納得できていません。
そこで皆さんの知恵をお借りしたいと考えています。
ぜひ、なにかいい案があればコメント欄、応援メッセージ、ショートメールでお教えしていただきたいのです。
ただし、他のクリエイター様の作品で使用されているキャラクターの名前(真名)はご遠慮ください。(是非、あなたのオリジナルをお教えください)。
なお、キャラクターの性格や、容姿はこちらの方で設定が決まっておりますので、その要望には応えかねますことを了承してください。
キャラクターイメージとしては栗色の髪のセミロングで、基本的には活発、強気な性格の少女で身長は160cmくらい、年齢は20〜22と言ったかんじです。
口癖は「〜〜だと思ってんの?」という相手を見下げたかんじで・・・武器は弓です。
胸の大きさは普通より少し小さめな感じです!!(これめっちゃ大事!!)
恋姫の弓使い=爆乳というイメージがあり、3人もいるんですから一人くらいいいかなぁと思うのですよ。
あと、この少女が使う弓の名前も同時に募集したいです。
これがいいんじゃないか?と思う物があれば気軽にお教えください。
あまり目立った作品でもないため、採用率は比較的高いと思います
よろしくお願いします。
11/2 追記
上記の良い案募集なんですが、応援メッセージにて良い案をいただいたため、締め切らせていただくことにしました。
応援メッセージで無記名だったので、どなたの案なのかは分からないのですが、使わせていただこうと思います。
応援メッセージで送ってくださいました5名(ホントに5名かも分からないのですが)の方、ありがとうございました!!
では次回の予告をさせていただきます。
次回 真・恋姫無双 黒天編 第10章「黒天」前編 決戦
これにて失礼いたします。
説明 | ||
どうもです。第9章外伝になります。 短いですがお楽しみいただければ幸いです。 |
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