真・恋姫†無双 雛里√ 鳳凰一双舞い上がるまで 第三章 9話(下編)
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真・恋姫†無双 雛里√ 鳳凰一双舞い上がるまで 第三章 9話(下編)

人物紹介

一刀(二代目)一人称:僕 雛里への呼び方:雛里ちゃん

・外形:白髪に金色の瞳、肌も日を浴びなかった白い肌。そのせいでちょっと病弱そうにも見える

・服:白いシャツの上に狼の皮で作ったジャケット、ブルージーンズ、狼の皮で作った手袋

・やってること:大陸一周を企んでいる。

・天の御使いという名について:無関心

・武器:木刀→日本刀『鳳雛』

・特徴:雛里ちゃんへの愛情が以前より外に出ている。

    雛里ちゃんからの愛情表現に弱い。(良く頭がショートする)

    反戦主義(先代の死によった繋がり)、人の死に関して非常に感情的。→孫策に対して軽蔑感を持っている

    (先代に比べ)活動的な性格している

    己の存在に常に違和感を感じるも、雛里ちゃんへの愛を持って歩き続けている。しかし、その愛が揺るがされた時……

倉(真名:遙火) 一人称:あたし

・外形:黒髪(ショットカット)日を浴びなくて真っ白な肌。体が細くて旅行用キャリア鞄にも入れる

・服:白いシャツにプルージャケットに同じくプルージーンで作ったホットパンツ。飾りとかはしない。

・やってること:友だち作り、一刀たちと大陸一周

・今までで出来た友達:真理ちゃん、明命ちゃん

・武器:木の棒→『??』

・特徴:管理者の『左慈』と『孟節』の間の娘で、炎を操る力を持っている。

    幼い時になんだかの理由で森の中に捨てられ、裴元紹という前山賊群れのお頭に育てられた。

    雛里ちゃんに名前を付けられる前は名前がなく倉番をされていたので皆そう呼んでいた。後の『倉』という名前の元となる。

    光を浴びない場所を好む。

    裴元紹おじさまを殺した孫策を敵と思っている。

 

 

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一刀SIDE

 

雛里ちゃんたちが作ってきた昼ごはん―時はすっかり夕方になっていたが―を食べながら、三人は街で見たことを僕に話した。

……いや、孫策のことじゃなく、何か物騒なこの街の状況についてだった。

 

「つまり、この街はとても人が住めそうなところじゃないと」

「てわわ、そうは言ってませんけど…」

「相当厳しいかと思われます」

「で、原因は?」

「街の人に聞いてみたところでは、どうやら太守の袁術さんが城に入ってくる品物に、元市価ほどの関税を課しているとか……」

「つまり税金だけでも価格が倍になるってことだな……なんて暴政だ」

 

その金彼岸に持って帰るつもりか?

 

「おかげで物流自体も良くなく、食品の質も落ちています」

「ふむ……まぁ、元ならこっちが手をかける問題ではないよね。官吏が悪政を施しているとかそういうものは…」

「あわわ、でも……」

「雛里ちゃん、人はね、自分で自分を助けてあげようとしないと誰も助けてあげないんだよ。ここの民たちが自分たちの力で立ち上がらないとしたら、それはまだまだいけます、もっと虐めてください、と暴政者に言っているのと同じなんだ」

 

豫州の民たちが可哀想じゃないとかそういう問題じゃない。

自分たちを自ら助けようとしない人たちを助けようと思うほど無意味なことはないってことだ。

それに、今の僕たちは何も大いなる覚悟を持って旅をしているわけでもない。ただただ向かい先に人の命を軽く見る者たちがいたらそれを止める、という感覚だ。

どっちかというと、今の民たちに必要なのは僕たちではない。謂わば『革命家』だろう。

 

「人達の心を動かして、尚且つその後からも彼らを見守ってあげることが出来る人が必要なんだ。そして、僕たちはそんなことは出来ない。白鮫江賊団の時とは規模が違うんだよ」

「一刀さんの言い分が解らないわけではないんですけど……でも、これは明らかに異常な事態です。そして、聞く話だと袁術さんは近年やっと成人式を迎えた傀儡の太守さんで、周りのことは袁家の元老たちが決めているみたいです」

「……それはちょっと聞き捨てられない話だね」

 

つまりお子様を建前にして、後ろで爺たちが自分勝手にやっているというわけか。その中で馬鹿げた税収をしているわけで……

でも、そういう話だと、こっちが入る隙が益々ないんだよね……僕に何か政略上に力が在るわけでもないし。

 

「うん?」

「………」

 

と、いいながら皿に最後に残っていた南瓜の唐揚げを箸で取ろうとしたら、向こう側に倉の箸があった。

 

「……あたしの」

「……半分は譲ろう」

「……全部あたしの」

「あの、二人ともあまり大人気ない喧嘩はやめて欲しいのですけど」

 

雛里ちゃんが仲裁したのだが、

 

「あたし、子供。だからあたしの」

「この南瓜の唐揚げ、かなり気に入ったんだ。全部はやらんぞ」

「てわわ、それ、私が作りました」

「あわわ……」

「「!!」」

 

僕と倉の目が光る。

先に動いたのは倉だった。

自分側の南瓜の端っこを上から突いて、その反動で自分の方に跳んでくるようにしようとした。

 

だが、跳んだ唐揚げを追って僕の箸がその半ばを掴む。

僕だって鬼じゃない。倉に半分ぐらい譲る用意はある。

が、倉は僕の箸を狙って自分の箸を動かした。

倉の攻撃で再び宙に浮かんだ南瓜の唐揚げを掴むために僕と倉の箸が再び競争する。

 

その時、

 

「北郷一刀!ここに居ることは解ってるわよ!さっさと出てきなさい!」

「なっ!」

「!もらった」

 

突然の登場に一瞬乱れた僕を抜いて、倉の箸が南瓜の唐揚げに先に辿り着いた。

 

「……討ち取ったり」

「畜生……!」

 

大人しく席に戻って倉の口に入る唐揚げを見ないようと両手で顔を包んでいた僕は、再び恨み溢れる目でその呼ばれなかった客を睨みついた。

 

「何のようだ、孫策」

 

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孫策SIDE

 

歓迎されるとは思っていなかったわ。

以前の出来事もあったわけだし、思った以上にここを探すのに時間がかかちゃって、その間あっちも何かしら準備をしていただろうと思った。

部屋を開けた途端に刺される、という状況も念に置いて態と大声を立てながら門を開いた。

 

「お茶どうぞ」

「あ、ありがとう……」

「…頂こう」

 

もう一度言いましょう。

歓迎されるとは思っていなかったわ。

 

「………」

「……」

「倉ちゃん、向こうの部屋に行く?」

「……ここに居る」

「そう」

 

お茶を配った大きな帽子をかぶった女の子は、後ろで部屋で窓の向こうを見つめている他の娘に一度部屋に居るか聞いてから、自分は北郷一刀の隣の席に座った。

自然と、私は北郷一刀に、そして冥琳はその娘と対面する形となる。

 

「……先ずは自己紹介からしようか」

 

先に声を出したのは北郷一刀、と思われる男だった。

 

「この子は鳳統、字は士元、水鏡先生の一番弟子で、授かった号は『鳳雛』あっちに居る黒髪のショットカットの娘は倉、同じく水鏡先生の弟子で、お前が殺した裴元紹の娘」

 

両方ともかの水鏡先生の弟子ね……

 

「そして、こっち居る娘は…、お前たちも知っている諸葛子瑜の妹で名前は諸葛均」

「へ?」

「てわわ、よろしくお願いします」

「なっ!いつから…!」

 

彼が紹介してから初めてそこにその娘に居ることに気づいた。

 

「あの、昼時には申し訳ありませんでした」

「へ?」

「まさか…昼市場で雪蓮の上に天幕が落ちたのは、お主の仕業だったのか?」

「てわわ、はい」

 

冥琳の説明で私も納得した。

確かに、あの時もこの子が居たとしたら、そんなことをしても知らなかったでしょうね。どれだけ存在感薄いのよ。

 

「そして、僕だが…聞くか?」

「……ええ、そのためにここに来たのだから」

 

そう、あなたは誰?

本当にあの時の北郷一刀なの?

 

「僕の名は北郷一刀。他には……お前には説明してあげることはない」

「あの時死んだわけじゃなかったの?」

「死んだ、そして蘇った」

「そんな馬鹿な話があるか」

「信じないのは自由だ。僕は別にお前たちに存在を認めてもらわなくても僕だし、お前たちはこれからも北郷一刀という男は孫伯符の手によって殺されたという罪悪感に囚われて生きていたら良い」

「っ!」

 

罪悪感…?私が?

 

「私は確かにあの時あなたが死んだ姿を見たわ。そこのお嬢ちゃんもそれは否定できないはずよ」

「そうですね。あの時、あの場に居た一刀さんは亡くなりました。でも、一刀さんは今ここに居ます。死んだけど、今は生きている。それが大事です」

「雪蓮、もう帰ろう。ここでこれ以上話したところで無駄だ」

「あなたは黙っていなさい、冥琳」

「雪蓮」

 

冥琳はこの話が戯れ話だと思ってるみたいだけど、私はそうは思わない。

今ここに居る男は確かに北郷一刀だった。

理性がそれを認めないとしても、本能がそう告げている。

私が初めて殺したことを後悔した人間が、今ここにこうして生きていた。

でも、それで十分なんじゃないの?私はここで一体なにを求めているのかしら。

 

「すぅー」

 

昼見た時の剣幕はどこにもなく、暢気に自分の前のお茶を呑んでいる鳳士元の姿を見ても、それは明らかだった。

 

「一つ良い?」

「何だ?」

「彼女とはどういう関係?」

「けほっ!けほっ!」

「お前と公瑾と同じ関係」

「けほっ!けほっ!!」

 

両側に座っている二人が飲んでいたお茶がむせたのか咳払いをした。

 

「そう、話は解ったわ」

「あの、一刀さん、あんまり真顔でそんな話言わないで欲しいんですけど」

「雪蓮、お前いつまでくだらない話言っているつもりだ」

「そうね。そろそろ本題だけど、百合が帰ったのはあなたのせいなの?」

 

冥琳に言われたので、そろそろそれっぽい話をしながら腹を探ってみる。

 

「百合さんが連れてくるように仰ったのは水鏡先生からだ。僕からは何も言っていない。後、百合さんに強制したこともない。百合さんは自分の選択で孫策、お前を見捨てたのだ」

「私を見捨てた?」

「そうだ。お前が率いる孫家で仕えるつもりがなかったのだろう。それはただ百合さんだけの話じゃなかったと知っているが?」

「………」

 

確かに、私が母さまの後を継いでから、多くの孫呉の旧臣たちがバラバラになった。

でも、それだけじゃなかった。

残された人たちの中でもまた多くの人たちが下野した。

母さまならともかく、私に仕えるつもりはないという意味で間違い無いだろう。

特に冥琳の親友である百合、そして深月の離脱は私たちにとって相当な衝撃だった。

おかげで冥琳の仕事が多くなって、私も思うがままサボることができなくなっていた。

 

「あなたもそう思ってるの?私は孫家を率いるに相応しくないと」

「部外者が言って無意味な話は別に話したくないな」

 

逃げたわね……

 

「私のやり方に不満があると思うのは確かでしょ?」

「あまり生意気なことほざくな、孫策」

 

一瞬冷えるように空気が寒くなったのに、彼の側の人間たちは微動もなくやってたことやっていた。

 

「お前みたいなやり方だとお前が今僕の前に立っていられると思ってるのか?僕とお前の腕は明らかだし、僕はあの時にお前を殺すつもりがなかった分手加減していた。でも、今回お前と戦ったらマジお前殺す。僕は今他の二人の怒りも背負った上にお前と話してるんだ、だから死にたくなかればその上からの目線で話すのやめろ」

「っ……言ってくれるじゃない」

「少し良いだろうか、北郷殿」

 

その時、冥琳が私と一刀との話を割って入ってきた。

 

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冥琳SIDE

 

雪蓮が北郷一刀と言った男を見た時、私は驚いた。見覚えがあったからだ。この男は確か百合が帰る時にお使いに来ていた男だった。

白い髪、白い肌。北郷一刀という男を見たのが暗い夜中だったとしても、その差は明らかだった。彼は我々が知っている北郷一刀ではなかった。

にも関わらず、

 

『蘇った』

 

などと馬鹿げた話を持ってきて、自分を北郷一刀だと名乗っているこの男の存在を、私はどう見るべきか。

率直に言ってどう見るべきでもなかった。私には何の関係もないことだった。北郷一刀が死んだことは明らかだし、死んだ人間は戻って来ない。

彼が北郷一刀とは別人であることは明らかだった。

 

「仮にあなたがあの時死んだ北郷一刀だとしよう。だが、それなら何故こうして我々と暢気にお茶なんて啜っている。さっさと我々を殺して恨みを晴らせば、それで済む話ではないのか?」

「……恨む?何を勘違いしてる?何の得があって僕がお前たちを恨んで居なければならない」

「…!お主は、我々があの賊たちを襲った事に恨みがあるのではないのか?」

「……お前たちがあの時殺した『火田民』たちが、お前たちを殺したことで戻って来るのだったらお前たちがあの森から生きて戻って来ることもなかっただろう」

「………」

「お前たちがあまりにも綺麗さっぱり燃やしてくれたおかげで、あそこに居た倉の家族たちの中で誰一人生きて帰って来なかった。あそこに居た数百の人が、希望への道を見た途端全部死んでしまった。聞こう。お前たちは一体何がそんなにも正しくあの場で人を殺すことを戸惑わなかったんだ?」

「我々はあそこの村の長老たちにそこに村を襲う山賊たちがあるという報告を聞いて殲滅しに行ったんだ。

「そう、村の長老は裴元紹たちの畑に物欲がついてお前たちにそう告げた。以前は山賊だったのだから嘘を言っているわけでもない、とか思いながらチクっる時も何の罪悪感もなかっただろう。でも、問題はね、それ以前に水鏡先生との約束で、村と裴元紹たちの間に商売が出来るように話がついていたんだ。これが何を意味するのか分かるか、周公瑾?どっちが賊でどっちが被害者なのか。自分たちが正義の味方か、それとも金に目が眩んだ爺たちの手足になってあげたのか」

「だから、我々が悪いというのか?単に騙されていたから?」

「……いや、お前たちが本当に悪いのは、そこのお前の友だちが僕と話している間自分が騙されて、僕が言っていることが正しいと気づいたにも関わらずあの虐殺行為を止めなかったことだ」

「我々は知らなかった。そして、たとえ知っていたとしても、奴らが賊であったことは紛れもない真実だった」

 

我々はこれからも前に進まなければいけない。

雪蓮をいつまでもお前という過去に囚われていさせては、孫呉に未来はないのだ。

悪いけど、ここでお前との縁は切らせてもらう。

 

「………」

「冥琳、あなたね……」

 

雪蓮はため息をつきながらお茶を呑んで、北郷一刀も無言のまま初めてお茶を口にした。

そして、

 

「「ぷうーー!!」」

 

そのまま同時に互いの顔に吹いた。

 

「あわわ!」

「なっ!」

「ちょっ、何よ、これ、あなた、やってくれたわね!」

「ちょっと、雛里ちゃん、何だ、このお茶は!」

 

両方お茶を顔一杯にかけて、大声を出した。

 

「あわわ、一刀さん、大丈夫ですか?」

「ちょっと、一刀、何よ。このお茶は、ふざけてるの?」

「雛里ちゃん、このお茶何淹れたの?何のお茶だ?」

「あわわ、ただ今日街で買った蜂蜜を入れただけです。蜂蜜水です」

「………!」

「…鳳士元、それ、本当でしょうね」

「はい…?」

「どうしたのだ、雪蓮」

 

私もさっき飲んだが、何も毒が入ってるわけでも……

 

「……孫策、この話ちょっと中止、急用が出来た」

「奇遇ね。私もよ」

 

そう言いながら、二人は同時に席から立った。

 

「雛里ちゃん、その蜂蜜買ったのどこ?案内してくれ」

「はい?あわわ、えっと……」

「こっちよ。付いてきなさい」

 

鳳士元が何事がわからず戸惑っていたら、雪蓮が北郷一刀を連れて外に出た。

二人が急いで出て行って、私は静かに鳳士元に聞いた。

 

「……鳳士元、一体あの二人一体何で出ていったんだ?」

「あわわ…私も良く……」

 

そう言いながら、鳳士元は、北郷一刀が呑んでは吹いた蜂蜜水を飲んだ。

 

「……特におかしなものは……あわ?」

「!」

「……真理ちゃん、ちょっと、これ飲んでみて」

「てわわ?」

 

鳳士元がそう言うと、またどこから現れたのか知らないうちに、百合の妹が現れて、少し躊躇ってから同じく北郷が啜ったお茶を口にした。

 

「何か、蜂蜜『以外』に入ってるの分かる?」

「……てわわ、良くわかりません。私は薬草とかはあまり詳しくないですから……でも、そう考えて飲んだらたしかにちょっとおかしいですね」

「何?」

 

他に何か入っている?

 

私ももう一度自分の杯の蜂蜜水を飲んでみる。

既に冷めてきたお茶を飲んだら舌から感じられるのは甘さだけ……。

 

「一体何があるというのだ?」

「てわわ、はっきりコレだとは言えません。でも、北郷さんと孫策さんはそれが何か気づいてそして出て行ったとみて間違いないでしょう」

 

雪蓮……

 

「あ、周瑜さん」

「倉ちゃん、周瑜さんに付いて行って。向かい先は恐らく蜂蜜を買ったあの店だよ」

「……ん」

 

私は雪蓮の後追うために、部屋を出た。

 

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一刀SIDE

 

孫策に案内された市場だったが、時は既に暗く、多くの屋台たちは既に閉ざされていた。

でも、僕たちが狙っていた蜂蜜を売っている屋台を見つけた時、店主は市場で最後に残って店を閉じて帰ろうとしていた。

 

「ちょっと、そこのあんた、待ちなさい!」

「はい?ああ、すまないのさね。今日の商売はもうおしま……」

「首が付いていたいのなら私の質問に答えなさい」

「ひ、ひぃっ!」

 

直ぐに自分の剣を店主に突き出した孫策を、僕は止めようとはしなかった。

彼女の考えといものがあるなら、殺しはしないだろうから。

それに、これぐらいしないとこっちも必要な情報を吐かせない。

 

「この蜂蜜、どこからもらってきているの?」

「そ、それはその……」

「答えろ!」

「ひぃっ!た、助けてくだせー!ウチはただ売ってるだけさねー!」

「はぁ…孫策、脅かすだけじゃいつまでも終わらんぞ」

「うるさいわね。それならあんたが吐き出させ見なさいよ」

「いいだろ。退け」

 

奴の剣を店主の首から退かせて、僕は足に力が入らなくてそのまま座り込んでしまった気弱そうな店主に目をあわせていった。

 

「店主、素直に言おう。あなたが売っているこの蜂蜜の中に、『阿片』が入っていることが判明された」

「あ、阿片!?」

 

阿片、熟してない芥子の実から採取する麻薬で、現代で言うと鎮痛剤に使われるモルフィンを多量含めていて、乱用した場合幻覚などを見たりする重毒性のある薬品だ。

そして、今さっき僕たちが飲んだ蜂蜜水の中に入ってた。そこが重要だ。

 

「う、ウチは何も知らんのさ!」

「そう、分かってる。分かってるよ。だから、この蜂蜜を誰からもらって販売しているのか教えてくれ」

「う、ウチは……!」

「そうしないと、僕たちは君をここの太守に連れていくしかないよ。麻薬を無断で流通したら、どうなるかぐらいは分かってるよね?」

「……!!」

「その反面、僕にそれを教えてくれたら、あなたの命は保証するよ。あなたの上の者の耳に入ったとしても、あなたの髪一本触れられないようにしてあげる。どう?話してくれる?」

「そ、そそ、それは……」

 

怯えながら、店主は何かを言おうとした。

が、

 

「うっ!」

「!おい!」

 

突然、何か光るものが店主の頸に刺さって、店主の口が止まった。

 

「何奴!?」

「針が……毒か?」

 

孫策が周りを見まわったが、暗くて見えない。

くそ!

 

「おい、しっかりしろ!息は出来るか!」

「あぁ……あぁ……!!」

「即効性の猛毒のようね。あなた、誰にこれをもらったの?早く話しなさい」

「……済まん…」

 

守ると言っておいて……言って先から何も出来なかった。

 

「もう、何もしてあげられない……」

「あぁ…………え……え……ん……」

 

 

「……」

 

……死んだ。

 

「ちっ、口止めされたわね。結局何も当てになることは聞いてないし…これじゃ何もできないわ」

「……ごめん」

「謝るのは良いからあの店を探るの手伝いなさい。何か分かるものがあるかもしれないわ」

「お前に謝ってなんていねーよ。鬼女」

「なんですって!」

 

毒殺されて、目を閉じずに即死した店主の両目を僕は自分の手で閉じてやった。

家族は居ただろうか。居たら、なんと話せばいいのだろうか。

様子だと、彼は蜂蜜に阿片が入ってることも知らずに売っていたのだ。

そして最後に言った言葉……『えん』

 

もしそれが『袁』というのなら……

 

「……もう、ここの民たちにだけ任せておいて済む話ではなくなったな。……関わってしまった」

 

僕が余計なことに気づいてしまったせいで人が死んだ。

その責任を取らなければならない。

 

「僕が見つけ出してやろう。見つけだして、あなたを殺した罪、確かに償わせる」

「何一人でぶつぶつ言ってるのよ。まったく、反乱民を討伐しろという話だけでもイライラするのに、余計なことまで関われちゃったじゃない」

「……反乱?」

 

豫州で既に反乱が起ころうとしている?

 

「孫策」

「何よ!」

「お前、暫く僕のこと雇ってくれ」

「はぁ?」

「この蜂蜜に入った阿片と、豫州の反乱、何かしら関係がある」

「何よ、それ。何を根拠にそんなこと言ってるの?」

「根拠?根拠ならある」

 

僕は店主から目を離して屋台を探っていた孫策を見ながら言った。

 

 

 

「僕の勘だ」

 

・・・

 

・・

 

 

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あとがき

 

ハロウィンなんてなかったんやーOTL

 

「まぁ、まぁ、そう凹まなくても……」

 

だって全然考えてなかったのにさぁ、他の人たちが雛里ちゃんの絵とか出してくるんだもん。どうすればいいんだよ。

 

「これは私のアイデアなんだけど、一刀ちゃんと鳳統ちゃんを絡ませるというのは?」

 

一刀ちゃんと……?でも、二人あまり仲良くないというか、見たことも結構少ないし…それ以前に一刀ちゃんは6歳になるまで魏から出ることは禁止されてるよ?

 

「そこをなんとかするのがあなたの仕事でしょう?」

 

うぅぅ……あ、そうだ。

 

「何?」

 

この前言っていた、人類には(ryに一刀ちゃんとあなたを出させると言ったことあるじゃない。

 

「そうだったわね。守るつもりだったんだ」

 

いや、まったくなかったんだけど……こうなったら、ほら、いっそ3つの世界の主人公たち集めてアレンジしてみようかぁと思って……

 

「集めて……?どこに?」

 

場所は楽々にしようかな……あ、でもそうしたらややこしいわ。そうじゃなかったらココでもいいかな。準備はこっちでしておくから。

 

「それにしても一刀(鳳凰)は雛里ちゃんとで、一刀ちゃんは華琳さまと一緒に来るとして、一刀(L)は誰と来るの?というかあの人は来ること自体が物語の成立が危ういよ?」

 

それは大丈夫。でも相手だね……アンケートしようかな。候補はとりあえず華琳さまは除いて

 

流琉

桂花

 

これぐらいかな。

 

「凪はまだ会ったばかりでしょう?」

 

未来から連れてくるから大丈夫。一刀(鳳凰)たちはとりあえず蓮華の屋敷に居る時に連れてこようと思う。

 

「そうね……で、私も出るのよね?」

 

出る、出る。でも一刀ちゃんバージョンでね?そうしないとまとまらないから。だから遙火は出ないよ?

 

「そっか……仕方ないね」

 

というわけで、突然あとがきを書きながら思い浮かんだ

 

『三外史メインキャラ集合ハロウィーンPARTY』

 

です。

 

投稿はもちろん10・31ハロウィーン。

 

皆さんに決めてもらうことは一つ。

人類には(ryの一刀と一緒に来る相方を選んでください。

 

1.流琉 2.桂花 3.凪 

 

コレ見る人が一番少ないのにここでアンケートしてどうするかですって?

……だからって今から人類(ryや楽々を書いて完成させろって言われても……

まぁ、なんとかなるでしょう。

もしここでのアンケートが参加度が低かったら、明日で人類(ryを書いてそこでアンケートすることにしましょう。

 

では

 

ノシノシ

 

「結以、会うの久しぶりだなー(dkdk)」

 

 

 

 

 

説明
真・恋姫無双の雛里√です。
雛里ちゃんが嫌いな方及び韓国人のダサい文章を見ることが我慢ならないという方は戻るを押してください。
それでも我慢して読んで頂けるなら嬉しいです。
コメントは外史の作り手たちの心の安らぎ場です。

今ここじゃなかったらハロウィン特別編を作っていたものを……くぅっ!(本編に南瓜が出ているのはほんの偶然です。これを書く当時はまったく考えてませんでした)
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コメント
2だね(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
通り(ry の名無しさん>>立たない立たない。もう夢から覚めましょうね?(TAPEt)
【カオナシ】関平さん>>入ってるのはまだ自覚がないぐらいに微量です。実際幻覚とかも見てませんしね。(TAPEt)
劉邦柾棟さん>>どんだけ桂花虐めたいんですかww。どうやら向こうでアンケートした方が良さげです(TAPEt)
アルヤさん>>アニメでは割りと普通にあるでしょ?(いや、互いの口に吹くってのは多分ない(TAPEt)
山県阿波守景勝さん>>自分のせいですね。すいません(TAPEt)
akiecoさん>>いいネタになります(TAPEt)
これで雛里んの大喬化&バインバインフラグがたった!・・・立ったよね?(通り(ry の七篠権兵衛)
2で(劉邦柾棟)
口に含んだ茶を同時にお互いに吹くって端から見たらすっげぇシュールwwwwwwアンケは1で(アルヤ)
1です。しかし今回の厄介事は大きいですね。孫策とも手を組むことになったし……しかし妹と違って姉や軍師がどうしても駄目に見えるなあ……(山県阿波守景勝)
1……人類の一刀が雛里にあったらどうなるんだろ…(akieco)
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