真・恋姫†無双 外伝:幼なじみは耳年増 〜今日はなんの日?〜
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幼なじみは耳年増 〜今日はなんの日?〜

 

 

pppppp……―――。

「うぅ……」

 

毎朝耳にする電子音が鳴り響いている。もぞもぞと身体の向きを変え、その音源へと腕を伸ばした。

 

「……………朝、か」

 

時計を見れば、短針は時計盤の5を指している。窓へと顔を向ければ、まだ陽も射していない。これは別に、今朝だけ早起きをしたという訳ではない。毎朝の恒例行事だ。

いつものように布団から抜け出して軽く伸びをすると、いつものように着替える為に立ち上がろうとして――――――

 

「………はぁ」

 

――――――そしていつものように溜息を吐いた。

 

 

 

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秋も深まり、朝晩は寒い。すでに毛布だけでは追いつかず、かけ布団を加えても朝は起きるのが億劫になり始める季節だ。その筈なのに、やけに暖かいと思ったら抱き枕がいた。

 

「………雛里、離しなさい」

「おにぃ、ちゃん………」

 

舌足らずな寝言で返してくるのは、お隣さんの小学生。どうもまた、怖い夢を見て潜り込んできたらしい。

 

「ほら、俺が起きれないだろ。離してくれ」

「ん…やぁ……」

「にゃろう」

 

普段はおとなしくて聞き分けがいいのに、寝ている間はわがままになるのも特徴だ。がっちりと寝間着がわりの俺のジャージを掴んで離そうとはしない。力ずくでやってしまいたいが、そうすると起きてしまう。

 

「………あれ?」

 

考えてみれば、俺がそっと抜け出せば、毎度の如く、起きた時に俺を探して泣き出す始末だ。だったら、さっさと起こした方がいいんじゃないか?

 

「………おら」

「あぅっ」

 

数年ごしの悩みを解消できる場に到達した俺は、遠慮なくその小さな額を指で弾いた。

 

「あわわっ、敵襲!?」

「どんな夢見てんだ」

 

がばと跳ね起きた雛里は、寝ぼけ眼でキョロキョロと周囲を見渡し――――――

 

「………ちゃんと見張りは立てておいてね、孔明ちゃん」

「いねぇよ!?」

 

――――――そしてまた夢の世界へと旅立った。

 

 

 

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いつも通りの学校を終えて家に戻れば、見慣れた靴と見慣れない靴が玄関に並べて置いてあった。

 

「雛里と…誰だ?」

 

疑問を残しつつも居間へと向かえば、見慣れた2つの小さな影が、婆ちゃんと向き合って俺に背を向けていた。

 

「なんだ、朱里も来てるのか。珍しいな」

「はわわっ!?………あ、一刀さんでしたか。お邪魔してます」

 

「お邪魔してます、お兄さん」

 

来客は雛里とその友人だった。見れば、婆ちゃんを含めた3人の手の中には、針と糸と、そして布がある。朱里の手には、いつも被ってるようなベレー帽、雛里の手には………魔女がかぶるような帽子が中途半端な形で抱えられていた。

 

「なんだ、家庭科の宿題でもあるのか。まぁ、婆ちゃんなら上手だし、丁寧に教えてくれるだろうさ」

 

適当にあたりをつける。

 

「甘いな、一刀よ。3人は儂のチャンチャンコを作ってくれているのだ。これから寒くなるからな」

「背後に立つな、このロリコンジジイ」

 

回し蹴りを放つが、ゴキブリのような動きで避けられてしまった。クソ。爺ちゃんはそのまま道場へと続く扉を出て行った。稽古の時間、って事か。

 

「ま、怪我だけはしないようにな」

「「はーい」」

 

2人の元気良い返事を聞きながら、俺も道着をとりに部屋へと戻るのだった。

 

 

 

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珍しく観客のいない稽古を終えて居間へと向かえば、そこにはもう雛里たちの姿はなかった。

 

「2人はちゃんと出来てた?」

 

台所から料理を運んでくる婆ちゃんに尋ねる。

 

「えぇ、もちろんよ。楽しみにしてなさいね」

「?」

 

婆ちゃんの返答に、俺は首を傾げる。俺のそんな様子に笑いながら、婆ちゃんは台所へと戻っていくのだった。

 

 

 

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夕食と風呂を終えて部屋でまったりと過ごす。明日出さなければならない宿題もないし、今日は気分が楽だ。

 

「………まだ早いけど、寝るか」

 

読んでいた本も終わりを迎え、俺はひとつ伸びをする。時計を見れば、短針はまだ10を指すか指さないかの位置にあった。

特にする事もない。俺は押し入れから布団を出して、寝る仕度を始めた。と、その時。

 

「おにぃちゃぁん………」

 

窓の外から、女の子の声が聞こえてきた。この場所からこんな時間に声をかけるのは、1人しかいない。実際に窓の方を向けば、夕方雛里が持っていた魔女帽子がぴょこぴょこと揺れていた。そこで、窓の横の壁にかけてあったカレンダーが目に入る。

 

「10月31日………そういう事か」

 

今日はハロウィンだ。日本でやるのも如何なものかと思うが、まぁ、イベント好きな日本人だ。特に本来の意味もわかっていないのだろう。

そして雛里もまた、その流行りに応じたのだろうな。

 

「なんだかんだ言っても、女の子って事か」

 

誰ともなしに呟きながら俺は立ち上がり、窓を開いた。

 

 

 

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「どうした、雛里?」

 

窓を開けて、呼びなれた名前を口にする。俺の声に反応して、魔女帽子がぴこっと跳ねた。その下からは鮮やかな金髪が覗き――――――金髪?

 

「Trick or Treat!雛里ちゃんだと思った?残念!朱里ちゃんでした!」

 

帽子の下から、幼なじみの友人が顔を出した。

 

 

 

 

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「………………………………#」

「ねぇねぇ、愛する幼なじみだと思って窓を開けたら別人だったんですよ。どんな気持ち?どんな気もはわっわわわわあわわわっ!?」

「黙れロリータっ!小学生の癖になんて憎たらしい顔してやがんだ!!」

「はわわわわ!?いはいれふ、一刀しゃん!?」

 

俺は問答無用でその小娘の顔を掴みあげた。手足をバタバタとさせるが、俺は容赦しない。今だけはドSなのだ。

 

「あわわっ、朱里ちゃぁん!?お、お兄ちゃん、離してあげてぇ!」

 

今度こそ聞き慣れた声が俺の耳を打った。振り向けば、夕方朱里が作っていたベレー帽をかぶった幼なじみの姿。その手にはドデカいかぼちゃが抱えられている。

 

「あわわ…かぼちゃ食べて、元気出してくだしゃい………」

 

 

 

 

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「………………………………#」

「あわわわわわっ!!?」

 

俺は空いている手で、幼なじみの頭を掴みあげる。

 

「てめぇら、そんなに人をおちょくるのが楽しいのか!あ?ハロウィン用のかぼちゃがクソ不味いって知ってて言ってんだろ、コラ?」

「あわわ………」

「はわわ………」

 

俺の説教は、何事かと婆ちゃんが部屋にやってくるまで続くのだった。

 

 

 

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おまけ

 

 

屋根の上でひと騒動があった後、俺は雛里と共に、朱里を送りに歩いていた。

 

「はわわ…顔が痛いですぅ………」

「私もだよぉ…」

 

雛里は俺の左隣で両頬を押さえて揉んでいる。

 

「あと首が重たいです…」

「人をおちょくった罰だ。家に着くまでそのままでいろ」

「そんなぁ…」

 

右隣の朱里の頭には、雛里が抱えていたかぼちゃヘッドが被せられていた。小さい身体に馬鹿でかいかぼちゃは、正直怖い。

 

「………ったく、かわいいイタズラなんかしやがって」

「えっ、可愛いですか?」

「その頭で照れるな。こえぇよ」

「はわ…」

 

そんな夜の帰り道。

 

 

 

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あとがき

 

 

というわけで、ハロウィンネタでした。

いつも許可をくださるAC711様に感謝!

 

内容は関係ないけど設定をそのまま使ったので、あんなタイトルに。

まぁ、楽しんで頂けたのならロリコンです。

 

ではまた次回。

 

 

バイバイ。

 

 

 

 

説明
毎度の如くAC711様からご許可を頂いたので早速投稿だぜ。
あの小憎たらしい顔ときたらwww
どぞ。
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10612 7648 87
コメント
前世から電波受信してんのか雛里wwww(Alice.Magic)
>>NSZ THR様 小学生だからわからないのです(一郎太)
>>砥石様 誰の事だかw(一郎太)
>>萌香様 どんな顔ですかw(一郎太)
まぁあれだ フルーツカッティングのために作られたフルーツがうまいのかとかそう言ったことか あとね朱里ちゃん、雛里ちゃん。こんな時間に男の人の部屋に行くことを世間一般では夜這いて言うんだよ。知ってた?(NSZ THR)
「ロリはいいですね。次回はツンデレ眼鏡っ娘が見たいです」←―「もしもし警察ですか?」(砥石)
朱里の顔に一瞬、「イラッ☆」ってしたのは認めよう・・・だって・・・むっちゃ( ・´ー・`) 顔やったやん・・・(萌香)
>>mokiti1976-2010様 ↑という夢を見た!(一郎太)
>>こるど犬 俺もだぜ!(一郎太)
まあ、一刀さん両手に花っつうことで。しかし本当に光源氏みたい・・・。(mokiti1976-2010)
(゚∀゚ )朱里の顔に一瞬イラッときたのは内緒だ!(運営の犬)
>>nameneko様 まさかこんなに変態が多いとは思わなかったorz(一郎太)
>>azu様 >>琥珀様 >>kuon様 >>道端の石様 >>たすく様 みんな逝ってしまえorz(一郎太)
みんながお祭り状態になっている。入れ替わっても可愛いな(VVV計画の被験者)
着ているものが取り替えっこしても、可愛いものは可愛い。以上(ぇ(たすく@蒼き新星)
( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°朱里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!! ( ゚∀゚)o彡°朱里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°朱里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!! ( ゚∀゚)o彡°朱里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!(道端の石)
( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!(kuon)
( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°朱里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!! ( ゚∀゚)o彡°朱里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°朱里ン!! ( ゚∀゚)o彡°へぅっ!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°朱里ン!! (琥珀)
 ゚ω゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!(´・ω・)o彡°雛里ン!!  ゚ω゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!(´・ω・)o彡°雛里ン!! ゚ω゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!(´・ω・)o彡°雛里ン!! (azu)
>>AC711様 ご来場感謝です。俺も幼女と一緒に寝たい………orz(一郎太)
>>guesto様 ………まさか(一郎太)
>>ywxhffrom341様 そのお言葉はAC711様へw(一郎太)
>>summon様 原作でも朱里ちゃんはこのくらいはっちゃけてもいいと思うw(一郎太)
>>Joker様 "Myte Meder" こうですかわかりません!(一郎太)
>>TAPEt様 大変申し訳ないorz(一郎太)
>>yosi様 >>黒山羊様 >>通り(ryの名無し様 >>akieco様 >>大ちゃん様 >>ブンロクZX様 >>ryou様 >>骸骨様 >>シグシグ様 >>joker様 >>氷屋様 >>アンタレス様 まとめて逝ってしまえwww(一郎太)
ホイホイ来ちまったのは認める。だが私はハロウィンを愛でに来たのであって断じて以下略(アンタレス)
朝起きて、気づいたら幼女が自分の布団に潜り込んでいるとか、もうね…。羨ままままー!!(´∩ω∩`)(AC711)
( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!(氷屋)
すごい状況になってますね。(山県阿波守景勝)
ここにまた一人の紳士が爆誕してしまったようだな・・・(gesuto)
俺ものるぜ!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!(幼き天使の親衛隊joker)
あわわはわわ軍師二人がそろうと…最高だね!!!(summon)
紳士語録の中には「ミテ・メデール」という言葉が…。つまり「愛でることは触れることにあらず」という……いや、即席の造語ですが。(孔明)
可愛いよ!!( ゚Д゚)o彡°雛里ン!!( ゚Д゚)o彡°雛里ン!!( ゚Д゚)o彡°雛里ン!!(シグシグ)
・・・先を越されたOTL(TAPEt)
紳士がたくさんいるな!!( ゚∀゚)o彡゜雛里ン!!( ゚∀゚)o彡゜雛里ン!!( ゚∀゚)o彡゜雛里ン!!(量産型第一次強化式骸骨)
これは・・ヤベェ目覚めたww(ryou)
( ゚Д゚)o彡°雛里ン!!( ゚Д゚)o彡°雛里ン!!( ゚Д゚)o彡°雛里ン!!(大ちゃん)
( ゚ω゚)o彡°雛里ン!!( ゚∀゚)o彡°雛里ン!!(´・ω・)o彡°雛里ン!!(akieco)
変態と言う名の紳士には何も問題なかったぜ!・・・ふぅ(賢者タイム終了(通り(ry の七篠権兵衛)
Sieg Heil HINARIN!( ゚∀゚)o彡°Sieg Heil HINARIN!( ゚∀゚)o彡°Sieg Heil HINARIN!( ゚∀゚)o彡°Sieg Heil HINARIN!( ゚∀゚)o彡°Sieg Heil HINARIN!( ゚∀゚)o彡°Sieg Heil HINARIN!( ゚∀゚)o彡°Sieg Heil HINARIN!( ゚∀゚)o彡°Sieg Heil HINARIN!( ゚∀゚)o彡°Sieg Heil HINARIN!( ゚∀゚)o彡°雛里ン、最高ぉぉぉぉぉぉ!!!!(聖槍雛里騎士団黒円卓・黒山羊)
ロリコンじゃない、紳士だ(^ω^)(yosi)
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