激走戦隊カーレンジャー 信号野郎の一時停車
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「本日も、誰も通らない!チーキュの平和を守った後のコバーンベースの設置は気持ちがいい!」

本当に気持ちがよさそうに声を上げるのはシグナルマン・ポリス・コバーン。

妻のシグエ、数年前に晴れて警察官となった息子のシグタロウとともにポリス星で平和な暮らしを満喫していたシグナルマンだったが宇宙帝国ザンギャックが地球に攻め入ったと聞いて、すぐさま地球に駆けつけたのだった。

「しかしあの戦いの後、すべての戦隊の力はレンジャーキーとなって宇宙に散ったと聞く。その中には本官とともに戦った戦う交通安全 激走戦隊カーレンジャーのものも入っていることはペガサスの元カーレンジャーのチーキュの一般市民からも聞いた。なのになぜだ!」

シグナルマンは両手を強く握る。体中を震わせて叫ぶ。

「なぜ本官のレンジャーキーは存在しないのだ!これではまるで本官の活躍がなかったことにされたようなものではないか!本官の許可なく本官を仲間はずれにしてはイカン!」

シグナルマン・ポリス・コバーン、生身での戦闘力が人一倍なら自己顕示欲は人十倍である。

「このりりしい顔つき!鍛えぬいたたくましい身体!そして本官の活躍!どれをとっても本官のレンジャーキーがあるべきではないか!……はあ。」

そこまで言って力なくうなだれた。

躁鬱の激しさも人一倍であるシグナルマン・ポリス・コバーンは手のひらを解くと同時に、地面に何かが落ちた音を聞いた。

ふと、そちらに目をやると、自分を縮小したような人形が見えた。

「これは……まさか……」

拾い上げてよく見ると、腰の部分で折れ曲がるようになっている。

折り曲げて見ると、その部分から鍵らしき形が見える。

「本官のレンジャーキーだ!」

ゴーオンウイングスやゴールドアンカーキー、アバレピンクなどの例からもわかるように、レンジャーキーは想像によっても作ることができるものである。すなわち、シグナルマンの憤りに回想が加わってシグナルマン自身のレンジャーキーができたのだ。

こうしてシグナルマンは突然踊りだした。

「お母さん、あのポリス星から来たおまわりさん、何で踊ってるの?」

「見ちゃダメ!子供のころから詰め込み教育をされすぎたお気の毒な人なの。」

通りすがった子供の質問に、母親はそう答えると子供の腕をつかんで早足で去っていく。

シグナルマンのその日の勤務日誌にはこう書かれていた。

「本日も、コバーンベースの前を誰も通らなかった。」

 

その後銀河連邦警察に戻る際に、他のレンジャーキーと同じように自身のレンジャーキーも宇宙に漂わせるのだった。

それがバスコ・タ・ジョロキアの手に渡るのは、また別のお話……。

説明
ゴーカイジャーVSギャバンのキャプション画像でギャバンの姿をはじめて見たところ、「シグナルマンのデザインってギャバンを意識しているんだろうなあ」と思い、「ギャバンに混じってシグナルマンが出てきたりしないだろうな」という妄想から書いたもの。ゴーカイジャーは設定とバスコの名前だけを一部使用。
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