仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双  ハロウィン特別編
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とある外史のある日のこと。

月の写真館にある台所で月が何かを作っていた。

 

「なにしとるん?」

 

月の後ろにソウリンが顔を出す。

 

「ソウリンさん、これはハロウィンのためのお菓子作りなんですよ」

「ハロウィン?」

「最近街で飾りつけとかしてるわよね?」

 

そこに詠がやって来る。

 

「飾りつけ? そう言えばしとったな…」

「あれはハロウィンのためのものよ」

「ふぅ〜ん、で、そのハロウィンって何と?」

「簡単に言えばお祭りよ。妖怪払いの…」

「妖怪払いをお祭りにしとると?」

「まあそう言うことね。ヨーロッパ……あんた達の時代で言う南蛮の風習をお祭りにしたものよ」

「へぇ〜、南蛮にこんなんがあるとね…」

「まあまだ南蛮の方でもまだ広まってないかもね」

「それでその菓子は何に使うと?」

「昔は妖怪払いの風習だけど、今じゃ子供のための行事ね」

「子供の?」

「はい、昔から妖怪などに変装して妖怪達から街を守るものが、今では子供達がその妖怪に変装して色んな家にいる大人にお菓子をねだるんです。

『お菓子をくれないと悪さしゃうぞ〜』って……」

「月はそのためのお菓子作りをしているのよ」

「ここにも来ると?」

「そうよ、そもそもハロウィンを言いだしのはあいつなんだし…」

「一刀か」

 

ソウリンはすぐに北郷一刀だと気付いた。

北郷一刀、この外史を自分のいた正史と隣り合わせの世界にした男にして、管理者から仮面ライダーディケイドの力をもらい、様々な外史を旅している男。

ここ最近の一刀は旅をせず、この外史や自分のいた正史に留まっている。

この大友ソウリンは元々はこの外史の人間ではなく、別の外史(日本の戦国時代)の人間であり、仲間である毛利モトナリ、長曽我部モトチカと共に一刀がこの外史に帰って来るのについてきたのである。

 

「そう言えば一刀はどこと?」

「今日は朝から見てませんね」

「まあどこかの外史に旅に出るんだったら私達に声かけてるはずだから、適当にその辺を散歩してるんじゃないの?」

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変わって一刀が元居た現代正史。

とある図書館で稟が本を読んでいると……。

 

「稟やないの〜」

「!」

 

稟は声をかけられてその声をかけてきた人を見る。

 

「モトチカじゃないの。どうしてここに?」

「後世のための知識作りのためや。稟は何読んでんの?」

 

モトチカが稟の読んでる本を覗きこむ。

稟が読んでいた本は妖怪やお化けなどの怪奇の存在のものが載っている本であった。

 

「なんでそんなの読んどるん?」

「3日後がハロウィンの日だから、そのための知識作りよ」

「ハロウィン?」

「この本を読んでれば分かるわ」

 

稟がモトチカにハロウィンのことが書かれている本を手渡す。

モトチカは稟と向かい合わせの椅子に座り、手渡された本を読む。

 

「なるほどな〜。せやったらうちも何か出した方がええかな?」

「お菓子なら月や詠が作ってるわ」

「子供達やのうて、一刀にや」

「一刀さんに?」

「せや、日頃の礼でもしようかと…」

「別に構わないけど、あの人は何を出されても対して反応は変わらないと思うわ」

「それでもや」

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再び場所は変わって外史にある山の温泉。

そこに長曽我部モトチカが入っており、温泉から出てきていた。

 

「はあ〜、さっぱりしたと〜」

 

モトチカが温泉から出てくるとどこからか声が聞こえてくる。

 

「ねえねえ、琉流はお兄ちゃんのところに行くの?」

「え?」

「ボクはお兄ちゃんのところに行くつもりだよ、お菓子欲しいから」

「何の話や?」

 

温泉に入ろうとしていた季衣と琉流の話を聞いてモトチカが二人に尋ねる。

 

「あ、モトチカさん」

「そろそろね、ハロウィンの日なんだ」

「ハロウィン?」

「私も季衣も詳しいことは知らないんですけど、兄様が言うには子供が妖に化けたりして大人にお菓子をせがむみたいです」

「ふぅ〜ん。けどなんでお化けとかに化けるんや?」

「さあ、そこまでは……」

「せやけど、教えてくれてありがとな」

 

モトチカはその場を去っていった。

 

「お化けに化けるか……。何かに化けてみるってのも悪くなかとね」

 

何やら笑みを浮かべるモトチカ。

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ソウリン、モトナリ、モトチカがハロウィンのことを聞いたころ……。

 

「♪〜♪〜〜」

 

一刀は現代正史の街をぶらついていた。

 

「?」

 

そんな時スーパーの方でハロウィンセールをしているのを目撃する。

 

「ハロウィン……そう言えば明々後日だったな」

 

一刀は頭をかく。

 

「月のことだからお菓子作ってるんだろうな……。

俺もおこぼれが欲しいところだけど、今はいい大人なんだよな…。

初めて外史に来た時とか別の外史とかにいる俺ならともかく……」

 

一刀はどうやってお菓子をもらおうかと考える。

一刀は思わずライダーカードを取りだして、カードを見るも正直な話、どうしようもない。

 

「若返るなんてライダーじゃなくて怪人の技だからな。カイジンライドなんてディエンドの方だし……………」

 

一刀は自分が口にした言葉であることを思いつく。

 

「そうか、その手があったか!

うまくいくかは運試しってところになっちまうが、賭けてみるとするか!」

 

一刀はすぐに近くの建物の扉を開けて外史へと戻ったが、月の写真館には戻らなかった。

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そしてハロウィンの日を迎え、月の写真館のある街はハロウィン一色となっていた。

 

『お菓子くれないと、悪戯しちゃうぞ〜』

「は〜い」

 

子供達が月の写真館にやって来て、月からお菓子をもらう。

 

『うわ〜い、ありがとうお姉ちゃん』

 

子供達は喜んで別の家へと向かっていった。

 

「ここは随分の人気ね」

「それもそうだろう。ここが一番お菓子をくれるのだからな」

 

星が笑いながら答える。

 

「でも一刀さんどうしたんだろう?」

「あいつ、3日前から帰ってないよな?」

 

蒲公英と翠が一刀を心配する。

二人だけではない。月の写真館にいる元破の将や一刀と共にやって来たモトナリ、モトチカ、ソウリンも同じであった。

 

「せっかく一刀さんを驚かせよう……」

「用意したとに」

「つまらんと」

 

三人は一刀のお礼をと思い、変装していた。

モトナリはいつもの格好に包帯を体中に巻いた程度、モトチカは鬼面に合うような鎧を着るもその鎧は所々破損していて落ち武者のような姿、ソウリンは自分のシスター服を改造したのか、色は赤色でお腹や胸元を開けている程度だった。

 

「それ、なんのつもりなの?」

 

三人の格好に詠が尋ねてみた。

 

「稟が読んどった本に書いてた、『マミー』って奴のつもりや」

「うちは見ての通り落ち武者や」

「二人は分かる。…で、あんたは?」

「うちは前にテレビってので見た魔法少女のつもりと〜」

「魔法少女……」

「ねえ〜」

 

とてもそうとは思えない格好だと思う一同。

 

「それに魔法少女って魔女の前の姿って言うてたから、間違ってなかとね」

「一体どういうテレビ見たの?」

 

皆がそんなことを口にすると……。

 

「お菓子くれないといたずらするぞ〜」

 

月の写真館の玄関に一人の男の子がやって来た。

 

「はぁ〜い」

 

月達はお菓子を持って玄関に向かう。

男の子の格好はこれと言って変装はしていなかった。

月達はその男の子を見るとその男の子は既に何件か家を回ったようで手には何個かのお菓子があった。

 

「君、一体何件家を回ったのかな?」

「7件」

「もうそんなに……」

「でもせっかく来てれたんだからお菓子あげないと……」

 

月が男の子にお菓子をあげる。

 

「ありがとう」

 

男の子はお菓子をもらうがすぐに帰ろうとしなかった。

 

「どうしたの?」

「お菓子をもらったけど、いたずらしちゃおうかな〜って…」

『ええ!?』

 

とんでもないことを言い出す子供だと思った全員。

 

「何しちゃおうかな〜」

 

男の子は色々見渡して、視線がモトナリ達の方を向く。

 

「うん?」

「なんや?」

「お姉さんたちにしようかな〜」

「へ?」

「ぐふふふ」

 

男の子はモトナリ達に近づく。

 

「お姉さんたち」

「な、なんや……」

「これあげる」

 

男の子は一つの箱を三人に手渡した。

 

「開けていいよ」

「ほんなら……」

 

三人が箱を開けるとそれはビックリ箱であった。

そのビックリ箱には「ひっかかった〜」と書かれた紙が貼られていた。

 

「な……」

「なんやこれ」

「言葉の通りだよ、モトナリ、モトチカ、ソウリン」

 

男の子の雰囲気は変わった。

否、正確には最初っからどことなくある青年と同じだったのに気付かなかっただけであった。

 

「そろそろ戻るか? 一刀」

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月の写真館に東王父がやって来る。

この東王父は外史の管理者の一人で一刀の味方、そして仮面ライダーディエンドの力を持っていた。

 

「一刀?」

「そう言うことだ。戻してくれ」

「簡単に言っても簡単じゃないんだよな」

 

東王父は外に向けてディエンドライバーを撃つ。

すると東王父の前にはいつの間にか怪人が居り、その怪人は撃たれて爆発した。

怪人が消えると一刀もその小さな男の子から皆がよく知っている年齢に戻った。

 

「よ」

 

一刀は何事もなかったかのようにあいさつする。

 

「一刀さん…」

「これどういうことなの?」

「いや、俺が単にお菓子が欲しいな〜って思ってたらな……」

 

一刀は皆に経緯を説明した。

一刀は3日前、偶然スーパーのハロウィンセールを見て自分も子供達のようにお菓子が欲しいと考えたが、仮面ライダーの力ではまず無理と判断。

そこで怪人の力で一時的に若返らないかと考え、東王父や管輅に相談。

二人は老いらせる怪人はいても若返らせる怪人はいないとして最初は拒否。

しかし一刀が何とかお願いした結果、若返らせる怪人を1体作り出すことにし、ディエンドライバーのカイジンライドカードとして作成。

そしてディエンドライバーの力でその怪人を召喚し、若返りの力で一刀を子供にしたのだ。

 

「と言うわけだ」

「そうだんですか」

「どおりで見覚えがあるようなないようなと思いました」

「せやけど一刀さん、これはどういうつもりや?」

 

モトナリ達がビックリ箱を指しながら、一刀に尋ねた。

 

「ハロウィンのいたずらのつもりさ。後は……いつまでこの世界にいるかは知らないけど、これからもよろしくねと言う意味だ。

その紙の裏を見てみろ」

 

三人は言われてビックリ箱にある紙の裏を見てみる。

 

『これからもよろしくな』

 

三人は感動した。

 

「「「一刀(さん)」」」

「言っておくけど、お前達もだぞ」

 

一刀が月達にも向けて言った。

 

『はい!』

 

皆が笑顔で答えた。

 

「よっしゃ! それじゃあパーティーだ! 月、お袋さん準備は?」

「大丈夫よ、一刀さんがそう来ると思って準備してあるわ」

「それじゃあ今日は無礼講だ! 皆ついて来い!」

 

一刀に釣られるように皆が写真館の大広間に行き、ハロウィンパーティーを楽しむのであった。

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おまけ

 

 

作者「ディケイド編のハロウィンだ」

一刀「残りはそらおと編だな」

作者「まあこれまでは恋姫系だったけど、次回の最後は一気に作品も変わるから視聴層も変わるだろう。

けど俺はそれでも投稿する!

10月31日に!」

一刀「頑張れよ〜」

作者「それでは!」

説明
10月31日にあるハロウィンを元に作者が過去に書いてきたシリーズ作品でハロウィンネタをやろうというものです。
『仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双』シリーズの後日談です。


『仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双』シリーズ

http://www.tinami.com/search/list?keyword=%E4%BB%AE%E9%9D%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B1%E3%82%A4%E3%83%89%C3%97%E6%96%B0%E3%83%BB%E6%81%8B%E5%A7%AB%E2%80%A0%E7%84%A1%E5%8F%8C&genrekey=1


BLACKが書いたハロウィンネタ

『仮面ライダー×真・恋姫†無双 呉編  ハロウィン特別編』

http://www.tinami.com/view/315840

『仮面ライダー×真・恋姫†無双 蜀編  ハロウィン特別編』

http://www.tinami.com/view/320395

『仮面ライダー×真・恋姫†無双 魏編  ハロウィン特別編』

http://www.tinami.com/view/323315

『そらのおとしもの  ハロウィン特別編  『克服せよ! その体験(きょうふ)!!』』

http://www.tinami.com/view/327203

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真・恋姫†無双 仮面ライダーディケイド×新・恋姫†無双 北郷一刀 仮面ライダー 真・恋姫無双 仮面ライダーディケイド 戦国乙女 ハロウィン 恋姫 

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